診療科のご案内

救命救急センター

救命救急センターとは

日本には現在、279施設(平成28年2月29日現在)の救命救急センターがあります。救命救急センターは、都道府県または都道府県知事の要請を受けた病院が整備運営しています。
重症かつ複数の診療科領域にわたる重篤な患者さんを受け入れるわけです。例えば、交通事故で大きなけがをしたと仮定しましょう。頭部と腹部に検査を行うと異常が認められたとしましょう。頭部CTにて頭の中に出血が明らかになり意識状態が悪化しつつ、お腹の痛みも強くなり腹部CTでは出血の所見が認められます。果たしてこうした時に、頭部外傷の治療の専門家である脳神経外科医と腹部外傷の専門家である外科医がいれば患者さんは助かるのでしょうか。まず無理でしょう。この場合、頭部の手術を優先させるのか、腹部の手術を優先させるのか、両方同時に行うのかなど、治療のための方針を立てる必要性があります。

自治医科大学附属さいたま医療センターには救急専門医が何人在籍していますか

救急専門医は、専従・専任(非常勤医師を含む)で17名です。

救命救急センター専従で資格者は10名です。
 守谷 俊
 海老原貴之
 千々和 剛
 下山 哲
 小山 洋史
 柏浦 正広
 田村 洋行
 塩塚 潤二
 牧野 淳
 川岸 利臣

救命救急センター専従で専修医は10名です。
 増山 智之
 鈴木 涼平
 天笠 俊介
 谷口 慎一
 笹井 史也
 福島 史人
 中村 雅人
 平良 悠
 長岡 毅
 横田 美帆

救命救急センター専任で資格者は3名です。
 尾本 きよか
 田中 裕一
 大塚 祐史

救命救急センター非常勤で資格者は4名です。
 坪井 謙
 葵 佳宏
 古川 誠
 古川 力丸

専従とは:診療の主体を救命救急センターとしている場合
専任とは:専従ではないが救命救急センターに関わっている場合

自治医科大学附属さいたま医療センター救命救急センターの患者受け入れ状況はどの程度でしょうか

緊急度や重症度が、救急発生現場で高いと救急救命士が判断したならば、3次救急医療体制を立ち上げ救命救急センターへの患者受け入れを開始します。ここでは毎月の3次要請件数と受け入れ状況に関してお知らせ致します。
下記に示しますのが2016年4月に救命救急センターを開設してからの患者の受け入れ状況です。
そのうち残念なことに数件は受け入れを行うことが出来ませんでした。3次救急要請が重なってしまってもスタッフの努力により救急要請の受け入れを行っていますが、それでも受けられないことがあります。特に自治医大さいたまでは、救急車で来院された方のすべてを救急科医師が最初に診察しています。そのため、たくさんの患者さんを診察していることがあり、どうしてもお断りしなければならない時があります。
いずれの疾患も、救命救急センターの専属医師が生命を維持する治療および処置を行い、各診療科の専門的な先生が先進的な治療を行います。こうした連携プレーが自治医大さいたまの得意なチーム連携医療です。

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埼玉県に救命救急センターが必要なのでしょうか?

必要です。よって埼玉県に8番目の救命救急センターとして平成28年4月1日に開設スタートすることになりました。
今まで、埼玉県には7施設の救命救急センター(開設年)がありました。

  • 日本赤十字社 さいたま赤十字病院(1980)
  • 埼玉医科大学総合医療センター(1987)
  • 日本赤十字社 深谷赤十字病院(1992)
  • 防衛医科大学校病院(1992)
  • 川口市立医療センター(1994)
  • 獨協医科大学越谷病院(1998)
  • 埼玉医科大学国際医療センター(2008)

2015年の国勢調査の結果を踏まえ、その時点での人口100万人を救命救急センター数で割った数値です。そこでは、いくつかの特徴がわかりました。

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(図1:人口100万人当たりの救命救急センター数)

図1において、

  • 全体的には救命救急センターの数は西高東低でした。
  • 人口100万人に対して救命救急センターが4カ所以上あるのは、島根県、佐賀県、高知県でした。地形の特徴や面積によって数を増やす必要があると考えられます。
  • 厚生労働省の定める目標値である人口100万に対して救命救急センターが1に達していない都道府県が全国に2つ(秋田県と埼玉県)ありました。
  • 秋田県と埼玉県では大きな違いがあります。重症患者の初回受け入れ率が秋田県では全国トップ5に入っております。 しかしながら、埼玉県は平均以下の水準でした。つまり、埼玉県にはまだ重症患者を即座に受け入れる救命救急センターの数が足りないと考えられます。

では、埼玉県からさいたま市にフォーカスを絞ってみましょう。さいたま市は御存知の通り、政令指定都市です。全国にある政令指定都市20と比較を行ってみました。

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(図2:政令指定都市における人口100万人あたりの救命救急センター数)

図2において、

  • 救命救急センターの数は、地域により4倍以上差があることがわかりました。
  • 厚生労働省の定める目標値である人口100万に対して救命救急センターが1に達していない政令指定都市は全国にさいたま市一か所のみでした。

図1、図2より埼玉県、さいたま市において救命救急センターが必要であろうとした考えがまとまったわけです。

自治医大さいたまの救急患者受け入れの流れと入院後のチーム医療

これまで、救急部は2次救急医療体制の患者さんを中心に救急医療および地域医療に貢献してきました。この度、3次救急医療体制を構築するにあたり院内の受け入れ態勢が多少変わりました。

現場から院内への病院前医療が提供される流れですが、

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(表1:傷病者発生時の患者受け入れのフローについて)

現場で病気の発症やけがが発生した場合には、 119要請にて現場に到着した救命救急士の判断で2次救急医療体制または3次救急医療体制のどちらの救急医療体制を選択します。一般的に、三次救急医療体制においては救命救急センターが診療を担当します。
表1では、

  • 重症で緊急度の高いと判断した場合、現場の救命救急士は3次要請を行います。
  • それ以外の救急要請は2次要請となります。
  • それぞれの要請によって診察する場所が同じ救急部ですが異なります。

少し話を元に戻しますが、救急医療体制においては、三次救急医療体制を救命救急センターが担当するわけです(表2)。バイタルサイン(呼吸数、血圧、脈拍数、体温、意識)に大きな異常があり、生命を維持することが困難であると考えられた場合(心停止に陥る可能性が高いと推測される状態)です。しかしながらこうした救急医療体制の起動は、全救急要請の10%にも満たないです。救急の患者さんの中でも「最後の砦」として、圧倒的な医療資源を投入する必要のある患者さんが該当します。

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(表2:三次救急医療体制を起動させる状況について)

医療資源とは、医師の診断能力や手術の腕の良さを申しているわけではありません。 自治医大さいたまにおける診断や治療は、もちろんどこの救命救急センターにも劣っている部分はありません。救命救急センターの運営において最も重要なのは、いわゆる"チーム医療"がどれだけ実践されているのかにかかっています。
例えば、一人の重症患者さんが救命救急センターに入院して来たと仮定しましょう。私達、救急専門の医師のみでは解決できない問題がたくさんあります。

  • 検査、診断、治療にあたる医師の協力
  • 高度な先進的で専門的な治療を行う医師の協力
  • 緊急手術の協力体制を
  • 患者さんそれぞれに必要な、安らかな看護を提供する看護師の協力
  • 持参薬や治療薬の管理を行う薬剤師の協力
  • 人工呼吸器や医療機器の整備を行う臨床工学部の協力
  • 重症な感染症や症状のモニタリングを行う感染制御室の協力
  • 治療が適正かつ患者さんにとって不利益が発生していないかを管理する医療安全室の協力
  • 重症救急患者に対して、確実で鮮明で効率的な画像を提供してくれる中央放射線部の協力
  • 継続治療が必要な場合の後方病院への転院相談、医療費の支払い、地域ケアマネージャーへの連絡を行う地域医療連携部の協力
  • 医療費の請求や管理を行う事務部の協力
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(表3:救急医療にはチームワークが必要)

救命救急センターの運営にはたくさんの医療従事者の協力が必要です。

他部門との情報共有

救命救急センターはチームワークで、患者さんのためにそれぞれの仲間を大切にし、出来る限り早く情報の共有を図っています。

  • 毎日2回:朝夕に治療方針の確認
  • 毎朝(祝祭日土日除く):医師、医療ソーシャルワーカーとの方針カンファレンス
  • 毎朝(祝祭日土日除く):医師、薬剤師とのカンファレンス
  • 週に2回:医師・リハビリテーション部とのカンファレンス
  • 月に1回:医師、看護部、放射線部、薬剤部によるERカンファレンスを実施

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