診療科紹介
診療体制
原則として紹介状をお持ちの方を対象とした診療を行っています。初診外来は毎日複数の循環器内科医師が担当し、循環器系初診患者に対応しています。またご紹介下さった先生にも必ず報告書をお送りしています。循環器内科院内系スタッフは、現在レジデントも含め22人です。一般病床に加え循環器系集中治療室(CCU)は現在8床確保されています。
救急患者に対しては循環器医が24時間体制で診療を行っており、急性心筋梗塞や急性心不全など緊急かつ重症の場合にはCCUまたは救急病棟へ収容します。CCUでは看護師の人数が多く、モニター類も充実しています。さらにCCUとカテーテル検査室が隣接しており、緊急に検査や治療が必要になった場合には直ちにカテーテル室に搬送が可能です。初期治療が済み状態が安定したらCCUから一般病棟もしくはHCUに転床します。緊急以外の方は一般病棟(6階東または西病棟)に直接入院します。
入院患者の診療には医師と看護師を軸とするチームで取り組んでいます。医師は研修医と指導医の複数で担当しますが、毎週教授回診やカンファランスを行い、循環器内科全体として診療方針の検討を行っています。また心臓血管外科医との合同カンファランスも毎週行って、手術治療も含め個々の患者にとって何が最善の治療であるかを検討します。診療方針は患者さんご本人および家族の方に十分説明し、同意を得たうえで治療を行います。心臓リハビリテーションにも積極的に取り組んでおり、退院後の日常生活がスムーズに行えるよう配慮しています。
検査機器についても二つの心臓カテーテル検査装置のほか、心臓超音波診断装置、マルチスライスCT、MRI、核医学、心エコー、冠動脈イメージングなど最新の医療機器が配備され、非侵襲的検査も充実しています。

得意分野
冠動脈疾患治療・循環器救急

「自治医科大学附属さいたま医療センター循環器内科 虚血性心疾患summary」
当科は急性心筋梗塞をはじめとする循環器救急疾患に24時間体制で対応し、適応のある患者様には緊急カテーテル検査・治療および集中治療を行っています。重症の患者様には呼吸・循環を補助する医療器具(人工呼吸器、IABP、ECMO、IMPELLA等)を用いた全身管理を行っています。循環器集中治療(CCU)チームで循環器救急疾患に対応しますが、同時にすべての待機的冠動脈カテーテルインターベンション(PCI)もCCUチームが担当しており、年間800例前後のPCIを施行しています。冠動脈慢性完全閉塞(CTO)、高度石灰化病変などに対してもチームとして取り組み、良好な成績 [2017年1月~2024年12月までのCTO441例へのPCI成功率92.5%(408例で成功)]を得ています。また、冠動脈高度石灰化病変へのロータブレーター治療では、安全に行うための方法論や合併症の回避法など多くの英文学術論文を発表しています。

不整脈

人間の心臓は一定のリズムで拍動しており、安静時は1分間に50~100回程度拍動しています。不整脈とは何らかの原因でそのリズムが崩れる状態です。当科では不整脈に対する治療としてカテーテルアブレーションやペースメーカー植え込みといったデバイス治療を施行しております。カテーテルアブレーションは頻脈性不整脈に対して行う治療であり、治療の際には高周波などを用いて焼灼を行うことで不整脈を抑制する治療です。2024年度は514例、上室性不整脈(心房細動や心房粗動など)や心室性不整脈(心室性期外収縮や心室頻拍など)に対するカテーテル治療を施行しています。
また徐脈性不整脈に対して2024年は182例に対してデバイス植え込みによる治療を行っています。一般的なペースメーカーだけではなく不整脈による突然死予防に対して埋込型除細動器(ICD、S-ICD)、心不全治療としての両心室ペーシング(CRT)、手術創が小さいリードレスペースメーカーといった多彩な種類のデバイス植え込みを施行しております。

SHD(構造的心疾患)
構造的心疾患(SHD)へのカテーテルインターベンションは外科手術が困難な患者さんにとっても身体への負担が少ない治療法で、現在の循環器診療の大きな流れの一つです。当院では循環器内科、心臓血管外科、麻酔科の3科合同でハートチームを形成し、2014年から経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)を、2021年から経カテーテル的僧帽弁修復術(TEER)行っています。

循環器内科ではTAVI指導医およびSHD心エコー図認証医が在籍しており、毎週行われるハートチームカンファでカテーテル治療のみならず、外科的治療も含めて各患者さんに適した治療法を検討しています。
LEAD/ASO(下肢閉塞性動脈疾患)
LEAD/ASO(下肢閉塞性動脈疾患/閉塞性動脈硬化症)へのカテーテルインターベンション(endovascular therapy: EVT)は下肢血流を改善させることができる治療法の一つです。症状は、間欠性跛行や重症例では潰瘍・壊疽を認めます。当院では、循環器内科、心臓血管外科、形成外科と共に定期的にカンファレンスを行っております。適切に治療法の検討を行い、治療後経過をフォローしております。循環器内科ではバルーン拡張やステント留置などのEVTを行なっております。

肺高血圧症
何らかの原因により肺の血管(肺動脈)の血圧が上がり、心臓に大きな負担がかかっている状態が肺高血圧症です。初期は自覚症状なく経過しますが、病気が進むと息切れや体のだるさ、足のむくみなどの症状がみられるようになります。肺高血圧症はその原因から大きく5つの群に分類され、その中でも肺動脈性肺高血圧症、慢性血栓塞栓性肺高血圧症などは厚生労働省により指定難病と認定されています。それぞれの群により治療方法が異なり、正確な診断から適切な治療に結びつける事が求められます。そのため、外来診察後に心臓超音波検査やシンチグラフィ等での評価を行い、その後入院にてカテーテル検査を施行し、肺高血圧症の確定診断をつけます。当センターにおける肺高血圧症の薬剤治療においては、経口肺動脈拡張薬から、より重症な患者さんに使用されるエポプロステノール持続静注の導入、在宅維持管理まで幅広く可能です。
当センターでは、肺高血圧症を専門とする医師1名が初診外来を担当しています。早期の診断と治療開始が重要ですので、病気が疑われる患者さんは受診ください。
肺高血圧症の初診外来担当医:牧 尚孝
その他の循環器初診外来でも受診可能です。
スタッフ紹介 (2025年5月現在)
自治医科大学附属さいたま医療センター
藤田 英雄

職名 | 教授(科長) |
---|---|
出身大学 | 東京大学 |
専門領域 | 虚血性心疾患・心不全・循環器全般 |
坂倉 建一

職名 | 教授(心血管治療部長) |
---|---|
出身大学 | 自治医科大学 |
専門領域 | 狭心症・心筋梗塞・カテーテル治療 |
林 達哉

職名 | 准教授 |
---|---|
出身大学 | 浜松医科大学 |
専門領域 | 不整脈診療(カテーテルアブレーション・ペースメーカー/ICD/CRT) |
陣内 博行

職名 | 准教授 |
---|---|
出身大学 | 富山大学 |
専門領域 | 虚血性心疾患・血管内カテーテル治療 |
牧 尚孝

職名 | 講師 |
---|---|
出身大学 | 東京大学 |
専門領域 | 心不全・肺高血圧・腫瘍循環器・重症心不全 |
瀬口 優

職名 | 講師 |
---|---|
出身大学 | 自治医科大学 |
専門領域 | 冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)、カテーテル治療、冠動脈イメージング |
渡邉 裕介

職名 | 助教 |
---|---|
出身大学 | 自治医科大学 |
専門領域 | 虚血性心疾患・カテーテル治療 |
山本 真吾

職名 | 助教 |
---|---|
出身大学 | 岐阜大学 |
専門領域 | 心房細動・不整脈・アブレーション治療 |
笠原 卓

職名 | 助教 |
---|---|
出身大学 | 琉球大学 |
専門領域 | 虚血性心疾患、大動脈弁疾患 |
長谷川 宏子
職名 | 助教 |
---|---|
出身大学 | 昭和大学 |
専門領域 | 弁膜症・心エコー・循環器一般 |
大橋 潤平

職名 | 助教 |
---|---|
出身大学 | 大分大学 |
専門領域 | 不整脈診療 |
石橋 峻

職名 | 助教 |
---|---|
出身大学 | 山梨大学 |
専門領域 | 狭心症・心筋梗塞・カテーテル治療 |
陣内 聡太郎
職名 | 臨床助教 |
---|---|
出身大学 | 自治医科大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
浜口 幸大

職名 | 臨床助教 |
---|---|
出身大学 | 自治医科大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
浅野 由騎

職名 | 臨床助教 |
---|---|
出身大学 | 帝京大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
佐藤 みどり
職名 | 臨床助教 |
---|---|
出身大学 | 札幌医科大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
大木 初里
職名 | 臨床助教 |
---|---|
出身大学 | 鳥取大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
衣川 瑞人

職名 | 臨床助教 |
---|---|
出身大学 | 順天堂大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
吉田 雪徒

職名 | 臨床助教 |
---|---|
出身大学 | 信州大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
森 大将
職名 | 臨床助教 |
---|---|
出身大学 | 東京大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
中村 貴芳
職名 | 臨床助教 |
---|---|
出身大学 | 高知大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
松田 明歩
職名 | 臨床助教 |
---|---|
出身大学 | 秋田大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
大槻 拓実
職名 | 臨床助教 |
---|---|
出身大学 | 福島県立医科大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
白木 瑛一

職名 | 臨床助教 |
---|---|
出身大学 | 自治医科大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
中塚 百花
職名 | 臨床助教 |
---|---|
出身大学 | 秋田大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
佐藤 一美
職名 | 非常勤医員(大学院) |
---|---|
出身大学 | 新潟大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
さいたま市民医療センター
中村 智弘
職名 | 学外准教授(さいたま市民医療センター 循環器内科科長) |
---|
羽鳥 将史
職名 | 助教(さいたま市民医療センター派遣中) |
---|
青田 宏人
職名 | 臨床助教(さいたま市民医療センター派遣中) |
---|
千葉 元貴
職名 | 臨床助教(さいたま市民医療センター派遣中) |
---|
久米 悠介
職名 | 臨床助教(さいたま市民医療センター派遣中) |
---|
吉澤 潤之助
職名 | 臨床助教(さいたま市民医療センター派遣中) |
---|
JCHO埼玉メディカルセンター
和田 浩
職名 | 准教授(JCHO埼玉メディカルセンター派遣中) |
---|
木葉 雄行
職名 | 臨床助教(JCHO埼玉メディカルセンター派遣中) |
---|
野濱 正輝
職名 | 臨床助教(JCHO埼玉メディカルセンター派遣中) |
---|
門坂 麻耶子
職名 | 臨床助教(JCHO埼玉メディカルセンター派遣中) |
---|
山形 慧
職名 | 臨床助教(JCHO埼玉メディカルセンター派遣中) |
---|
練馬光が丘病院
山本 慶
職名 | 講師(練馬光が丘病院派遣中) |
---|
伴 聡一郎
職名 | 臨床助教(練馬光が丘病院派遣中) |
---|
齋藤 遥平
職名 | 臨床助教(練馬光が丘病院派遣中) |
---|
橋元 由紀子
職名 | 臨床助教(練馬光が丘病院派遣中) |
---|
鴨志田 将
職名 | 臨床助教(練馬光が丘病院派遣中) |
---|
住本 陸
職名 | 臨床助教(練馬光が丘病院派遣中) |
---|
東京北医療センター
柴田 佳穂
職名 | 臨床助教(東京北医療センター派遣中) |
---|
古旗 悠太郎
職名 | 臨床助教(東京北医療センター派遣中) |
---|
JCHOさいたま北部医療センター
菅原 養厚
職名 | JCHOさいたま北部医療センター 副院長 |
---|
吉田 奈々絵
職名 | 臨床助教(JCHOさいたま北部医療センター派遣中) |
---|
特定医療法人双愛会 大宮双愛病院
梅本 富士
職名 | 特定医療法人双愛会 大宮双愛病院 院長 |
---|
埼玉県立循環器・呼吸器病センター
広岡 翔真
職名 | 臨床助教(埼玉県立循環器・呼吸器病センター派遣中) |
---|
岩﨑 俊充
職名 | 臨床助教(埼玉県立循環器・呼吸器病センター派遣中) |
---|
大宮中央総合病院
明石 直之
職名 | 助教 (大宮中央総合病院派遣中) |
---|
裴 賢哲
職名 | 臨床助教(大宮中央総合病院派遣中) |
---|
西部総合病院
宇賀田 裕介
職名 | 講師 (西部総合病院派遣中) |
---|
南里 桐羽
職名 | 臨床助教 (西部総合病院派遣中) |
---|
さいたま市立病院
渡辺 雄也
職名 | 臨床助教 (さいたま市立病院派遣中) |
---|
古河赤十字病院
太田 耶瑛
職名 | 臨床助教(古河赤十字病院派遣中) |
---|
南魚沼地域学講座
堀 陽一
職名 | 特命助教(南魚沼地域学講座派遣中) |
---|
田島 匠
職名 | 特命助教(南魚沼地域学講座派遣中) |
---|
その他・派遣・留学
谷口 陽介
職名 | 講師(海外留学中) |
---|
伊部 達郎
職名 | 助教(海外留学中) |
---|
津久井 卓伯
職名 | 助教(海外留学中) |
---|
世沢 文音
職名 | 臨床助教(国内留学中) |
---|
齋藤 亜実
職名 | 臨床助教(国内留学中) |
---|

令和元(2019)年5月27日 自治医科大学附属さいたま医療センターにて