診療科のご案内

診療看護師活動統括部

ごあいさつ

診療看護師活動統括部は診療看護師の活動推進を目的に令和2年4月に設置されました。当センターでは診療看護師をチーム医療の実践を通して高度急性期医療をより安全かつ効率的に提供し、患者・家族の QOL 向上に貢献できる存在と考えています。その機能を十分発揮できるよう活動していくことが診療看護師活動統括部のMissionです。

診療看護師とは

診療看護師(Nurse Practitioner:NP)は、欧米で医師のタスクシフトや多職種・患者家族間の橋渡しを目的とした中間職種として発達し、医師不足の地域や部門で活躍しており、諸外国では国家資格として認められた職種です。

日本では2008年にNP養成課程(大学院修士課程)が創設されました。日本における診療看護師とは、5年以上の看護師経験の後、一般社団法人日本NP教育大学院協議会が認める大学院修士課程で身体診察学、病態生理学、薬理学を中心とする医学教育を受け、修了後に、同協議会のNP資格認定試験に合格した看護師を指します。また、「看護師特定行為」※をはじめとする診療行為を実施することができます。2019年3月現在417名が病院やクリニックなど様々な医療現場で活躍していますが、日本での国家資格化については検討段階です。

当センターには、現在3名の診療看護師がおります。看護部から診療看護師活動統括部に出向し、それぞれ救急科、集中治療部、外科系診療科に配属され診療看護師業務にあたっています。診療看護師には、看護師としての看護マネジメントおよび看護実践能力という基盤と医師との共通言語や医師、看護師双方の視点、そして習得した医学的知識・技術や特定行為を用いて診療にあたることができるという強みがあります。その強みを活かして、高齢者や複雑化した病態の患者が増加する中でも、高度急性期医療がより安全かつ効率的に提供されるよう、患者に必要とされる診療・看護を他の医療従事者と連携・協働して、タイムリーかつ効果的・効率的に実践する役割があると考えており、医療チームや患者家族との潤滑油として今後の医療に少しでも貢献できるよう活動しています。

卒後臨床研修プログラム_研修目標

※看護師特定行為:保健師助産師看護師法が定める所定の研修を修了した看護師が医師の定めた包括指示
         (手順書)のもとに実施できる21区分38の医行為(2015年10月制定)
Patient Flow Management

当センターにおける診療看護師業務

診療看護師は、配属された診療科の診療チームの一員として活動しており、診療チーム内の医師と連携して診療行為を行っています。

  1. 重症化予防や早期回復に向けて、適切な診療・看護がタイムリーに行われるよう、疾患・治療の理解と症状の変化を含む包括的なアセスメントから適切な臨床判断により早期介入を行う
  2. 医師の包括指示(手順書)に従って特定行為を実施する。
  3. 医師(配属診療科の専門医、不在時はシニア3以上)の直接指示に従って診療行為を行う。
  4. 患者・家族に病状や治療・検査および療養や日常生活の指導についてわかり易く説明を行う。
  5. 最善のチーム医療が提供されるよう多職種間の意見調整を図り、連携・協働を推進する。
  6. 倫理調整。

  7. 当センターにおける診療看護師業務_2
  8. 高度医療の円滑な実践や重症化予防・早期回復のための看護師のアセスメント力向上のためロールモデルとなるとともに教育を行う。
  9. 自治医科大学看護師特定行為研修の実習において指導補助者を担う。
  10. 配属診療科の指示のもとで研修・教育に参画する。
  11. 特定行為・診療看護師の研修・活動支援委員会の指示により診療看護師および特定行為看護師の研修や業務に関する検討、手順書作成・改訂などを行う。
  12. 診療看護師の役割拡大および周知を図る。

卒後臨床研修プログラム

診療看護師は、医師の直接的指示や包括的指示(手順書)に基づいて診療行為を自らの裁量で行うことから、医師に準じた卒後臨床研修を行う事が求められます。そのため当センターでは、診療看護師としての実務経験がない入職者に卒後臨床研修を義務付けています。

  1. 研修目的
  2. 医師の指導のもとで安全で確実な診療を行うための知識や技術を習得し、診療看護師に必要な能力を養う。また、当センターの様々なシステムの理解や他の医療従事者との関係を構築し、研修終了後の業務遂行能力及び医療チームの中で果たすべき中間職種としての調整力を養う。

  3. 診療看護師に必要な能力
  4. Patient Flow Management
  5. 研修目標
  6.  1)医師の指導のもとで患者の状況を包括的にアセスメントでき、患者に必要な検査を選択し、実施可能な範囲で実施・評価できる。
     2)医師の指導のもとで患者に対する診察・診断結果に基づき治療方法を選択し、その治療管理(実践可能な医療処置)を行う。
     3)医師の指導のもとで患者自らが治療・検査を選択できるように説明できる。
     4)患者の危機的状況への支援を行い、診療看護師としての役割や自己の課題を見出す。  当センターにおける診療看護師業務_1  
     5)他職種と連携・恊働し、当センターのチーム医療における役割やあり方を構築する。
     6)患者の尊厳と権利を守り、自己の実践に責任を持ち、安心安全な医療が提供できる。
     7)21区分38の特定行為に習熟し提供することができる。
     8)看護師特定行為研修生の指導ができる。

  7. 研修期間およびローテーション
  8. 【新卒者】
     配属予定診療科は研修開始時に決定します。 Patient Flow Management
     *看護師との連携を目的に看護師業務についてのシャドー研修も行います。
     *配属予定診療科での研修期間に配属診療科で特に必要な診療科や部門に研修に行くことがあります。

    【既卒者(診療看護師としての実務経験者)】
     必要に応じて短期間の研修を行う場合があります。

募集案内

今後、外科系診療科を中心に診療看護師を配置して行く予定です。応募をお考えの方は、採用情報「診療看護師」をご確認下さい。

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