看護学研究科 Graduate School of Nursing

看護学研究科

Graduate School of Nursing

研究科長挨拶

少子化・超高齢社会という人口構造の変化や社会構造の変化、経済の低成長、国際化の進展などを背景に、人々の保健医療福祉ニーズは多様化しています。そして、21世紀に入って以降の我が国の保健医療福祉制度も目まぐるしく変化しています。このような変化から、看護職には、高度な看護ケアを実践することや、ヘルスケアマネジメントにより多機関・多職種と協働しながら「チーム・ケアのキーパーソン」として活躍すること、地域のケアニーズに応じて看護を含むヘルスケア資源をシステム化すること等が求められ、役割を発展・拡大していくことが期待されています。ヘルスケア資源は様々な組織によって提供されており、また、その質・量は、離島や過疎地域、都市部などの地理や文化・歴史などの特性によって様々です。このことを踏まえて看護実践の課題を捉えることによって、より高度な看護実践の開発につながると考えます。

自治医科大学大学院看護学研究科は、へき地にも都市部にもどこにでも存在するヘルスケア資源の乏しい施設・地域における看護実践あるいは看護サービス提供システムの改善・改革、ならびに、高度専門医療と地域医療、あるいは保健福祉介護システムとの連動による人々への安全・安心な保健医療福祉の提供に貢献できる人材を育成することを目的として開設されました。

本看護学研究科博士前期課程には、5つの看護専門領域の専門看護師に求められる高度な看護実践能力の育成を目指す実践看護学分野と、効果・効率的な介護ケアの提供を具現化する看護提供システムを構築・改善できる人材の育成を目指す地域看護管理学分野があります。地域包括ケアリーダーとなり得る臨床能力の高い高度実践看護職育成のための教育に力を入れており、2014年度からは38単位の高度実践看護師教育課程を開始しました。また、本学では2015年8月に看護師特定行為研修センターを設置し、厚生労働省の指定研修機関に指定されていますが、研究科では看護職の役割拡大に伴う技術開発や活動体制の改善・構築も視野に入れた教育・研究を行っています。修了生は専門看護師や認定看護管理者等の高度実践看護職として活躍しています。平成24年度に開設された博士後期課程は、博士前期課程の2分野をそれぞれ発展させる分野として、広域実践看護学分野の一分野を置き、ヘルスケアシステムを視野に入れ、複数の看護専門領域にわたる広域的な視座から、看護実践の開発を追究することのできる教育研究者の育成を目指しています。

高度専門医療と地域医療が直面する課題に対し、高度看護実践や教育研究をとおして挑んでいく意思と意欲のある方々が入学されることを期待しております。

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