| センター長(教授) | 吉尾 卓 |
|---|---|
| 副センター長 | 山崎 晶司 |
| 薬剤師 | 7名 |
| 看護師 | 7名 |
| 事務職 | 3名 |
1997年に治験に関連する法令「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(Good Clinical Practice;GCP)」が施行されたことを受け、当院に治験を一括して行うための組織である治験事務室(その後、「治験推進室」に改称)が誕生し、1998年9月から新GCP体制での治験を開始した。その後、患者さんの応対専用相談窓口として治験相談室を備え、治験の円滑な運営に対応してきた。2000年からは製造販売後臨床試験・調査の受け入れも始めた。
「新たな治験活性化5ヵ年計画」(2007年3月文科省・厚労省)に基づき、当院はそれまでの治験実績が認められ、治験拠点医療機関の一つに選ばれた(60医療機関からの応募があり30が選定)。そして本学における治験の更なる推進のための体制整備が2008年4月に行われ、今までの治験推進室が臨床試験センターに格上げされた。今年度、治験拠点医療機関の中間見直しが行われ、更に20医療機関への絞り込みが行われ、当院はその中の1つに残った。
治験を行う医師に対する支援体制を強化するために、治験コーディネーター(Clinical Research Coordinator;CRC)によるサポートを順次拡大し、2010年にはCRCスタッフは14名まで増えた。
図1 臨床試験センター組織図

現在は図1.に示す体制のもとで、治験に関連する業務を総合的に行っている。コーディネーター部門に書かれている様に患者さんの同意取得からモニタリングの対応までをCRCが行っている。7年前までは治験担当医師が、現在CRCがサポートしている仕事も含めて治験に関する仕事を一人でこなしていた。現在は治験担当医師の負担が非常に少なくなり、治験をやりやすい環境になっているかと思われる。
更に当センターは、管理・運営部門、啓発・教育部門、臨床研究部門を兼ね備えて、図1.に記載されている業務も行っている。
また、当センターは治験審査委員会(InstitutionalReview Board;IRB)事務局も兼ねており、事前ヒアリング、IRBに係わる必須文書及び議事要旨の作成などIRBを運営するための業務全般を行っている。
2010年10月、「新たな治験活性化5カ年計画」に基づき平成19年度治験拠点病院活性化事業に採択された拠点医療機関30機関のこれまでの体制整備の進捗を評価し、平成23年度予算の成立を前提として平成23年度治験拠点病院整備事業で整備の対象とする拠点医療機関20機関が選定された。当院は今までの実績が評価されその1つに選定された。
○臨床試験・治験に関する教育体制の充実
○医療機器治験の充実
○治験実施比較的良好
○医師主導治験がかなり多い
○自主臨床試験が多い
○治験ネットワークの充実
○自主研究支援の充実
○治験依頼から契約までの時間短縮
2006年からの治験・製造販売後調査等における新規契約件数・新規契約症例数の年次推移(図2.3.)を示す。4年間(2006年縲鰀2009年)の治験の年平均新規契約件数は28.3件(194.8症例)、製造販売後臨床試験は1.8件(15.6症例)、製造販売後調査は57.0件(641.2症例)であった。2009年度の治験の契約症例数が非常に突出して多いのは、内蔵脂肪測定器治験1件で160名の治験を行ったからである。治験の新規契約件数は年平均30件前後で推移し、治験の組入率は毎年70%台を維持している。当院においては治験が活発に行われていると思われる。
治験の活発さは表1.の治験相談室の利用者数にも示されており、2006年度以降は年々増加し、2008年からは毎年3千人を超すまでになっている。


| 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 利用者(人) | 1,874 | 2,551 | 3,120 | 3,214 | 2,735 |
『課題名:子どもの健康と環境に関する全国調査-子宮内化学物質暴露が子どもの発育・発達に与える影響に関する研究-』、『脳卒中既往患者を対象とした厳格降圧療法の二次予防効果を検討する大規模臨床研究』等の支援活動。
臨床試験・治験を行う医師及び医療従事者に対する教育・啓発活動の一環として『初心者のための臨床試験・治験セミナー』というタイトルで2010年には計6回開催した。
コメディカルスタッフを主対象としたCRC企画による『治験推進講演会』を3回開催した。
市民の治験に対する理解を深め、治験への積極的な参加を促す為の市民公開講座『薬が誕生するまでを知りたくありませんか?』を筑西市で1回、宇都宮市で4回、計5回開催した。
当院小児科は国立成育医療研究センターが中心となって始めた小児治験ネットワークに10月参加を表明し、当センターも全面的に支援することを決めた。12月に厚労省新規事業「治験基盤整備事業」の公募が有り、小児治験ネットワークも公募に参加し、小児治験ネットワークが行う小児領域の治験が特定領域治験連携基盤としての体制整備に選定された。
2010年4月より、製薬会社及び治験施設支援機関等の医薬品・医療機器開発に携わっている社会人を対象とした大学院生の募集を開始した。
当院CRC業務にも従事して貰い、human skill(コーディネーターとして患者に接する技術)を身に付け、患者と直接接することが、その後の新薬開発にも良い影響を及ぼすと考えられる。
○看護学部との共同研究:CRCによる被験者ケアの構造に関する研究
○当センター独自の治験業務関連の臨床研究:被験者の治験に関する意識調査等
2010年度は3グループの薬学部学生(10名ずつ)が当院での病院実習期間約2ヶ月半のうち、当センターでは3日間の実習を行った。治験の意義・生命倫理等の講義をはじめ、CRC業務経験(患者の対応やロールプレイ)を通して治験の重要性を認識して貰った。
・認定施設
治験拠点病院
・認定医
日本臨床薬理学会指導医
治験拠点医療機関の責務として引き続き治験の更なる活性化に努めて行かなければならない。その為に以下の点に関して関係部署と協議しながら実現を図って行きたい。
○新規治験の当院への呼び込み(各診療科と治験依頼者で有る製薬・医療機器メーカーに働きかけを行って行く)
○IRB委員に対する報酬支払(少なくとも外部からの受託審査に対して報酬を支払う体制に持って行きたい)
○治験担当医師に対するインセンティブ供与拡大(治験担当医師のモチベーションを上げて治験組入率を更に上げるために)
本学における臨床研究を推進して行くに当たり、当センター並びに研究支援課による支援体制の整備・拡大を関係部署と協議しながら更に進めて行きたい。
『初心者のための臨床試験・治験セミナー』引き続き月1回のペースで開催予定、特に臨床研究推進のための生命倫理、研究計画書作成方法などを中心に行う。
CRC企画による『治験推進講演会』を年3回開催予定。
看護師の方々に院内で行っている治験業務をもっと理解して頂く為に看護研究発表会等でCRCによる治験業務内容の発表を行い、院内での治験業務が更に円滑に進む様にして行きたい。
今後小児治験ネットワークは小児科領域の適応外使用や未承認薬解消に向けて小児向けの治験(国際共同治験も含めて)や小児の薬物動態試験の共同受託を目指して行くと思われる。当院でも積極的に参加し、これらの試験を行って行きたい。
治験拠点医療機関の中間見直しで厚労省から改善すべき内容として「治験ネットワークの充実」が挙げられた。今後も近隣医療機関と当院の両方で実施可能な治験を発掘し、地域治験ネットワークの構築につなげて行きたい。
○2011年度も市民公開講座『薬が誕生するまでを知りたくありませんか?』を年3回開催予定
○患者会・医療相談会等での治験啓発の為の講演活動継続
引き続き製薬会社・SMO等に学生受け入れの為の積極的な宣伝活動を行う。
○看護学部との共同研究:CRCによる被験者ケアの構造に関する研究
○当センター独自の治験業務関連の臨床研究:治験に対する被験者の意識評価等