| 部長 | (学内教授) | 布宮 伸 |
|---|---|---|
| 病棟医長 | (講師) | 和田 政彦 |
| 医員 | (助教) | 田中進一郎 |
| (病院助教) | 小山 寛介 | |
| シニアレジデント | 1名 | |
集中治療部は、内科系、外科系を問わず、呼吸・循環・代謝系その他の重篤な急性臓器機能不全の患者を収容し、診療科の垣根を超えて総合的に強力かつ集中的な治療および看護を行い、その回復を図ることを目的とした中央診療部門である。
日本集中治療医学会が想定している集中治療の適応疾患は以下の通りである。
ただし、伝染病疾患や精神病患者は、原則として収容しない。
自治医科大学附属病院は1,130床の総合病院であるが、このうち集中治療部ベッド数は12床であることから、上記の目的を効率よく達成するために、現在のところ、以下の病態を具体的な収容対象患者としている。
なお、附属病院には別に8床の心疾患治療部(CCU)および30床の救命救急センター(救急部)があり、さらに併設のとちぎ子ども医療センターには小児集中治療部(PICU:6床)が運用されていることから、心疾患を主徴とする重症患者および院外発生救急患者はそれぞれCCUおよび救急部へ収容し、小児重症患者はPICUで対応することを原則とするが、当該部署での対応が困難な場合は集中治療部へ収容することとしている。
昭和49年4月の附属病院開院と同年10月からの開心術開始に伴い、翌11月、術後管理のために臨時の1床が開設されたのが本院集中治療部の始まりである。その後、附属病院における高度医療の発展と質の向上のため、独立した集中治療ユニットとその専門医師の必要性から昭和52年8月、「ICU-CCU部」として正式に4床で開設され、昭和60年に7床、平成2年に13床へと増床を繰り返し、平成5年には「集中治療部」と名称を替えている。この間、集中治療専任医師の増加に伴い、平成元年12月、麻酔科との兼任を発展的に解消することによって独立した診療ユニットとしての体制を確立し、名実ともに日本における「集中治療医学」のパイオニア的存在となった。
本院集中治療部の最大の特色は、集中治療の適応があるあらゆる年齢層のあらゆる疾患を収容対象とし、関連各科とのチーム医療の下、集中治療専任医師グループが核となって24時間体制でその管理を遂行している点にある。すなわち、単なる術中管理の延長としての術後管理にとどまらない、呼吸・循環管理や血液浄化、代謝・栄養管理、感染管理などを駆使した、専門医によるgeneral ICUの実現である。本邦では数少ないこの専門医集団による独立診療ユニットとしてのスタイル(closed system ICU)に対する院内各診療科の評価は高く、このことが内科系疾患や小児領域からの入室症例数の多さに現れている。12床の集中治療ベッドで年間1,000名近い患者を収容しているが、その内訳は外科系成人患者の術後管理のみならず、内科系、小児系と幅広く分布している。
重症患者管理の基本となる呼吸管理は本院集中治療部の得意分野であり、死亡患者に占める急性呼吸不全の割合が少ないことももう一つの特徴であるが、近年では人工呼吸管理を受ける患者ケアの精神面からのアプローチもさかんに行われており、その成績は関連学会などでも注目を集めている。
| 主治医 | 当該診療科の主治医 |
|---|---|
| 指導医 | 日本集中治療医学会認定専門医、日本呼吸療法医学会認定専門医もしくは日本麻酔科学会指導医資格を持つ集中治療専従医 |
| ICU担当医 | 上記資格を持たない集中治療専従医 |
集中治療専従医は、患者主治医の依頼を受け、集中治療部内での患者管理に当たる。その際、主治医グループとの連絡を密にし、合議の上、診療方針の決定を行なう。
ICU担当医は、指導医の指導の下、直接患者診療を行なう。
日本集中治療医学会認定専門医研修施設
日本呼吸療法医学会認定専門医研修施設
| 日本集中治療医学会認定専門医 | 布宮 伸 |
|---|---|
| 外 3名 | |
| 日本呼吸療法医学会認定専門医 | 布宮 伸 |
| 日本麻酔科学会認定指導医 | 布宮 伸 |
| 和田 政彦 | |
| European Society of Intensive Care Medicine, International member |
布宮 伸 |
| 予定入室 | 緊急入室 | 計 | |
|---|---|---|---|
| 成人外科 | 515 | 231 (11) | 746 (11) |
| 消・一外 | 258 | 129 (3) | 387 (3) |
| 心外 | 0 | 34 (2) | 34 (2) |
| 呼外 | 161 | 14 (2) | 175(2) |
| その他 | 96 | 54 (4) | 150 (4) |
| 内科 | 1 | 215 (32) | 216 (32) |
| 小児 | 28 | 9 | 37 |
| 小児科 | 0 | 2 | 2 |
| 外科系小児 | 6 | 1 | 7 |
| 移植外科 | 22 | 6 | 28 |
| 計 | 544 | 455(43) | 999(43) |
(死亡例数)
| 平均年齢 | 61.4(0-96)歳 |
|---|---|
| 人工呼吸管理患者数 | 441人 |
| 人工呼吸管理日数 | 平均6.5(71-1)日 |
| 患者重症度 | APACHE II 17.5(3-53) |
| SAPS II 32.4(0-113) | |
| 予測死亡率 | 20.8(0-99.5)% |
| 実死亡率 | 4.3% |
| 心・大血管手術後 | 25人 |
|---|---|
| 開胸・開腹手術後 | 41人 |
| 開胸手術後 | 168人 |
| 中枢神経手術後 | 12人 |
| 臓器移植後 | 41人 |
| 大量出血後 | 70人 |
| 長時間手術後 | 100人 |
| 術前合併症:心疾患 | 75人 |
| 術前合併症:呼吸器疾患 | 47人 |
| 術前合併症:腎不全 | 29人 |
| 術前合併症:その他 | 1人 |
| 臓器移植ドナー | 23人 |
| 急性呼吸不全 | 72人 |
| 急性心不全・急性循環不全 | 118人 |
| 敗血症 | 109人 |
| 重症急性膵炎 | 9人 |
| 急性腎不全 | 16人 |
| 急性肝不全 | 7人 |
| 酸塩基平衡異常・代謝異常 | 0人 |
| 中枢神経障害 | 17人 |
| 多発外傷・重症熱傷・破傷風 | 1人 |
| 薬物中毒・ガス中毒 | 1人 |
| 心肺停止蘇生後 | 17人 |
| その他 | 0人 |
| 予定入室 | 緊急入室 | 平均 | |
|---|---|---|---|
| 消・一外 | 2.7 | 6.0 | 3.8 |
| 心外 | 6.4 | 6.4 | |
| 呼外 | 2.2 | 11.5 | 2.9 |
| その他の外科 | 3.0 | 6.6 | 4.3 |
| 内科 | 1.0 | 6.5 | 6.5 |
| 小児科 | 8.5 | 8.5 | |
| 外科系小児 | 6.1 | 12.9 | 7.5 |
| 計 | 4.5 |
| 急性呼吸不全 | 9人 |
|---|---|
| 急性心不全・ショック | 20人 |
| 敗血症 | 7人 |
| 急性脳症 | 1人 |
| 蘇生後脳症 | 2人 |
| 急性肝不全 | 3人 |
| 急性腎不全 | 1人 |
| IABP | 35人 |
|---|---|
| PCPS | 14人 |
| 持続緩徐式血液浄化療法 | 71人 |
| (256回) | |
| エンドトキシン吸着 | 11人 |
| (14回) | |
| 持続血漿交換 | 9人 |
| (34回) |
2004年11月以降、すべての収容患者に対して行っている入室時重症度の評価およびそのデータベース化は、さまざまな臨床研究を行う上で極めて有益であり、今後も継続して行く方針である。
研究課題として、新たに「重症患者に及ぼす凝固・線溶系の変化の影響」を立案し、分子病態研究部(止血血栓)との共同研究を進めていく予定である。
一方、チーム医療の観点から臨床看護的アプローチも取り入れ、主として収容患者の精神的ケアやICU獲得感染症の予防にもすでに積極的に取り組んでいる。中でも重症患者におけるせん妄対策は、当施設が国内におけるオピニオンリーダー的存在であり、人工呼吸器関連肺炎の予防対策などと合わせ、引き続きさまざまな研究成果を発信して行く方針である。