看護学研究科
Graduate School of Nursing
老年看護管理学
Gerontological Nursing
領域の特色
講義科目では、高齢者を対象とした看護管理について理解を深めるため、関連する諸理論や健康課題、看護実践の現状・課題を整理し、今後を展望します。
演習科目では、関連する資料や研究等に基づき、高齢者が生活する場における看護体制の実態を踏まえ改善・改革の必要性を検討し、研究課題を探求します。
研究可能なテーマは、老年看護を実践している看護職の取り組みや実践に関すること、病院・診療所・高齢者関連施設・訪問看護ステーション等における看護実践や管理に繋がる事柄です。
近年の修了生は、病院等の医療機関において認知症看護のエキスパートとして管理的立場を兼ねて活動する人、看護系大学で老年看護学を専門分野として教育研究の実績を積み重ねる人などがいます。修了後は、自主的で柔軟かつ革新的なアイディアを追求し、高齢者ケアの質向上とシステムの効率化に取り組むリーダーシップを発揮することが期待されています。
老年看護管理学では、高齢者に関連する看護管理を革新したいという思いを持ち、臨床経験に裏打ちされた課題に対して、自ら解決に向け邁進できる方に入学していただきたいと考えています。
担当教員
学修の実際

佐藤 享子 さん
長期履修制度を利用
2022年度修了
Q.進学した動機は何ですか?
A.働く中で課題が生じ、知識・技術の必要性を感じました。
認知症看護認定看護師として活動する中で、様々な課題を感じるようになりました。背景の複雑な認知機能低下のある高齢者が、社会資源の活用が整わないまま退院せざるを得ない状況があり、医療福祉の連携の必要性を感じました。理論的根拠を基に適切な看護を提供するためには、高齢者の現状と看護についての更なる知識や技術が必要であると考え進学を希望しました。
Q.大学院での学びはいかがですか?
A.長期履修制度を活用し、学修と仕事を両立しています。
提示される課題を通して、課されている意味を考え、自ら調べ思考を整理し、プレゼンテーションで言語化する重要性を学んでいます。限られた時間の中で、学業と仕事を両立するためには、時間を有効活用できるよう調整する必要があります。長期履修制度を活用し、職場で理解が得られるよう、大学院での学びや取り組みを機会あるごとに伝え、時間の確保に努めています。
Q.大学院で学ぶことの意味を教えてください。
A.様々な人との意見交換で視野が広がる充実した日々です。
臨床現場だけでは気づかなかった多くのことが分かり、学ぶことが楽しく充実した日々を過ごしています。地域で暮らす高齢者が、できる限り住み慣れた地域で生活するための看護支援を探究しています。少人数でありますが在籍する様々な分野の方との意見交換から、たくさんの刺激と学びがあり、貴重な経験であると感じています。
履修モデル
- 老年看護管理学
修了者の研究テーマ
急性期病院に入院した認知症高齢者の自宅退院に向けた看護支援 | 特別研究 | 2022 |
療養病棟における身体拘束減少に向けた看護職の取り組み | 特別研究 | 2022 |
原発避難高齢者の悲哀とレジリエンス | 特別研究 | 2017 |
特定機能病院における急性心筋梗塞DPCコード別の高齢者看護ケアの特徴 | 特別研究 | 2011 |
「物忘れ外来」における外来看護師の看護実践内容の分析 | 特別研究 | 2011 |
高齢者の口腔吸引・鼻腔吸引に伴うリスク要因の検討~FMEA(Failure Mode and Effects Analysis)を用いて~ | 特別研究 | 2010 |
地域医療支援病院における退院調整看護師の役割遂行の現状分析 | 特別研究 | 2009 |
自宅で認知症高齢者を介護する家族の生活の再構築に関する研究 | 特別研究 | 2009 |
訪問看護ステーションにおける他職種とのケア情報の連携に関する研究 | 特別研究 | 2009 |
退院支援・在宅療養支援の実施状況から視た特定機能病院における緊急入院高齢者の生活支援の評価-電子カルテデータを用いての分析- | 特別研究 | 2008 |