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[大学]医学部学生における新型コロナウイルス感染症患者発生に伴う対応について

一般情報

医学部新型コロナウイルス対策関係者会議

 本学医学部学生に新型コロナウイルス感染症患者5名が確認されたことに伴い、学生寮内の感染拡大を防ぐため寮内居住者全員に2週間の自室待機を指示しておりましたが、その間更なる感染を疑わせる体調不良者が発生せず、5月29日(土)を以て自室待機が解除となりました。講義・実習・BSL(病棟実習)につきましては、5月31日(月)から対面で再開されました。既感染者5名も栃木県の指示により宿泊療養から帰寮し、他の学生とともに講義・実習等に参加しております。

 一般に、学生寮内に感染者が発生した場合、感染が短期間で爆発的に拡大するリスクを抱えております。今回の陽性者5名については、お互いに明らかな濃厚接触が認められた訳ではないことから、他にも不顕性感染者が存在する可能性を考慮し、学生間での感染防止の観点から、全学生の隔離すなわち寮内自室待機を、感染潜伏期に相当する2週間実施することとしました。これは、第一に学生寮からのさらなる感染者の発生を遮断して学生の安全を、第二に医学生の病院での臨床実習(BSL)の実施の安全を、第三に病院を受診される近隣住民の皆様の安全を、それぞれ確保する目的があります。

 2週間の待機期間中の対応を含め、本学医学部の新型コロナウイルス感染症に係る対応は2020年4月以来、医学部新型コロナウイルス対策関係者会議において感染症専門家を交え慎重に討議し、方針を決定しております。寮全体の運営及び生活のサポートを学生寮生活サポートセンターが、そして学生の健康管理については保健センターが、さらに学生の精神的ケアについては学生生活支援センターが中心となって担い、それらにSMS(1年生、2年生に対する学年担任制)、6学年勉強会等の担当教員、サークル活動の顧問教員等が協力する形で多面的・組織的に取り組んでおり、今後もその体制強化を図っていく所存です。

 今回の2週間の自室待機に関しては、食事の内容や教員のメールに関して一部のメディアで取り上げられました。食事に関しては、量及び質に配慮し短時間で700人以上の確保が必要なことから、学生食堂を閉鎖した上で弁当調理に特化させ、また関係団体の協力を得るなど、できる限りの対応をいたしました。なお、配付にかかる時間を考慮して、基本的に生食の製品を除外した食品としました。このような状況から、学生一人一人の要望に応じることは困難であるものの、医学部同窓会、卒業生で組織する団体、卒業生有志のほか、一般の方を含めてたくさんの方々から野菜、フルーツなどの食料品だけでなく生活用品についても大量の差し入れを逐次いただき、教職員のみならず学生からも多数感謝の声が集まりました。

 本学は地域医療に貢献する医療人の育成を目的とした大学であります。本学の教育方針は比較的厳しいとのお声をいただくこともございます。大学は学生に、時には温かく、時には厳しく教育しております。多くの学生とは、学生寮や教務、学生生活支援、そして医学部のコロナ対策に関わる教員と、これまで構築された信頼関係が待機期間中も維持されていると考えております。一方、自室待機などにより精神的に不安を抱える一部の学生に対しては、個別にきめ細かい指導や配慮が求められるところであり、例えば学生へのメールに関しても、学生に必要以上の精神的負荷をかけるような表現を控えるなどの配慮をするよう、今後全学で取り組んでまいります。

 新型コロナウイルス感染症の収束は未だ先が見えない状況にあります。今後も、更なる感染防止に努め、地域の医療を担う医師の育成に尽力いたす所存ですので、保護者の皆様、同窓生の皆様、地域住民の皆様等におかれましては、今後ともご理解と温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。