看護学研究科 Graduate School of Nursing

看護学研究科

Graduate School of Nursing

母性看護学

Maternity Nursing

領域の特色

母性看護学領域では、母性看護専門看護師を目指す場合と研究を主体として学ぶ場合の教育カリキュラムがあります。
母性看護専門看護師をめざす場合、周産期の母子やその家族、各ライフステージにある女性とその家族の状況を理解し、高度看護実践に必要なアセスメントの方法と支援について探求します。高度医療機能とその周辺およびへき地の医療機関における高度看護実践、コンサルテーション、コーディネーション、倫理調整について実習し、また施設スタッフに対する教育および研究的なかかわりを実践してチーム医療における医師との協働を踏まえた、専門看護師としての基礎的能力を養います。主として課題研究で、講義・演習・実習から見出された課題・探求方法等をもとに、母性看護学、女性の健康看護学、助産学に関連する実践的課題の改善・改革の方法について検討し、修士論文を作成します。
研究を主体として学ぶ場合、講義・演習・特別演習を通して明らかになった課題・探求方法等をもとに、母性看護学、女性の健康看護学、助産学に関連する研究課題の改善・改革の方法について、特別研究として研究活動を展開し、修士論文を作成します。

担当教員

学修の実際

井野 さおり

井野 さおり さん

2019年度修了

Q.進学した動機は何ですか?

A.安全で適切な看護を提供することの重要性と難しさを実感したこと。

私は、周産期母子医療センター等において、助産師として働いてまいりました。その後、へき地医療に携わる夫とともに、へき地に赴き、自分自身も出産・育児を経験しました。そのような中で、身体的・精神的・社会的なハイリスク化が急速に進んでいる周産期の現状を実感し、どのような地域においても安全で適切な看護を提供することの重要性と難しさについて実感いたしました。
変化する周産期の現状を改めて学び直し、理論的根拠のもと起こりうる危険性を予測し、安全で適切な看護を提供するためにさらなる知識や技術が必要と感じ、大学院への進学を考えました。

Q.大学院での学びはいかがですか?

A.視野の広がりや刺激を感じ、多くの気づきを得ること。

大学院では、 授業、 演習、 研究などが同時に進みます。時間に限りのある中で、 時間の調整に苦労しながらも、日々スケジュールを立て、自己学修を進めていくことが重要であると感じていました。
大学院の授業やゼミで使用する資料は、学生自らが、様々な文献や書籍を調べて、構想を練り、試行錯誤しながら作成し、プレゼンテーションを行います。各領域の院生が少人数であることからも、院生同士が交流する機会も多く、新たな視点からのコメントに、常に、視野の広がりや刺激を感じ、多くの気づきを得ることができました。

Q.大学院で学ぶことの意味を教えてください。

A.論理的に思考することを学ぶこと

大学院へ進学し、 臨床などこれまでの経験の中で、 視野が狭く見えていなかったことが多くあったと気がつきました。自身の看護実践の目的や意味などを振り返り、論理的に思考することを学ぶことが大学院で学修することの意味であると考えます。また、プレゼンテーションなどの機会を多く得ることができ、自分の考えを言語化し、 伝える力を磨くことができたと考えます。大学院での2年間は、 常に仲間からよい刺激を受け、 視野の広がりを感じ、日々、成長を感じることができる貴重な時間となりました。

斎藤あゆみ

斎藤あゆみ さん

2022年度入学

Q.進学した動機は何ですか?

A.今までの実践の意味付けと、自信をつけるためです。

臨床、教育機関での経験を重ねる中で、実践と教育の双方の重要性を感じ、その取り組みができる資格がCNS(専門看護師)であることを知りました。また、ケアの保証のためにも実践していることの見える化やシステムづくりについて学びたい、そして何よりこれまでの活動を振り返り、実践の意味付けや自信をつけて今後の活動に取り組みたいと思ったことが進学の理由です。受験準備と学業に専念するため、仕事を退職して大学院へ進学しました。

Q.大学院での学びはいかがですか?

A.専門看護師としての今後の活動に結びつけて学んでいます。

学ぶ内容一つひとつをCNSとして今後どのような活動ができるかに結び付けて学んでいます。他領域の学生と意見交換をして他者の活動や考え方を聞き、視野を広げ、楽しいことも辛いことも共有しながら学んでいます。また、研究は、テーマに迷いながらの入学でしたが、多くの論文に触れ、一つひとつの研究のプロセスを踏みながらその重要性を実感しています。苦戦する部分もありますが、丁寧な指導を受けながら考えを整理し取り組んでいます。

Q.大学院で学ぶことの意味を教えてください。

A.多職種と対話できる知識・思考力が身につくことです。

医師や薬剤師など多職種と対話・ディスカッションできる知識や思考を身につけられる学修です。病院内外はもちろん、グローバルな視点で対象とケアを考え、実践を向上させる能力を養う場となると思います。自分の視野と活動範囲の狭さを実感することが多いですが、ここで気づけたからこそこれからの医療者としての役割や支援のあり方に対する新たな視点や期待も見出せています。迷っている方はぜひチャレンジすることをお勧めします。