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とちぎ臨床試験推進部[アニュアルレポート]

1.スタッフ(平成29年4月1日現在)

部長 (教授) 吉尾  卓
副部長   山崎 晶司
総括主任   服部  由
薬剤師   6名
看護師   5名
臨床検査技師   3名
事務職   4名

2.とちぎ臨床試験推進部の特徴

厚労省と文科省は「臨床研究・治験活性化計画5か年計画2012アクションプラン」として、日本発の新薬を創出する臨床研究体制の充実を掲げている。本学に於いても臨床研究・治験の支援体制強化のための組織として、2013年度に本学に臨床研究支援センターが立ち上がった。従来の臨床試験センターはとちぎ臨床試験推進部と名称を改め、臨床研究支援センターの一部門として、引き続き附属病院における治験・臨床研究支援を担っている。

治験・臨床研究を行う医師に対する支援体制を強化するために、治験コーディネーター(Clinical ResearchCoordinator;CRC)による支援を順次拡大し、2012年にはCRCスタッフは17名まで増え、2016年度は15名のCRCスタッフが選任として従事した。その内13名が日本臨床薬理学会認定CRCの資格を有しており、当院では質の高い治験支援業務を提供している。

現在は図1.に示す体制のもとで、治験に関連する業務を総合的に行っている。コーディネーター部門では、CRCが同意取得からモニタリングの対応までを行っている。十数年前までは治験担当医師が、治験に関する業務を一人でこなしていたが、現在は治験担当医師の負担が非常に少なくなり、治験をやりやすい環境になっている。患者対応の臨床研究についても一部CRCによる支援を行なっている。

当推進部は治験審査委員会(Institutional ReviewBoard;IRB)事務局も兼ねており、事前ヒヤリング、IRBに係わる必須文書・議事要旨の作成など、IRB運営の為の業務全般を行っている。

図1.とちぎ臨床試験推進部組織概要

とちぎ臨床試験推進部組織概要

当推進部は治験審査委員会(Institutional ReviewBoard;IRB)事務局も兼ねており、事前ヒヤリング、IRBに係わる必須文書・議事要旨の作成など、IRB運営の為の業務全般を行っている。

3.実績・クリニカルインディケーター

(1)治験実績

2012年からの治験・製造販売後調査等における新規契約件数・新規契約症例数の年次推移(図2.3.)を示す。4年間(2012年〜2015年)の治験の平均新規契約件数は31件(121.5症例)、製造販売後臨床試験は0.5件(1.5症例)、製造販売後調査は47.8件(343.5症例)であった。治験の新規契約件数は2012年度以降も30件前後で推移し、治験の組入率は2016年3月時点で62%となっている。国際共同治験も積極的に行い、2016年3月時点で治験の56%を占めるまでとなっている。この様に当院においては質の高い治験が活発に行われている。

図2.治験・製造販売後臨床試験・調査年推移(件数)

治験・製造販売後臨床試験・調査年推移(件数)

図3.治験・製造販売後臨床試験・年次推移(症例数)

治験・製造販売後臨床試験・年次推移(症例数)

表1.治験相談室利用者の年次推移

  2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
4月~12月
利用者(人) 2,773 3,206 2,371 1,624 1,190

治験の活発さは表1.の治験相談室の利用者数にも示されており、毎年2千人前後で推移している。

(2)医師主導治験・臨床研究支援

血液内科『CAR遺伝子導入Tリンパ球臨床研究』、乳腺外科『転移・再発乳癌に対する臨床試験』、小児科『ADCC欠損症遺伝子治療臨床研究』、神経内科『筋萎縮性側索硬化症に対する遺伝子治療』等の支援活動を行なっている。

(3)標準化された治験・市販後調査CRFによる情報の収集および利活用に関する研究

電子カルテ内から治験EDCへのデータの直接入力は実装されていない(全国的にも未だ検証段階)。

・治験管理システムを廃止し、JUMP2へ統合
・治験薬セットマスターの登録手順を一部変更

医療情報部へ配布申請していた下記の点が、CPエディタ実装により推進部側で完結可能となった(業務効率の改善)。

・治験薬のセット登録から運用開始まで
・治験責任(分担)医師の追加・削除

治験管理システムをJUMP2へ統合したことで、治験情報をJUMP2側へ反映させる手間を省き、より効率的に業務を運用できるようになった。

(4)職員対象の臨床研究・治験に関する教育・研修のためのe-learningシステム更新

臨床研究計画書申請の際に研究者は生命倫理講習会受講が義務付けられていたが、2015年7月よりそれに加えて、e-learningシステムによる「臨床研究・治験の倫理に関する問題」30問受講及び全問正解も義務付けられた。義務化に伴い、問題30問と解説の作成を行った。

2016年度は既出30問のうち、15問を新問題に差し替え、受講及び全問正解の義務付けは臨床研究責任者のみに変更された。

(5)小児治験ネットワーク支援業務

2016年は小児治験ネットワークを通した治験を新たに2件(循環器領域1件、集中治療領域1件)受託している。

製薬企業からの依頼による小児治験の実施可能性調査にも継続的に協力し、本年度は7件の可能性調査を行った。

また、2015年から開始されたCRC教育研修プログラムでは、CRC教育研修ワーキンググループにも当院のCRCがメンバーとして参加し、2016年は他医療機関より研修生2名を受け入れ、1名あたり2日間のCRC実地研修を行った。

(6)市民向けの治験啓発活動

市民の治験に対する理解を深め、治験への積極的な参加を促す為の第16回市民公開講座『薬が誕生するまでを知りたくありませんか?』(最近の抗がん遺伝子・免疫治療の進歩について)を2016年10月29日宇都宮市で開催した。約50名の市民に出席して頂き盛況であった。

(7)大学院修士課程「治験・臨床試験学講座」大学院生募集中

2010年4月より、製薬会社及び治験施設支援機関等の医薬品・医療機器開発に携わっている社会人を対象とした大学院生の募集を開始した。

当院CRC業務にも従事して貰い、human skill(コーディネーターとして患者に接する技術)を身に付けることが、その後の新薬開発にも良い影響を及ぼすと考えている。

(8)当推進部スタッフによる治験業務関連研究推進

○ 治験に対する被験者の意識評価-VASを用いた定量的検討-
論文を作成し、日本臨床薬理学会誌に投稿し、採択された。

(9)薬学部学生に対するとちぎ臨床試験推進部実習

2016年は3グループの薬学部学生(8名ずつ)が、当院での病院実習期間約2ヶ月半のうち、当推進部では3日間の実習を行った。治験の意義・生命倫理等の講義をはじめ、CRC業務経験(患者の対応やロールプレイ)を通して治験の重要性を認識して貰った。

⑽CRCによる事例検討会

個々の治験の対応については担当CRCの判断に委ねられている。これら日々の業務を行う上で疑問に感じることや対応に苦慮していることを共有し、対応策を検討するために事例検討会を月1~2回、1回30分で定期的に開催している。2016年は14回開催した。

現在までに「CRA(臨床開発モニター)とのよりよい関係性を築き、スムーズに治験を実施していくための工夫」、「治験実施計画書の改訂について」、「公正な立会人が必要な治験とは?公正な立会人は誰に依頼するのが適当か」等、治験に関する事例紹介から対応策について様々な検討を行なった。

最近の治験は開始後の対応も複雑となり、各個人の判断で行っていると治験毎に対応が異なることがあるが、事例検討を行うことで、CRC間での情報の共有、認識の共有が出来ている。

また、1つの事例を挙げることで他の CRCも同様な問題に気づくこともあり、問題点のピックアップにもつながっている。

認定医

日本臨床薬理学会指導医 吉尾  卓
日本臨床薬理学会認定CRC 服部  由 他12名

4.研究業績

学会発表

小嶋亜純,他3名:治験参加前後における被験者の意識変化について.第37回日本臨床薬理学会学術総会,米子,2016年12月2日.

大栗幸子,他6名:ゲノム薬理学研究を伴う治験実施計画書における受託件数の比較.第37回日本臨床薬理学会学術総会,米子,2016年12月1日.

石山裕美,他5名:第16回CRCと臨床試験のあり方を考える会議 2016 IN大宮,大宮,2016年9月18日.

大島悟,他9名:電子端末利用時に生じたトラブルについて.第16回CRCと臨床試験のあり方を考える会議2016 IN大宮,大宮,2016年9月18日.

2017年の目標・事業計画等

(1)新規治験積極的受入・治験実績アップ

診療科の間で治験受け入れにばらつきがある。新規治験を余り受け入れていない診療科には新規治験を受け入れるように要請していく。

2016年度の患者の治験組入率は62%となっており、厚労省が目標としている80%を下回っている。患者の治験組入率が上がるように治験担当医師が治験をより行い易く、患者が治験に参加し易いように当推進部の支援体制を強化していく。

(2)特定臨床研究に対する支援

臨床研究中核病院の承認を受けるためには特定臨床研究に関する計画の立案及び実施の実績(医師主導治験、医薬品・医療機器等を用いた侵襲及び介入を伴う臨床研究、企業治験、FIH試験)が求められている。当推進部は上記試験が円滑に行えるように引き続き積極的に支援を行っていく。

(3)標準化された市販後調査・治験CRFによる情報の収集および利活用に関する研究

電子カルテ内の膨大なデータに対してdata ware house(DWH)を利用することで、各種臨床研究における適切な候補患者の選定等、効率的なデータの二次利用を推進していく。

・DWHでの運用を予定している内容
①被験者来院スケジュール
②候補患者スクリーニング
③実施状況(実施率)一覧
④負担軽減費などの費用請求一覧

治験検査もJUMP検査オーダーから入力できるようになる予定。

(4)小児治験ネットワーク関連の小児治験活性化

今後小児治験ネットワークは小児科領域の適応外使用や未承認薬解消に向けて小児向けの治験(国際共同治験も含めて)や小児の薬物動態試験の共同受託を目指して行くと思われる。当院も積極的に参加し、これらの試験を行って行きたい。

(5)地域住民の治験に対する意識変化

2017年も市民公開講座『薬が誕生するまでを知りたくありませんか?』を10月28日に宇都宮市で開催予定

(6)大学院修士課程「治験・臨床試験学講座」学生募集

引き続き製薬会社・SMO等に学生受け入れの為の積極的な宣伝活動を行う。

(7)臨床研究・治験のe-learningシステム

e-learningシステムによる「臨床研究・治験の倫理に関する問題」30問受講及び全問正解は毎年の受講・修了証取得が義務付けられている。そのため引き続き毎年少なくとも半分、15問程度の問題の更新を図っていく。

(8)当推進部スタッフによる治験業務関連研究推進

引き続き治験業務に関連した研究を積極的に行い、学会発表・論文投稿につなげて行く。

5.過去実績

2015年アニュアルレポート

2014年アニュアルレポート

2013年アニュアルレポート

2012年アニュアルレポート

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