診療科紹介
診療体制
原則として紹介状をお持ちの方を対象とした診療を行っています。初診外来は毎日複数の循環器内科医師が担当し、循環器系初診患者に対応しています。またご紹介下さった先生にも必ず報告書をお送りしています。循環器系スタッフは、総合診療科からの応援を得て、現在レジデントも含め25人です。一般病床64床に加え循環器系集中治療室(CCU)は現在8床確保されています。
救急患者に対しては循環器医が24時間体制で診療を行っており、急性心筋梗塞や急性心不全など緊急かつ重症の場合にはCCUまたは救急病棟へ収容します。CCUでは看護師の人数が多く、モニター類も充実しています。さらにCCUとカテーテル検査室が隣接しており、緊急に検査や治療が必要になった場合には直ちにカテーテル室に搬送が可能です。初期治療が済み状態が安定したらCCUから一般病棟に転床します。緊急以外の方は一般病棟(6階東または西病棟)に直接入院します。
入院患者の診療には医師と看護師を軸とするチームで取り組んでいます。医師は研修医と指導医の複数で担当しますが、毎週教授回診やカンファランスを行い、循環器内科全体として診療方針の検討を行っています。また心臓血管外科医との合同カンファランスも毎週行って、手術治療も含め個々の患者にとって何が最善の治療であるかを検討します。診療方針は患者さんご本人および家族の方に十分説明し、同意を得たうえで治療を行います。心臓リハビリテーションにも積極的に取り組んでおり、退院後の日常生活がスムーズに行えるよう配慮しています。
検査機器についても二つの心臓カテーテル検査装置のほか、心臓超音波診断装置、マルチスライスCT、MRI、核医学、心エコー、冠動脈イメージングなど最新の医療機器が配備され、非侵襲的検査も充実しています。
得意分野
冠動脈疾患治療・循環器救急

当科は急性心筋梗塞をはじめとする循環器救急疾患に24時間体制で対応し、適応のある患者様には緊急カテーテル検査・治療および集中治療を行っています。重症の患者様には呼吸・循環を補助する医療器具(人工呼吸器、IABP、ECMO、IMPELLA等)を用いた全身管理を行っています。循環器集中治療(CCU)チームで循環器救急疾患に対応しますが、同時にすべての待機的冠動脈カテーテルインターベンション(PCI)もCCUチームが担当しており、年間800例前後のPCIを施行しています。冠動脈慢性完全閉塞(CTO)、高度石灰化病変などに対してもチームとして取り組み、良好な成績 [2017年1月~2020年12月までのCTOへのPCI成功率93%以上]を得ています。また、冠動脈高度石灰化病変へのロータブレーター治療では、安全に行うための方法論や合併症の回避法など多くの英文学術論文を発表しています。

心臓リハビリテーション

心臓病の方が、日常生活や仕事が制限なく行えるよう社会復帰をサポートし、心臓病の悪化・再発予防を目的として心臓リハビリテーションが行われます。患者さんは医師の運動処方を受けて、心機能や体力に合わせた運動プログラムを実施します。エルゴメーターによる運動や、ストレッチ・レジスタンストレーニング(軽い筋トレ)などを行います。運動処方は、心肺運動負荷試験(心肺機能の体力測定)の結果により決めます。患者さんひとりひとりに、心臓に負荷のかからない運動の強さや方法をアドバイスしています。当センターには心臓リハビリテーション指導士の資格をもつ専属スタッフが6名(医師、理学療法士、作業療法士:2021年5月時点)在籍しており、多職種で協力しています。内科・外科問わず患者さんを受け入れ可能です。また、入院中からリハビリを開始し、退院後も切れ目なく通院リハビリを行いサポートしています。近隣の医療機関に通院されている方でも、心臓リハビリテーションの保険適応[心大血管リハビリテーション(I)]があって、外来通院が可能な患者さんであれば心臓リハビリテーションのみの通院が可能ですので是非ご相談ください。
心臓リハビリテーション希望の場合
他院に通院されている方:循環器初診外来(木曜:宇賀田担当)へ受診ください(完全予約制でかかりつけ医の紹介状が必要です)。
当院に通院されている方:主治医へご相談ください。
肺高血圧症
何らかの原因により肺の血管(肺動脈)の血圧が上がり、心臓に大きな負担がかかっている状態が肺高血圧症です。初期は自覚症状なく経過しますが、病気が進むと息切れや体のだるさ、足のむくみなどの症状がみられるようになります。肺高血圧症はその原因から大きく5つの群に分類され、その中でも肺動脈性肺高血圧症、慢性血栓塞栓性肺高血圧症などは厚生労働省により指定難病と認定されています。それぞれの群により治療方法が異なり、正確な診断から適切な治療に結びつける事が求められます。そのため、外来診察後に心臓超音波検査やシンチグラフィ等での評価を行い、その後入院にてカテーテル検査を施行し、肺高血圧症の確定診断をつけます。当センターにおける肺高血圧症の薬剤治療においては、経口肺動脈拡張薬から、より重症な患者さんに使用されるエポプロステノール持続静注の導入、在宅維持管理まで幅広く可能です。
当センターでは、肺高血圧症を専門とする医師3名が初診外来を担当しています。早期の診断と治療開始が重要ですので、病気が疑われる患者さんは受診ください。
肺高血圧症の初診外来担当医:和田 浩、牧 尚孝、伊部 達郎
その他の循環器初診外来でも受診可能です。
不整脈

人間の心臓は一定のリズムで拍動しており、安静時は1分間に50~100回程度拍動しています。不整脈とは何らかの原因でそのリズムが崩れる状態です。当科では不整脈に対する治療としてカテーテルアブレーションやペースメーカー植え込みといったデバイス治療を施行しております。カテーテルアブレーションは頻脈性不整脈に対して行う治療であり、治療の際には高周波などを用いて焼灼を行うことで不整脈を抑制する治療です。2020年度は年間約300例、上室性不整脈(心房細動や心房粗動など)や心室性不整脈(心室性期外収縮や心室頻拍など)に対するカテーテル治療を施行しています。
また徐脈性不整脈に対しては毎年約100例以上に対してデバイス植え込みによる治療を行っています。一般的なペースメーカーだけではなく不整脈による突然死予防に対して埋込型除細動器(ICD、S-ICD)、心不全治療としての両心室ペーシング(CRT)、手術創が小さいリードレスペースメーカーといった多彩な種類のデバイス植え込みを施行しております。
スタッフ紹介 (2023年7月現在)
自治医科大学附属さいたま医療センター
藤田 英雄

職名 | 教授(科長) |
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出身大学 | 東京大学 |
専門領域 | 虚血性心疾患・心不全・循環器全般 |
坂倉 建一

職名 | 学内教授(心血管治療部長) |
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出身大学 | 自治医科大学 |
専門領域 | 狭心症・心筋梗塞・カテーテル治療 |
林 達哉

職名 | 講師 |
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出身大学 | 浜松医科大学 |
専門領域 | 不整脈診療(カテーテルアブレーション・ペースメーカー/ICD/CRT) |
陣内 博行

職名 | 講師 |
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出身大学 | 富山大学 |
専門領域 | 虚血性心疾患・血管内カテーテル治療 |
牧 尚孝

職名 | 講師 |
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出身大学 | 東京大学 |
専門領域 | 心不全・肺高血圧・腫瘍循環器・重症心不全 |
谷口 陽介

職名 | 助教 |
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出身大学 | 宮崎大学 |
専門領域 | 狭心症・心筋梗塞・大動脈弁疾患・僧帽弁疾患・カテーテル治療 |
宇賀田 裕介

職名 | 助教 |
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出身大学 | 浜松医科大学 |
専門領域 | 心不全・心臓リハビリテーション・CRT/ICD |
山本 慶

職名 | 助教 |
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出身大学 | 金沢大学 |
専門領域 | 狭心症・心筋梗塞・カテーテル治療 |
山本 真吾

職名 | 助教 |
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出身大学 | 岐阜大学 |
専門領域 | 心房細動・不整脈・アブレーション治療 |
羽鳥 将史

職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 北里大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
大橋 潤平

職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 大分大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
赤池 永成

職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 金沢大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
青田 宏人

職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 東北大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
齊藤 遥平

職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 旭川医科大 |
専門領域 | 循環器一般 |
山下 貴大

職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 東京医科歯科大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
南里 桐羽
職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 宮崎大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
世沢 文音
職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 埼玉医科大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
齊藤 亜実
職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 東京医科大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
浅野 由騎

職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 帝京大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
大村 愛美
職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 自治医科大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
裴 賢哲

職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 東京医科大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
橋元 由紀子
職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 埼玉医科大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
渡辺 雄也

職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 秋田大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
佐藤 みどり
職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 札幌医科大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
大木 初里
職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 鳥取大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
太田 耶瑛
職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 筑波大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
佐藤 恒

職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 東京大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
岩崎 俊充

職名 | 臨床助教 |
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出身大学 | 埼玉医科大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
佐藤 一美
職名 | 非常勤医員(大学院) |
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出身大学 | 新潟大学 |
専門領域 | 循環器一般 |
さいたま市民医療センター
石田 岳史
職名 | 学外教授(さいたま市民医療センター副院長) |
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中村 智弘
職名 | 学外准教授(さいたま市民医療センター 循環器内科科長) |
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笠原 卓
職名 | 臨床助教(さいたま市民医療センター派遣中) |
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堀 陽一
職名 | 臨床助教(さいたま市民医療センター派遣中) |
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田島 匠
職名 | 臨床助教(さいたま市民医療センター派遣中) |
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衣川 瑞人
職名 | 臨床助教(さいたま市民医療センター派遣中) |
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JCHO埼玉メディカルセンター
中村 貴芳
職名 | 臨床助教(JCHO埼玉メディカルセンター派遣中) |
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松田 明歩
職名 | 臨床助教(JCHO埼玉メディカルセンター派遣中) |
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練馬光が丘病院
玉那覇 雄介
職名 | 臨床助教(練馬光が丘病院派遣中) |
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木葉 雄行
職名 | 臨床助教(練馬光が丘病院派遣中) |
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吉田 雪徒
職名 | 臨床助教(練馬光が丘病院派遣中) |
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森 大将
職名 | 臨床助教(練馬光が丘病院派遣中) |
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野濱 正輝
職名 | 臨床助教(練馬光が丘病院派遣中) |
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大槻 拓実
職名 | 臨床助教(練馬光が丘病院派遣中) |
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東京北医療センター
柴田 佳穂
職名 | 臨床助教(東京北医療センター派遣中) |
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徳永 友貴
職名 | 臨床助教(東京北医療センター派遣中) |
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JCHOさいたま北部医療センター
菅原 養厚
職名 | JCHOさいたま北部医療センター 副院長 |
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吉田 奈々絵
職名 | 臨床助教(JCHOさいたま北部医療センター派遣中) |
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特定医療法人双愛会 大宮双愛病院
梅本 富士
職名 | 特定医療法人双愛会 大宮双愛病院 院長 |
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埼玉県立循環器・呼吸器病センター
長谷川 宏子
職名 | 臨床助教(埼玉県立循環器・呼吸器病センター派遣中) |
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古河赤十字病院
渡邉 裕介
職名 | 助教(古河赤十字病院派遣中) |
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広岡 翔真
職名 | 臨床助教(古河赤十字病院派遣中) |
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大久保 雄右
職名 | 臨床助教(古河赤十字病院派遣中) |
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大和徳洲会病院
明石 直之
職名 | 臨床助教(大和徳洲会病院派遣中) |
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伴 聡一郎
職名 | 臨床助教(大和徳洲会病院派遣中) |
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南魚沼地域学講座
石橋 峻
職名 | 特命助教(南魚沼地域学講座派遣中) |
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その他・派遣・留学
瀬口 優
職名 | 助教(海外留学中) |
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伊部 達郎
職名 | 助教(海外留学中) |
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津久井 卓伯
職名 | 助教(海外留学中) |
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濱島 ゆり
職名 | 臨床助教(海外留学中) |
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令和元(2019)年5月27日 自治医科大学附属さいたま医療センターにて