病理診断部[アニュアルレポート]

1.スタッフ(平成23年4月1日現在)

病理医師

科長 (教授) 福嶋 敬宜
副科長 (准教授) 川井 俊郎
医員 (教授) 仁木 利郎(兼務)
田中 亨(兼務)
(准教授) 金井 信行(兼務)
(学内准教授) 山口 岳彦(兼務)
坂谷 貴司(兼務)
(助教) 河田 浩敏(兼務)
松原 大祐(兼務)
喜舎場由香(兼務)
病院助教   鈴木 司
臨床助教   今田 浩生
技師 (副技師長) 櫻井 達夫
(主任) 芳賀 美子
(主任) 鈴木 智子

ほか、技師14名、事務員2名

2.病理診断部の特徴

病理診断部は、自治医科大学附属病院の中央施設部門に属し、自治医科大学附属病院および一部さいたま医療センター(腎生検の電子顕微鏡検索用検体)で採取された検体について生検診断、細胞診断、術中迅速診断、外科切除検体の病理診断、剖検診断などを行っている。
病理診断部では、提出されたすべての検体について病理医による適正な標本処理、必要充分な切り出し、病理検査技師による質の高い標本作製を行い、最終的に病理専門医による顕微鏡標本の観察を踏まえて病理診断を行っている。
また、必要に応じて免疫組織化学的検索、蛍光抗体法、電子顕微鏡検索、PCR解析を行い、複数の病理医による相互チェックを経て病理診断報告書を作成している。
診療における病理診断の関与が特に大きい消化器系、呼吸系を中心に、臨床病理合同カンファレンスを行い、病院の診療レベルの向上に寄与している。
病理診断部は、医学部および研修医教育の一部も担当している。医学部では、臨床病理カンファレンス(CPC)(M4、M5)全18回を行い、必修BSL(M4)、選択必修BSL(M5、M6)の学生も受け入れて教育を行っている。
さらに、各科の研究支援の一環として、病理パラフィンブロックや組織スライドガラス標本の貸し出しや管理を行っている。

施設認定

日本病理学会認定施設
臨床細胞診学会認定施設

認定医

日本病理学会専門医:福嶋 敬宜 ほか9名
臨床細胞診専門医:福嶋 敬宜 ほか6名

3.実績・クリニカルインディケーター

1)病理診断件数の動向

平成22年における生検診断は14,217件、細胞診は19,011件、術中迅速診断は710件、剖検診断は51件である。組織診、細胞診はいずれも微増傾向である。縮小手術の増加に伴う1症例あたりの標本数の増加は前年と変わらない。免疫組織化学も近年の増加傾向は継続している。4月からの複数の免疫組織化学を行った場合の保険点数引上げもあり、かなりの収益増となった。

2)部門統計(2010年)

病理組織診断件数 14,217件
 標本ブロック数 67,173個
ヘマトキシリン・エオジン標本 136,114枚
特殊染色標本 31,232枚
迅速診断 710件
細胞診件数 19,011件、39,735枚
 パパニコロー染色 36,541枚
特殊染色 3,310枚
免疫染色 73枚
<検体別の標本枚数>  
婦人科関連 12,552件
呼吸器 1,883件
泌尿器 1,763件
甲状腺 322件
乳腺 265件
消化器 236件
リンパ節 212件
体腔液 1,110件
668件
電子顕微鏡検索 288件
免疫組織化学染色 1,292件
 HercepTest件数 292件
ER&PR 302件
EGFR 31件
蛍光抗体法検索 288件
Insituhybrydization法検索 69件
FISH法検索 51件
PCR法検索 44件
病理解剖診断 51件

3)病理診断精度管理について

組織検体の切り出しは、外科手術検体については病理医が行い、小手術検体や生検検体については、病理医と臨床検査技師が相互に検体と検査申込書を確認しながら共同で作業を行うようにしている。この切り出し作業時に、申込書と提出された検体に食い違いや不明の点がある場合には、その場で、検体を提出した医師に連絡を取り疑問点を明らかにしてから作業を再開するようにしている。
組織診断報告は、認定病理専門医2名によるダブルチェック体制で行っている。問題症例については、必ず、教授、准教授を含む複数の病理専門医によるチェックを行い、必要に応じて外部へのコンサルテーションも行っている。
免疫組織化学染色標本は、担当技師と病理医が、毎日、その日のすべての標本について、染色性の妥当性についてコントロール標本と比較しながら確認した後で診断医に渡すようにしている。
細胞診は、全症例についてスクリーナーによりダブルチェックを行い、少しでも異常所見のある標本(クラスⅡ以上)については全ての症例をスクリーナーと認定病理専門医とのディスカッションを経て、最終報告している。
また、病理診断部医師と臨床医との連絡を密にし、問題例についてなるべくリアルタイムに相互の情報交換を行うようにしている。病理診断部に日常的に臨床医が訪れる環境を作るよう努力している。
業務改善、インシデント発生防止のためには、病理専属技師と病理医の連携も重要であり、毎月第1週目の木曜日午後5:15から部長と技師全員参加による病理診断部全体会議のほか、3つのワーキング・グループ(グループA:受付や検体の流れなどに関する検討。グループB:業務環境の改善に関する検討。リニュアルも含む。グループC:病理診断業務の学内)に分かれて業務改善やインシデント防止についての対策会議などを毎週1グループずつ行っている。

4.臨床病理カンファレンス

4-1)剖検肉眼所見検討会:毎週水曜日午前9:00から、臨床担当医の参加のもと、剖検症例のマクロ所見の検討会を行っている。
4-2)剖検症例ミクロ検討会:毎月第2・第4水曜の午後5:00より開催している。
4-3)研修医向け臨床病理カンファレンス(CPC):卒後臨床研修センター主催で年4回行われる。
4-4)教育型CPC:学生の臨床病理示説の講義時間にあわせ年間18回開催している。
4-5)放射線科・病理カンファランス:毎週金曜日午後5:00から放射線科カンファレンス室で行っている。
4-6)呼吸器内科カンファレンス:毎週火曜日午前8:00から、病理医が参加し、必要に応じて症例の病理像を解説している。
4-7)消化器外科・内科・病理合同カンファレンス:2-3カ月に1回、水曜日午後6:00から開催している。
4-8)骨・軟部放射線-病理カンファレンス:毎月第3火曜日午後6:00から、院外からの参加者とともに、組織所見を基に骨・軟部病変の画像診断の精度向上を図る目的で開催している。
4-9)乳腺術前術後症例検討会:毎週月曜日午後6:00から担当病理医が参加して症例提示等を行っている。
4-10)腎生検カンファレンス:毎月1回水曜日午後6:30から。

4.事業計画・来年の目標等

  1. 業務向上(効率化、迅速化、質向上):
    昨年は、部門内の業務改善を目指して、他施設(東京大学病院、国立がん研究センター中央病院、都立駒込病院、虎の門病院)の病理部門の視察を行った。ここで見聞したことを参考に、それぞれの検査分野ごとに業務改善を考えるとともに、部内3つのワーキンググループ内で、特にインシデント防止、業務環境改善について検討してきた。そこで取り上げられてきた課題について、今年は、一つずつ解決策、改善策を実行していきたい。
  2. 病理診断部連絡協議会の結成と開催:
    病理診断部は、臨床各科との連携によって、その役割を果たすことができる。このため、部内だけでは解決できない問題も少なくなく、未解決の案件も蓄積されてきている。このような他部門とかかわる問題を改善すべく、病理診断部連絡協議会を結成・開催することになっている。この会議を有意義なものにすることが、初年度の目標である。
  3. 新たな病理技術/システムへ取り組み:
    大学病院の病理診断部であり、現状の技術に満足することなく、病理診断を補助する技術の向上を行うため、引き続き、新たな技術やシステム改善への取り組みを行っていく予定である。
  4. 病理診断部からの情報発信:
    現在、病理診断部からの部外への情報発信はウェブ・サイト、ニュースレター(PATHO News)によって行っている。今後も、継続して情報発信を行い病理診断業務について、関係科の方々の理解が得られるようにしていく。
  5. 勉強会・カンファレンスの充実:
    2011年度は、新たに後期研修医、病院助教が採用されたこともあり、部内、各分野の勉強会、カンファレンスをより充実させていく予定である。
  6. 他施設病理部門との交流:
    さいたま医療センター、栃木県立がんセンターをはじめ、他施設病理部門との情報交換を積極的に行っていくことで、病理診断の質向上、各病変の診断基準の標準化を図っていきたい。
  7. 病理検査室内スペースの再検討:
    人員の増加に伴い診断室、切り出しスペースの拡張や 環境改善を行う予定である。

病理診断部連絡先

電話 0285-58-7186
Fax 0285-44-8467
ウェブサイト http://www.jichi.ac.jp/pathology/

5.過去実績

2009年アニュアルレポート

2008年アニュアルレポート

  • 東日本大震災関連情報

自治医科大学附属病院

〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1

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0285-44-2111(代)

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