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重症虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対する乳頭筋に介入した僧帽弁形成術の有用性に関する多施設共同研究

インフォームド・コンセントを受けない場合において、『人を対象とする医学系研究に関する倫理指針』第5章 第12(2)イに基づき、以下の通り情報公開します。

研究課題名

重症虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対する乳頭筋に介入した僧帽弁形成術の有用性に関する多施設共同研究

1 研究機関の名称及び研究者の名称

この研究を行う当院の研究者は、次のとおりです。

  • 自治医科大学付属病院医学部外科学講座(心臓血管外科学部門)教授 川人 宏次
  • 自治医科大学付属病院医学部外科学講座(心臓血管外科学部門)学内教授 相澤 啓
  • 自治医科大学付属病院冠動脈集中治療部講師 楜澤 壮樹
  • 主管施設 東京慈恵会医科大学 心臓外科 主任教授 國原 孝

他 主管施設にデータを提供する共同研究施設は別紙に列挙した通りです。

2 研究の目的及び意義

この研究の目的は、虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対する乳頭筋に介入した僧帽弁形成術の有用性を評価することです。

虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対する外科的治療法には様々な議論があり、いまだ統一した見解はありません。これまで、これに対する治療法として、僧帽弁置換術及び僧帽弁形成術の間に、予後の差はないとされてきました。しかし、近年、虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術の方法として、弁輪形成と同時に左室乳頭筋への介入を行うことで、良好な遠隔成績が報告されてきています。本研究では、虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対する外科的治療法の違いによる遠隔成績を比較し、左室乳頭筋に対する介入の妥当性を検討いたします。左室乳頭筋に対する介入により、僧帽弁逆流の再発が抑制できることを証明できれば、人工弁関連合併症を回避することができ、生命予後のみならず、生活の質の向上も期待できると考えられます。

3 研究の方法

虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対して、待機的に僧帽弁形成術もしくは僧帽弁置換術を施行した2015年1月1日より2019年12月31日までに行われた16歳以上の患者さんを対象として後方視的に、観察研究を行います。
通常の検査・診察を受けていただきますので、この研究にご協力いただくことであなたの負担が増えることはありません。

通常の検査・診察を受けていただきますので、この研究にご協力いただくことであなたの負担が増えることはありません。

利用するデータは以下の通りです。

  • 背景情報:年齢、性別、身長、体重、NYHA(New York Heart Association)クラス分類、既往症
  • 手術情報:手術時間、術式
  • 治療経過:全死亡、心血管死亡および脳血管有害事象、術後左室機能、僧帽弁閉鎖不全症の再発
  • 心エコー検査データ:術前、術後、1年後ならびに直近の心エコー検査画像データ

本研究は、多施設共同研究であり、本施設は共同研究施設として、主管施設へ上記データを提供いたします。
データの授受の方法は以下の通りです。

  • 心エコー検査データ:術前、術後、1年後ならびに直近の心エコー検査画像データ
    ※Box社のサーバーは米国の医療機関向けセキュリティ認証HIPAAの他、各種セキュリティ認証を取得し、日本国内では複数の国立大学病院を含む30-40病院、米国では500以上の病院で利用実績があり、セキュリティには問題ないものと考えられます。
  • その他の臨床データ:一般社団法人National Clinical Database(NCD)※上に新たなプラットフォームを作成し、周術期データは既入力済みのものを流用します。不足項目については、当施設で追加入力致します。
    ※一般社団法人NCDは、日本全国の外科系施設における外科症例の全数把握を目的として、2010年にデータベースの運営を開始しています。NCDでは患者さんの権利を守るために、様々な倫理的検討を行っています。詳細はNCDホームページを参照ください。

上記の提供したデータに基づいて、匿名化した対応表を主管施設で作成し、主管施設内の外部と切り離されたパソコンを使用して、外部記憶媒体に保存し、鍵のかかる保管庫に厳重に保管します。

データの保存及び破棄については、当該研究の終了について報告された日から5年を経過した日、又は当該研究の結果の最終公表について報告された日から3年を経過した日、いずれかの遅い日までの期間保存したのち、外部記憶装置媒体内データを消去した上で、媒体を物理的に破壊し、対応表を破棄します。

4 研究の期間

この研究の期間は、研究期間:臨床研究等許可決定後~2023年12月31日までです。

5 研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスク及び利益

  1. 研究対象者に生じる負担

    本研究は、後方視的観察研究という通常診療の過程で得た情報を用いる研究であり、研究目的で新たに収集する項目はないため、情報収集に関する、医療費の負担および身体的負担はありません。

  2. 予想されるリスク及び利益

    本研究は、後方視的観察研究という通常診療の過程で得た情報を用いる研究であり、患者さんへの介入がないため、本研究により新たに生じるリスクはありません。一方で、本研究に参加することで患者さん自身が得られる利益もありません。

6 研究にあたっては、同意を得ることなくデータを利用させていただくこと

この研究にあたっては、対象患者さんの同意を得ることなくデータを利用させていただきます。データの利用を望まない場合は、申し出をいただければ対象とは致しません。データの利用を望まない場合でも、不利益を受けるようなことは一切ありません。当院では同じように最善の医療を提供いたします。

7 いつでも不利益を受けることなく研究対象者となることを撤回できること

不利益を受けることなく、いつでも研究対象から外れることができます。ただし、申し出をいただいたとき既に研究結果が論文などで公表されていた場合には研究結果や試料等を破棄できないことがあります。

8 研究に関する情報公開の方法

希望があれば、他の研究対象者等の個人情報等の保護及び研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申し出ください

9 個人情報の保護

この研究を実施するに当たって、あなたから提供された試料や診療録情報については特定の個人を識別することが出来ないように氏名や住所等が削除され、代わりにあなたとは無関係の符号をつける匿名化を行ったうえで、主管研究施設に提供し、共同で本研究に使用いたします。あなたとこの符号を結びつける対応表は、主管研究施設内で研究責任者が厳重に管理いたします。そのため、他施設で参加者の個人情報が明らかになることはありません。
データの授受については、項目3で記載した通りです。

10 試料・情報の保管及び廃棄の方法

  1. 試料・情報等の保管の方法

    この研究で得られたあなたに関する情報および研究関連の記録は、研究終了後、本申請の研究目的以外の目的に情報を使用する可能性があり、外部記憶装置媒体内に適切に保管いたします。保管した情報等を別の目的に使用する際は、改めて倫理審査委員会に申請し承認を得る予定です。
    研究が終了した日から5年間、または最終結果が公表された日から3年間のいずれかの遅い日まで保存した後に破棄・廃棄いたします。

  2. 試料・情報等の破棄の方法

    研究期間が終了した後に、データを破棄する場合は、データ消去専用ソフトウェアにより消去し、他施設に渡ったデータを消去した際は破棄証明書を発行し、受理します。

11 研究の資金源、研究機関の研究に係る利益相反及び個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

  1. 資金源

    この研究は、2019年度日本心臓血管外科学臨床助成を用いて実施します。

  2. 利益相反の状況

    この研究の利害関係については、自治医科大学および東京慈恵会医科大学の承認を得ており、公平性を保ちます。

*研究の実施に際しての利益相反とは、外部との経済的な利益関係等によって試験の実施に必要とされる公正かつ適正な判断がそこなわれる、またはそこなわれるのではないかと第三者から懸念される事態

12 経済的負担又は謝礼

本研究に参加することで追加の経済的な負担が増加することはありません。通常の保険診療の中で得られたデータを使用します。観察研究であり、本研究に参加いただくことで謝礼を支払うこともありません。

13 知的財産権の帰属

この研究の結果として特許権等の知的財産権が生じる可能性がありますが、その権利は大学や研究者に帰属し、あなたには帰属しません。また、その権利により経済的利益が生じる可能性がありますが、あなたにはその権利はありません。

14 通常の診療を超える医療行為を伴う研究の場合は、他の治療方法に関する事項

本研究で通常の診療を超える医療行為を伴うことはありません。

15 通常の診療を超える医療行為を伴う研究の場合は、研究対象者への研究実施後の医療の提供に関する対応

本研究で通常の診療を超える医療行為を伴うことはありません。

16 研究対象者の健康、子孫に受け継がれ得る遺伝的特徴などに関する重要な知見が得られる可能性がある場合、研究対象者等に係る研究成果の取扱い

本研究で、研究対象者の健康、子孫に受け継がれえる遺伝的特徴などに関する知見がえられる可能性はありません。

17 健康被害に対する補償

この研究に伴う補償はありません。この研究は、通常の診療と同様に健康保険の範囲内で行います。副作用など健康被害が生じたときの治療も健康保険を用いて行いますので、保険の自己負担分はあなたにお支払いいただくことになります。

18 試料・情報等を特定されない将来の研究に用いる可能性、他の研究機関に提供する可能性

将来、別の目的の研究のために情報を用いる可能性があり、この際には改めて倫理委員会に申請し、承認を得る予定です。

19 研究者以外の者が試料・情報等を閲覧する可能性

本研究で得られた資料・情報等を研究者以外が閲覧する可能性はありません。

20 相談等問い合わせ先、苦情の窓口

この研究に関するご質問等がありましたら、下記の研究責任者までお問い合わせ下さい。

研究責任者
住所:〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1
所属:自治医科大学心臓血管外科教室
職名:講師 氏名:楜澤 壮樹
e-mail:r0817sk@jichi.ac.jp (電話:0285-58-7368)

苦情がある場合は、自治医科大学附属病院臨床研究センター管理部電話0285-58-8933)で受け付けます。