診療科のご案内

患者のみなさまへ・ご紹介いただく先生方へ

外来診療

外来診療は月~金まで毎日行っています。心臓血管疾患で外科治療が必要な方は、当センター宛ての紹介状を持って事前にご予約のうえご相談においでください。 予約が取れない場合は、紹介状を持って来てくだされば、初診枠で拝見いたします。緊急手術は随時受け付けていますので、日中は心臓血管外科外来担当者もしくは病棟担当医、休日・夜間は心臓血管外科の当直者までご連絡ください。心臓血管外科では毎日当直体制をとり、365日24時間緊急症例に対応しております。

紹介患者診療スケジュールは、こちらをご覧ください。

診療実績

2022年の治療実績

 皆様には自治医科大学附属さいたま医療センター心臓血管外科の診療活動に、日頃よりご理解・ご支援をいただき、心から深謝申し上げます。

 2020年の年頭から顕在化してまいりましたコロナウイルス感染は、2023年になった現在も感染パンデミックの第8波が世界的な脅威となり、未だ収束のめどが立たずにおります。この3年間、当センターでは地域における役割を重く受け止め、コロナウイルス感染の重症患者さんを重点的に受け入れ、集中治療部・総合診療科が中心となって人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO)などを使用した高度治療を行ってまいりました。第1波から感染のピークを迎えるたびに、コロナウイルス感染重症患者の受け入れに必要な集中治療室などのスペースや従事するスタッフが確保できなくなり、あるいは院内における感染も認められたために、心臓血管外科における待機可能な手術患者様に関しても延期を余儀なくされたという事態が生じたこともありました。

 ここに述べましたコロナウイルス感染による脅威とはうらはらに、循環器診療を必要としている患者さまは増え続けております。受診控えのために、症状が重篤化してから病院にたどり着くような患者さんが増えているという話も最近になってクローズアップされるようになっております。このような社会背景のもと、当センターで日本胸部外科学会に毎年報告している心臓大血管手術件数は、2022年の集計では454件でした。そして末梢血管等を含めた全手術件数は801件でした。診療実績の統計にありますように、心臓大血管手術の約半数が弁膜疾患であり、弁膜疾患における大動脈弁狭窄症の患者数の増加は驚異的です。この疾患群の増加傾向は、本邦における高齢者人口の比率増加による影響と思われますが、今後数年間は増加傾向が続くことが予想されます。経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)の件数に関しては、この高齢者人口の増加のもと、年ごとに大幅な増加を続けておりますが、対象となる患者がハイリスク群であるにもかかわらず非常に良好な成績を残しております。開心術における大動脈弁置換術についてもRapid deployment valve(Intuity, Percevel)が導入され、手術時間・人工心肺時間が明らかに短縮されて、早期成績も良好でした。高齢者・ハイリスク症例が著しく増加しているにもかかわらず、弁膜疾患を含む各疾患群において定時手術での良好な成績を遂げることができ、患者様の要望・地域のご紹介をしてくださる先生方からの期待にも十分にお答えすることができているのではないかという自負があります。

 当センター以外の各関連施設においても、コロナウイルス感染によって大きな影響を受けたにもかかわらず、診療実績を維持し健闘しております。各施設とも、地域の患者様のために、地域の診療にあたる先生方からの診療要請を断らない、開設以来当診療科が心がけてまいりましたポリシーを貫くべく、24時間・365日体制を整え、常に救急の要請にも備えております。
 また、各関連施設がそれぞれ得意とする分野において、低侵襲治療とされている経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)・弁膜疾患に対する小切開心臓手術(MICS)など、高度でかつ先進的な治療法を、患者様の病態に合わせて提供できるような努力をすすめております。低侵襲手術に関しては今後もさらに需要が拡大し、今後の診療体系が変革を遂げることが予想されるため、個々の関連施設のみならず当科全体としてのプロジェクトチームを作り、これまで以上に低侵襲治療に積極的に取り組み、医局全体の知識と経験の積み上げを図ってゆく所存です。

 コロナウイルス感染の収束がいまだ予測できていないこの不安定な情勢において、自治医科大学附属さいたま医療センターと各関連施設に勤務するすべての医局員は、地域の患者様・医療機関の方々のお役に立つことができますよう誠心誠意努力致しますので、引き続き、皆様からのご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます。

手術治療数の推移と手術内容

心臓大血管手術症例数の経過、および2022年の手術治療内容をグラフで示しました。

疾患別症例数の年次推移



重複なし

カンファレンス

手術日は毎日(月~金)であり、緊急手術も多いため、毎週月、水、金の朝7時30分より8時30分まで早朝に術前、術後カンファレンスを実施しています。手術執刀医が術後報告を行い、患者受け持ち医が術前症例の呈示を行って、スタッフ全員で検討しています。このカンファレンスで患者さんにとって最も適した手術方針や術式を決定し、手術の担当者も決めています。
術前・術後カンファレンスに引き続いて、診療科長による病棟回診、関連施設症例検討会を適宜行っております。
また、抄読会は月曜日午後7時より行っております。 循環器内科との合同カテーテルカンファレンスを毎週金曜日の夕方に行い、問題症例について検討しています。その他、必要に応じて消化器外科や呼吸器外科とも適時カンファレンスを行っています。

研究活動、学会活動

全国規模の学会や地方の研究会に積極的に演題を応募して発表し、その内容を論文にして報告しています。令和4年には76演題が発表され、29論文(英文26編を含む)、および2編の論説が出版されました。

今後の課題

今後も引き続き、地域の皆さまや医療機関からの期待に応えるべく、患者本位の最適でかつ良好な診療を提供することを心がけております。緊急要請に対しては365日・24時間 断ることなく、最高の治療成績を提供する、これらを実現するために全力を尽くしていきます。

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