企業・研究者の方へ For companies and researchers

企業・研究者の方へ

For Companies,
research organizations and other universities.

「サーカディアンメディシンの基礎臨床連携研究拠点」

私立大学戦略的研究基盤形成支援事業
「サーカディアンメディシンの基礎臨床連携研究拠点」

研究目的

自治医科大学では、生体機能と病態について概日(サーカディアン)リズムとの関連から種々の研究が行われてきており、特に血圧のサーカディアンリズム障害と循環器疾患に関して、また時間治療に関して、先進的な研究が行われ国内外から注目されている。

そこで本研究では、外的要因を厳密にコントロールできる動物飼育室を設置し、生体機能の概日リズム発現と外的要因による修飾機構を解明し、さらに、リズム障害から観た疾患の成因・診断法を確立し時間治療を開発することを目的とし、サーカディアンメディシンの基礎臨床連携研究拠点形成を目指す。

研究概要

各種生体機能には概日リズムが存在し、体内の恒常性維持に重要な役割を果たしている。これまでの脳研究によって、中枢の視交叉上核に生体時計があり、約25時間の時を刻んでいることが明らかにされた。これに加えて、末梢にも生体時計があり、中枢からの情報が伝えられるとともに、末梢の生体時計に外部刺激が直接加わり、これらが統合されて末梢概日リズムが形成されている。また近年、生体時計を構成する時計遺伝子が次々と見出され、概日リズムの制御メカニズムの概要が明らかにされた。

現代社会における過食・偏食、シフトワーク、睡眠不足、ストレスなどの環境変化が生活習慣病や精神神経変調の主な要因とされおり、最近、それらの発症に概日リズム障害が関与していることを示唆する報告が相次いでいる。しかし、その根拠はいまだ断片的である。

そこで、本研究は概日リズムと生体機能の関連、環境変容によるリズム障害の機序、リズム障害と代謝・循環・精神神経疾患の関連を、基礎・臨床連携により系統的に解明することを目的する。さらに得られた研究結果に基づいて、新しい薬物療法(時間治療)の基盤を整備する。本学には、すでに概日リズムや時間治療で注目される成果を挙げている研究者、および概日リズムの観点から機能解明が求められている臓器や疾患を専門とする基礎・臨床研究者がそろっている。さらにテーマ研究の代表者の一人である藤村は、生体リズム研究者の集まりである国際時間生物学会(ISC)の理事にわが国から唯一選ばれて活動している。今後、本研究プロジェクトによって各研究者が連携して研究を進める研究施設環境が整い、さらにISCと有機的な協力関係を築くことによって、わが国で初めての世界的なサーカディアンメディシンの基礎臨床連携研究拠点の構築が期待される。本研究の知見がもとになり、疾患の新たな発症機序が明らかになるとともに、薬の適正使用を目的とした時間治療が開発され、わが国の保健医療の向上に大きく貢献するものと期待される。

活動報告

文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業シンポジウム 2013-サーカディアンメディシンの基礎臨床連携研究拠点-が開催されました

平成25年6月28日(金)午後1時から自治医科大学地域医療情報研修センター中講堂において、文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業シンポジウム 2013が開催されました。

当シンポジウムは、平成23年度に採択された文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「サーカディアンメディシンの基礎臨床連携研究拠点」の研究成果の中間発表を目的として開催され、学外からはサーカディアン研究の第一人者の北海道大学の本間さと先生、山口大学の明石真先生をお招きし、シンポジウム第1部、第2部の特別講演が行われました。また、学内からは参加8部門の発表者による2年間の優れた研究成果の発表が行われ、今後の研究の活性化に繋がるシンポジウムとなりました。

会場には本学教職員、大学院生の他に学外からも他大学関係者、企業の方々が多数参加され、研究者の発表を熱心に聴講し、活発なディスカッションが行われました。

本事業は平成27年度まで継続され、最終年度にも研究成果の発表シンポジウムを予定しております。昨年度完成した「サーカディアンリズム解析動物飼育室」の利用も開始しておりますので、今後の研究にご期待ください。

平成25年度私立大学戦略基盤事業「サーカディアンメディシンの基礎臨床連携研究拠点」研究成果進捗状況報告会が開催されました

平成26年3月4日(火)平成25年度私立大学戦略基盤事業「サーカディアンメディシンの基礎臨床連携研究拠点」研究成果進捗状況報告会が開催されました。

本報告会は、平成25年度における各参加研究部門の進捗状況報告と分野間の連携強化を目的に開催されたもので、出席者は分担研究者のみならずPD、大学院生、研究生、研究補助員といった若手研究者も、発表及び聴講者として参加しました。

質疑応答の中では、活発なディスカッションが行われ、残り2年余りとなった研究プロジェクトの推進に勢いをつける報告会となりました。

サーカディアンメディシンセミナーが開催されました

平成26年8月5日(火)学内のサーカディアンメディシンに関係する研究者を集めたセミナーが開催されました。

本セミナーでは、慶應義塾大学・医学部時間生物学研究室より羽鳥恵特任准教授をお招きし、「食事や光による概日時計の調節機構」についての講演が行われ、私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「サーカディアンメディシンの基礎臨床連携研究拠点」に参画する主な研究者はもとより、若手研究者であるPDや大学院生からも多くの質問があがりました。

また、予定していた時間を超過するほどの盛況ぶりで、今後の研究プロジェクトの推進をより期待させるセミナーとなりました。

平成27年3月31日(火)平成26年度私立大学戦略基盤事業「サーカディアンメディシンの基礎臨床連携研究拠点」研究成果進捗報告会が開催されました

本報告会は、平成26年度における各参加研究部門の進捗状況報告と部門間の研究交流を推進する目的で開催されました。

報告の中では、若手研究者を中心にサーカディアン研究に関する様々な研究領域からの成果発表が行われ、参加研究者による質疑応答も活発に繰り広げられました。

研究プロジェクトの最終年度(5年目)を迎えるあたり、各研究課題の解決、全体の目的達成に向けて前進する集会となりました。

文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業シンポジウム 2015-サーカディアンメディシンの基礎臨床連携研究拠点-が開催されました

6月8日(月)午後1時から医学部教育・研究棟の講堂において文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業シンポジウム2015が開催されました。

本シンポジウムは、平成23年度に採択された文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「サーカディアンメディシンの基礎臨床連携研究拠点」の研究成果の公表を目的として開催され、学外からは「体内時計と睡眠」及び「生体リズムと血圧」をテーマに金沢大学の櫻井武先生、京都大学の岡村均先生の二名をお招きし、特別講演が行われました。

会場には教職員、大学院生の他に学外からも共同研究者、関連企業の方々が多数参加され、研究者の発表を熱心に聴講し、活発なディスカッションが行われました。

文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業 -サーカディアンメディシンの基礎臨床連携研究拠点- 研究成果報告書について

2011(平成23)年度に採択された私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「サーカディアンメディシンの基礎臨床連携研究拠点」は、2015(平成27)年度をもって終了となりました。本研究推進にあたりご支援いただいた学内外の関係者の皆様に御礼申し上げます。

なお、研究成果は、研究成果報告書よりご覧いただけます。