自治外科へようこそ

山口 博紀

消化器一般移植外科学部門 主任教授
東京大学 1993年卒業

自治医科大学外科学講座消化器一般移植外科学部門は、2018年に外科学講座の改組に伴い、消化器外科学部門、一般外科学部門、移植外科学部門が合同して発足しました。自治医科大学は開設のときから、当時一般的であった第一外科、第二外科といった講座制はとらず、新時代の外科に対応するために外科の中で高度に専門分化した分野をそれぞれひとつの教室として独立させてきた歴史があります。臨床グループとしては、上部消化管グループ、下部消化管グループ、肝胆膵グループ、乳腺グループ、移植グループ、臨床腫瘍部(化学療法)の6グループ体制で構成されており、各グループがいわゆるファミリーのようなシームレスな関わりを持ちながら互いに協力しあい、柔軟に連携していることが本教室の最大の特長です。
自治医科大学附属病院はいわゆる「最後の砦」として高度医療・救急医療を担う役目を果たしており、栃木県のみならず、近隣の県からも多数の患者を受け入れています。都区内の病院では悪性腫瘍の手術症例を集めるのに苦労しているところもあると聞いていますが、当院では全く減ることがなく、予定手術症例、緊急手術症例ともにたいへん豊富です。消化器癌に対する手術はこれまで腹腔鏡下手術が中心でしたが、近年は胃癌、結腸癌、直腸癌に対するロボット支援下手術の割合が増加しており、食道癌、肝臓癌、膵癌については2024年度中のロボット支援下手術の導入を予定しています。また、大学病院ならではの臨床研究を臨床研究センターの支援を得ながら精力的にすすめ、また大学院では基礎研究にも力を入れています。
自治医大は卒業生が各出身都道府県に戻ることを基本としているため、当教室も特にどこの大学出身者が多いということはありません。全国各地から当教室に集い、1-2年のスパンで大学病院と連携病院をローテートし、連携病院では幅広い外科経験を積むことによりGeneralistとして成長し、大学病院ではより高度で専門的な経験を積むことによりSpecialistとして成長していきます。大学病院においては、希望する各グループでの修錬を行いながら、消化器(上部・下部・肝胆膵)外科、乳腺外科、移植外科、臨床腫瘍科のどの分野を将来専門とするかを決めていくことになります。このように幅広い選択肢を有するのも、ファミリーのような横のつながりを持つ自治医大外科ならではの特色です。
将来外科医を志す皆様のご来局を心よりお待ちしております。自治外科ファミリーの一員として、これからの外科学をともに発展させていきましょう。