診療科のご案内

臨床工学部

スタッフと業務(令和5年4月1日現在)

部長 木村 直行 (心臓血管外科教授)
技師長 草浦 理恵
参与 百瀬 直樹
副技師長 小久保 領
主任 4名
技士 16名
先生たち

臨床工学部は部長以下23名のスタッフで構成されており、主に生命維持装置の管理と操作を担っています。業務として、血液浄化(透析)部門、体外循環(人工心肺と補助循環)部門、医療機器管理部門(ペースメーカー含む)、心臓カテーテル部門、集中治療部門に分かれて治療を支えています。また、研究や開発などの学術活動にも力を入れています。


血液浄化部門

血液浄化部門1   血液浄化部門2

血液浄化部門には技士4名が配属されており、透析室及び病棟の血液浄化療法を行っています。 透析室は19床で、外来・入院の血液透析を中心に行っています。業務は、透析器材の準備、プライミング、穿刺、透析中の機器管理、返血などの臨床業務や血液浄化装置の点検、 調整などの機器管理を行い、安全な透析医療への技術提供を行っています。 さらに透析室に入室できない重症度の高い患者さんには病棟で出張業務を行っています。 また、肝不全、免疫疾患、家族性高コレステロール血症、閉塞性動脈硬化症などに施行する血漿浄化療法や潰瘍性大腸炎、 敗血症などに施行する血液吸着療法や末梢血幹細胞採取、 腹水濾過濃縮再静注法(CART)、骨髄濃縮処理も行っています。 2022年の症例件数は血液透析(HD、HDF、HF)9016例、血漿浄化(PEX、PA、DFPP、LDL吸着)85例、血液吸着(GCAP、LCAP、エンドトキシン吸着)32例、 腹水濾過濃縮再静注法(CART)40例、末梢血幹細胞採取57例、骨髄濃縮処理6例でした。


体外循環部門

体外循環部門1   体外循環部門2

体外循環部門では心臓血管外科手術に用いる人工心肺の操作を主に行っています。 その他、冠動脈バイパス手術での循環補助を行うミニサーキット(小型の人工心肺)、経皮的心肺補助(PCPS)、補助人工心臓(VAD)も管理しています。 さいたま医療センターには10名の体外循環技術認定士、3名の人工心臓管理技術認定士がおり、体外循環と補助循環を行っています。 さいたま医療センターの人工心肺は、安全な体外循環を目指し、開設当初から人工心肺操作の操作・監視・支援を行うコンピューターシステム「人工心肺支援システム」を開発し使用しているのが特徴です。 また、貯血レベルや脱血圧力による送血流量の自動制御システムも開発して臨床使用しています。 さいたま医療センターでは体外循環の操作 や非常時の対処法などのマニュアルを作成して運用しており、このマニュアルは こちら(人工心肺マニュアル 24 版 pdf) から閲覧できます。 2022年の症例数は、人工心肺が323例で、このうち脳分離体外循環は92例、うち緊急症例は96例でした。術中自己血回収症例は211例でした。 TAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)では、清潔野での弁のクリンプ、急変時の対応を行っています。2022年の症例数は76例でした。また、補助人工心臓外来管理は1例でした。


人工心肺マニュアル第24版
人工心肺マニュアル第24版:約2MB
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医療機器管理部門 (心臓ペースメーカー部門含)

医療機器管理部門1   医療機器管理部門2   医療機器管理部門3

さいたま医療センターでは、人工呼吸器や輸液・シリンジポンプ、モニターや体外式ペーシングなどを医療機器管理室にて中央管理しています。 医療機器管理部門は、貸出機器の終業点検や病棟に設置されているセントラルモニター・除細動器や心電計などの定期点検を行い、病棟で使用中の人工呼吸器やセントラルモニターの点検など病棟ラウンドも行っています。 さらに、内視鏡手術に使用するモニターのセットアップ(Da Vinci 含む)を中心とした手術室専任の医療機器担当者を配置し、手術室内の医療機器のトラブル対応も行っています。 医療機器のメンテナンスや管理だけでなく、院内スタッフ向けに医療機器の勉強会実施や医療機器に関する情報を配信するニュースレターの発行などを行っています。 また、2007(平成19)年からICU医師・看護師・理学療法士とともに人工呼吸器やその他酸素療法を使用中患者の呼吸ケアサポートを行うRST(Respiratory care Support Team)への参加や、 2015(平成27)年より医療安全室の傘下のもとMACT(Monitor Alarm Control Team)として循環器医師・看護師と一緒に院内のモニターの適切使用と無駄アラームの軽減に努めています。 心臓ペースメーカ部門では、埋め込み手術に立ち会い、プログラマーを操作してチェックやデバイスの設定などを行っています。 また、ペースメーカ外来では、循環器医師と共に定期的にフォローアップを行っています。2022年のペースメーカの埋込み新規(交換)は79(42)件、うちリードレス18件、ICDは24(12)件、 CRTDは7(10)件、CRTPは2(1)件、着用型除細動器導入4件、外来件数(遠隔外来含む)1489 件でした。


心臓カテーテル検査治療部門

心臓カテーテル検査治療部門1   心臓カテーテル検査治療部門2

心臓カテーテル検査治療業務は、心臓カテーテル専用の部屋が2部屋あり、それぞれ1名ずつの計2名の臨床工学技士が配属され業務に従事しています。 虚血部門においては、冠動脈造影時のポリグラフ(心電図・心内圧の測定)等の検査装置や、ロータブレーター、画像診断装置(IVUS:血管内超音波・OCT:光干渉断層撮影装置)等の 治療に必要な機器の操作・管理を主に行っています。緊急症例や重症症例に関しては大動脈バルーンパンピング(IABP)やPCPS、IMPELLA等の対応もしています。 不整脈部門においては、心房細動の治療にCryo施行、3Dマッピングシステムやアブレーター、カテラボなどの操作・管理も行っています。 2022年の心臓カテーテル総数は2323例で、そのうちPCIは737例、緊急症例は281例、アブレーションは486例でした。


集中治部門

ICU・CCU部門1
2014年4月より24時間臨床工学技士1名が配置され、ICU/CCUで使用される生命維持管理装置(人工呼吸器、持続血液浄化、PCPS、IABP、IMPELLA、除細動器、体外式ペースメーカなど)の操作管理業務を行っています。 また、検査や転棟など移動の際、必要に応じて同行しています。ICU/CCU の業務は多岐にわたるため、他部門の臨床工学技士と常に協力しながら技術の提供を行っています。 補助循環症例はPCPS(ECMO含む)が65例で、IABPは53例、IMPELLAは6例でした。また持続的血液浄化法(CRRT)216例でした。
ICU・CCU部門2
ECMO carとは、ECMOやその他様々な高度医療機器が導入された重症患者を安全に搬送することが可能な大型の救急車になります。 当センターでもコロナ重症患者の転院搬送を目的として2022年4月より運用を開始しました。
ECMO導入患者の搬送に関しては、集中治療部医師、看護師、臨床工学技士からなる重症患者搬送チームが対応しています。 そのなかで臨床工学技士は、ECMO car内で使用するECMO関連機材、並びに患者モニター、人工呼吸器、除細動器、酸素ボンベ等を専任救急救命士とともに出動前に準備し、 搬送時に関してはECMO患者を安全に搬送するための管理やトラブル対応を主な業務としています。
これまでの患者搬送は18件(受け入れ7件、転院14件)。ECMO導入患者7件、人工呼吸器導入患者9件、NICU患者2件でした。
ECMO導入患者の内訳はV-A ECMOは5件、V-V ECMO(コロナ陽性患者)は2件でした。

学術活動

臨床工学部2022年の学術活動は、学会発表17回、解説その他執筆3編、講演9回でした。

2023年4月1日現在

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