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[医学部] 腸管虚血再灌流障害に続発する肺障害におけるNLRP3インフラマソームの役割を解明

研究情報

1. 研究概要

腸管虚血再灌流障害は、急性腸間膜虚血症や絞扼性腸閉塞、外傷、小腸移植など様々な原因によって引き起こされますが、その分子機序は不明であり、腸管切除以外の有効な治療法は確立されていません。また、腸管虚血症患者の手術において、再灌流後に呼吸状態が悪化することは多くの消化器外科医が経験することですが、その機序はこれまで不明でした。

今回、自治医科大学消化器一般移植外科の伊藤 誉大学院生(現メリーランド州立大学)、分子病態治療研究センター炎症・免疫研究部の高橋将文教授、呼吸器内科の鈴木拓児教授、消化器一般移植外科の佐田尚宏教授らの研究チームは島津製作所との共同研究により、再現性の高い新規腸管虚血再灌流モデルを作成し、腸管虚血再灌流に続発する肺障害において、肺血管内皮細胞のNLRP3インフラマソームが病態の本質に関わる重要な役割を果たすことを明らかにしました。当研究は、腸管虚血再灌流障害の病態解明、臨床的な新規治療法の開発につながると期待されます。

本研究成果は「Journal of immunology」のオンライン版に2020年07月29日付けで公開されました。

2. 掲載論文

論文タイトル:
NLRP3 Inflammasome Activation in Lung Vascular Endothelial Cells Contributes to Intestinal Ischemia/Reperfusion-Induced Acute Lung Injury

著者:
Homare Ito, Hiroaki Kimura, Tadayoshi Karasawa, Shu Hisata, Ai Sadatomo, Yoshiyuki Inoue, Naoya Yamada, Emi Aizawa, Erika Hishida, Ryo Kamata, Takanori Komada, Sachiko Watanabe, Tadashi Kasahara, Takuji Suzuki, Hisanaga Horie, Joji Kitayama, Naohiro Sata, Kazuyo Yamaji-Kegan, Masafumi Takahashi (Corresponding author)

3. 論文掲載先