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感染症科【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2023年4月1日現在)

(ローテート中および派遣中を除く)

科長 (教授) 畠山 修司(総合診療部門・兼)
(准教授) 笹原 鉄平(感染症学部門・兼)
外来医長 (講師) 石岡 春彦(感染制御部・兼)
病棟医長 (助教) 南  建輔(感染制御部・兼)
病院助教 多田 周平
シニアレジデント 0名
大学院生 1名
非常勤講師 1名

2.診療科の特徴

感染症科は、コンサルテーションを主体とする診療形態をとり、病院内で横断的な活動を展開している。より質の高い感染症の専門診療の提供を目指しており、教育にも最重点をおいて学内、学外、海外から多くの見学者を受け入れている。学内でも積極的に学生、研修医の教育活動に携わっている。また、感染症科ではHIV診療にもあたっており、外来診療が中心ではあるが、入院症例については感染症科が担当する体制となっている。その他の一般的な感染症の症例は総合診療内科が数多くの入院症例を担当しており、感染症科長(畠山)は総合診療内科を兼務し、協力的な診療・教育体制をとっている。なお、日本感染症学会研修施設として認定されている。

また、当院は栃木県における唯一の第一種感染症指定医療機関を受諾しており、県内で一類感染症が発生した場合には、感染症科を中心として診療体制を構築することとなっている。第一種感染症指定医療機関の運営には、全病院的な対応のみならず、公衆衛生行政部門などの外部機関との連携も重要であり、平時から症例搬送訓練などを実施している。さらに2009年度からは、自治医科大学・保健委員会からの依頼を受けて医療従事者の針刺し切創などによる職業上の血液体液曝露についても担当部署として活動し、保健センターとの協力により曝露された医療従事者のフォローアップにもあたっている。

感染症科のほぼ全ての教員(医師)は、感染制御部を兼務し、感染防止対策に関わる教育および実践の一部を担っている。感染制御部は特定機能病院に求められる医療感染防止対策に専任従事する部門であり、医療行為に関連した感染症の防止と制圧および医療従事者の職業上の安全と健康を担当する。医療の質向上・安全推進センター、大学保健委員会・保健センターなどとも連携を取りながら組織横断的な活動を展開して、とくに医療の質向上・安全推進センターとはすべての職員を対象とした講習会を共同で開催している。また、感染症法などに基づく届出業務などはすべて感染制御部が集約して担当している。臨床検査部・細菌検査室からすべての微生物検査データを提供していただき、病院内における感染症の動向をリアルタイムで把握して、先制攻撃的な感染防止対策を実践している。さらに感染制御部では病院内のすべての部署を対象として巡視を実施しており、様々な職種への教育と現実的な問題点の抽出を心掛けている。多忙な勤務に加えて兼任で感染制御チーム(ICT)に御参加いただいているメンバーには、おおむね月1回ずつの頻度で部署別監査に参加していただき、対象となった部署について感染制御に関する状況をチェックリストに基づいて確認していただいている。部署別監査は必要度を定めてスケジュールを調整し、巡視後、ICTが作成したレポートは月1回開催されるICT総会で議論された後、感染制御部が部署を再訪問し、改善状況を確認している。また、ICT総会において必要と判断された部署を対象に感染制御部が勉強会を開催してフィードバックを図っている。その他、感染制御部が所管する抗菌薬適正使用支援チーム(AST)を別途に編制して、全病院を対象に抗菌薬適正使用を推進している(感染制御部の詳細は、感染制御部アニュアルレポートを参照)。

認定施設

  • 日本感染症学会認定研修施設
  • 第一種感染症指定医療機関

認定医・専門医

日本内科学会指導医 畠山 修司 他2名
日本内科学会総合内科専門医 畠山 修司 他3名
日本内科学会認定内科医 畠山 修司 他3名
日本感染症学会指導医 畠山 修司 他1名
日本感染症学会専門医 畠山 修司 他3名
日本エイズ学会指導医 畠山 修司 他1名
日本呼吸器学会専門医 畠山 修司
抗菌化学療法指導医 笹原 鉄平
抗菌化学療法認定医 笹原 鉄平
日本集中治療医学会専門医 石岡 春彦
日本プライマリ・ケア学会指導医 南  建輔
日本救急医学会専門医 多田 周平
日本血液学会指導医 外島 正樹
日本血液学会専門医 外島 正樹
認定ICD(インフェクションコントロールドクター) 畠山 修司 他4名

3.診療実績・クリニカルインディケーター

1)常時平均フォロー入院患者数:20-50名

2)1日コンサルテーション患者数:1-5名

3)入院患者数(病名別)

4)手術症例病名別件数

5)治療成績

6)合併症例

7)死亡症例・死因・剖検数・剖検率

8)主な検査・処置・治療件数

9)カンファランス

(1)診療科内

月:症例カンファランス・救急感染症カンファランス
火:症例カンファランス
金:症例カンファランス

4.2023年の目標・事業計画等

新型コロナウイルス(SARS -CoV-2)感染症(COVID-19)の世界的な大流行にあっては、栃木県新型コロナウイルス感染症対策本部・入院医療調整本部・委員を担当しており、県内のCOVID-19診療の舵取り役を担い、附属病院が主に重症 COVID-19 症例の対応を請け負う体制を確立した。COVID-19の5類感染症移行に伴い、附属病院および県全体の安定的な医療の提供について、当面の間、調整を継続するべく差配することとしたい。

HIV感染症については、附属病院および附属さいたま医療センターにおけるHIV感染症診療を担っており、いずれも有数の患者数を抱えるため、最新の医療を包括的に提供できるよう体制を整える。HIV感染症および性感染症は、COVID-19流行時の受診・検査控えの影響が大きく現れつつある。栃木県感染症対策協議会委員、埼玉県およびさいたま市のエイズ対策関連協議会委員を担当しており、両県全体のエイズ対策および医療体制の整備について取り組みたい。

ここ3年間、COVID-19の診療と感染対策に翻弄されたが、ポストパンデミックを見据えた体制にシフトさせ、感染症コンサルト件数の増加、入院病床と外来診療(HIV・性感染症・難治感染症等の重点感染症)の再整備を行う。また、新興感染症対策の一環として、感染症医療人材の育成に重点を置き、卒前・卒後教育体制を整える。人材確保にも注力し、医学生、専攻医、感染症専門医、総合診療医、感染対策従事者など、様々なバックグランドや目的を持った人がニーズに応じてスキルアップできる環境を目指す。