診療科のご案内

後期専門研修を希望される方へ

自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科専門研修プログラム(基幹) について

プログラム統括責任者 桑田 知之

初期研修終了後、産婦人科専門医を取得するためにはいずれかの専門研修プログラムに登録し、研修を受ける必要があります。当センターのプログラムについて、ご紹介します。

私たちの専門研修プログラムは、決して大きな病院群を組織するものではありません。埼玉県南部を対象として、大学病院、市中病院、地域医療病院、そして、クリニックを含んだ小さな「地味な」病院群だと思います。しかし、経験できる症例数は非常に多く、診療の内容は高度、かつ、広範です。産婦人科医としてのスタートにふさわしく、さまざまな診療を経験豊富な指導医や上級医のもとで研修できます。大きな病院群で、埋もれてしまうようなプログラムではなく、顔の見えるコミュニケーションを常に行っている病院群のネットワークです。プログラム実行にあたってもきめ細やかな対応が迅速にできるのが強みです。
産婦人科の中でも、若い医師たちの習得意欲の高い、内視鏡手術(ロボット手術も準備中)、超音波診断、生殖医療技術、などの高度医療を実践しています。また、埼玉県は人口が多い割には、医療機関が少ないため、東京都内などに比べて症例数が非常に多いのが特徴です。「見るだけ」ではない、「技術を身に着ける」ことが可能な豊富症例数を対象とした実践的なトレーニング、および、大学病院を核とした学問的かつ先進的な医学・医療を学ぶレベルが維持されています。
また、私たちの講座では、個々の医師の働き方に合わせて、フレキシブルに勤務を調整することが可能です。特に女性医師支援策は、自分の生活を『医局に』合わせるのではなく、個々の家庭事情などを考慮した勤務を『医局が』合わせる、といったシステムを理想とし、育児中の医師も臨床、研究に可能な限り従事できるように配慮しています。後期研修終了後も仕事を続けていくことに支障がないよう、応援します。
新専門医制度に完全に対応し、高度な先進医療から地域医療、あらゆる分野での多角的な研修を積むことができるプログラムと自負しています。将来の更なる専門分野(サブスペシャリティ)や学位取得も視野に入れています。ご覧いただき興味のある方は、就職希望、見学希望、質問等を、ぜひ、お寄せください。

研修プログラム 研修プログラム(PDFファイル・約1.2MB)
pdfファイルのアイコンをクリックすると、研修プログラムをダウンロードすることができます。
研修コース 研修コース(PDFファイル・約620KB)
pdfファイルのアイコンをクリックすると、研修コースをダウンロードすることができます。
管理委員会 管理委員会(PDFファイル・約70KB)
pdfファイルのアイコンをクリックすると、管理委員会をダウンロードすることができます。
研修施設群 研修施設群(PDFファイル・約360KB)
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専攻医研修マニュアル(PDFファイル・約210KB)
pdfファイルのアイコンをクリックすると、専攻医研修マニュアルをダウンロードすることができます。
修了要件(PDFファイル・約190KB)
pdfファイルのアイコンをクリックすると、修了要件をダウンロードすることができます。
研修カリキュラム(PDFファイル・約410KB)
pdfファイルのアイコンをクリックすると、研修カリキュラムをダウンロードすることができます。

下記のような学会の研修認定施設あるいは、指導医資格を有しており、また産科に関しても十分に研修ができる体制を整えますので、シニアレジデントには充実した研修環境を与えることができると自負しています。

日本産科婦人科学会専門医制度卒後認定施設
日本周産期新生児医学会、母体胎児専門医研修施設
日本婦人科腫瘍学会専門医認定研修施設
日本産婦人科内視鏡学会技術認定研修施設
日本臨床腫瘍学会専門医制度研修認定施設
日本臨床細胞学会研修認定施設
NPO婦人科悪性腫瘍化学療法共同研究機構認定施設
日本がん治療認定医機構認定研修施設
日本超音波医学会超音波専門医研修施設

日本産科婦人科学会専門医
日本婦人科腫瘍学会専門医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本臨床細胞学会細胞診専門医
日本がん治療認定医機構認定医
日本生殖医学会生殖医療専門医
日本周産期新生児学会周産期専門医(母体胎児専門医)・指導医
日本超音波学会専門医・指導医

大宮(さいたま市)は交通の要所でどこへ行くにも非常に便利です。電車で東京、新宿から30分、上野から25分ですが、物価は東京より安く暮らしやすいところです。また、職員には一般の賃貸アパート・マンションよりはるかに安い費用で職員住宅が貸与されます。センターの周囲には、公園等も多く住環境は良好です。

カンファレンス・連絡会

教授回診 月曜日 8:00~
病理カンファレンス 火曜日 8:00~
症例検討会 月曜日 17:00頃~
産科症例提示 重症症例提示 画像症例検討会 木曜日 7:50~

※回診では受け持ち医として症例を提示し、問題点とその解決策を示す。

Q&A

産婦人科研修には選択出来る研修コースがありますか?

当科では婦人科産科全般を修練できますが、広い産婦人科医療内容に対してある特定の分野を重点的に研修することができます。
具体的には以下の研修コースがあります。

  1. 産婦人科一般コース
  2. 産婦人科内視鏡重点コース
  3. 産婦人科周産期医療重点選択コース
  4. 産婦人科外科重点コース
  5. 産婦人科総合救急重点コース
  6. 産婦人科フレキシブルコース

上記コースは研修開始後に変更することもできます。具体的内容に関して説明ご希望の方は後述の当科研修担当係までご連絡ください。

患者さんの担当はどのような形態ですか。

病棟においては医師数名でチームを作り患者さんを担当します。研修医の医師の外来はある程度病棟での診療が習熟してきた時点で担当が始まります。外来はある程度継続して患者さんを担当してゆく場合が多いですが、これも絶対的ではありません。また、重要な診療のポイントはカンファレンスにおいて症例呈示し、全員で決定してゆきます。

当直医の勤務形態はどうなりますか?

大学の当直が週に1、2回割り当てられます。原則的には当直の当たっていない日は休日も含めて拘束はありません。大学の当直は1名での当直ですが、バックにオンコールの医師がいます。研修医が当直の場合には講師以上の医師が原則的にバックアップします。希望があれば教育的環境を検討したうえで他病院の当直も可能です。また日勤帯に週1回程度、他病院に勤務していただくことにより大学以外からの収入があります。

研究実績

当科での研究は、昨年に引き続き、婦人科悪性腫瘍、子宮内膜症、内視鏡下手術など婦人科分野について行っていますが、その一部をご紹介します。

A.子宮頸癌の有効な検診方法や新しいアプローチの研究

本テーマは今野のライフワークの一つであり、日本産科婦人科学会がん対策委員会のメンバーとして、年々全国での講演、発表の回数が増えています。
子宮頸癌発病には高危険型のヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染が引き金と認識されて以来、HPV感染有無の検査で検診効率が上昇すると考えられています。子宮頸癌検診で従来行われている子宮頸部の擦過細胞診に加え、当科では、HPV検査(ハイブリットキャプチャー法)を合わせて施行し、有効な検診方法の研究を昨年より継続中です。
また、2005年より開始したHPV検診の有用性を検討する多施設共同研究も症例の集積が進み、解析の段階に入っています。(参加施設:独立医療法人霞ヶ浦医療センター産婦人科、慶應義塾大産婦人科、自治医科大学産婦人科、島根県立中央病院産婦人科、塚原産婦人科医院、新潟県がんセンター病院婦人科、東京都予防医学協会、東北大学病理部、東北大学公共政策大学院)

B.婦人科癌化学療法についての研究

子宮頸癌や卵巣癌の化学療法として有効とされるシスプラチン+イリノテカン療法は、嘔気、腎毒性などの副作用が強いため、当科ではシスプラチンの代わりにネダプラチンを使用しています。有効性、副作用の面からも良好な感触を得ています。現在、TJ療法の無効な卵巣癌患者へのsecond line化学療法として、多施設共同研究を行っています。(参加施設:防衛医大産婦人科、埼玉医大産婦人科、独立医療法人埼玉病院産婦人科など)
また、子宮体癌に対するTJ療法はCAP療法にとって変わりつつありますが、日本でのまとまったデータがないため、有効性を検討すべく、多施設共同研究に参加しました。(参加施設:自治医科大学産婦人科、慈恵会医科大学産婦人科、など)
その他、NPO婦人科悪性腫瘍化学療法研究機構の各種臨床試験に積極的な参加と情報収集を行っています。

C.遺伝子発現プロファイルからみた婦人科悪性腫瘍、良性腫瘍(子宮筋腫、子宮内膜症など)の研究

以前施行した悪性腫瘍、良性腫瘍の遺伝子プロファイルから、発生・進展機序の解明や治療法の開発に応用できる可能性のある遺伝子につき研究を進めています。

D.子宮内膜症におけるロイコトリエンの関与と新しい治療法の開発についての研究

子宮内膜症の月経痛にロイコトリエン代謝系が影響することが、従来の研究で明らかになりましたが、ロイコトリエン受容体拮抗剤投与が月経痛の改善に有効か調べる目的で、二重盲検法により有効性の解析を行っています。
また、当科ではマウスの子宮内膜症モデルの研究から、脂質代謝が月経痛に関連する可能性が推測されました。ヒトでの成人女性の食生活と子宮内膜症の関連を調べるため、食事内容調査など疫学的な研究を行っています。

また特筆すべき業績を以下にお示しします。
藤原 寛之:第25回(2004年)日本エンドメトリオーシス研究会学会賞
根津 幸穂:第28回(2007年)日本エンドメトリオーシス研究会学会賞
根津 幸穂:7th Congress of the ISSFAL (International Society for the Study of Fatty Acids & Lipids) Young investigator award & best oral presentation
今野 良:第59回(2007年)日本産科婦人科学会学術講演会高得点演題およびグッドプレゼンター
今野 良:第60回(2008年)日本産科婦人科学会学術講演会高得点演題およびグッドプレゼンター
山川 洋光:第60回(2008年)日本産科婦人科学会学術講演会高得点演題

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