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腎臓センター内科部門(腎臓内科)[アニュアルレポート]

1.スタッフ

科長 (教授) 草野 英二
副科長 (特命教授) 武藤 重明(透析部特命教授兼任)
外来医長 (病院助教) 小藤田 篤
病棟医長 (学内准教授) 濱野 慶朋
(地域医療支援センター学内准教授兼任)
医員 (教授) 湯村 和子(派遣中)
(地域医療支援センター教授兼任)
(学内教授) 安藤 康宏
(透析部学内教授兼任)
(講師) 齋藤 修
井上 真(派遣中)
佐々木信博(派遣中)
(学内講師) 秋元 哲
(助教) 高橋 秀明(派遣中)
伊藤 千春(派遣中)
森下 義幸
病院助教   武田 真一(派遣中)
山本 尚史(派遣中)
西野 克彦
風間 逸郎
岩津 好隆(派遣中)
東 昌広(派遣中)
増田 貴博(派遣中)
堀越 亮子(派遣中)
中澤 英子(派遣中)
小倉 学(派遣中)
シニアレジデント    10名
(うち2名派遣中、4名短時間勤務)

2.診療科の特徴

当科の診療は、外来、入院、透析を含む血液浄化の3部門より構成され、内科的腎・尿路疾患(急性・慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、急性・慢性腎不全、高血圧、水・電解質・酸塩基平衡異常、透析関連合併症など)や中毒性疾患等の診療を行っている。
外来診療は毎日2~3診で、初診患者の多くは県内または近隣の県外医療機関からの紹介である。
入院ベッド数は、腎臓内科として32床で、糸球体腎炎やネフローゼ症候群に対し積極的に腎生検による組織診断を行ない、総括的治療指針を得ている。その他、保存期慢性腎不全患者の教育入院や末期腎不全患者の透析導入のための入院、二次性副甲状腺機能亢進症などの長期透析合併症のための入院が大半を占めている。特に糖尿病性腎症患者の入院が急増している。
透析室のベッド数は20床で、月、水、金は午前と午後の2クール、火、木、土は午前のみの1クールの血液透析を行っている。腹膜透析(CAPD)患者は毎週火曜日に外来診療を行なっている。当科の新規透析導入患者数は県内導入患者総数の約1/4を占め、透析導入施設として中核を担っている。また、重篤な合併症や手術のため、当科のみならず他科へ入院する長期透析患者数が年々増加し、これに比例して緊急透析や出張透析の件数も増加している。
近年、本邦では、糖尿病性腎症や腎硬化症を原因とする透析導入患者数が急増しており、これを阻止すべく、臨床面においては1)医師会や行政とタイアップした住民検診からの腎疾患患者の同定と追跡システムの確立や、2)糖尿病専門医と連携した日常診療を行なうとともに、基礎研究面においては、糖尿病性腎症や腎硬化症動物モデルを用いた病態解析と再生医学的手法を用いた治療法の開発に着手している。

認定施設

日本腎臓学会研修施設
日本透析医学会認定施設

認定医、専門医、指導医

日本内科学会認定内科医 草野 英二 他28名
日本内科学会認定内科専門医 斎藤 修 他12名
日本腎臓学会認定腎臓専門医 草野 英二 他16名
日本腎臓学会認定指導医 草野 英二
湯村 和子
武藤 重明
安藤 康宏
齋藤 修
井上 真
日本透析医学会認定専門医 草野 英二 他17名
日本透析医学会認定指導医 草野 英二
湯村 和子
武藤 重明
安藤 康宏
American Society of Nephrology,
Corresponding member
草野 英二
武藤 重明
安藤 康宏
増田 貴博
International Society of Nephrology,
Active member
草野 英二
湯村 和子
武藤 重明
安藤 康宏
井上 真
小藤田 篤

3.診療実績・クリニカルインディケーター

1)新来患者数・再来患者数・紹介率

新来患者数 670人
再来患者数 13,834人
紹介率 53.00%

2)入院患者数 491人(病名別)

病名患者数
慢性腎不全 274
急性腎不全 20
慢性糸球体腎炎 168
急性糸球体腎炎 1
急速進行性糸球体腎炎 14
ネフローゼ症候群 46
心不全 26
悪性高血圧 7
尿路感染症 10
二次性副甲状腺機能亢進症 7
原発性副甲状腺機能亢進症 2
シャントトラブル 29
電解質異常 9
CAPD合併症 10
感染症 26
不明熱 12
その他 4
計(重複あり) 665

3)手術症例病名別件数

透析用内シャント関連(腎臓外科) 93
腹膜透析カテーテル関連(腎臓外科) 11
副甲状腺摘除+一部移植(腎臓外科) 8
腎摘出(腎臓外科) 6
腎嚢胞切除術(腎臓外科) 1
口蓋扁桃摘出術(耳鼻咽喉科) 24
143

4)治療成績

1)IgA腎症に対する扁摘パルス療法

当科ではIgA腎症に対し、2004年4月より扁摘パルス療法(扁桃腺摘出術+副腎皮質ステロイド薬パルス療法)を施行している。2009年末までの施行総数は146例で、その内訳は、2004年8例、2005年21例、2006年34例、2007年25例、2008年33例、2009年25例、施行時年齢は平均31.0歳(16~63歳)であった。2009年12月にまとめた治療開始後2年までの成績では、治療前、1年後、2年後の血清クレアチニン値は、それぞれ0.89、0.82、0.84mg/dl、また尿蛋白量は、それぞれ0.82、0.27、0.36g/gクレアチニンで、両者とも1年後、2年後の値は治療前と比較して有意に改善していた。また、尿潜血反応陰性症例の比率は、治療1年後で81.6%、2年後で84.3%にみられた。一方、尿蛋白陰性症例の比率は、治療1年後で67.3%、2年後で54.4%であった。両者陰性の寛解症例は、治療1年後で53.9%、2年後で54.4%に認められた。

2)尿毒症に対する透析療法の導入

昨年1年間に尿毒症に対して行った新規透析導入患者数は116人で、2008年の119人とほぼ同数であった。うち、10人が腹膜透析導入、また47人(40.5%)の透析導入原疾患が糖尿病性腎症であった。

5)合併症例

「該当なし」

6)死亡症例・死因・剖検数・剖検率

慢性腎不全、敗血症 1
慢性腎不全、心膜炎 1
急性腎不全、糖尿病 1
急性腎不全、S状結腸癌 1
急性腎不全、悪性リンパ腫 1
膜性増殖性糸球体腎炎、敗血症 1
顕微鏡的多発血管炎、肺炎 1
顕微鏡的多発血管炎、間質性肺炎 1
9

(1)剖検数:2人;剖検率:22.2%

7)主な検査・処置・治療件数

(1)腎生検

IgA腎症 45
非IgAメサンギウム増殖性腎炎 2
紫斑病性腎炎 3
膜性腎症 14
微小変化群 9
急性糸球体腎炎 1
膜性増殖性糸球体腎炎 1
半月体形成性糸球体腎炎 15
腎硬化症 2
糖尿病性腎症 4
ループス腎炎 1
間質性腎炎 2
基底膜菲薄化症候群 5
その他 23
127例

(2)透析療法(延べ数)

透析療法
透析総数 4,430 内訳  
入院 3,900   血液透析 4,329
外来 530 腹膜透析 138
  特殊透析 101
病棟
出張透析
44  
夜間休日
緊急透析
11

(3)新規透析導入患者数116人

(4)特殊血液浄化法(延べ数)

単純血漿交換法 55
二重膜濾過血漿交換法 21
顆粒球吸着法 11
血漿吸着法 5
腹水再灌流法 45
LDL吸着法 11
総施行数 148
原因疾患
潰瘍性大腸炎 4
腎疾患 10
肝疾患 10
皮膚疾患 2
膠原病 1
神経疾患 1
総症例数 28

8)カンファランス症例

(1)診療科内

1)MPO-ANCA関連血管炎自然発症モデルマウスの遺伝的解析(3月)
2)透析患者の体液量分析(4月)
3)ステロイド抵抗性のANCA関連腎炎の1例(5月)
4)腎生検にて診断し得たMPO-ANCA陽性・古典的結節性多発動脈炎の1例(6月)
5)劇症肝炎症例でのカテーテル留置について(8月)

(2)他科との合同

1)劇症肝炎症例でのカテーテル留置について(8月)
2)血尿を伴う不明熱の1例(10月)
3)透析患者の妊娠について(11月)

(内科モーニングカンファランス)

 月 日症例
1月27日 急性腎不全
2月5日 嚢胞感染、多発性腎嚢胞
3月9日 ネフローゼ症候群
4月13日 急性腎炎症候群
5月18日 膜性腎症、糖尿病
6月8日 慢性腎不全
6月25日 ループス腎炎
7月9日 悪性高血圧
9月7日 間質性腎炎
11月19日 アミロイドーシス
12月7日 慢性腎不全急性増悪
(2)他職種との合同

透析室では毎日14時30分より医師、看護師、臨床工学技士を交え当日施行した入院および外来患者の透析療法を含む血液浄化法の問題点や患者の病態等につきミニカンファランスを行なった。

4.事業計画・来年の目標等

  1. 慢性の腎機能障害が存在すると狭心症や心筋梗塞といった心血管病の発症リスクが増大することから米国で提唱された『慢性腎臓病(CKD)』は日本腎臓学会でも取り上げられ、CKD診療ガイドの作成と一般医への配付、講演会を通した一般医への啓発により大きな盛り上がりを示した。しかしながら、未だ一般医に十分理解されていないのが現状である。末期腎不全への進展を防ぎ透析患者数の増加を抑制するためには、小グループの勉強会といった形式で、一般医に対してより一層啓蒙活動を行なう必要がある。このような会を通して、一般医と腎臓専門医が良好なコミュニケーションを図り、どのように連携すべきか具体策を講じなければならない。また、CKDがどのような機序で心血管病を引き起こすのか、その機序の解明とそれらを抑制または予防する方法を、臨床医学並びに基礎医学の両面から検討していく予定である。
  2. 腹膜透析(CAPD)の重篤な合併症として被嚢性腹膜硬化症(EPS)が挙げられる。EPSは致死率が極めて高いため、早期診断による早期治療が求められており、有効な診断方法を確立したいと考えている。また、わが国の慢性透析患者の約97%は血液透析療法を受けていること、透析患者の死因の過半数は心筋梗塞などの心血管病であること、腹膜透析は血液透析に比べ心血管系への負担が少ないことなどを考え併せると、心疾患合併症例やブラッドアクセス作成困難な高齢の末期腎不全患者へのCAPD療法の積極的導入が望まれている。事実、昨年1年間の新規CAPD導入患者数は10人となり、今後も更なる普及・推進を行う予定である。こうした新規CAPD患者数増加の背景には、昨年4月よりスタートした透析部看護師による腎臓病教室の影響が大きかったことが推測される。CKD患者とその家族、最大20名を集め月1回、保存期または腎代替療法についてさまざまな情報を提供し、参加者から好評が得られた。来年度は、この腎臓病教室に薬剤師や栄養士も参加して頂き、より充実した内容にしたいと考えている。また、新規CAPD患者数の増加に伴い、近隣の透析中堅病院や訪問看護ステーションとの連携システムを作らなければならない。
  3. 2005年に発足した『腎臓センター』は、一部の疾患については別々の病棟で診療を行っていたが、2008年6月に病棟が本館2階東病棟に移設されたことを契機に、同じ病棟で腎臓内科医と外科医が診療できるようになった。来年度も、緊密な連携を取りながら個々の患者に最適な医療を提供していく予定である。

5.過去実績 

2008年アニュアルレポート.pdf

自治医科大学附属病院

〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1

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0285-44-2111(代)

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