看護学研究科 Graduate School of Nursing

看護学研究科

Graduate School of Nursing

がん看護学

Cancer Nursing

領域の特色

 がんの診断からエンドオブライフの時期(家族に対しては患者との死別後の時期を含む)に至るまでの患者と家族への看護実践上の課題を探求しています。専門看護師を目指す学生と研究を主体として学ぶ学生が共に学び合うことで、新たな視点や発想に気づいたり、理解や思考を深める場となっています。
 がん看護学領域では、がん看護専門看護師を目指す場合と研究を主体として学ぶ場合の教育カリキュラムがあります。

担当教員

教育カリキュラム

がん看護専門看護師をめざす

 講義・演習ではがん診断期から終末期に至るがん患者とその家族が抱えるあらゆる苦痛症状および苦悩を系統的かつ包括的に把握するため、がんの疫学、病理、診断、治療法に関連する最新の専門的知識と技術および、その基盤となる概念枠組みおよび諸理論、キュアとケアを統合するための臨床推論過程を学び、包括的介入方法を探究します。
 実習では、緩和ケアを提供する病棟、外来などさまざまな場において、専門看護師の役割・機能の実際、高度な看護実践・教育・相談・調整・倫理調整、がん診断・治療に伴う臨床判断や身体管理を学び、高度な実践力を身につけます。これらの学びを基盤に、がん看護学領域における看護実践をとおして見出された研究課題について、高度実践に関する事例研究や文献研究などを中心に修士論文を作成します。

研究を主体として学ぶ

 講義・演習・特別演習を通して明らかになった実践的課題のなかからがん患者とその家族へのケアの改善・改革に関連する研究課題を設定し、その課題について研究活動を展開し、修士論文を作成します。

取り組むことができる研究テーマ

 がんの診断からエンドオブライフの時期まで、あらゆる時期にある患者や家族を対象に、看護実践上の課題を探求し、改善・改革に向けた研究に取り組むことができます。量的研究や質的研究の特徴や方法を学び、各大学院生の有する課題解決に適した研究方法を共に検討していきます。

過去の修士論文テーマ

終末期がん患者の療養の場の意思決定支援に関する看護実践 課題研究 2022
Interventional Radiology(IVR)を繰り返す再発肝細胞がん患者の全人的苦痛に対する看護師の関わり 特別研究 2018
婦人科がん関連リンパ浮腫患者のセルフケアを促進する看護実践
<掲載誌>婦人科がん関連リンパ浮腫患者のセルフケアを促進する看護実践.自治医科大学看護学ジャーナル,20,43-55,2023.
課題研究 2017
緩和ケア病棟看護師の終末期がん患者とその家族との関わりの中で生じた無力感に対する対処
<掲載誌>緩和ケア病棟看護師の終末期がん患者とその家族との関わりの中で生じた無力感に対する対処.日本がん看護学会誌32,Suppl.149,2018.
課題研究 2016
終末期がん患者とその家族の在宅移行過程における大学病院病棟看護師の役割
<掲載誌>終末期にある造血器腫瘍患者のその人らしさを支える看護.自治医科大学看護学ジャーナル,19,25-36,2022.
課題研究 2016
終末期にある造血器腫瘍患者のその人らしさを支える看護 課題研究 2015
再発なく長期生存を続ける乳がんサバイバーの困難な経験とその対処 課題研究 2013
緩和ケア病棟における終末期がん患者とその家族に対する看護師の関わり 課題研究 2013
若年性終末期がん患者と家族に対するケアリング
<掲載誌>終末期の若年性がん患者に対する緩和ケア病棟看護師のケアリング.日本がん看護学会誌,30(3),40-46,2016.
課題研究 2012
患者主体のがん性疼痛マネジメントにおける症状の体験とその変化 課題研究 2011
告知直後に初回化学療法開始となった急性骨髄性白血病患者の病名と治療の受け止め方と対処 課題研究 2011
治療継続中に状態が悪化し死の転帰を迎えた造血器がん患者とかかわる看護師の感情体験 課題研究 2010
再発を繰り返す膀胱がん患者が生きる意味を見出すプロセス 課題研究 2010
非寛解期に化学療法を受ける造血器がん患者の希望 特別研究 2010
がん性疼痛緩和ケアにかかわる一般外科病棟中堅看護師の困難 特別研究 2010
根治治療終了後に再び化学療法を受ける乳がん患者の療養態度
<掲載誌>根治治療終了後に再び化学療法を受ける乳がん患者の療養態度の個別分析.自治医科大学看護学ジャーナル,8,93-103,2010.
特別研究 2009

学修の実際

助川 千絵

助川 千絵 さん

専門看護師を目指している
2022年度修了

Q.進学した動機は何ですか?

A.がん看護への知識不足を痛感。がん専門看護師を目指すためです。

私はがん看護専門看護師を目指して進学しました。新人の時に「もう死にたい。」と言葉にした患者さんとの関わりをきっかけに、がん看護に関心を持ち、消化器内科、緩和ケア病棟で勤務してきました。様々な問題を抱える患者さんやご家族への看護に悩む中で、視野の狭さや知識不足を感じることが多くなり、高度な実践能力、専門性を身につけ看護をしていきたいという思いが強くなりました。

Q.大学院での学びはいかがですか?

A.様々な院生と意見交換し、視野が広がり刺激を受けています。

現在は職場の休職制度を活用して学修しています。大学院は講義や演習、研究、実習と内容が充実しており、時間の使い方を考えながら学修する日々です。プレゼンテーションの準備では、自分の思考を言語化して相手に論理的に伝える難しさを痛感し、試行錯誤しながら進めています。また、地域、病院、教育機関など様々な経歴を持つ院生たちと意見交換することができ、新たな知見、視点が得られ、刺激になっています。

Q.大学院で学ぶことの意味を教えてください。

A.視野を広げ、論理的な思考力と発信力を学修することです。

看護を振り返りながら視野を広げ、論理的に思考すること。人に伝える力を身につけ、臨床での実践能力向上を目指していくことだと思います。大学院で今までの看護を振り返り学修する時間は、臨床とは違う楽しさがあり貴重な経験です。大学院での学修から視野が広がると、また違った看護の楽しさを経験できるのではないかと思います。

大学院生募集!

 看護師として働きながら大学院修了を目指す長期履修制度や、入学前に開講している科目を履修することができる科目等履修生度を活用することができます。修了後には、論文の学会発表や学術雑誌等への投稿を支援するなど、長期に渡っての支援をしています。

問い合わせ先・連絡先

小原 泉 ikohara[ ]jichi.ac.jp ※[ ]を@に変換して送信ください。