当科はあらゆる消化器疾患の外科治療に対応するため上部消化管、下部消化管、肝胆膵グループの3領域の専門医がスタッフとして診療に当たっております。また領域ごとに日本内視鏡外科学会技術認定医を配し、すべての鏡視下手術に万全の体制で臨んでおります。
各種消化器疾患に対して、消化器センター内科部門と協力し診療に当たっています。特に悪性疾患は治療方針の決定のため、臨床腫瘍科、放射線科とも連携し症例検討(キャンサーボードなど)を通じて集学的治療を行っています。積極的な治療、切除を目指すと同時に、周術期の管理には万全を期し、安全な医療を心掛けています。近年消化器癌の手術を受ける患者さんの高齢化が著しく、鏡視下手術をはじめとする低侵襲手術も積極的に取り入れています。また救命救急センターと共同して外傷も含めた緊急手術にも対応しております。
大学病院である特性上高度な技術を要する手術が中心で、密接な病々連携、病診連携のもとに年間1,000余の手術(2017年)を実施しています。一方胆石、ヘルニアなどの良性疾患は症例に応じて速やかな治療が受けられるよう近隣の基幹病院へ紹介しております。
当院はシミュレーションセンターが充実しているほか、実験医学センターには医療ロボット(ダ・ヴィンチ)も導入されております。定期的に外科手術手技トレーニングも開催し、若い医師のための教育・研究にも取り組んでいます。

消化器センター外科部門 診療科長 細谷 好則

 

対象疾患

食道癌、胃癌、結腸・直腸癌、肝癌、膵臓癌、胆道癌などの消化器悪性疾患、胆石症、慢性膵炎、胃食道静脈瘤、脾臓・門脈疾患などの消化器良性疾患、各種のヘルニアをはじめとする腹膜・腹壁の疾患、副腎・後腹膜腫瘍などの後腹膜腔疾患です。詳細は各グループサイトをご覧ください。

 

得意分野

上部消化管:鏡視下手術(腹腔鏡下胃全摘術、幽門側胃切除)、アカラシアや胃食道逆流症に対する鏡視下手術、内視鏡・腹腔鏡合同胃切除術、食道癌の集学的治療

下部消化管:早期大腸癌の内視鏡治療、腹腔鏡下大腸切除術、直腸癌に対する肛門括約筋温存手術、進行癌に対する集学的治療

肝臓・胆道・膵:血管合併切除再建(肝動脈、門脈、肝静脈、下大静脈など)を伴う肝、胆道、膵切除。腹腔鏡下肝切除術(部分切除、亜区域切除、区域切除)、腹腔鏡下膵体尾部・脾摘術(脾温存)。膵中央切除などの機能温存手術。

鏡視下手術:胆石、ヘルニア、副腎などの低侵襲手術

 

先進医療・特殊医療(当院で取り組んでいる新しい治療方法など)

  • 胃癌・膵癌腹膜播種症例に対する腹腔内化学療法
  • ロボット支援鏡視下胃切除手術
  • 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術(肥満手術のサイトをご覧ください)
  • 低肺機能症例に対する縦隔鏡下食道切除術
  • 逆流防止機能を目的とした観音開き法を用いた噴門再建
  • 腹腔鏡下直腸脱・後方固定術
  • クローン病による腸管狭窄に対するKono-S吻合
  • 直腸膣瘻に対するMartius Flap法
  • 排便機能温存を目的とした直腸癌に対する経肛門的結腸間膜全切除
  • 肝静脈再建を伴う生体肝移植ドナー手術
  • 低体重児に対する亜区域ドナー肝切除手術
  • 十二指腸胆管温存膵頭切除術
  • 膵区域切除術(膵臓・膵:IPMNなどに対する系統的膵縮小手術)
  • 経十二指腸的、十二指腸外アプローチによる乳頭部切除