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同窓会会報から 岩楓恬「子(山梨県)

同窓会会報から 岩楓恬「子(山梨県)

やりたいことを諦めない

医学部6年 岩楓恬「子(山梨42期)

山梨県42期、医学部6年の岩楓恬「子と申します。この度、「リンパ管内組織球症におけるM1/M2マクロファージの病変形成への関与」という演題で、今年6月に広島県で行われた日本皮膚科学会総会の研修医/学生セッションでポスター発表をさせていただきました。また、ポスター発表だけでなく、優秀演題として口演発表の機会もいただきました。さらに、発表内容をもとに執筆した論文が日本皮膚科学会の出版する英文誌The Journal of Dermatologyにアクセプトされました。学生最後の年となった今、どのようなことを考えていたか、稚拙ではありますがこの場をお借りして書き残しておきたいと思います。
医学を志したころから、患者が自己の疾患の病勢をダイレクトに評価できる皮膚科学という分野に興味があり、病棟実習が始まる4年次から自治医科大学皮膚科学講座のセミナーに通い始めました。自治医大生なので総合医として将来地域医療に携わることと思いますが、中でも日常的に遭遇するcommonな皮膚疾患を自分で診察・処置出来るようになりたいという思いもありました。5年になり、大学での実習も終わりに差し掛かったころ、以前からお世話になっていた大槻マミ太郎教授と愛知県30期の神谷浩二先生に声をかけて頂き、一度も聞いたこともなく、そしてGoogle検索でも何もヒットしない「リンパ管内組織球症」について考察し、そしてポスター作製することになりました。リンパ管内組織球症は、関節リウマチ患者や悪性腫瘍のある患者、また人工関節置換術後の患者のリンパ管内にマクロファージが集積し、皮膚に浮腫性紅斑などの皮疹を来す疾患です。世界的にも報告数が少なく、当院でも診断に苦労した症例でした。病変形成の原因や仕組みなど詳しいことが分かっていないため、当院で経験した症例について先生方とともに病態を自由に考察しました。また、私自身これまで学会というものにも一度も参加したことがなく(同級生からは今まで学会に行ったという話を何人かから聞いたりしていた)学会ポスターというものも見たことがなかったため、こちらも先生方に指導を仰ぎ、ポスターの構成、病理写真のまとめ方などを一から学び、全力で取り組みました。学会会場は広島だったのでポスターは布印刷で作成したのですが、これは先生方との思い出がたくさん詰まった一生の宝物となりました。学会の口演発表では、座長の先生に質問されてんやわんやしながらも、無事終えることが出来ました。とても緊張しましたが、大勢の医師の前で発表するという良い経験が出来きたし、普段は大学内の学生の活動しか触れる機会がない生活をしていましたが、全国の同期の学生の興味を惹かれる発表を見て衝撃を受けたとともに、これからは広い視野を持って学習していこうと思いました。

引き続き、神谷先生にお声かけ頂き同内容での論文を作成することになったのですが、こちらはポスター以上にどこから手を付けて良いのか分からない状態で、英語論文の決まりきった言い回しや形式、投稿ジャーナルの選び方、投稿の仕方など、こちらも一から指導していただき、形にすることが出来ました。すでに作成してある内容を英語に訳せば良いだけかと思っていましたが、論文独自の主語、動詞など当たり前だけれど自分では分からない一般的な事項がたくさんあり、また投稿に関しても何段階も様々な手続きが必要で、学生の内にこのような経験が出来てとてもモチベーションに繋がりました。お世話になっている大好きな先生方とともに自分の名前が並んでいることがとても嬉しく、しかもそれがPubMedで出てくるということが自分の中でとてつもなく大きなことになりました。4年次からことあるごとにお世話になっている皮膚科学講座の先生方には感謝してもしきれるものではなく、ここがやる気のピークにならぬよう、将来しっかりとした形で返せるように今後頑張っていきたいと思います。