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[医学部]上皮細胞でのK+リサイクルに関わるイオンチャネル複合体が生理条件下で常に開状態になる仕組みを解明

研究情報

概要

 小腸や肺の上皮細胞において塩化物イオンの分泌を適切に行うためには、上皮細胞内に入ったカリウムイオンを細胞外に排出する“カリウムイオンリサイクル”と呼ばれる仕組みが必要です。カリウムイオンリサイクルに関わる分子の一つとして、電位依存性カリウムイオンチャネルのKCNQ1と機能調節サブユニットのKCNE3が形成するKCNQ1-KCNE3複合体があります。KCNQ1-KCNE3複合体は、生理条件下では常に開状態であり、この性質がカリウムイオンリサイクルを適切に行うために重要です。しかしながら、通常は電位依存的に開閉するKCNQ1チャネルが、KCNE3と複合体を形成することで常に開状態となる仕組みについては不明でした。

 今回、本学医学部生理学講座統合生理学部門の中條浩一教授および糟谷豪助教は、電気生理学的解析と光生理学的解析を行うことによって、KCNQ1のS1ヘリックスとKCNE3の膜貫通領域間の相互作用距離が厳密に保たれており、この相互作用がKCNQ1-KCNE3複合体チャネルが生理条件下で常に開状態になるために重要であることを明らかにしました。上皮細胞内のカリウムイオンリサイクルに異常が生じると、分泌性の下痢や肺水腫、嚢胞性線維症などの分泌性疾患を引き起こすことから、本研究成果は、これら分泌性疾患の発症機構の理解を促進することが期待されます。

本研究成果は、2022年11月4日付けで科学雑誌eLifeにオンライン公開されました。

詳しくは下記のリンクをご覧ください。
https://elifesciences.org/articles/81683