医学部 School of Medicine

医学部

School of Medicine

インタビュー

(2016年4月 取材)

在学中と臨床での経験を糧に、人類の脅威に挑む

岡田誠治

熊本県熊本市 熊本大学エイズ学研究センター 岡田プロジェクト研究室

教授岡田誠治 茨城県

熊本大学のエイズ学研究センターで、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)がヒトに感染し潜伏する仕組みや、HIV感染者が命を落とすエイズ関連悪性リンパ腫に関する研究を進めています。これらの研究のため、ヒトの造血・免疫系を持つヒト化マウスを樹立しました。これにHIV-1を感染させたエイズのマウスモデルを作成し、病態の解明や治療法の開発に役立てると共に、人類の脅威に挑む他の研究機関にも提供しています。

学生時代、最初はがんの専門医になりたいと考えていましたが、在学中に参加したアジア医学生会議でタイの地域医療を経験し、感染症と向き合うことになります。卒業後は茨城県の地域医療に従事しながら救急科専門医の資格を取得すると共に、母校の血液学研究室に通って造血幹細胞の研究に取り組み、博士の学位と血液専門医を取得しました。義務年限終了後も茨城県の地域医療に貢献する道も考えていましたが、縁あって熊本大学の教授就任が決まった際、当時の高久史麿学長に地域医療からは離れてしまうことを報告したところ、「どの分野でも卒業生が頑張っているのは嬉しい」と返事をいただき嬉しく思ったことをいまも覚えています。思えば、タイやマレーシア・香港の地域医療を垣間見たことなど、在学中にいろいろ経験したことが現在の研究のモチベーションにつながっています。また、地域医療の現場での経験を糧に、医療への還元を目指した研究を行っています。

Back