看護学研究科 Graduate School of Nursing

看護学研究科

Graduate School of Nursing

地域看護管理学

Community Health Nursing

領域の特色

講義では、へき地を含む地域の特性および人々のヘルスニーズならびに保健医療福祉施策を踏まえて、地域看護管理、特に地域ケア体制づくりの理論と考え方およびへき地における看護活動の展開方法に関する理論を学習します。また、医療機関における地域連携体制の構築およびへき地を含む地域の看護管理活動ならびに施策化・政策化に関わる看護活動の方法について、実践事例や国内外の先行研究から検討します。
演習では、地域特性および人々のヘルスニーズの分析から、行政機関、訪問看護ステーション、地域中核病院、へき地診療所、へき地医療拠点病院等の看護提供体制を評価検討し、地域看護管理に関する改善・改革の課題を探究します。
特別演習では、地域看護管理に関する改善・改革の課題を達成するための方法について、文献検討およびフィールド演習等により多面的に検討し、改善・改革に関連する研究計画を検討します。
特別研究では、地域看護管理学の講義・演習・特別演習を通して明らかになった実践的課題のなかから、地域看護の対象となる人々へのケアと看護管理の改善・改革に関連する研究課題を設定し、研究活動を展開し、修士論文を作成します。

担当教員

学修の実際

水沼 久美子

水沼 久美子
さん

長期履修制度を利用
2022年度入学

Q.進学した動機は何ですか?

A.科目等履修がきっかけ。知識、看護実践力を磨きたいからです。

臨床で働いていただけの時は、大学院はハードルが高いと感じていましたが、入学前に科目等履修生としていくつかの講義を履修したことをきっかけに学修することの面白さを知りました。また、同時に看護学における視野の狭さや専門的な知識が不足していることを痛感しました。学修したことを臨床で活かすためには、さらに自身の視野を広くしたうえで専門的な知識と高度な看護実践力を磨くことが必要であると考え、大学院の進学を決めました。

Q.大学院での学びはいかがですか?

A.在職しながらでも履修しやすいカリキュラムです。

現在、3交代勤務をしながら長期履修制度を利用し、学修しています。在職しながら履修しやすいようカリキュラムが配慮されており、一部集中講義となっています。1日に複数の講義の受講は大変ですが、学修のため職場に勤務調整を依頼する際説明しやすく職場の理解は得やすいです。また、講義、演習、研究などは集中して行い、夜勤前後の短時間で疑問点や気になる点を調べ、文献を読み進めるようにして継続的に学修するよう意識しています。

Q.大学院で学ぶことの意味を教えてください。

A.看護目的の顕在化や論理的な思考等を身につけることです。

自身が実践してきた看護の意味や目的を顕在化すること、専門的な知識を用いて言語化すること、論理的な思考を行うこと、また、他者に説明できる説明力を身につけることがあげられます。これらは大学院ならではの学修の仕方だと思います。学修の仕方を獲得することに難しさを感じましたが、学修から視野が広がり、異なる視点でみることで、日々の臨床で見過ごしていた疑問や課題を改めて丁寧に考えられる貴重な機会となっていると思います。

大海 佳子

大海 佳子
さん

長期履修制度を利用
2018年度修了生

Q.進学した動機は何ですか?

A.責任と権限の拡大を実感し、進学

私は、現在、看護部長をしています。学び直しをしたいという思いは常にありました。役割を与えられるたびに、その役割を全うするための十分な能力が自分に備わっているのだろうかと自問自答しました。院内外の研修に参加したり、看護研究として部署の活動をまとめたりと看護実践や自己研鑽をしながら自分に求められる役割に必要な力をつけられるように努めてきたつもりです。しかし、主任・師長・看護副部長へと昇格し権限と責任の拡大とともに、自分の判断や言動、行動が組織に与える影響の大きさを実感し「このままでいいのだろうか」という思いが強くなってきました。影響力の大きい存在だからこそ、多面的に物事を捉え、効果、効率的な看護ケアの提供を具現化することやそのために必要なシステムを構築していく力を備えること、そして研究的な取り組み等により、自分や組織の活動に根拠をもって実践していくことが必要であると思い、入学を決意しました。

Q.大学院での学びはいかがですか?

A.長期履修制度を利用したことや働きながら学べるように配慮されたカリキュラム

家庭内の役割を担いながら仕事と学修の両立ができるか不安がありました。長期履修制度を利用したことや働きながら学べるように配慮されたカリキュラムであったことが、両立を可能にしてくれたと思います。

Q.大学院で学ぶことの意味を教えてください。

A.学びを実践で確認し、反映することで学びが深まる

授業の中では、看護場面や管理場面で今まで意識していなかったことの意味づけや、根拠を明確にすることを意識づけられる場面が多々あります。これらは管理者として必須の力であり、それを言語化できる力も重要です。学修を通してこれらの力を高められました。また、「学びを実践で確認し、反映することで学びが深まる」ことは働きながら学ぶ利点です。病院で勤務する者が地域のケアシステムを管理的な視点で学ぶことは、今まさに社会が必要としている力の修得に繋がっていると感じています。

長期履修モデル

長期履修モデル

★全ての共通科目および専門科目の一部は科目等履修の対象科目となっており、入学前に履修して単位を修得しておくことができます。

修了者の研究テーマ

災害に備えた平時の体制整備に関する市町村保健師の活動
統括保健師が配置されていない小規模町村における部署横断的な保健活動に関する研究
病院から初めて在宅に移行した医療的ケア児の家族の在宅移行後1ヶ月間の体験
生活困窮者世帯への児童虐待予防に関わる市町村保健師の活動方法
二次予防対象高齢者の介護予防に果たす高齢者自主グループの機能
初回のレスパイト入院の利用がALS患者の療養生活に及ぼす影響
潜在性結核感染症の治療を受ける患者の体験
特定機能病院における外来看護師の電話による療養支援内容
事業化における産業看護職と安全衛生委員との協働に関する研究
住民と同じ地域で生活している離島保健師の地域看護活動に関する研究
へき地診療所における看護の役割を発揮できるための看護サービス提供体制づくりに関する研究
急性期病棟における病棟看護管理者の退院支援にかかわる看護管理活動に関する研究
生活習慣病予防活動に関わる市町村保健師の判断に関する研究
-個別支援から保健サービスの充実へと発展させていく活動に焦点をあてて-
自然災害に備えた市町村保健師の活動方法に関する研究
集落が散在している山間へき地における介護予防のための市町村保健師の活動に関する研究
キャリア発達から見た看護職の出向・派遣の意義

地域看護管理学領域教員の主な研究・社会活動

・離島や山村地域等のへき地で働く看護職の看護活動に関する調査研究
・市町村保健師の災害時保健活動遂行能力向上のための教育教材に関する研究
  研究ホームページ
  教育教材活用のためのマニュアル(4.98MB)

・新興感染症対応に関わる保健所体制整備に関する研究
  新型コロナウイルス感染症対応に関わる保健所体制整備(2.21MB)
  外部委託及び非常勤職員等の活用のためのチェックリスト(17KB)
  新型コロナウイルス感染症対策における応援派遣および受援のための手引き(3.44MB)
  受援決定から活動開始までのチェックリスト(17.6KB)

・情報通信技術(ICT)を活用した生活習慣病予防のための保健指導プログラムに関する研究
  食生活改善指導担当者テキスト~栄養指導・健康教育編~(7.58MB)
  運動指導担当者研修テキスト(6.45MB)

・社会活動
  日本ルーラルナーシング学会   等