診療科のご案内

集中治療部

ここでは集中治療部の概要を紹介しますが、詳細については麻酔科・救急科・集中治療部のホームページをご覧ください。
ホームページへ:http://jichi-saitama.jp

スタッフ紹介 (令和5年4月1日現在)

(各医師のプロフィールは各科のホームページを参照してください)
部長 教授 讃井 將満(麻酔科)
ICU病棟医長 講師 塩塚 潤二(麻酔科)
CCU病棟医長 学内教授 坂倉 建一(循環器内科)
EICU病棟医長 講師 柏浦 正広(救急科)
ICUチーム指導医 教授 アラン レフォー
ICU・CCU看護師長 庭野 恵
EICU看護師長 中川 温美

スタッフの詳細については麻酔科のスタッフ紹介をご覧ください。

特色

当センター集中治療部は、現在 22 床の ICU・CCU(外科系および内科系集中治療)部門と、8 床の EICU(救命・集中治療)部門の計 30 床で成り立っています。

循環器系の CCU を除く ICU および EICU 部門は米国で臨床集中治療医学を学んだ讃井教授が主導し、専属 ICU チームが 24 時間体制で主体的に ICU 診療を行うクローズド ICU 診療を行っています。

ICUチームの目標は、

  1. できるだけ質の高い臨床データにもとづくディスカッションによって、患者さんに真に有用で安全な治療を行うこと(Evidence Based Medicine:EBM 後述)。
  2. 集中治療医が急性期重症患者さんの全身管理を行うことで各診療科専門医の負担を減らし、専門診療に集中できる環境を整えること。
  3. 若手スタッフ教育。

の3つです。

ICUに入室する患者さんは、心臓血管外科を始めとする外科系重症術後管理や、院内外から緊急に入室する内科系・外科系の重症例で、ほぼ全ての症例で人工呼吸、血液浄化、大動脈バルーンポンピング、経皮的人工心肺による臓器機能補助が必要です。
ICUという異空間、また多くの医療機械を必要とする重症患者さんの苦痛の軽減への配慮、家族の方へのフォローも行っております。

一方CCU部門は、坂倉学内教授を中心に急性冠症候群、重症心不全などの循環器系重症患者さんの急性期診療を行っています(詳しくは循環器科のホームページをご参照ください)。

また、心臓血管外科、循環器内科、血液内科、呼吸器外科など、全国的にもレベルの高い各診療科間の協力体制が確立され、集中治療部においてその舵取り役を果たすICUチームも全国に誇れるレベルです。さらに看護部門も人員の充実を図り(日中は患者さん1人に対し看護師1人、夜間は患者さん2人に対し師1人の配置)、仁平師長、坂本師長を中心にそれをサポートする専門看護師,集中ケア認定看護師,診療看護師,特定行為研修修了看護師と共に質の高い看護を行っています。コメディカルとして、ICUチームに薬剤師、臨床工学技士、理学療法士が加わり、最良の診療を行うべく職種間の連携を強化しています。

カンファランス、教育、研究活動など

スタッフ教育と研究活動に力を注いでいます。若手医師の臨床能力向上の最も良いツールである毎朝夕の回診のほか、ジャーナルクラブ、M&Mカンファレンス、リサーチカンファレンス、レジデントレクチャー、アラン・レフォー教授による症例検討会が定期的に開催されています。また、国内外の外部講師を積極的に招聘し、専門知識のアップデートを行っています。そのほか若手医師が、若手スタッフ向けのレクチャーやワークショップも行っています。研究は、自施設のデータを使って広い範囲の臨床研究を行い学会発表および論文発表を行うと同時に、多施設研究にも積極的に参加しています。近年の主な研究テーマは、睡眠・せん妄、血行動態モニタリング、遠隔ICUです。

今後の目標

真の集中治療医を育てる道場として

近年、集中治療にも、EBM(Evidence Based Medicine:最良の臨床的根拠にもとづいて診療行為を評価し吟味して得られた知見に加えて、現場の見解を考慮に入れながら意思決定を行う医療)の実践が求められています。現代医学の急激な進歩により、各科専門医が専門診療の習得とその実践にますます忙しくなる一方、エビデンスにもとづく重症患者管理の進歩も著しく、各科専門医はその習得に時間を割くことができなくなりました。そこで、集中治療医学という"急性期重症患者総合医学"を専門とする専門家集団による主体的な診療、すなわちクローズド ICU システムが登場するようになったのです(Pronovost PJ. JAMA 2002;288:2151-62)。このシステムは、患者さんの予後に寄与するだけでなく、医療費の削減効果も認められ、我が国でもその普及が急務とされています。

クローズド ICU では、集中治療医が専門診療科の協力のもとに、患者・家族説明を含めたほぼ全ての診療を主体的に行います。これは、集中治療医として真の実力をつけるための不可欠なプロセスであり、(集中治療医の診療への関与の程度が低い)オープンタイプの ICU では学ぶことができません。

我々の最大の使命の一つは、真の実力を備えた集中治療医を一人でも多く育て全国に排出することです。

センター内全体の診療レベルの向上

ICU チームは、ICU内だけでなくセンター全体に目を向け、病棟における呼吸療法・酸素療法の安全性を確保する呼吸サポートチーム(Respiratory Support Team: RST)、病棟患者さんの変調を早期に発見し急変を未然に防ぐ院内急変対応システム(Rapid Response System:RRS)を運営しています。ICU チーム医師・看護師・臨床工学技士・理学療法士が、救急部スタッフと連携しながら、診療システムの改善や院内スタッフ教育を通じて患者診療の質と安全の向上を図っています。

「近隣地区のICU需要の増加への対応」

H28年4月に救命救急センターがオープンし、院外からの多くの重症患者が入院するようになりました。また、手術件数の増加に伴い外科系患者さんの入室も増えております。このような需要の増加を考慮し、H29年8月に、院内ICU・CCU・救命センターICUを含めた拡張移転が完了し、それまでの20床から30床に増床されました。これにより多くの患者さんへ対応できる体制を整えております。

後期研修医募集

「真の集中治療医を育てる道場として」

プログラムのご案内・申込方法等について
さいたま市は都心から約30分とアクセスも良く、都会の良さと郊外の良さの 両者を兼ね備えた住み良い町です。学ぶ、遊ぶ等適度な距離感を持って経験できる大宮で、一緒に研修してみませんか?
興味のある方は、麻酔科・救急科・集中治療部 HPをご覧ください。

面会について

 私たちの集中治療室では、重症や重篤な状況からの安定化を目指すだけでなく、身体やこころ、生活する力を支えることも大切にしています。患者さんの一番の心の支えとなる、ご家族の方と繋がりを持つ機会となるよう、オンライン式の面会方法を取り入れています。 面会の方法につきましては看護師から説明させていただきますので、ご希望の場合には遠慮なくお声がけください。
 また、患者さんの入院をきっかけにした家族の方の心の変化へも支援を行う場合があります。患者さん、ご家族の方ともに安心して集中治療期を過ごしていただけるチーム体制となっています。

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