松本 志郎
消化器一般外科 医局長
自治医科大学 2002年卒業

・消化器一般移植外科の特徴

医局員の出身大学が多彩であり、学閥のないところが当医局の特徴です。自治医科大学の卒業生は卒業後、出身地で一定期間、地域医療に従事するため直ちに医局へ入局することはありません。そのため初期臨床研修修了後に入局する医師は当院で研修した先生や、他施設で初期臨床研修を終えた先生で、いずれも他大学出身の先生達です。様々な大学出身の先生方で構成されている医局であり、学閥は存在しません。 自治医大卒業生においては義務年限を終えて入局される先生もおられます。

・診療体制

上部消化管グループ、大腸グループ、肝胆膵グループおよび乳腺科の各グループに分かれ、日常診療では臨床腫瘍科や移植外科とも連携を取りながら診療にあたっています。毎年1000件以上の手術を施行しており、胃癌、大腸癌などの悪性疾患の他、急性腹症や外傷などの緊急手術も多数あります。外傷においては救急科とも協力して対応しています。大学病院の特性上、複雑な合併症を有する症例の診療を経験することも多くあります。また、高度肥満症手術やロボット手術、排便機能手術などの新規技術も導入し積極的に行っております。虫垂炎や胆石症、ヘルニアなどの良性疾患は近隣の関連施設と連携し当院からの派遣医局員が中心となって診療しています。現在、栃木県を中心に16か所の病院に医局員を派遣させていただいております。大学病院と関連病院を1~3年単位でローテーションすることで外科手術手技はもちろん、内視鏡や超音波検査なども経験しバランスの取れた外科医への成長を目指します。

・外科研修体制

初期臨床研修医は現在1か月単位で消化器一般外科研修を行っています。この間、結紮縫合や内視鏡手技などのセミナー・トレーニングを定期的に開催しています。2年目の研修中には希望者には関連病院での研修も可能にしており、大学で経験することの少ないヘルニアや胆石症なども経験できる体制を整えています。初期研修終了後は外科専門医取得を目指した専門研修プログラムをもとに教育指導を行っています。その後は消化器外科専門医・乳腺専門医や内視鏡外科技術認定医、肝胆膵高度技能医、ロボット手術プロクターなど各専門領域の認定医の取得を支援します。

 大学には大型実験動物を用いた先進医療技術の開発施設が併設されており、若手医師を対象に開腹・鏡視下手術トレーニングを定期的に行っています。また、ロボット手術に関してもDa Vinci Xiの実機を用いたトレーニングが可能です。

 日常の臨床経験のみではなく、学会発表や研究活動も支援します。大学院進学も推奨しており、当教室の研究室でのリサーチの他、基礎系の教室での研究も可能な限り支援しております。学位取得後や専門医取得後には海外・国内留学など希望に沿えるよう調整します。

・休暇やライフイベントに合わせた支援

 日々の臨床業務や研究活動に取り組む一方で、外科医のQOL改善にも積極的に取り組んでいます。良質な医療には適切な休暇が必要であると考え、勤務時間を是正化するとともに、年次休暇の取得を推進しています。現在、消化器一般移植外科には女性外科医が乳腺科7名、消化器外科14名在籍しています。ライフイベントにも合わせて産休・育休の取得、時短勤務など女性外科医が働きやすい環境づくりにも取り組んでいます。男性医師においても育児休暇や時短勤務など柔軟に対応しています。

 

消化器一般移植外科に興味がありましたら一度、当教室に見学にいらしていただき、我々の雰囲気を感じとっていただければと思います。医局員一同お待ちしております。