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[医学研究科] 横紋筋融解症による急性腎障害における治癒過程の新たな機序を解明
研究情報
自治医科大学 分子病態治療研究センター 炎症・免疫研究部 Chintogtokh Baatarjav 博士研究員、駒田 敬則 講師、高橋 将文 教授らの研究グループは、横紋筋融解症による急性腎障害（Acute kidney injury, AKI）の修復過程に、細胞外二本鎖DNAがAbsent in melanoma 2 (AIM2)インフラマソームによる炎症細胞死を誘導することで、炎症を沈静化させることを明らかにしました。この炎症細胞死はAIM2遺伝子欠損によって抑制されるものの、細胞死から逃れた細胞は、stimulator of interferon genes（STING）経路を介した異常な炎症を引き起こし、慢性腎臓病への移行につながることが判明しました。
炎症細胞には、AIM2を含め多数の二本鎖DNAセンサーが存在しますが、異なるセンサーと経路による相互作用が考えられます。
横紋筋融解症はAKIを起こすことで致命的となりますが、これまで対症療法しか存在しませんでした。本研究の成果は、二本鎖DNAを制御することで、横紋筋融解症によるAKIの新たな治療法の開発につながると期待されます。
本研究成果は、「Cell Death & Differentiation」誌に2022年6月23日付けで公開されました (https://www.nature.com/articles/s41418-022-01033-9)。
論文名：dsDNA-induced AIM2 pyroptosis halts aberrant inflammation during rhabdomyolysis-induced acute kidney injury.
著者名：Chintogtokh Baatarjav, Takanori Komada, Tadayoshi Karasawa, Naoya Yamada, Ariunaa Sampilvanjil, Takayoshi Matsumura, Masafumi Takahashi