入試案内

HOME > 入試案内 > 医学部入試案内 > 卒業生等からのメッセージ > 同窓会会報から 山元香代子(宮崎県)

同窓会会報から 山元香代子(宮崎県)

同窓会会報から 山元香代子(宮崎県)

ザンビアからの報告(平成30年度)

ORMZ 副理事長 山元香代子(宮崎3期)

みなさま、お元気でしょうか。多くの方々のご支援をいただき、活動は8年目を迎えました。ザンビアで
の昨年の活動状況をご報告させていただきます。

巡回診療はチサンバ郡ルアノ地区では1〜3月、8〜12月は車両の都合がつかないことなどから月1回、4〜7月は月2回実施し、ルアノの奥のサンダラ村は月1回、1〜4月は道路状況悪く行けず、ルアノと合わせて計24回実施しました。ニャンカンガ地区では月1回、計12回継続実施しました。サンダラから更に2時間走った隣のルアノ郡のリテタ地区から巡回診療の依頼があり、ようやく保健省からの許可も下り、11月から月1回の診療を開始するも12月は雨のため中止となりました。また、巡回診療スタッフの一人である準医師ムレタ氏の住むチボンボ郡ルカタ地区では、抗マラリア薬、マラリア検査キット、解熱剤などを提供し、ムレタ氏がコミュニティヘルスワーカーとともに診療を実施しました。


  • サンダラへ向かう途中の川

  • サンダラの完成した建物

ルアノで1194名、ニャンカンガで838名、サンダラで479名、リテタ109名、総計2620名(延べ数)の患者を診察・治療しました。このうち795名(12月ルアノ、ニャンカンガは含まれず)は5歳未満の子供です。妊婦健診・家族計画受診者数は、それぞれルアノで197名、294名(12月は含まれず)、ニャンカンガで68名、139名(12月は含まれず)、サンダラで41名、44名の総計306名、477名でした。活動を開始した平成23年10月から昨年30年12月までに合計30,000人以上の患者を診療してきたことになります。

マラリア患者数に関しては、29年1年間でルアノ230名、ニャンカンガ159名、サンダラ353名でしたが、30年はそれぞれ54名、21名、113名と大幅に減少し、リテタは18名でした。マラリア陽性率もルアノ14.1%から4.6%、ニャンカンガ13.8%から2.6%、サンダラ34.0%から22.2%と低下しています。リテタは16.8%でした。巡回診療後、ルアノではコミュニティヘルスワーカーが903人の患者にマラリア検査を実施し、292人の陽性者に抗マラリア薬を投与し、同様にニャンカンガでは1892人中1146人、サンダラでは844人中535人が陽性で抗マラリア薬を処方されています。そのためこれらの地域ではマラリアで亡くなった人は報告されていません。マラリア患者数がこのように激減したのは、蚊帳の配布やマラリア蚊の殺虫剤噴霧、コミュニティヘルスワーカーが無償で、堅実にがんばって活動してくれているからだと思います。サンダラでマラリア陽性率が依然として高いのは、殺虫剤噴霧を実施しているルアノ外からの患者が多いからと考えます。

サンダラには、住民が自分たちでレンガを焼き、レンガを積み、屋根・ドア・セメントなどをプロジェクト側から提供して、患者ファイルを保管する倉庫として、また診察室、会議室として機能できる建物が完成し、急に雨に降られてもぬれずに診療できるようになりました。

コミュニティヘルスワーカーの知識・技能の向上と活動への動機づけのために、14名のコミュニテイへルスワーカー(ルアノ5名、ニャンカンガ6名、サンダラ3名)に対して、2泊3日のリフレシャー研修を2回に分けて5月と12月に行いました。小児保健のマニュアルを復習し、薬剤の処方、特に抗マラリア薬に関しての注意事項、レポートの書き方などを彼ら自身のレポートをチェックしながら指導しました。残念ながら、3名の女性のコミュニティヘルスワーカーは結婚して地域を離れてしまいました。

ネイバーフッドへルスコミッティという地域で保健・衛生問題を担当する委員会の15〜20名のメンバーに対してのセミナーをルカタ地区を含めた3地区で実施しました。マラリア、下痢、妊婦健診、家族計画などの基礎知識や巡回診療時の注意事項などを講義しました。ルアノ・ニャンカンガ地区では、特にマラリア蚊殺虫剤噴霧活動に関してそれぞれ協議しました。

地域住民に対する保健衛生啓発活動として、サッカー大会をルアノ・ニャンカンガ地区で実施しました。これらの地区では梅毒などの性病が多く、またHIV/AIDSに感染している人も多いので、HIV/AIDSの検査を特に若い男性に促す目的で行いました。サッカー好きな若い人を中心に多くの人々が集まり大盛況でした。

安全な飲料水確保のために、ルカタ地区に深井戸を1基建設し、水質検査上問題なく、住民が喜んで使っています。

昨年はルアノとニャンカンガ地区全村で2回マラリア蚊殺虫剤噴霧を実施しました。ルアノは、4〜5月247家族 428戸、11月180家族、320戸で噴霧を行い、ニャンカンガは5月138家族 282戸、11月141家族258戸で実施しました。年間を通してのマラリア患者数・マラリア陽性率の減少はこの噴霧の効果と考えます。しかし、11月は雨季の直前まで殺虫剤が郡保健局に届かず、レンタカーのトラックをORMZで借りて、国の医薬品倉庫からチサンバ郡の保健局に届けました。また、郡保健局に事前に手紙を書き、電話で連絡したにもかかわらず、噴霧ポンプをスムーズに借り出すことができずにとても苦労しました。それでもザンビア人スタッフのがんばりのおかげで、無事に噴霧を終えることができました。私は、巡回診療や殺虫剤噴霧などのいろいろな活動が継続できるのはザンビア人のがんばりのおかげだと心から思います。まじめに懸命に仕事をしてくれるザンビア人スタッフに感謝の気持ちでいっぱいです。

噴霧の効果でマラリア患者数が減っているにも拘らず、噴霧に協力してくれる家族が徐々に減ってきています。今後このまま噴霧を続けるのかみんなで協議していくつもりです。

2017年12月、6年間走り続けたランドクルーザーが火災で焼失しました。噴霧活動中、川に浸かった後で、電気ケーブルから発火したのではないかと言われました。また、以前増水した川で流されたランドクルーザは、ギアボックスの不具合がでて、約30万円で中古のギアボックスに変えましたが、2018年4月に再び不具合が出て動かなくなりました。最後の1台のランクルも調子が悪く、町の修理工場でいろいろと調べてもらいましたが、原因がはっきりせず、今TOYOTA Zambiaの修理工場にはいっています。昨年は車の都合がつかず、活動を継続するのがとてもむずかしい状況でした。現在はレンタカーを約1万5千円で借りて巡回診療を実施しています。

巡回診療やさまざまな活動を継続できるのは、何よりも多くの方々からの支援のおかげだと心から感謝の気持ちでいっぱいです。私自身は3か月間日本に戻り、病院でアルバイトをし、3か月間ザンビアで仕事をするという生活を繰り返しています。私の不在の間は、現地のスタッフが活動を継続しています。ザンビアの経済状況は低迷したままで、首都ルサカの停電は少なくなりましたが、断水は続いています。これからも現地のスタッフや地域住民と十分な話し合いを重ね、問題点を一つ一つ忍耐強く解決しながら、活動を継続していこうと考えています。今後ともご支援よろしくお願い申し上げます。