小児科[アニュアルレポート]

1.スタッフ(平成23年4月1日現在)

 (専門)
科長 (教授) 桃井眞里子 神経
副科長 (教授) 山形 崇倫 神経
白石裕比湖 循環器
外来 医長 (講師) 南  孝臣 循環器
病棟 医長 (講師) 福田冬季子 神経・代謝
内分泌
病棟 医長 (病院講師) 中島 尚美 腎臓
病棟 医長 (助教) 野崎 靖之 神経・遺伝
医員 (教授) 杉江 秀夫 神経・代謝
内分泌
(学内教授) 森本  哲 血液・腫瘍・
免疫
(准教授) 高橋 尚人 新生児
(准教授) 河野 由美 新生児
(講師) 森  雅人 神経
(講師) 柏井 良文 血液・腫瘍
(病院講師) 矢田ゆかり 新生児
(助教) 横山 孝二 消化器・肝臓
小池 泰敬 新生児
佐藤 智幸 循環器
病院助教   佐藤 優子 喘息
アレルギー
西村  仁 新生児
伊東 岳峰 腎臓
小高  淳 腎臓
青柳  順 腎臓
長嶋 雅子 神経
早瀬 朋美 血液・腫瘍
鈴木 由芽 新生児
俣野 美雪 新生児
石井 朋之  
井上 元子  
小熊真紀子  
高田亜希子  
レジデント 16名

2.診療科の特徴

当科は小児の総合診療及び多岐に亘る専門診療を担当している。総合診療部の担当する外来のほかに、神経、心臓、肝消化器、腎臓、代謝・内分泌、血液・腫瘍、膠原病、喘息・アレルギー、遺伝、新生児、心理の各専門外来があり、子ども医療センター内で他科の小児専門外来とも連携をとって診療にあたっている。また、救急医療では地域医療機関と連携して、三次救急の受け入れの重要な役割を果たしている。

病棟は急性期病棟、慢性期病棟、周産期センター新生児集中治療部門に別れ、それぞれ38床、38床、36床の計112床のベッド数を有している。子どもと家族のニーズに応じた包括的な小児医療と、各分野の専門性の高い検査や治療などの高度な医療を提供している。

関連領域専門医認定施設

日本小児科学会専門医研修施設
日本小児神経学会専門医研修認定施設
日本人類遺伝学会認定研修施設
日本超音波医学会認定専門医研修施設
日本てんかん学会専門医認定研修施設

認定医

日本小児科学会小児科専門医 桃井眞里子 他43名
PALS Provider 白石裕比湖 他12名
日本小児神経学会認定小児神経科専門医 桃井眞里子 他5名
日本小児循環器学会専門医 白石裕比湖 他5名
日本小児循環器学会暫定指導医 白石裕比湖 他5名
日本医師会認定産業医 桃井眞里子 他3名
日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医 山形 崇倫 他3名
ICD制度協議会インフェクションコントロールドクター 柏井 良文 他2名
日本周産期・新生児医学会専門医 高橋 尚人 他2名
日本周産期・新生児医学会専門医暫定指導医 高橋 尚人 他1名
日本がん治療認定医機構暫定教育医 柏井 良文 他1名
日本内科学会認定医 桃谷 孝之  
日本心臓病学会特別正会員 白石裕比湖  
日本人類遺伝学会認定臨床遺伝指導医 山形 崇倫  
日本てんかん学会認定臨床専門医 山形 崇倫  
日本東洋医学会専門医 桃谷 孝之  
日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法「専門」コース
インストラクター
高橋 尚人  
日本血液学会指導医 森本  哲  
日本血液学会専門医 森本  哲  
日本臨床腎移植学会認定医 金井 孝裕  
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 柏井 良文  
日本消化管学会 胃腸科認定医 熊谷 秀規  
日本透析医学会専門医 金井 孝裕  
日本超音波医学会 超音波専門医 齋藤 真理  
BLS Provider 本間 洋子  

3.診療実績・クリニカルインディケーター

とちぎ子ども医療センターの1年間の小児科総合診療部、専門診療部および入院診療実績について報告する。なお周産期母子総合医療センターのNICUについても一部併記する。

3-1.外来診療

1)新来患者数・再来患者数・紹介率

新来患者数 3,812人
再来患者数 35,683人
紹介率 42.1%

2)小児科総合診療部外来

医師:桃井 眞里子(部科長・兼)、山形 崇倫(兼)、白石 裕比湖(兼)、杉江 秀夫(兼)、河野 由美(兼)、森本 哲(兼)、森 雅人(兼)、
福田 冬季子(外来医長・兼)、柏井 良文(兼)、金井 孝裕(兼)、南 孝臣(兼)、矢田 ゆかり(兼)、野崎 靖之(兼)、横山 孝二(兼)、佐藤 優子(兼)、伊東 岳峰(兼)小高 淳(兼)、中村 幸恵(兼)、青柳 順(兼)、長嶋 雅子(兼)

診療実績:

総合診療部では、午前中の外来診療と午後の急患対応を行っている。小児科専門医がそれぞれの専門診療部と兼務で診療を行っている。原則として初診は紹介受診のみとしているが、直接受診される場合も多い。発熱、けいれん、咳、喘鳴、腹痛、頭痛、嘔吐下痢、などの急性症状に加えて、成長発達上の問題、不定愁訴、不登校、自律神経障害、夜尿症などの診療も多い傾向にある。基礎疾患を有し、各専門外来を受診する小児の急性症状にも対応している。小児科の診療では常に総合的判断を必要とするため、総合診療部で問題を把握し、適切な初期治療、あるいは検査を実施し、必要に応じて、病棟や各専門診療部に振り分ける場合と、しばらく総合診療部外来で診療後、地域かかりつけ医にお戻しする場合がある。全領域にわたる能力を必要とするため、ベテランの小児科専門医が担当している。年間約10,000人が受診した。月別患者数は急性疾患の流行にも左右されるが、夏季には学校検診における二次精密検査の受診などで外来受診者が増える傾向にある。

2010年、月別患者数:( )内は2009年
 1月2月3月4月
初診患者数 82(79) 103(66) 106(92) 107(75)
再診患者数 628(764) 657(694) 810(897) 713(723)
合計患者数 710(843) 760(760) 916(989) 820(798)
 5月6月7月8月
初診患者数 81(73) 112(110) 132(114) 144(94)
再診患者数 665(632) 852(742) 796(707) 864(681)
合計患者数 746(705) 964(852) 982(821) 1,008(775)
 9月10月11月12月
初診患者数 110(97) 98(84) 98(81) 93(64)
再診患者数 678(620) 779(676) 795(615) 823(649)
合計患者数 788(717) 877(760) 893(696) 916(713)

2010年年間患者数:( )内は2009年

新患患者数 1,266(1,029) 人
再診患者数 9,060(8,400) 人
合計患者数 10,326(9,429) 人

3)小児神経外来

医師:桃井 眞里子、山形 崇倫、杉江 秀夫、森 雅人、福田 冬季子、野崎 靖之、桑島 真理、門田 行史、倉田 和美、長嶋 雅子

診療実績:
1月2月3月4月5月6月
964 943 1,152 1,124 882 1,109
7月8月9月10月11月12月
1,064 1,158 1,122 989 1,124 1,079

年間総受診数 12,710人

主な診療対象:

複数の疾患を持つ例が多いため、主要疾患の1か月受診者数の概数を記載する。てんかん 400-500人、脳性麻痺や脳炎等による痙性麻痺 100-150人、自閉性障害、知的障害、学習障害や注意欠陥多動性障害 350-400人、先天代謝異常症 約20人、染色体異常や中枢神経形成異常 約80人、神経皮膚症候群 20-30人、筋ジストロフィー、重症筋無力症などの神経筋疾患 30-40人、白質脳症、脊髄小脳変性症などの神経変性疾患 4-5人、チック障害、吃音、頭痛等 40-50人であった。この他、人工呼吸器外来において、18人の在宅人工呼吸器患者を診療している。

4)遺伝外来

医師:野崎 靖之

診療実績:
1月2月3月4月5月6月
21 19 21 25 16 20
7月8月9月10月11月12月
26 23 20 21 23 19

年間総受 診数 254人

主な診療対象:

Down症候群、染色体異常症候群、先天奇形症候群、骨系統疾患。
染色体異常、遺伝性疾患は、神経外来に通院している患者も多い。

5)小児循環器外来

医師:白石 裕比湖、村上 智明、菊池 豊、保科 優、片岡 功一、平久保 由香、森本 康子、齋藤 真理、飯野 真由

診療実績:
1月2月3月4月5月6月
177 135 242 356 285 385
7月8月9月10月11月12月
321 344 338 333 216 325

年間総受診数 3,457人

主な診療対象:

心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、完全大血管転位症、Fallot 四徴症、完全大血管転位症、肺動脈閉鎖症などの先天性心疾患の術前と術後、心筋症、不整脈、川崎病、心雑音の精査などを中心に外来診療している。

6)小児腎臓外来

医師:金井 孝裕、伊東 岳峰、小高 淳、齋藤 貴志、青柳 順

診療実績:
1月2月3月4月5月6月
143 124 175 162 133 159
7月8月9月10月11月12月
166 162 170 165 155 141

年間総受診数 1,855人

主な診療対象:

小児特発性ステロイド感受性ネフローゼ症候群、55~60名;IgA腎症、40~45名;膜性増殖性糸球体腎炎、8~10名;巣状糸球体硬化症、10名;膜性腎症、3~5名;Alport症候群、5名;膀胱尿管逆流症、15名;その他、低形成腎、嚢胞腎、尿細管アシドーシス、慢性腎不全(腹膜透析含む)などを診療している。

外来の特色:

急性血液浄化療法から、維持透析療法・生体腎移植まで、ほぼ小児腎疾患のすべてを守備範囲としている。また、他の小児専門診療科からの依頼を受けて、血漿交換療法や、G-CAPなどの体外循環療法も行っている。院外との連携では県内はもとより、群馬・埼玉・茨城・東京からも、紹介を受けた。まだ、小児科医では数少ない腎移植専門医(日本臨床腎移植学会)が勤務する病院として、県外子ども病院からも、将来の腎移植を視野に入れた紹介も受け、2010年は2件の生体腎移植を行った。

7)小児代謝・内分泌外来

医師:杉江 秀夫、福田 冬季子、関戸 真理恵

診療実績:
1月2月3月4月5月6月
146 153 165 171 154 132
7月8月9月10月11月12月
122 162 144 123 170 161

年間総受診数 1,803人

主な診療対象:

先天性代謝異常症スクリーニング検査の2次検査、先天代謝異常症(OTC欠損症、ガラクトース血症、糖原病など)、高コレステロール血症、糖尿病などの代謝性疾患、および成長ホルモン分泌不全性低身長、副腎過形成、甲状腺機能低下症、バセドウ病、思春期早発症、性腺疾患などの内分泌疾患が主体である。

8)小児消化器・肝臓外来

医師:桃谷 孝之、熊谷 秀規、市川 万邦、横山 孝二、大谷 英之

診療実績:
1月2月3月4月5月6月
67 67 71 67 64 59
7月8月9月10月11月12月
62 98 64 61 83 82

年間総受診数 845人

主な診療対象疾患:

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、消化性潰瘍(胃十二指腸潰瘍、急性胃粘膜病変など)、過敏性腸症候群、胆道閉鎖症(術後含む)、胆汁うっ滞症(Alagille症候群、原発性硬化性胆管炎、新生児肝炎など)、B型肝炎(母子感染予防措置を含む)、C型肝炎(インターフェロン療法含む)、肝硬変(胆道閉鎖症術後、COACH症候群など)慢性肝炎(自己免疫性肝炎、輸血後肝炎)、急性肝炎(CMV肝炎、TTV肝炎など)、非アルコール性脂肪肝炎、肥満症、代謝性肝疾患(Wilson病、NICCD)、などの内科的診療。外科疾患(肥厚性幽門狭窄症、腸重積、逆流性食道炎など)、肝生検、消化管内視鏡検査に関しては、小児外科、移植外科、消化器内科と連携を取りながら診療を行っている。

9)新生児フォローアップ・シナジス外来

医師:河野 由美、高橋 尚人、矢田 ゆかり、本間 洋子

診療実績:
新生児フォローアップ
1月2月3月4月5月6月
230 212 240 190 197 215
7月8月9月10月11月12月
230 268 195 193 189 199

年間総受診数 2,558人

シナジス外来
1月2月3月4月5月6月
35 41 52
7月8月9月10月11月12月
22 26 32

年間総受診数 208人

主な診療対象:

新生児フォローアップ外来は、NICU退院児を対象として、退院後2週間から小学校3年生まで長期フォローアップを行っている。診療内容は成長・発達の評価とともに合併症の治療や精査、必要な養育支援である。気管切開、在宅酸素療法や経管栄養などの在宅医療を必要とする児も多い。外科系診療科、心理面接・心理検査、リハビリテーション部門と連携して包括的な診療を行っている。新生児難聴スクリーニングの精査・フォローも行っている。冬季に行われるRSV重症化予防のために別枠で設置したシナジス外来で208名、新生児外来でほぼ同数例にパリビズマブを接種した。

10)小児血液・腫瘍外来

小児血液外来

医師:森本 哲、柏井 良文、中村 幸恵、早瀬 朋美、翁 由紀子

診療実績:
1月2月3月4月5月6月
138 127 180 138 95 134
7月8月9月10月11月12月
127 210 126 119 131 160

年間総受診数 1,685人

主な診療対象:

急性リンパ性白血病(ALL)や急性骨髄性白血病(AML)、若年性骨髄単球性白血病、悪性リンパ腫、慢性骨髄性白血病などの血液腫瘍疾患、神経芽細胞腫(NBoma)やウイルムス腫瘍、横紋筋肉腫、網膜芽腫、脳腫瘍などの悪性固形腫瘍、ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)や血球貪食性リンパ組織球症の組織球症、血友病や特発性血小板減少性紫斑病、遺伝性血栓症などの凝固系疾患、再生不良性貧血や遺伝性球状赤血球症、サラセミアなどの赤血球系疾患、慢性良性好中球減少症や重症複合型免疫不全、慢性GVHDなどの白血球・免疫疾患。
2010年の新規腫瘍性症例は、ALL 12例、AML 2例、MDS 2例、TAM 1例、LCH 4例、NBoma 2例、奇形腫 1例、ovarian dysgerminoma 1例、脳腫瘍 3例であった。

11)小児喘息外来

医師:佐藤 優子

診療実績:(延べ人数)
1月2月3月4月5月6月
67 64 75 62 64 75
7月8月9月10月11月12月
67 65 67 67 75 64

年間受診数 798人

主な診療対象疾患:

気管支喘息、運動誘発喘息
発作重症度としては、中等症および重症持続型の患児が大半を占める。心疾患や神経疾患など、基礎患児をもつ児も多く、他の専門外来と連携をとり診療を行っている。気管支喘息を基礎疾患にもつ患児の術前評価なども行っている。
薬物療法として発作重症度にあわせた早期からの吸入ステロイド薬導入など行い、環境整備や喘息教育を行っている。

12)アレルギー外来

医師:佐藤 優子

診療実績:(延べ人数)
1月2月3月4月5月6月
40 41 45 42 38 47
7月8月9月10月11月12月
42 47 42 42 45 46

年間受診数 517人

主な診療対象疾患:

食物アレルギー、アナフィラキシー、薬物アレルギー、口腔アレルギー症候群、食物依存性運動誘発アナフィラキシー、好酸球性腸炎、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏症など。
近年増加傾向にある食物アレルギー児に対して、原因食物の特定や除去食導入を行い、栄養指導や薬物療法、食物負荷試験を施行している。
アナフィラキシーに対する急性期の治療と、エピペン® 処方を行っている。
また、食物アレルギーのある患児に対する麻疹風疹ワクチン(MRワクチン)やインフルエンザワクチン接種を随時施行している。

13)小児膠原病外来

医師:森本 哲

診療実績:
1月2月3月4月5月6月
33 28 40 34 36 41
7月8月9月10月11月12月
42 47 31 32 38 34

年間総受診者数 436人

主な診療対象:

若年性特発性関節炎(JIA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群(SS)、若年性皮膚筋炎(JDM)など。
2010年の主な新規症例は、JIA 6例、JMD 1例、紅彩炎 1例であった。

14)胎児心エコー外来

医師:白石 裕比湖、片岡 功一

診療実績:
1月2月3月4月5月6月
3 3 4 4 6 5
7月8月9月10月11月12月
3 5 7 10 6 6

年間総受診数 62人

主な診療対象:

胎児の左心低形成症候群、三尖弁閉鎖症、両大血管右室起始症、Fallot 四徴症、完全大血管転位症、多脾症候群、心臓腫瘍、不整脈など。

その他:

院内産科あるいは産科開業医から紹介された、胎児に先天性心疾患や不整脈を持つ妊婦において、胎児心エコー図検査による出生前診断を実施した。

15)1ヵ月健診

乳児健診は原則当院産科から退院した生後1ヶ月児の健診を行っている。また新生児マススクリーニングの結果を外来で家族に説明している。

1月2月3月4月5月6月
90 75 77 63 69 71
7月8月9月10月11月12月
68 89 90 84 75 86

年間総受診数 935人

16)夜間・休日診療

診療実績:

夜間、休日に受診し、小児科医が診療した患者数

1月2月3月4月5月6月
359 312 307 312 396 353
7月8月9月10月11月12月
304 277 271 318 320 482

年間総受診数 4,011人

17)心理検査・心理面接

臨床心理士:稲森 絵美子、星子 真美、山田 莉沙

診療実績:

心理検査件数

1月2月3月4月5月6月
39 41 49 26 20 30
7月8月9月10月11月12月
37 46 35 34 36 34

年間総検査件数 427人

心理面接件数

1月2月3月4月5月6月
125 138 134 121 102 127
7月8月9月10月11月12月
133 112 114 126 116 122

年間総面接件数 1,270人

主な対象:

検査内容は、神経外来からの知能・発達検査、新生児外来からの極低出生体重児のフォローアップのための発達検査の依頼が主であった。心理面接では、心身症、不登校などの適応障害、発達障害児の二次障害への対応等を行っている。患児に対しては、カウンセリング、プレイセラピー、動作法を行っており、家族の相談にも併せてのっている。

3-2.小児科入院診療

小児科は2A病棟(急性期病棟)、4A病棟(慢性期病棟)に分かれている。また母子周産期総合医療センターNICUの入院もあわせて報告する。
2A病棟における超重症児(者)受入は682名中30名(4.4%)です。4A病棟では、在宅人工呼吸器療法を必要としている小児で、かつ小児慢性特定疾患研究事業参加者を対象にレスパイト入院を受け付けている。平成22年のレスパイト入院患者数はのべ23名(5.5%)。

1)月別病棟新入院患者数

 1月2月3月4月5月6月
2A 52 48 61 48 52 72
4A 55 41 33 21 27 25
107 89 94 69 79 97
 7月8月9月10月11月12月
2A 64 62 44 67 56 55
4A 38 37 34 43 31 30
102 99 78 110 87 85

2A+4Aの総計年間入院患者数 1,096人

2)入院患者の疾患別内訳(人数)

疾患名病棟
2A4A
1 先天異常・遺伝疾患    
先天性奇形症候群   2
2 先天代謝異常症 5  
3 感染症    
RSウイルス 44 3
インフルエンザ 3  
単純ヘルペス 1  
アデノウイルス 3  
その他   2
細菌感染症    
敗血症 8  
化膿性頚部リンパ節炎 4  
蜂窩織炎 4  
急性中耳炎 1  
ブドウ球菌 2  
溶連菌 1  
マイコプラズマ感染症 1  
その他 7  
4 免疫疾患・膠原病    
血管性紫斑病 1 4
若年性特発性関節炎 5 2
SLE 1 6
その他 1  
5 アレルギー性疾患    
気管支喘息 75  
薬剤、食物アレルギー 2 1
6 呼吸器疾患    
クループ症候群 3  
急性気管支炎   8
気管支肺炎 223  
急性咽頭炎・扁桃腺炎 17 2
肺炎   4
無呼吸症候群 2  
膿胸 1  
慢性肺疾患   3
呼吸不全   8
その他 2 3
7 神経疾患   46
熱性痙攣 30  
軽症胃腸炎に伴うけいれん 1  
痙攣重積発作   3
てんかん 25 20
急性脳炎   3
インフルエンザ脳症 1  
その他の脳症 6  
ウイルス性髄膜炎 2 1
細菌性髄膜炎 2  
急性小脳失調症 5  
運動ニューロン疾患 1  
ミトコンドリア異常症 2 1
脳性麻痺 1  
脳腫瘍    
水頭症 1 2
筋ジストロフィー   3
ミオパチー 1 3
重症筋無力症   1
筋疾患   5
その他 6  
8 精神・心理疾患    
心身症 1  
その他   7
9 循環器疾患    
先天性心疾患    
心房中隔欠損   3
心室中隔欠損 2 4
その他    
不整脈 3 1
心不全 1 2
川崎病 28 7
心膜炎 2  
原発性肺高血圧   1
ファロー四徴症   5
拡張型心筋症 2  
その他   18
心臓カテーテル検査   62
10 消化器疾患   15
急性胃腸炎 35 1
腸閉塞 6  
胃十二指腸潰瘍 1  
急性膵炎 1  
潰瘍性大腸炎 1 6
クローン病 1 4
腸重積   2
胆管炎 1 1
急性肝炎 3  
ウイルソン病   1
その他 6 5
11 血液・腫瘍疾患    
特発性血小板減少性紫斑病 5  
血友病   2
血球貪食症候群 1  
組織球性壊死性リンパ節炎 1  
ランゲルハンス細胞組織球症   9
悪性リンパ腫   1
急性リンパ性白血病 2 17
急性骨髄性白血病 2 2
再生不良性貧血 1 3
好中球減少症   3
鉄欠乏性貧血   2
その他 2 6
12 腎泌尿器疾患   71
急性腎盂腎炎 33 4
急性糸球体腎炎 1 5
慢性糸球体腎炎   5
IgA腎症   5
ネフローゼ症候群 4 16
紫斑病性腎炎 1 4
溶血性尿毒症症候群 2  
慢性腎不全   5
腎生検   16
その他   3
13 代謝・内分泌疾患    
糖尿病 1 2
低身長 1 1
尿崩症   1
先天性副腎過形成   1
有機酸代謝異常症 1  
その他 15 1
14 整形外科疾患 2  
15 中毒・事故・外傷    
被虐待児症候群 3 2
薬物中毒 2  
ALTE 2  
育児過誤 1  
窒息 1  
その他 1  
16 新生児疾患   4
17 外科系手術入院   6

3)新生児集中治療部(NICU)の入院実績

(一部再掲)

年間入院数404人
出生体重(BW)別、在胎週数(GA)別入院数および死亡数を示す。人工呼吸症例数は142人(全入院の35.1%)で、NICU入院中に手術を行った外科症例(外科転科直後手術例ふくむ)は20人、死亡退院は5人であった。低出生体重児(1,500g未満)の死亡率は5.1%であった。

GA(W)入院生存死亡生存率(%)
22 0      
23 1 1 0 100.0
24 2 1 1 50.0
25 3 2 1 66.7
26 5 5 0 100.0
27 6 6 0 100.0
28 10 10 0 100.0
29 9 9 0 100.0
30 8 8 0 100.0
31 11 11 0 100.0
32 8 8 0 100.0
33 19 18 1 100.0
34 25 25 0 100.0
35 31 30 1 96.8
36 35 35 0 100.0
37以上 231 230 1 99.6
404 399 5 98.8
BW(g)入院生存死亡生存率(%)
<500 4 3 1 75.0
<750 7 7 0 100.0
<1,000 12 11 1 91.7
<1,250 13 13 0 100.0
<1,500 23 22 1 95.2
<1,750 11 11 0 100.0
<2,000 42 41 1 97.8
<2,500 86 86 0 100.0
>2,500 206 205 1 99.5
404 399 5 98.8

3-3主な検査・特殊治療

1)心臓カテーテル検査

総数82件であった。対象疾患は心房中隔欠損10件、心室中隔欠損22件、Fallot四徴12件、完全大血管転位4件、両大血管右室起始1件、房室中隔欠損4件、総肺静脈 還流異常3件、大動脈縮窄/離断3件、Ebstein奇形/三尖弁異形成1件、川崎病6件、動脈管開存4例、その他12件であった。カテーテル治療は15件で内訳はバルン血管形成術4件、心房中隔裂開術2件、動脈管/血管コイル塞栓術6件、バルン弁形成術3件であった。

2)腎生検

腎疾患については、2010年に、17件の腎生検を行った(開放腎生検を含む)。

3)造血細胞移植

2010年に造血細胞移植を3回行った。内訳は、AML1例に対し同種骨髄移植が2回(血縁不一致)、ALL 1例に対し同種骨髄移植が1回(非血縁)であった。

3-4小児科カンファレンス

毎週火曜日、水曜日、金曜日の朝に新入院患者の紹介と討議、水曜午後の教授回診にて入院患者の病状報告と討議を行った。
小児科における症例検討会(CC)は毎週木曜日18時からカンファレンス室で入院例を中心に検討した。以下症例検討会のテーマと担当を示す。

日時テーマ担当
1月14日 インフルエンザ菌感染による膿胸の1例 山中、柚木
1月21日 短腸症候群で長期中心静脈栄養を要し、カテーテル感染を契機に意識障害、けいれん、敗血症を来たした11歳女児 近藤、八木、吾郷、門田
1月28日 痙攣重積後に急速に左片麻痺を発症し意識障害が遷延した急性脳症の1例 佐藤、福島、山崎
2月18日 2番染色体長腕部分欠失の男児例 俣野、五十嵐
3月5日 進行性に記名力低下、見当識障害をきたし、特徴的な脳波所見およびミオクローヌスを呈した1例 ―特に治療について― 長嶋、黒岩、野口
4月1日 甲状腺機能亢進症母体産児 異なる経過をたどった3例 ―新生児期の管理を中心に―
4月8日 主に灰白質に病変を認めた横断性脊髄炎の1例 門田、長尾、黒岩
4月15日 ヘミバリスムで発症し中大脳動脈狭窄を認めた一男子例 岡野
5月6日 非定型欠伸発作と退行の一例 英、大谷
5月13日 脳低温療法を施行した2症例のまとめ 井上、長嶋
5月20日 Dense Depsit Desease(DDD)とは? 小高
6月3日 拡張型心筋症の1乳児例 ―慢性心不全に対する心臓再同期療法の適応について― 佐藤(智)
6月10日 VURに対する治療の現状とTop down approach導入の意義 小児泌尿器科中井
6月24日 Down症候群・両大血管右室起始に合併した両側乳び胸の1男児例 石井
7月1日 新生児期に発症した高アンモニア血症の1女児例 鈴木
7月8日 近年提唱されているIgM腎症についての考察 青柳、山岸、今川
9月9日 感染を契機に肺高血圧の急性増悪をきたした、21 ―trisomyの男児例 石井
10月14日 慢性貧血を基礎に急性心不全を発症し、診断に苦慮している1乳児例 岡、古井、佐藤(智)
10月28日 ガンマグロブリン不応の川崎病に対してシクロスポリン持続静注療法を施行した3例 南、岡
11月11日 周期性発熱および腹部造影CTで回腸未端・直腸に消化管壁肥厚を呈し、診断に苦慮している1男児例 島村
11月25日 生後から発達遅滞があり、5歳時からヒョレアが出現し、頻回の嘔吐、複雑部分発作、高CPK血症を認め、びまん性脳萎縮を呈した14歳女子例 島村、門田
12月2日 新生児期発症の心筋炎によると考えられる左室心筋炎障害の一例 高田

4.来年の目標・事業計画

とちぎ子ども医療センター小児科は、小児の高度医療を推進することを使命とし、小児科疾患の診療のみならず、センターにおけるあらゆる診療部門との連携により、小児の全ての疾患領域に対して高度な医療を提供する。次年度の目標として、①小児科専門診療部各領域における臨床研究を基盤とした小児高度医療の推進、難治性疾患の治療成績の向上、②慢性疾患、重症児の診療における地域医療機関との治療ネットワーク、在宅医療ネットワークの構築、③小児科総合診療部における紹介制の徹底と、地域医療機関との小児救急医療の役割分担の推進、小児三次救急医療の充実、④小児科医育成の一層の推進、を掲げる。

5.過去実績

2009年アニュアルレポート

2008年アニュアルレポート

  • 東日本大震災関連情報

自治医科大学附属病院

〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1

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