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[医学部]尿素回路とTCA回路を結びつけ、肝糖新生を制御する重要な分子機構を解明
研究情報
概要
《ポイント》
- 肝臓で働く転写因子FoxOが尿素回路酵素 ASS1(argininosuccinate synthase 1)を直接制御することを発見しました。
- FoxOあるいはASS1を抑制すると、絶食時の血糖値低下と糖新生能低下が生じました。
- 本研究により、TCA回路と尿素回路を結ぶKrebs bicycleの中核酵素ASS1が糖新生の重要な調節因子であること、さらにその発現がFoxOによって転写レベルで制御されることが初めて明らかになりました。
絶食時に肝臓は筋肉などから供給されるアミノ酸を利用してグルコースを合成し、脳などへエネルギーを供給します。一方、アミノ酸分解によって生じる有毒なアンモニアは尿素回路によって解毒されます。したがって、絶食時の肝臓では「糖新生」と「尿素回路」(Krebs bicycle)が協調して働く必要があります。
しかし、これら二つの代謝経路がどのような転写制御機構によって協調的に制御されているのかは長年不明でした。
自治医科大学の研究チーム(内科学講座内分泌代謝学部門サミア・カルクートゥリー研究員、矢作直也教授ら)は、絶食応答の中心的転写因子であるFoxOが、尿素回路酵素ASS1を直接制御することを発見しました。さらに、ASS1が絶食時の糖新生に必要であることを明らかにしました。
これらの結果は、FoxO-ASS1経路が尿素回路とTCA回路を結びつけ、肝糖新生を制御する重要な分子基盤であることを示しています。

掲載論文
論文名:FoxO transcription factors coordinate the urea cycle and gluconeogenesis by controlling Ass1.
著者名:Samia Karkoutly, Yoshinori Takeuchi, Zahra Mehrazad Saber, Duhan Tao, Tsolmon Mendsaikhan, Rika Saikawa, Yuichi Aita, Yuki Murayama, Akito Shikama, Yukari Masuda, and Naoya Yahagi(責任著者).
雑誌名:iScience 29:117399, 2026 (Published online Aug 31, 2026)
DOI: 10.1016/j.isci.2026.117399
本研究のお問い合わせ先
自治医科大学 医学部 内科学講座 内分泌代謝学部門
教授 矢作 直也(やはぎ なおや)
TEL: 0285-58-7355, FAX: 0285-44-8143
E-mail: [email protected]
https://www.jichi.ac.jp/endc/
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