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小児移植外科【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2018年4月1日現在)

科長 (教授) 水田 耕一
医局長 (講師) 眞田 幸弘
外来医長 (病院講師) 井原 欣幸
医員 (病院助教) 岡田 憲樹
平田 雄大

2.診療科の特徴

当診療科の特徴は、

  1. 病院をあげた支援体制のもと18歳未満の小児を中心とした肝移植施設
  2. 年間症例数は本邦の小児生体肝移植の約15%
  3. 胆道閉鎖症に対する年間肝移植数が本邦最多
  4. OTC欠損症、メープルシロップ尿症、新生児肝移植など稀な疾患に対する肝移植数が本邦最多
  5. 消化器内科(小腸鏡治療)や放射線科(IVR)と連携した低侵襲の合併症治療
  6. 移植後1年生存率(96%)、10年生存率(95%)が全国平均比べ約10%以上高く本邦最高
  7. 関東甲信越以外の全国の広い地域からの紹介
  8. 永続的な外来管理(現在、肝移植後患者は約375名)

などになる。

当院で肝移植をされた患者さんは、平成29年12月までに、20都道府県から295例であり、東日本の肝移植の拠点施設としての役割を果たしている。

認定施設

  • 脳死肝移植認定施設(全国25施設)
  • 脳死小腸移植認定施設(全国12施設)

専門医、指導医

日本外科学会指導医 水田 耕一
日本外科学会専門医 井原 欣幸、眞田 幸弘、山田 直也、岡田 憲樹、平田 雄大
日本移植学会認定医 水田 耕一、眞田 幸弘、井原 欣幸
日本小児外科学会専門医 水田 耕一
日本肝臓学会専門医 眞田 幸弘
日本消化器外科学会専門医 眞田 幸弘
日本消化器病学会専門医 眞田 幸弘
消化器がん外科治療認定医 眞田 幸弘
日本超音波医学会専門医 眞田 幸弘

3.診療実績・クリニカルインディケーター

1)新来患者数・再来患者数・紹介率

新来患者数 45人
再来患者数 2,243人
紹介率 30%(移植外科全体のデータ)

2)入院患者数(病名別)

病名 患者数
肝移植後 75
肝移植ドナー 22
肝移植後胆管狭窄 17
肝移植後肝障害 14
胆道閉鎖症 12
肝移植後胆管炎 7
アラジール症候群 4
特発性門脈圧亢進症 4
肝移植後肝静脈狭窄 4
肝移植後急性胃腸炎 4
肝移植後胆管空腸吻合部狭窄 3
C型肝硬変 2
肝硬変 2
肝移植後貧血 2
肝移植後慢性拒絶反応 2
OTC欠損症 1
新生児ヘモクロマトーシス 1
NASH 1
肝芽腫術後胆汁うっ滞性肝炎 1
肝移植後肝動脈血栓症 1
肝移植後門脈狭窄 1
肝移植後門脈狭窄、肝静脈狭窄 1
肝移植後消化管出血 1
肝移植後下血 1
肝移植後腸閉塞 1
肝移植後腹壁瘢痕ヘルニア 1
肝移植後肝膿瘍 1
肝移植後敗血症 1
肝移植後劇症型心筋炎 1
肝移植後低IgG血症 1
合計 189
子どもセンター 100(53%)
附属病院 89(47%)

3-1)手術症例病名別件数

病名 患者数
肝移植ドナー 16
肝移植後胆管狭窄 13
胆道閉鎖症 11
肝移植後肝静脈狭窄 4
肝移植後消化管出血 3
アラジール症候群 3
肝硬変 2
肝移植後慢性拒絶反応 2
肝移植後低IgG血症 1
肝移植後門脈狭窄 1
肝移植後右横隔膜下膿瘍 1
肝移植後腹壁出血 1
OTC欠損症 1
肝移植後消化管皮膚瘻 1
肝移植後肝動脈血栓症 1
肝移植後肝静脈狭窄、門脈狭窄 1
肝移植後腹壁瘢痕ヘルニア 1
肝芽腫術後胆汁うっ滞性肝炎 1
肝移植後臀部肉下出血 1
肝移植後肝障害 1
肝移植後肝静脈狭窄、胆管狭窄 1
肝移植後消化管穿孔 1
C型肝硬変 1
NASH 1
合計 70

3-2)手術術式別件数・術後合併症件数

術式 患者数
生体肝移植 16
  胆道閉鎖症 8
  肝硬変 3
  NASH 1
  肝移植後グラフト不全 1
  肝芽腫術後胆汁うっ滞性肝炎 1
  アラジール症候群 1
  OTC欠損症 1
肝移植ドナー 16
  肝外側区域切除術 6
  拡大肝左葉切除術 4
  肝外側区域切除 4
  肝右葉切除術 2
血管合併症 8
  肝静脈IVR 6
  門脈IVR 1
肝動脈血栓除去術 1
胆管合併症 15
  小腸鏡+胆管IVR 9
  PTCD 4
  胆道鏡下胆道拡張術 1
  胆道鏡下砕石術 1
その他 15
   CVカテ・Blood accsessカテ挿入 6
  消化管内視鏡 4
  開腹洗浄ドレナージ 3
  開腹胃瘻造設術 1
  腹壁瘢痕ヘルニア根治術 1
合計 70

4)化学療法症例・数

該当なし

5)放射線療法症例・数

該当なし

6)悪性腫瘍の疾患別および臨床進行期別ならびに治療法別治療成績

該当なし

7)死亡症例

2名(C型肝硬変、肝移植後劇症型心筋炎)

8)その他の治療症例・数

該当なし

9)主な処置・検査

1)腹部超音波検査(含むカラードップラー)

肝移植術前術後の入院症例に対し定期的に行った。特に移植術後の症例は1日2~4回施行し、術後合併症の早期発見に努めた。入院患者(1日平均5人)に対しては、早期合併症の検索のため平均3人/日のペースで施行した。外来患者(1日平均9人)に対しては、遅発性合併症の検索のため平均5人/日のペースで施行した。

2)肝生検(2017年:計118件/年)

移植手術時の全身麻酔下、開腹下での肝生検(楔状切除)16件、血管・胆管合併症の処置など全身麻酔時の肝生検(針生検)に加え、肝移植前の肝機能評価や酵素活性評価、肝移植後の肝機能障害(急性拒絶反応)、肝移植後プロトコール肝生検(術後2、5、10年)、及び他科からの依頼症例に対し、全身麻酔下、静脈麻酔下、局部麻酔下において、肝生検(針生検)102件を施行した。

3)胆道造影(2017年:計22件/年)

こども医療センターまたは自治医大附属病院放射線部において、術後外ステントチューブ挿入症例および肝移植後胆管狭窄によるPTCD挿入症例に対し、PTCDカテ交換、PTCDカテ抜去を含め、胆道造影を施行した。

4)消化管造影(2017年:計7件/年)

子ども医療センター放射線部において、術後経管栄養目的あるいは肝移植後通過障害症例に対し、EDチューブ、イレウス管挿入を含め、消化管造影を施行した。

5)ドレーン処置(2017年:計9件/年)

肝移植前後の胸水貯留および腹水または腹腔内膿瘍症例に対し、子ども医療センター放射線部において、超音波ガイド下、透視下による腹腔穿刺は0件であった。その他、肝移植前後の胸腹水貯留症例に対し、病棟での超音波ガイド下による胸腔・腹腔穿刺を9件施行した。

10)カンファランス症例

1)病棟・外来症例カンファランス

平日の朝夕2回、全入院患者における病棟カンファ、ならびに外来患者で特に問題がある症例をピックアップし他科医師と合同の症例検討会を行った。

2)術前カンファランス

肝移植2日前に、肝移植症例毎に麻酔科、ICU、消化器外科スタッフ、手術室・ICU看護師、臨床薬理、薬剤部、止血血栓研究部らと術前カンファランスを施行した。

3)手術カンファランス

肝移植7日前に、術前から合併症の多い症例、術前状態や疾患より困難な手術手技が予想される症例に対して、術中・術後のあらゆるバリエーションを想定した手術カンファランスを施行した。

4)合併症・治療方針カンファランス

術後の合併症にて入退院を繰り返している症例や、複雑な合併症例例に対して、治療方針の決定のため、他科を交えたカンファランスを行った。

5)CPC

該当なし

6)大学院特別講義

該当なし

11)キャンサーボード

該当なし

4.2018年の目標・事業計画等

1)臨床面での発展

小児肝移植症例の増加、新生児肝移植、小児急性肝不全に対する肝移植の実施を目指す。

2)研究面での発展

現在着手している「小児肝移植におけるoperationaltoleranceの解明と誘導」、「脱細胞肝をbioscaffoldとした肝細胞充填補助肝グラフトの開発」、「良性肝細胞性結節の免疫組織学的、分子生物学的研究」、「肝予備能としてのテロメア長の役割」、「正常肝のテロメア長解析」などの研究を発展させていく。また、臓器移植、再生医療研究分野での産学連携プロジェクトとして、企業との共同研究、技術開発、特許申請なども取り組んでいく。

5.過去実績