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講師陣

講師陣

一流の“講師陣”

高度に専門化した医療からも、総合医は期待されています。
地域医療は専門医療の出発点であり、還元先でもあるからです。

大槻マミ太郎【皮膚科学講座 教授】

寺井千尋

1986年、東京大学医学部卒業。同学部附属病院の皮虞科などでの研修・臨床を経て、同医学部の助手に(皮謄科学講座)。ニューヨーク大学への留学などを経て、1998年、自治医科大学医学部の助教授に(皮膚科学講座)。 2004年より現職。

【研究内容】
アトピー性皮膚炎や乾癖等の免疫疾患を中心に、病態や新規治療に関連した研究を行う。

地域で求められる総合医療と同じく
皮膚科には全身への理解が不可欠


皮膚は全身の臓器とつながっており「内臓の鏡」といわれます。皮膚自体は薄いですが全身を覆う臓器でもあり、臨床でも研究でも、内科の知識と外科のスキルが欠かせません。例えば、皮酋には内臓疾患のサインが表れることもあり、臨床では皮磨に出たわずかなシグナルを見落とさない観察眼と内科系の深い理解が求められます。また“最も怖いがん”とされるメラノーマの治療では、外科系の高度な技術が不可欠であるとともに、近年開発が著しい分子標的治療の背景にある免疫学の知識も必要です。

自治医大では皮膚科は外科系に分類されていますが、内科系に置く病院も多いのは、こうした皮膚科ならではの特性によるものです。病理学的にも皮膚科は他の診療科と一線を画しており、多くの診療科が病理診断を病理の専門医に委ねるのに対し、皮膚疾患では皮嘴科専門医自らが病理診断に関わって確定診断を行います。このように、臨床や研究の対象が全身におよぶと同時に、内科的診断から外科的治療まで自己完結性が高い、これが皮膚科の特徴です。

全身の理解につながるという点で、皮膚科を学ぶことは総合診療に通じます。実際、地域医療の担い手には皮牌科の重要性を理解する医師が多く、高度に専門的な判断が必要なケースについては、全国の卒業生から問い合わせが寄せられます。肌の状態は一般の人でも見て分かるため、地域医療の現場では患者さん自身が気付いて訴える変化について、医師として責任ある見解を示さなければなりません。

私は今、アトピー性皮磨炎や乾癬などの免疫に関わる皮膚疾患を主に研究していますが、皮膚科のとびらを開いた途端、医学の新たな次元が開いた経験をしました。自治医大には出身地で働きながら学位を取得できる支援体制も整っており、皮膚科でも義務年限中に社会人大学院に入って学位を取得することが可能です。多くの医師が皮膚科学への理解を深め、各地域において一層的確な医療が提供できるようになることを願っています。

野田泰子【解剖学講座 解剖学部門 教授】

長田太助

1984年、東京大学医学部卒業。小児科臨床を経て、同大学大学院医学系研究科修了。同大学大学院医学研究科講師、特任准教授を経て、2009年より現職。解剖学講座解剖学部門での教育研究に加え、学生生活支援センター副センター長も務める。

【研究内容】
細胞膜や小胞体など細胞小器官の間の相互作用や動態の制御機構の解明を目指す。

生命を尊ぶ姿勢と観察眼を養い
総合医の思考プロセスを修得する


自治医大のカリキュラムは、1年次に「解剖学」を配しています。1年次で解剖に取り組める医学部は、日本の大学では極めて珍しく、本学の教育が実践を重視することの表れといえます。自らの手でご献体を解剖するマクロ解剖学は、医学専門教育の第一歩。それまで図版や映像でしか見たことのなかった人体内部を3次元で体感する実習により、医学生であることの自覚を新たにする学生も多いようです。人体の内部を分かりやすく記した図版と異なり、全ての臓器に神経と血管が行き渡っている状態を肉眼で見て理解することは、生命の構造を実感することでもあり、その後の各臓器の機能や病態に関する基礎医学や臨床医学にまでつながる貴重な学びとなります。解剖学部門は、1年次の10月に開講する「解剖学」と「発生学」から、2年次に脳を解剖する「神経解剖学」まで、 130コマ以上にわたって授業を行っています。

医学教育における解剖学の価値は不変ですが、研究対象としての解剖学は歴史が長いこともあり、今は多くの研究者が視線をミクロの世界まで届かせ、最先端の分子生物学に研究の軸足を移しています。私たちが取り組む研究も細胞内部の細胞小器官を対象とし、それらをつくる膜を介した物質のやり取りなど相互作用や働きを制御する機構の解明を目指しています。

医学部の研究ですから、生命の哀実を明らかにする基礎分野でふ臨床と関連づけて考えることを特徴とします。ただし、これから医師を目指す学部生にとっては、最先端の臨床研究の成果に加応臨床医学を支える基礎研究の世界を知ることも重要だと考えます。目の前の現象を正確に観察・把握し、見いだした疑問を解くために推論と実証を繰り返して真実に辿り着く思考・研究のプロセスは、基礎でも臨床でも変わることはありません。自治医大が育成する総合診療医には、あらゆる医療場面に対応できるよう、医学に対する広くて深い理解が求められるからです。

亀崎豊実【地域医療学センター地域医療支援部門 教授】

村松慎一

1990年、自治医科大学卒業。鳥取県で地域医療に従事した後、1999年に自治医科大学医学部法医学・人類遺伝学講座の助手に。2004年、地域医療学センターの立ち上げに参画。同センター地域医療支援部門の講師、准教授を経て、2013年より現職。

【研究内容】
赤血球を研究対象とし、指定難病の自己免疫性溶結性貧血について全国の問い合わせに対応。

教育・研究、診療、企業経営の3役を担い
遺伝子治療の“当たり前”を目指す


パーキンソン病やアルツハイマー病など、脳神経の病気に対する遺伝子治療法を開発しています。脳神経の病気はいずれも治療が難しいのですが、2007年には国内で初めてパーキンソン病の遺伝子治療を行いました。また、2010年には神経伝達物質を合成するAADCという酵素が生まれつき働かなかった4歳児への遺伝子治療を台湾の大学から依頼され、世界で初めて実施。寝たきりで10歳まで生きられないと言われていた子どもが、歩けるようになりました。現在、国内では神経の病気に対して遺伝子治療を行える病院は希少ですが、本学附属病院では着実に治療症例数を増やしています。

私たちが開発した遺伝子治療は、AAVベクターという無害なウイルスを改変した“輸送係”に、治療に必要な遺伝子を患部まで運ばせる点を特徴とします。AAVベクターよる遺伝子治療は、一度の治療で長期間効果が持続します。サルの実験では、導入した遺伝子は15年間以上機能していて、この記録は今後さらに伸びていくでしょう。患者さんの苦痛を取り除くばかりか、高齢化により高騰する医療費を抑制するという点でも効果が期待できます。

AAVベクターには、血液から脳に入る機能も付加しているため、脳の病気に対して従来のように頭の骨に穴を開ける手術をせず、血管から注射するだけで治療が行える方法も開発しています。この治療法を広めるためにAAVベクターの量産を手がけるベンチャー企業を設立しました。現在、大学で教育と研究を行う教授、附属病院で診療する神経内科専門医、ベンチャー企業で臨床開発を行う取締役という3足のわらじを履いていることになります。

神経内科の診療では漢方薬も処方しています。遺伝子治療という先進医療と東洋医学の併用は、私にとっては自然なこと。目的は治療ですから、患者さんが良くなるのであれば手段は選びません。漢方に比べれば歴史の浅い遺伝子治療を、当たり前の技術とすることが現在の使命と考えています。

坂倉建一【さいたま医療センター総合医学第1講座准教授(循環器内科)】

大森司

1999年、自治医科大学卒業。三重県で地域医療に従事しつつ、 自治医科大学附属さいたま医療センター循環器内科で後期研修。2008年、同科助教に。2年間の米国留学を経て、2014年からさいたま医療センター循環器内科講師、2016年より現職。

【研究内容】
心筋梗塞、狭心症など虚血性心疾患に、カテーテルという細い管を用いた治療を行うことを専門とする。

義務年限中に志した専門診療で
自治医大生のキャリア例を体現



自治医科大学附属さいたま医療センター循環器内科は、年間での急性心筋梗塞の患者数および私が専門とする冠動脈カテーテル治療件数において全国有数であり、大学附属医療機関としては全国トップクラスの症例数となっています。カテーテル治療は直径2mmほどの管を冠動脈に挿入し、ガイドワイヤーという細い針金を通じて、小さな風船やステントと呼ばれる網状の金属により、閉塞している血管を広げる治療法です。急性心筋梗塞の治療では、心臓のダメージが大きくなる前に血管を広げる、1分1秒を争う治療となり、高度な専門技術とチーム医療による確実かつ速やかな治療が求められます。

私がカテーテル治療の専門性を高めようと志したのは、義務年限中のことでした。地域において何でも診られる総合診療医になることと併せて、カテーテル治療を修得すれば、専門性という奥行きを持った総合医になれると考えたからです。しかし、実際に取り組んでみると奥が深く、義務年限が明けてからは、当センター循環器内科でこの治療を専門とすることにし、途中、アメリカの病理専門機関に留学し、カテーテル治療の病理研究も行いました。帰国後はより専門性を深めつつ、現在は当センターの冠動脈カテーテル治療の主任として、日々カテーテル治療の臨床と研究を行っています。

自治医大の卒業生は専門診療から遠のくというイメ ージを持つ人が多いと思いますが、義務年限を完遂後に専門医として活躍されている先生もたくさんいらっしゃいます。私もカテーテル治療という専門分野において、実績を積み重ねることで、「自治医大卒業生が義務年限を完遂しても、十分に専門性を高めることができる」と学生や若い卒業生に身をもって示せればと思い、日々奮闘しています。また、最近は外国の医師にカテーテル治療に関する指導をする機会があります。高校時代、アフリカのへき地で働くシュヴァイツァー医師に憧れ、自治医大を志望しました。少し方向性は変わりましたが、外国の先生に指導することが、その国の医療レベル向上に役立つかもしれないと思えることは今の大きな喜びです。