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[医学部]片側内耳障害を持つマウスの持続的行動変化を検出するAIモデルを開発
研究情報
概要
内耳障害は、平衡感覚や聴覚に深刻な影響を及ぼし、治療が難しい場合もあります。片側の場合には、両側性と比較して検出が難しく早期の発見が遅れてしまう可能性があります。
小児耳鼻咽喉科の野田講師、薬理学教室の輿水教授らのチームは、内耳障害による神経補償プロセスを評価する新しい手法として、片側内耳にカナマイシンによる障害を受けたマウスの行動変化を検出するための畳み込みニューラルネットワーク(CNN)モデルを開発しました。
本研究では、内耳障害をひきおこすカナマイシンを用いて内耳に障害を与えたマウスの行動を長期間にわたり観察し、その行動変化をAIモデルで解析しました。このモデルは、マウスが手術後にどのような行動パターンを示すか、特に健常な耳側への回転運動や移動距離の変化に焦点を当てており、術後17日まで持続する行動変化を検出することができました。
本研究で開発したAIモデルは、内耳障害による行動変化を長期間にわたって正確に評価できることを示しており、今後、難聴や行動異常の早期発見にも寄与することが期待されます。

論文名、著者名など
論文タイトル: A convolutional neural network model detecting lasting behavioral changes in mice with kanamycin-induced unilateral inner ear dysfunction
著者:野田昌生*, 甲州亮太, 島田茉莉, Chortip Sajjaviriya, 斉藤知寿, 伊藤真人, 輿水崇鏡*
掲載誌:Heliyon