診療科のご案内

後期専門研修を希望される方へ

目標

  • 内科学の幅広い医学知識と技能を修得し、深い人間性に基づいた優れた臨床能力を発揮できる医師となる。
  • 専門とする循環器病学の知識・技能を修得し、内科専門医・循環器専門医の資格を取得する。

後期研修プログラム例

卒後3年目のシニアレジデントは、3年間の研修プログラムを通して内科専門医の受験資格を取得し、循環器内科の専門的技能を学んでいただきます。

循環器専門研修は日本循環器学会の専門医取得のためのカリキュラムに準じます。専門研修は、循環器病棟・CCUなどで、受け持ち医あるいは主治医となって、症例を経験し、病態・治療について理解します。またカリキュラムに従って心臓カテーテル検査室、生理機能検査室、核医学検査室などを回り、検査手技と検査結果の解釈について学びます。

希望する後期研修医には、研修プログラム中に循環器領域の研究テーマを与え、第一著者として英語論文を執筆していただきます。実際、当科で研修した医師のほぼ全員が英語論文を第一著者として発表しています。(研究実績

後期研修プログラム例

※研修スケジュール例(研修スケジュール、ローテートの詳細等は各年度の研修医師数や関連施設の受け入れ状況等で変化することがあります)

3年間のプログラム修了後はそれぞれの希望に応じて、大学や関連施設での勤務はもちろんのこと、(国内、海外)留学や大学院等、各医師の希望に応じたキャリア形成を支援します。

循環器内科シニアレジデント 経験者の声

後期研修体験記
循環器内科
徳永 友貴(宮崎大学 2018年卒)
徳永 友貴
 私は自治医科大学附属さいたま医療センター(以下、当院)での初期研修終了後に当院循環器内科に入局し2020年4月から2022年3月にかけて、3年間後期研修を行いました。
当院を後期研修先として選んだ理由として①後期研修のうちに経験することができる症例数が多いこと、②臨床研究を含め学術活動に対しても後期研修の中で取り組むことができ、丁寧にご指導いただけること、③医局の雰囲気の3点が挙げられます。これらに対して触れながら、当院での研修の概略をお伝えさせていただこうと思います。
 時系列に沿ってお話させていただくと、後期研修1年目(医師3年目)は関連施設の市中病院で1年間研修を行いました。こちらでは循環器内科一般に関して満遍なく経験し、心不全や急性冠症候群、不整脈といった疾患の救急外来での初期対応から入院加療、そして退院後の外来でのフォローとclinical couarseを主治医として学ぶことができました。また施設によりばらつきはあるかと思いますが、冠動脈造影検査(CAG)、右心カテーテル検査、ペースメーカー手術など一般的な検査、治療に関しても自身が術者となり取り組むことができました。初期研修からのギャップは大きかったものの、外来への取り組みや、患者さんに対する全人的なケアに関して後期研修の早い段階から学ぶことができ、実りの大きい時間であったと感じています。
後期研修2.3年目になると大学の循環器内科を中心とした数か月単位のローテーションになります。ちなみに私はこの2年間でCardiac Care Unit(以下、CCU)8か月、アブレーションチーム2か月、デバイスチーム2か月、他院循環器内科研修5か月、地域医療研修2か月、救急科3か月、総合診療内科2か月をローテーションしました。当院循環器内科の特徴として専門分野ごとにCCUチーム、アブレーションチーム、デバイスチーム、心不全チームとチーム分けがなされており、こちらを後期研修医がローテーションしていく形になります。
CCUチームでは循環器内科疾患全般における急性期対応と虚血性心疾患に対するPCI、そしてTAVI、MitraClipといったSHDに対する治療を経験します。当院の特徴ではありますが、後期研修2年目以降は第1術者として経験豊富な指導医の先生方の下PCIを経験させていただきます。症例数に関して前述しましたが2022年の当院のPCI件数は776例でした。その内AMIは272例でこのうちのほとんどを後期研修医、シニアレジデントが指導医の下、第1術者として施術することになります。。重症例も多く経験し、IABP、Impella、PCPSといった補助循環装置の管理や、CCU内の重症患者に対して毎日のカンファレンスで指導医の先生方のフィードバックを受けながら診療に取り組めたことは素晴らしい経験となりました。
アブレーションチームではAF、AFL、VTなどに対するアブレーションを積極的に行っており、こちらに関しても2022年は472例(前年比+130例)と拡充しております。指導医の下、第一術者としてアブレーションに入らせて頂いたり、心内心電図やマッピングに関して直接ご指導いただき大変理解が深まりました。またデバイスチームではペースメーカー、ICD植え込み、電池交換に術者として参加させていただくほか、CRTD植え込みや管理を経験することができます。私はローテーションの都合上回れませんでしたが、心不全チームでは重症心不全の治療や二次性心筋症の診断、そして当院の特徴である肺高血圧の診断、治療に関して経験することができます。
 チームが区切られているものの垣根はなく、分野を跨ぐ症例に関しては各チーム協力して診療にあたります。心筋梗塞でPCI後にVF stormとなってPCPS管理となった患者にアブレーションを施行し、PCPSから離脱させた上でICDを植え込んで自宅退院となった症例なども経験しました。また他科との垣根も低く、特に当院心臓血管外科とは毎週の相談症例のカンファレンスやTAVIチームでディスカッションしながら日々の診療に取り組んでいます。
 後期研修2.3年目のうちにも関連病院の循環器内科を数か月単位でローテーションするタイミングがありますが、大学で培った知識・技能のアウトプットの場として、またCAG一つをとっても各施設間で施行方法は異なりますので、自身の引き出しを増やす場として大変貴重な経験と感じました。単一施設の研修のみでは中々経験しづらい点かと思いますので、こちらに関しても当院後期研修の特徴かと考えております。
ここまで日常診療に関して書かせていただきましたが、当院後期研修のもう一つの特徴として学術活動が盛んなことが挙げられると思います。学会での発表は勿論で新専門医制度でも義務づけられている所ではございますが、当院では希望する後期研修医に対して循環器領域の臨床研究テーマから、第一著者として英語論文を執筆する機会をいただきます。研究や統計など、最初は右も左もわからない状況から始まりますが、研究テーマの設定やデータ収集、統計学的解析、執筆、投稿まで手厚いご指導をいただきながら英語論文作成に取り組める環境は大変貴重でありがたいものと感じています。また日常業務の中当たり前のように研究にも取り組んでいる同期や後輩がいる事、そしてそれを支えてくださる先輩方がいることは刺激になります。
最後に医局の雰囲気ですが、大学で過ごした時間は多忙な日々の中でも人間関係でストレスを感じることはほぼ無く、とても心地良いものでした。雰囲気というと文書で伝わりにくい所ではあるかと思いますが、いつも穏やかに寄り添ってくださった指導医の先生方や、研究・臨床において志の高い先輩・同期・後輩に囲まれて過ごせた3年間は大変充実したもので、循環器内科医としての駆け出しの選択として間違いでなかったと研修修了した今感じています。
 医局の雰囲気含め、よりリアルなお話もできるかと思いますので当院での研修に興味を持っていただけましたら是非1度見学に来ていただけたらと思います。余談ですが大宮という街も都内、郊外へのアクセスもよく、生活面で魅力的な所だと感じており、当院後期研修のアピールポイントに含ませて下さい。
大変長くなってしまいましたが、循環器内科後期研修を志す皆さまの参考になれましたら幸いです。皆様にお会いできることを医局員一同楽しみにしております。

指導医からのコメント

指導医からのコメント







循環器内科 谷口 陽介

 循環器内科の領域はカテーテル検査、冠動脈インターベンション、ECMOの導入管理、下肢動脈インターベンション、不整脈に対するカテーテルアブレーション、経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)、ペースメーカー植え込み術、肺高血圧、経食道超音波検査、心肺機能検査、心臓リハビリテーションなど幅広く、一人前の循環器内科医になるためには多くの臨床経験を積み、たくさんの知識を学ぶ必要があります。
 当科は上述した全ての領域の教育に対応しています。そして複数の指導医のもと、シニアレジデントの先生にたくさんの実践、経験を積んでいただくよう指導体制も整えています。我々スタッフも若い先生達と一緒にチーム全体でレベルアップし続ける、そんなチーム作りを心がけています。


循環器内科後期研修プログラムへの申込

2024年度の募集を終了いたしました。

問い合わせ

循環器内科シニアレジデントとのプログラムに関する資料をご希望の方は以下にご連絡ください。メールで資料のPDFを送付させていただきます。
循環器内科シニアレジデントとして研修を希望される方、プログラムの詳細を知りたい方、当院の見学希望の方はお気軽にお問い合わせください。

循環器内科:坂倉 建一 ksakakura@jichi.ac.jp、陣内 博行 hiroyuki-j@jichi.ac.jp



研修プログラム(自治医大卒業生 義務年限内)

循環器内科では1~2週間の短期研修から1~2年にわたる後期研修まで研修希望者を歓迎します。研修内容は本人の希望にあわせ調整しますが、3ヵ月以上可能な方は病棟とCCUをローテートし、心カテ・心エコー・運動負荷試験・心臓核医学・循環器救急など幅広い研修が可能です。また、1年程度可能な方はカテーテルインターベンション等より高度な内容の研修が可能です。さらに希望者には臨床研究を指導し、発表の機会を持たせるようにしています。経験の有無は問いません。

後期研修 経験者の声

浜口 幸大(自治医科大学 2018年卒、三重県)
浜口 幸大
 私は自治医科大学卒業生で,医師5年目となる2022年度の1年間自治医科大学附属さいたま医療センター循環器内科で研修をさせて頂きました.三重県では義務年限5年目,8年目に後期研修を頂けることになっており,三重県内医療機関あるいは自治医科大学附属病院,自治医科大学附属さいたま医療センターでの研修が許可されており,今回自治医科大学附属さいたま医療センター循環器内科での後期研修を選択させて頂いた次第であります.内科新専門医制度が始まり,プログラムを遅らせることなく専門医取得を行うために三重県内の自治医大卒業生の派遣病院を自治医科大学附属さいたま医療センター内科プログラムの研修指定病院に入れて頂くなど,藤田教授,坂倉教授にもご協力を頂き,プログラムの期間内に後期研修を行うことができました.
 三重県内の派遣病院では心臓カテーテル検査を施行できる医療機関は殆どなく,3年目,4年目は総合内科として勤務をしておりましたので,CCUでやっていけるのかと非常に不安でありましたが,上級医の先生の優しく,手厚いサポートで大きな問題なく1年間の研修を終えることができました.私は研修開始時点で心臓カテーテル検査の経験はCAGを20件程度しかしたことがありませんでした.最初の3カ月はCAGを主にさせて頂き,カテーテルのいろはを上級医の先生が手取り足取り教えてくれました.3カ月でCAGが安全に行えるようになると,PCI術者となれ,前日までのPCI予習から当日のPCI,その後の復習まで上級医の先生は質問すると丁寧に教えてくれました.症例数についても取り合いになるということはなく,均等に機会が十分に回ってきます.怒鳴られることは決してなく,優しく丁寧にカテーテル研修を送らせて頂けることは自治医科大学附属さいたま医療センター循環器内科研修の大きな魅力のひとつと思います.
 循環器急性期医療を経験できることもまたCCUの大きな魅力です.急性心筋梗塞や急性心不全,急性心筋炎など重症心疾患,強心薬の使用やIABP,ECMO,補助循環用ポンプカテーテルなど補助循環装置の使用など高度な全身循環管理を担う一員となります.わからないことを自分で勉強して解決するのはもちろんですが,時間が許さない時には些細な疑問であっても,たとえ深夜帯であっても上級医の先生は親身になって教えてくれました.また,補助循環については,臨床工学技士をはじめとするコメディカルの方々からたくさん教えて頂いたことがあります.1年間CCUで集中治療管理を学べたことは大きな自信となりました.
 地域医療に従事する中でなかなか専門研修ができない自治医科大学卒業生にとって,専門研修を充実した環境で行えることは誰もが希望することであると思いますが,自治医科大学附属さいたま医療センター循環器内科は私の望む全てを叶えてくれた環境でした.
 藤田教授,坂倉教授をはじめ上級医の先生,カテ室や病棟スタッフなど多くの方々に支えて頂き,同期・後輩にも恵まれた充実した1年でした.
 この場を借りて感謝申し上げます,本当にありがとうございました.

研修プログラム(自治医大卒業生 義務年限内)の問い合わせ先

詳しくはお問い合わせ下さい。

循環器内科:坂倉 建一 (三重県 平成11年卒) ksakakura@jichi.ac.jp



研修プログラム(卒後6年目以上)

詳しくはお問い合わせ下さい。

循環器内科研修プログラム(卒後6年目以上)の問い合わせ

循環器内科:陣内 博行 hiroyuki-j@jichi.ac.jp、坂倉 建一 ksakakura@jichi.ac.jp



カンファレンス・連絡会

循環器内科は毎週火曜に「抄読会・ケースカンファレンス」、水曜に「リサーチミーティング」を行っています。その他にも「CCUカンファレンス」、「不整脈カンファレンス」、「デバイスカンファレンス」などを随時行い、スタッフ間で診療情報を共有し、適切な診療を行うようチーム医療を推進しています。

抄読会・ケースカンファレンス

診療の質を向上させること、および若手スタッフの教育を目的として最新の知見に関する論文をスタッフ全員で共有したり、当科で診療を行った患者様の治療内容に関する振り返りを行っています。

リサーチミーティング

教授、准教授をはじめとした指導医が、循環器内科各スタッフがそれぞれ取り組んでいる研究について個別指導を行っています。当科では論文作成経験がないスタッフでも第一著者として論文が書けるよう丁寧に指導しています。これまで多数のスタッフが、当科で第一著者として初めての英語論文を発表しています。

ミーティング

研究実績

新たな医学医療を開拓し実践するという大学病院の使命を果たすべく臨床を中心に多くの研究を行っております。急性心筋梗塞の再灌流療法時心筋保護に関する基礎的・臨床的研究、冠動脈インターベンション特にロータブレータに関する治療学的研究、心臓リハビリテーション、特に心筋梗塞後の運動療法に関する研究、急性冠症候群の病態と治療に関し冠動脈イメージングを用いた検討、循環器救急のプレホスピタル領域における時間短縮と予後の検討、新たな急性期リハビリテーションプログラムの検討、冠動脈疾患・大動脈解離の長期予後規定因子に関する研究、心不全と呼吸療法に関する研究、肺高血圧のリスク層別化と予後予測に関する研究、脂質低下療法が血管内皮機能や粥腫安定化に及ぼす影響に関する研究、不整脈特に心房細動に関する臨床的研究、地域における疫学調査、心臓シミュレータ・ビッグデータ循環器疾患レジストリ研究など多方面にわたっています。 治験・臨床研究におきましては、患者の皆様の権利を最大限に尊重し関係法規・ガイドラインを遵守しその上で包括同意・個別同意をいただき適切に対応しております(詳細はこちらです)。 個別の臨床研究テーマについてはこちらです。

当科の研究活動は公式Facebookでも随時お知らせしています。 公式Facebookはこちらです。

循環器内科より発表(publish)された英語論文数
2023年 30篇
2022年 32篇
2021年 24篇
2020年 33篇
2019年 26篇
2018年 27篇
2017年 17篇
2016年 18篇

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