入試案内

HOME > 入試案内 > 医学部入試案内 > 受験生の皆さんへ > 講師陣

講師陣

講師陣

一流の“講師陣”

高度に専門化した医療からも、総合医は期待されています。
地域医療は専門医療の出発点であり、還元先でもあるからです。

武藤弘行【情報センターセンター長、内科学講座 消化器内科学部門 教授】

武藤弘行

1984年、東京大学医学部卒業。三井記念病院、東京大学医学部附属病院第二内科、同大学医学部生化学教室を経て、1994年に米国タフツ大学でAssistant Professorに。1999年から自治医科大学消化器内科で診療、研究、教育に従事。2019年より現職。

【研究内容】
胃がんの前がん病変である「腸上皮化生」を引き起こす遺伝子改変マウスを作製し、腸上皮化生と胃がんとの関係を遺伝子レベルで研究。

総合診療医としての広い視野と
得意とする専門分野を併せ持つ


情報センターは、コンピュータ演習室と教育サーバ室などの施設を管理・運用しています。臨床実習に臨む前に全学生が受験するCBT(Computer Based Testing) の実施、さらにe-ラーニング、クラウド版学術ビデオ、オンライン英語学習など、ICTを活用した教育システムを開発・運用するほか、情報学や統計学の授業も担当しています。また、新入生に対して「病気からみた基礎医学」という総合教育科目も担当し、身近な病気について生物学や基礎医学と関連づけて講義しています。医師になる意欲に燃える1年生に身近な病気と関連付けて基礎医学の重要性を教えています。卒業して義務年限を終えた後、医師としての人生はさらに長く続きます。その間、自らを高め続ける上で、基礎医学に関する知識や基礎研究に通じる素養が臨床医としても重要な意義を持つことを、私自身の経験から伝えています。私の場合、医師として消化器内科を専門としながら、基礎医学の教室で分子生物学を学び、分子生物学的な側面から消化器疾患の研究にも取り組んできました。

ピロリ菌の感染により胃がんになる危険性が高まることは一般にもよく知られています。ピロリ菌の感染した胃の粘膜には炎症により「腸上皮化生」という前がん病変が出現します。そこで、「腸上皮化生」を起こす遺伝子改変マウスを作製し、腸上皮化生と胃がんとの関係を明らかにしてきました。単なる臨床医になるのではなく、基礎医学の観点からも病気の解明に取り組むことができるような幅広い知識を持った医師になってもらうことを目標にしています。

総合診療医として全ての診療科で高いレベルに達するのは至難ですが、可能な限り幅広く患者を診療する能力を養うことに加え、興味のある診療科や学問分野の専門性を高めることも重要です。専門分野を持つことは医師としての自信を支えます。どの診療科でも新たな治療を待ち望んでいる患者さんが必ずいます。研究マインドをもって医学の進歩に貢献し患者さんの苦しみに寄り添えるような医師を育てていくことを目指して学生教育に取り組んでいます。

今井靖【薬理学講座 臨床薬理学部門・内科学講座 循環器内科学部門 教授】

今井靖

1990年、自治医科大学卒業。鳥取県で地域医療に従事した後、1999年に自治医科大学医学部法医学・人類遺伝学講座の助手に。2004年、地域医療学センターの立ち上げに参画。同センター地域医療支援部門の講師、准教授を経て、2013年より現職。

【研究内容】
臨床における最適な薬物療法、不整脈、遺伝性・先天性心血管病。

地域医療で発揮してほしい
"くすり"と全身管理の知識


附属病院での循環器内科の診療と、臨床における薬の使い方に関する教育・業務が現在の主な仕事です。循環器内科は生命にかかわる病気を多く取り扱いますが、急性期は患者さんの救命に尽くすとともに、慢性期には予後・生活の質の改善を目指す、やりがいのある分野です。私自身は薬物療法とともにカテーテルアブレーションやペースメーカーなどの不整脈診療を専門としてきましたが、幸運なことにこの分野では次々と新たな治療法が登場し、多くの疾患が治せる時代になりました。最近の話題として生まれてくるお子さんの100人に一人は心臓・血管に異常を持って生まれてきますが、心臓外科の進歩と尽力により今日ではほぼ全員が成人に達することが可能となりました。この成人した先天性心疾患患者を小児科から内科として引き継ぐことが私のもうひとつの役目となっています。

患者に最適な薬物療法を実践し薬の適正使用を目指す臨床薬理学ですが1974年自治医大に日本で最初に開講されました。私は2年前からこの領域に携わっていますが、基礎医学と臨床の橋渡しができる点も魅力です。例えば私が主治医をしている家族に見つかった遺伝性の病気について現在マウスを用いて研究をしていますが、その成果を患者さんの治療に将来、還元出来ればと考えています。

医学部では臨床現場における薬の使い方、高齢者、妊婦等における注意点について講義を担当するほか、カフェイン入りあるいは無しのコーヒーを二重実験で飲用し、計算作業効率に差が出るか否か身をもって体験するコーヒー実習など実習・演習を行っています。
卒後、地域医療で目の前の患者さんの診療に全力で取り組む中で、時に難しい症例に遭遇することもあるかと思います。そのような時も論文・文献検索、仲間との情報共有、基礎·臨床医学の知識を総動員すれば必ず最適解が得られます。是非、循環器疾患を含む全身管理の知識・技術、実践的薬物療法について一緒に学びましょう。

牧野伸子【地域医療学センター 公衆衛生学部門 教授】

牧野伸子

1987年、自治医科大学卒業。大阪府の病院や保健所を経て、1999年に自治医科大学耳鼻咽喉科学講座の副手に。大学院修了後は女性医師支援センター、地域医療学センター、卒後指導部などを経て(耳鼻咽喉科の臨床を兼務)。2018年より現職。

【研究内容】
半世紀に及ぶ川崎病全国調査に従事。現在は難病の疫学研究班の事務局長を務める。

公衆衛生の領域で医学と社会を橋渡しし
卒後指導で大学と卒業生をつなぐ


公衆衛生は、集団を対象とした生活や疾病に関する分析に基づき病気の予防や健康の維持・増進に取り組み、集団を構成する人のQOL向上を目指します。そのため、医学を核としつつもその枠にとどまることなく、社会や環境といった広範な領域を対象とします。私は義務年限中、病院での診療と兼務した保健所での仕事の中で、公衆衛生の考え方に出合いました。義務年限を終え、同窓生である夫や子供と改めて栃木に住まいを移し自治医大に勤務してからは、臨床と並行して総合診療の枠組みで公衆衛生の研究に関わり、今はこれを専門領域としています。

公衆衛生にエビデンスを提供する疫学にも携わってきました。自治医大は、いまだ原因が明らかにされていない川崎病の患者さんを対象に、1970年から現在まで半世紀にわたり全国調査を続けています。のべ12万人に及ぶ膨大なデータから、発症する時期や地域の分布、性別や年齢、家族構成などの特性を明らかにするとともに、症状の現れ方や診断・治療、死亡例について分析。その結果を原因の究明と効果的治療の開発につなげることが目的です。私は2011・2012 年に実施した第22回からこの調査を行い、一つの研究を継続・発展させることの重要性を体感しています。2016年からは厚生労働省が支援する「難治性疾患の継続的な疫学データの収集·解析に関する研究」の事務局長として、他大学と連携した疫学研究のコーディネーターを務め、難病研究のネットワークを構築し、その成果を国の医療施策につなぐことを期しています。

医療と実社会の橋渡しを果たす公衆衛生の領域に加え、自治医大と卒業生をつなぐ卒後指導部の仕事も兼務しています。ここでは、男女を問わず全ての卒業生が個別に持つ能力を社会で最大化してほしいと考え、自治医大の卒業生だけが担う義務と使命に自己肯定感と誇りを持ち、結婚や出産・育児などのライフイベントを含めた自己実現を支援しています。

宮谷博幸【さいたま医療センター 総合医学第1講座 教授(消化器内科)】

宮谷博幸

1987年、自治医科大学卒業。香川県立中央病院、三豊総合病院、丸亀市の広島診療所、内海町立内海病院( 現・小豆島町)などで地域医療に従事した後、再研修のため自治医科大学附属大宮医療センター(現・さいたま医療センター)へ。2018年より現職。

【研究内容】
消化器内科の領域で内視鏡を使った診断と治療を専門とし、消化器癌の早期診断で多くの実績を持つ。

専門外の領域に視野を広げ
病気の根本原因を突きとめる



さいたま医療センターは地域の中核病院であるとともに、総合医の育成にも力を注いでいます。私も消化器内科を専門としつつ、内科全般を幅広く診ます。

消化器内科を専門としたきっかけは、義務年限の初期に在籍した病院がこの領域を得意としたため。いわば偶然ですが、そこで興味を自覚し、さいたま医療センターでの再研修中に消化器内科を臨床医としての柱にする決意をしました。以降、この分野の治療技術が目覚ましく進展。私が専門とする内視鏡治療でも、早期の胃がんを開腹手術することなく病変を切り取れるようになり、当センターは全国有数の実績を積み上げています。また、肛門から挿入する小腸内視鏡や錠剤のように飲むカプセル内視鏡が実用化されて患者さんの負担を軽減するほか、すい臓や肝臓のがんに対して、私が消化器内科を専門とした当初はなかった抗がん剤治療が行われています。かつて治療が困難だった病気を治せるようになることは、臨床における醍醐味の一つです。

義務年限を終えてさいたま医療センターに来た当初は、再研修の後、再び出身県に戻るつもりでした。縁あってこの地にとどまりましたが、今も故郷の離島で地域医療に従事したときと同様、患者さんの訴えに幅広く対応しています。そもそも病院の診療科は、医学による分類です。患者さんは苦痛や不快の場所を自覚できても、それらの原因は分かりません。特に消化器官にはさまざまな病気の兆候が現れ、例えば循環器の病気や膠原病など免疫系の病気が原因である例も少なくありません。病気を正しく診断して的確に治療するためには、専門外にも広がる視野を持つことは必須と考えます。私がそのような医療ができるようになったのは、離島の病院で患者さんが訴えることを“何でも診る"医療を経験したため。医師としての私を育ててくれた故郷を忘れたことはなく、その地を離れた今も地域医療に取り組む姿勢を守り続けています。