医学部 School of news

ニュース&トピックス

News & Topics

[医学部]子宮内膜症治療薬抗IL-8抗体をScience Translational Medicineに掲載

研究情報

自治医科大学附属さいたま医療センター、中外製薬、医薬基盤・健康・栄養研究所霊長類医科学研究センターによる共同研究

 20年以上、取り組んできた子宮内膜症についての研究成果が、2023年2月22日米国医学雑誌Scienceの姉妹紙であるScience Translational Medicine(STM)に掲載されました。

【Science Translational Medicine(STM)】

 臨床研究から、ネズミ等の動物モデル実験、さらにヒトと同様に月経を有し子宮内膜症を発症するカニクイザルでの非臨床試験に発展しました。子宮内膜症の病態コンセプトの提案から、研究計画、カニクイザルに対する腹腔鏡手術の実施、データ解析と病理学的解釈、論文作成と一貫して研究に携わってきたものです。ヒトに対する腹腔鏡手術と同じく、ビデオモニターによる詳細な所見観察、病変採取など、非侵襲的な臨床の再現を重視するとともに、遺伝子や免疫、病理分野の先端技術を用いて、新規抗体薬の開発とその評価ができました。内膜症の病態メカニズム解明に迫ることや、ホルモンを維持したままで、臨床に役立つ薬の開発を目指してきましたが、産官学のエキスパートの集結と長期共同研究が今回の成果に至ったものと思います。現在は、ヒトに対する安全性と投与量決定のための臨床試験が終了しました。今後も、子宮内膜症の女性や家族の幸せに貢献すべく研究に取り組んでいきます。

子宮内膜症におけるIL-8の関与とその抗体薬であるAMY109の作用メカニズム

図:子宮内膜症におけるIL-8の関与とその抗体薬であるAMY109の作用メカニズム


【関連記事】下記もご参照ください。
中外製薬株式会社(共同プレスリリース記事)