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[医学部]超音波診断動画から肺病変の所見に必要な特徴を高精度・高速に自動検出するAIを開発-急性期現場の救命率などの向上に寄与-
研究情報
概要
- 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)工学計測標準研究部門 材料強度標準研究グループ 内田 武吉 主任研究員、田中 幸美 主任研究員と自治医科大学 鈴木 昭広 教授は、AIによる胸膜の位置と動きの自動検出に成功しました。
- 超音波による肺病変診断は肺エコーと呼ばれ、肺の診断において高い有用性が認められており、COVID-19pandemicでの利用促進も進み、近年注目を集めています。
- 今回、動画を二次元画像に変換するプログラムによりAIの検出速度の高速化に成功しました。深層学習の一つである畳み込みニューラルネットワーク(CNNs)を用いて、肺エコー診断における重要な指標である胸膜ラインとlung slidingの自動検出に取り組み、胸膜の動きが検出されない気胸状態と区別をすることに成功しました。
- この技術を実装することにより、医師の診断サポートが行えるようになり、緊急対応が求められる診療現場において、気胸の診断や除外が行えるようになります。こと、地域医療に貢献する自治医科大学卒業生など、単独での診療を余儀なくされるような状況で診断の確からしさを高め、救命に結びつく迅速な診断補助ツールとなる可能性を秘めています。
- 見落とし防止による診断精度の向上及び診断時間の短縮により臨床医の負担を軽減し、教育アプリとしての利用による人材育成の効率化などへの利用も期待されます。
産総研の内田深層学習の一つである畳み込みニューラルネットワーク(CNNs)を用いて、肺エコー診断における重要な指標である胸膜ラインとlung slidingの自動検出を高精度、高速に自動診断するプログラム開発である。このプログラムを利用することで、肺表面の胸膜の動きを認める健常肺とこれを認めない気胸肺との迅速な鑑別に役立ち、臨床現場での診断サポート、教育ツールとしての応用などが見込まれる技術である。
論文名、著者名など
掲載誌:Heliyon
論文タイトル:Automatic detection of pleural line and lung sliding in lung ultrasonography using convolutional neural networks
著者:Takeyoshi Uchida, Yukimi Tanaka, Akihiro Suzuki
DOI:10.1016/j.heliyon.2024.e34700
その他
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