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放射線科(診断部門・治療部門)[アニュアルレポート]

1.スタッフ(平成23年4月1日現在)

診断部門

科長 (教授) 杉本 英治
外来医長 (講師) 中田  学
医員 (講師) 篠崎 健史
(助教) 藤田 晃史
病院助教   小林  茂
歌野 健一
シニアレジデント 10名

治療部門

科長 (教授) 仲澤 聖則
医員 (講師) 大森 義男
(さいたま医療センター併任)
シニアレジデント 4名

2.診療科の特徴

日本医学放射線学会 専門医総合修練機関
日本核医学会 専門医教育病院
日本IVR学会 専門医修練施設

専門医・認定医

日本医学放射線学会専門医
(常勤医、ただし小児部門を除く)
10名
日本放射線腫瘍学会認定医 1名(常勤医)
日本核医学会専門医 3名
日本IVR学会専門医 1名
検診マンモグラフィー読影認定医 10名
消化器病専門医 1名
核医学研修指導医 1名
がん認定機構暫定教育医 2名(常勤)
1名(非常勤)
がん認定機構認定医 4名
2名(非常勤)
日本ハイパーサーミア学会認定医 1名

3.診療実績・クリニカルインディケーター

診察部門

放射線診断、IVRの検査、読影は常勤の放射線科診断専門医9名体制で行った。10月以降は、新たに4名が放射線科認定医となりレポート確定権限を得た。安全対策として、例年通り、造影剤副作用と対応について定期的にセミナーを行った。造影剤ショック時対応のシミュレーションを、救急部の指導のもとに行った。検査数、読影数、読影率を表に示す。

  検査総数 読影数 読影率(%)
CT 39,967 23,416 58.6
MRI 13,805 13,370 96.8
マンモグラフィー 2,445 2,445 100
全核医学検査 5,200 5,164 99.3
PET-CT 1,672 1,672 100
図1.CT・MRIの検査数

図1.CT・MRIの検査数

図2.検索項目の相対比

図2.検索項目の相対比

CT・MRI読影の現況

当科では、予約CTおよびMRI検査に関して、読影レポートの質を保つために読影制限枠を設けている。昨年同様にCT 75件/日、MRI 40件/日に設定したが、CTは上限である75件が常に埋まっている状態であり、10月からは100件/日に増枠して対応している。MRIの読影依頼も徐々に増加しているが、上限に達することは少なく現状の読影枠を維持した。
当日依頼の緊急/至急CT/MRI検査については読影依頼(電話連絡あり)があればすべて読影している。また、電話連絡のない読影依頼ありの当日依頼検査や読影依頼のない検査についても、積極的に読影をするようにしており、MRIはほぼ全例読影している。
読影コンサルト枠については昨年同様に10件/日で対応した。希望の期日に入らない場合には、読影コンサルト枠外として適宜対処している。
他院からの紹介フィルムでデジタイザーで取り込んだものについては、読影依頼があれば読影している。今年は186件の依頼があり、昨年の数を下回ったが、これは他院から持ち込まれる画像がCD/DVDなどのメディアになってきている症例が増加しているためと思われる。CD/DVDの画像については正式な読影レポートを作成することはできないが、適宜PC端末上で参照して対応している。
地域医療連携を経由した院外依頼の検査は、それぞれCT172件、MRI71件、核医学400件であった。

CT

本館予約CTおよび新館当日依頼CTの総件数は39,967件、読影数は23,416件(読影率;約58%)であった。読影率は昨年をやや下回ったが、読影総数は増加している。この中で検査依頼時に読影依頼があったものは19,779件であり、検査後読影依頼は3,637件であった。
CT検査数は年々増加しており、当日依頼の新館CT検査を本館CTでカバーする件数が増加した。MPRなどの再構成画像や3D構築の需要は増加しており、ワークステーションを3台導入した。

心臓CT

検査数は316件。うち冠血管疾患のスクリーニング検査171件、CABG後30件、月平均約26件で何れも増加傾向。

CT colonography(CTC)

検査数は252件。2009年よりも微減。大腸癌の手術前検査としてほぼ全症例をカバー。CTCは注腸の代替検査として定着している。大腸3次元CT研究会による多施設共同研究に参加している。

新館CT

検査数は14,293件、一日平均約39件。24時間体制で、外来入院を問わず緊急CTに対応し、当日の読影依頼には緊急読影で対応している。新館CTは16列から64列CTに更新され、検査件数は増加。

単純X線検査(胸部)

読影依頼件数は1,416件で、昨年比135%増。胸部単純X線検査の読影率は1.4%、読影依頼のあった検査に関しては100%読影している。

マンモグラフィー

検査数は2,445件、マンモトーム22件、フックワイヤ3件。読影率100%。検査件数は昨年とほぼ同様。読影率は100%を保っている。週1回乳腺外科とともに読影を行い、他科とのコミュニケーションを密にしながら、診断能の維持・向上に務めている。

造影検査全般(胃透視、注腸、IVPなど)

検査数は3,668件、読影数は111件(3.0%)。消化管造影をはじめとして各種造影検査は徐々に減少している。消化管造影は、当科と消化器内科共同で施行・読影を行っている。

MRI

検査数 13,805件(読影数13,370件 96.8%)
要読影数 9,367件(平均38件/日)
至急枠 2,601件(次回診察日で区別されるもの)

前年度に比べて検査数は減少したが、当日依頼の至急検査は前年とほぼ同様であった。1件あたりに撮像時間を要する心臓MRIなどは経時的に増加しており(2010年107件、2008年の2倍弱)、検査の複雑化・高度化に伴う負担は年々増加傾向である。認定医の増加もあり、読影業務の分担を行い読影率はさらに上昇し、95%超となっている。

核医学(PET-CTを除く)

  前年比 読影率
診断検査数 3,528(うち、乳癌術前センチネルリンパ節171) 1.1 99.0%
922 0.9 100%
608 1.1 98.2%
心臓 798 1.4 98.2%
その他 1,029 1.1 98.6%
治療数 71 1.3  
甲状腺治療 63 1.2  
メタストロン 8 4  

診断検査は骨関連を除き増加し、特に心臓分野での需要が上昇した。読影率は99.0%。治療では転移性骨腫瘍に対するメタストロン投与が前年の4倍となった。

18FDG-PET/CT

2010年4月の診療報酬改定で、PET/CT検査の保健適応が「早期胃癌を除くすべての悪性腫瘍」の病期診断、再発・転移診断に拡大された。これを受け検査数は対前年比20%増の1,672件で、うち病診連携検査も前年度比50%増の108件と増加した。読影率は100%。悪性腫瘍の治療前後の評価にFDG-PET/CT検査の有用性が認識され、院内・院外からの依頼が増加した。

IVR(血管内治療:頭部を除く)

2010年度 放射線科 IVR診療実績

【放射線科単独施行症例】
BRTO 9件
肝細胞癌に対する肝動脈塞栓術、動注療法 273件
経皮経肝的門脈塞栓術 2件
部分的脾動脈塞栓術、脾動脈瘤塞栓術 4件
生体肝移植後脈管狭窄のPTAあるいはステント留置術 7件
外傷、腫瘍破裂等止血目的の緊急TAE
(気管支動脈塞栓術、産科周産期関連IVR以外)
31件
気管支動脈塞栓術 5件
急性膵炎カテーテル留置 7件
産科周産期関連IVR
(止血目的の緊急TAE、バルーニング)
7件
腎動脈瘤塞栓術、腎動脈ステント 3件
診断的血管造影 10件
CTガイド下生検 12件
CTガイド下膿瘍ドレナージ 2件
肺動静脈瘻塞栓術 2件
軟部腫瘍に対する動脈塞栓術 2件
上腸間膜動静脈血栓症に対する緊急IVR 2件
378件
【循環器外科共同施行症例】
Endovascular Aneurysmal Repair 35例
腸骨動脈形成術 20例
Thoracic Endovascular Aneurysmal Repair 3例
エンドリーク閉鎖 1例

放射線科単独施行症例数、肝細胞癌に対する治療は昨年と比べ横ばいであった。
緊急枠の救急IVR件数は、さらに増加傾向であった。今年から心血管外科による大血管IVRにも参画している。今後は症例の蓄積によりエンドリーク閉鎖術など、術後症例のIVRが増えると思われる。

診断部関連カンファレンス

読影室カンファレンス 毎日午後5時から、中央放射線部カンファレンス室で。
うち一日(木曜日)はとちぎ子ども医療センターで。3-6例/日
放射線科画像カンファレンス 毎週火曜日 午後12時30分から
呼吸器疾患カンファレンス 毎週火曜日 午前7時30分から
婦人科カンファレンス 毎週月曜日 午後6時30分から
整形外科症例検討会 毎週木曜日 午後5時から
大腸カンファレンス 毎週木曜日 午後7時から
乳腺外科カンファレンス 毎週火曜日 午後6時から
肝臓カンファレンス 不定期(2ヶ月に1回、月曜日夕方)
外科カンファレンス 毎日午前7時45分から
耳鼻科カンファレンス 毎週水曜日 午後5時30分から
放射線科・総合診療部カンファレンス 毎週金曜日 午後3時から
放射線科・病理カンファレンス 毎週金曜日 午後5時から。総症例数52症例を検討した(表3)。

表3

  2010年
中枢神経系 13
頭頸部 10
胸部(含む乳腺) 4
腹部 8
後腹膜 1
泌尿生殖器 13
骨軟部 3
合計 52

治療部門

3.診療実績・クリニカルインディケーター

総論

放射線治療:診療業績

新患治療計画数 727名
再診患者の治療計画数 962名
治療計画数の合計 1,239名
根治照射と緩和照射 各々30~40%
多分割照射 全体の20%以下
小線源治療 46名
  腔内照射 40名、のべ162件
組織内照射 6名、のべ42件
全身照射 20名
定位放射線照射 合計 46名
  31名
( 脳動静脈血管奇形、脳腫瘍の一部、転移性脳腫瘍)
体幹部 15名
強度変調放射線治療 36名

特記すべきこと

  1. 放射線治療品質管理委員会が病院長直属として、発足したこと。
  2. 三次元照射と強度変調治療のシステムが確立して、順調に実施数が増加中である。
  3. 全国的な患者数の増加に伴い治療計画待機期間が延長している。特に高度な特殊治療である、強度変調治療と体幹部定位照射の待機期間は、前者が3か月、後者が1か月以上となりつつある。効率的は装置運用を行っても、人員不足が主な要因(特に放射線技師)となっている。
  4. シニアレジデントも含めて日本医学放射線学会の専門医5名、日本がん治療認定医機構の認定医4名と、資格保持者が増加しつつある。
  5. 当施設は放射線診断スタッフの質が高いので、研修ローテーションする治療医の標的描出する能力に秀でている。これは他の大学の放射線腫瘍部門よりも長所となっている。

治療関連カンファレンス

放射線治療計画全体検討会 毎週木曜日 午後5時30分~
口腔外科-放射線治療カンファレンス 隔週月曜日 午後5時30分~
耳鼻科腫瘍放射線治療カンファレンス 隔週月曜日 午後6時~
Xナイフ検討会 毎週火曜日 午後5時30分~
放射線治療抄読会 毎週木曜日 朝8時、12:30各30分

4.事業計画・来年の目標等

診断部門では、本館CT3台がそれぞれ更新され、すべて64列以上となる。本館CT装置はそれぞれ検出器が16列→128列、40列→64列、64列→128列(2管球装置)を搭載した装置に更新され、今後は装置による撮像の制約などはなくなることが期待される。MRI棟着工予定で、3TMRIを導入。γカメラを更新して、一部SPECT-CTを導入予定。
2011年にはPACSのバージョンアップを予定している。2011年4月1日から、他院からの紹介されたdicom画像のPACSへの取り込みを開始する予定である。治療部門では、ライナック1台更新、治療計画用CTの更新が予定されている。

5.過去実績

2009年アニュアルレポート

2008年アニュアルレポート

  • 東日本大震災関連情報

自治医科大学附属病院

〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1

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