薬剤部[アニュアルレポート]

1.スタッフ(平成29年4月1日現在)

薬剤部長 須藤 俊明(腫瘍センター兼務)
副薬剤部長 深谷 裕之(医療情報部兼務)
中澤 寛仁(医療の質向上・安全推進センター兼務)
釜井 聡子(感染制御部兼務)
主任薬剤師 安達 英子
君島 浩子
霜多 博孝
荒川 昌史
小倉 明子
大塚由紀子
吉岡 崇幸(医療の質向上・安全推進 センター専従)
片野 昌宏
若林 宏海
大友 慎也
薬剤師 58名
事   務 1名

2.薬剤部の特徴

薬剤部では、医薬品の調剤、製剤、供給管理、情報提供、TDM(薬物血中濃度モニタリング)、服薬指導等を通じ、医薬品の安定供給と適正使用に貢献している。さらに、これらの業務を相互に連携させることにより、医薬品に係わるリスクの防止に努めている。

施設認定

日本臨床薬理学会認定薬剤師制度研修施設
日本医療薬学会認定薬剤師制度研修施設
日本医療薬学会がん専門薬剤師研修施設
日本薬剤師研修センター実務研修生受入施設
日本薬剤師研修センター小児薬物療法認定薬剤師制度
受入施設

認定・専門薬剤師

日本臨床薬理学会認定指導薬剤師 須藤 俊明 他1名
日本医療薬学会認定指導薬剤師 須藤 俊明 他1名
日本医療薬学会がん専門薬剤師 霜多 博孝 他2名
日本医療薬学会薬物療法専門薬剤師 小林  亮
日本静脈経腸栄養学会栄養サポートチーム(NST)専門療法士 遠藤 径世 他2名
日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師 大友 慎也
日本緩和医療薬学会緩和薬物療法認定薬剤師 奥田 泰考
日本小児臨床薬理学会小児薬物療法認定薬剤師 渋谷みどり
日本病院薬剤師会がん薬物療法認定薬剤師 中澤 寛仁
日本病院薬剤師会HIV感染症薬物療法認定薬剤師 芝  祐輔
日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師 大友 慎也
日本薬剤師研修センター認定実務実習指導薬剤師 片野 昌宏 他2名

3.実績・クリニカルインディケーター

1)業務内容

(1)外来・入院調剤業務

調剤部門では、入院患者および外来患者の調剤を行っている。外来調剤においては、1998年の院外処方せん発行開始以来様々な業務の合理化を行ってきた。現在は院外処方せんを発行できない一部外来患者への処方せん調剤と薬剤情報提供の他、在宅療養に必要な器材や検査・処置用薬、病棟配置薬の供給、治験薬の調剤や院外の保険薬局からの疑義照会窓口として活動している。

(2)製剤・医薬品調製業務

製剤部門では予め使用頻度の高い薬剤の混合や分包(一般製剤・無菌製剤)、医師からの依頼による特定の患者を対象とした市販されていない剤形や規格の薬剤の調製(院内特殊製剤)、リスクの高い注射薬であるTPN(中心静脈栄養)や抗がん剤の混合調製を行っている。2009年5月からは病棟で使用する抗がん剤、2010年2月からはTPNの当日調製を開始し、休日を含め院内で使用するTPNおよび抗がん剤の調製は全て薬剤部で実施している。

2011年、日本核医学会ほか3団体の共同作業により「放射性医薬品取り扱いガイドライン」が作成された。薬剤部では、2012年6月から薬剤師による放射性医薬品の院内調製(99Mo/99mTcジェネレーターからの99mTcの抽出、テクネMAAキットおよびテクネフチン酸キットにおける99mTcの標識など)と管理を開始した。2013年6月からは骨転移疼痛緩和剤メタストロン注の調製も開始した。

過去5年間における注射薬混合調製数

(単位・本、放射線医薬品は件)

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
IVH(病棟・在宅) 4,804 4,240 5,680 4,425 3,264
抗がん剤(病棟) 10,317 10,779 11,273 9,817 10,107
抗がん剤(外来) 14,142 14,385 14,804 15,146 15,945
一般薬(病棟) 12,912 13,314 14,280 17,376 11,622
放射性医薬品 311 584 630 750 764

(3)医薬品情報業務

医薬品情報部門では院内の医師や他の医療スタッフからの医薬品に関する問い合わせに答える他、薬効別分類医薬品集を隔年に発行している。また、医療情報システムにおける採用医薬品のマスタ管理、オンライン医薬品情報システムのメンテナンス、情報紙「医薬品情報」の発行を行っている。さらに、薬事委員会の庶務を担当し、委員会の適切な運営等に協力している。なお、薬事委員会では厚生労働省の後発医薬品使用促進政策に基づき、2007年より後発医薬品の導入を開始し、2016年は143品目(155規格)を先発医薬品から後発医薬品へ切り替え、12月には後発医薬品数量シェアが70%を超えた。

(4)薬剤管理指導業務およびTDM(薬物血中濃度モニタリング)業務

薬剤管理指導部門では入院患者に対し、処方された薬の薬効や副作用、使用上の注意等を説明するとともに、副作用等の発現状況の確認や、医薬品を使用する上での相談に乗る等の業務(薬剤管理指導業務)を行っている。2009年4月から緩和ケアにおける麻薬性鎮痛薬等の服薬指導を新たに開始し、2010年1月からは外来治療センターにおいて抗がん剤および制吐剤の服薬指導を開始した。さらに2014年4月からはそれらを統合した薬剤師外来を外来治療センター内に設置し、がん化学療法および緩和ケアを受ける患者への服薬指導等にあたっている。TDM業務においては抗菌薬や移植患者に対する免疫抑制薬の個別投与設計支援を中心にテーラーメイド医療に貢献している。

過去5年間における薬剤管理指導業務量およびTDM実施数
2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
病棟服薬指導患者数(人) 4,121 3,453 2,471 1,802 1,496
服薬指導回数(件) 5,758 5,758 4,147 2,796 2,232
持参薬確認件数(件) 9,176
外来抗がん剤指導(件) 208 337 36
薬剤師外来(件) 1,713 2,505 2,671
TDM実施件数(件) 946 1,420 1,665 1,038 1,020

(5)薬品管理業務および病棟薬剤業務

医薬品管理部門では院内で使用する医薬品の安定供給および病棟に在庫する医薬品の管理に寄与している。また、2001年からは中央手術室に薬剤師1人を常駐させ、麻薬、毒薬、麻酔薬等の取り扱いに注意を要する医薬品の使用管理、血液製剤を中心とする特定生物由来製剤の記録管理を実施している。2010年に救命救急センター、2011年にICUでの医薬品の管理を開始したが、2012年には特殊有床病棟(ICU、NICU、PICU、CCU、 救命救急センター)に薬剤師が常駐し、医薬品の供給・管理ばかりでなく処方監査やスッタフへの医薬品情報提供等の業務を開始した。2014年11月からは一般病棟へも担当薬剤師を配置し医療スタッフへの医薬品情報提供を開始するとともに、2016年4月からは予定入院患者の持参薬の確認を開始した。今後、病棟薬剤業務実施加算の取得に向け、さらに業務内容を充実させる。

(6)子ども医療センター薬剤部

子ども医療センターの開設に併せてセンター内に2人の薬剤師を配置し、センター内で使用する検査薬の調剤および本館調剤室で調剤した内服薬や外用薬の服薬指導等を、外来患者と入院患者を対象に実施している。

2)業務実績(2016年1月~12月)

(1)外来調剤に関すること

外来処方せん枚数(院内調剤)(枚) 65,279
外来患者への薬剤情報提供件数(件) 3,259
在宅療養用器材等交付件数(件) 19,498
院外処方せん枚数(枚) 255,645
院外からの疑義照会受付件数(件) 21,648

(2)入院調剤に関すること

入院処方せん枚数(件) 367,371
注射処方せん枚数(枚) 211,449

(3)製剤に関すること

製剤総件数(件) 5,470
一般試験および水質検査件数(件) 244

(4)医薬品管理・医薬品情報に関すること

医薬品情報室への問い合わせ件数(件) 1,044
医療スタッフ等への情報提供件数(件) 1,791

(5)治験に関すること

治験薬受け入れ件数(新規)(件) 21

3)その他

①医薬品の安全管理体制整備

近年医療事故が多数報告され、残念ながらその多くが医薬品に関連したものとなっている。薬剤部では薬剤部長および主任薬剤師の2名が医療安全対策部を兼務し、薬剤部内はもとより院内における医薬品による医療事故の発生防止に努め、2011年からは病棟担当薬剤師もスタッフを対象に危険薬(ハイリスク薬)の取扱いについての教育・指導を実施してきた。2007年の改正医療法の施行に伴い、薬剤部長が責任者となり医薬品安全管理を推進してきたが、さらなる事故防止の徹底を図るため、2016年4月からは副薬剤部長1名が医療の質向上・安全推進センターを兼務するとともに医薬品安全管理責任者を引き継ぎ、医薬品による医療事故防止のための研修等を全職員対象に実施している。

②チーム医療への参画

薬剤部ではこれまで移植チーム、医療情報部、腫瘍センター、感染制御部および緩和ケア部等への支援体制をとってきた。2008年からはNST(栄養サポートチーム)の病棟ラウンドが開始となり、薬剤部からもNST専門薬剤師が参加している。

③治験薬の管理

これまでの臨床試験センターが2013年4月からは"とちぎ臨床試験推進部"と組織改変されたが、薬剤部では引き続き治験薬の保管や調剤等を通じて適正な臨床試験(治験)の運営に協力している。

④実習生および研修生の受け入れ

2016年は、国際医療福祉大学薬学部学生延べ24人の病院実務実習の受入を行った。さらに、小児薬物療法認定薬剤師制度に関わる研修生4人の受け入れを行った。

⑤地域・僻地医療に対する貢献

公衆衛生の向上に寄与する目的から薬剤部への見学者の積極的な受け入れを行った。また、地域の薬剤師会と連携し医療品の安全管理・医薬品の適正使用に関する研修会を実施した。

4.研究業績

(A)学術論文

  1. Kobayashi R, Otomo S, Shiba Y, Ebinuma K, Sudoh T. : Imprrovement of predictivety of Teicoplanin serum trough concentrations at steady state calculated by Vancomycin pharmacokinetic parameter. YAKUGAKU ZASSHI 136(11) , 1557-1562 , 2016
  2. Hirata Y, Sanada Y, Urahashi T, Ihara Y, Yamada N, Okada N, Tashiro M, Katano T, Otomo S, Ushijima K, Mizuta K. : Rerationship between graft liver function and the change of graft liver and spleen volumes after technical variant liver transplantation. Transplant Proc. 48(4), 1105-9, 2016
  3. Okada N, Ihara Y, Urahashi T, Sanada Y, Yamada N, Hirata Y, Tashiro M, Katano T, Ushijima K, Otomo S,Takahashi H, Matsubara S, Mizuta K. : Antenatal immunoglobulin for prevention of neonatal hemochromatosis. Pediatr Int. 58(10), 1059-1061, 2016
  4. 尾沼恵梨香、眞田幸弘、吉田幸世、浦橋泰然、井原欣幸、岡田憲樹、山田直也、平田雄大、片野 匠、大友慎也、牛島健太郎、水田耕一:新生児期に肝移植が必要になる家族への精神的・社会的サポートの重要性。移植51(4/5),405-410,2016

(B)学術論文

  1. 大友慎也、牛島健太郎、水田耕一、浦橋泰然、井原欣幸、眞田幸弘、山田直也、岡田憲樹、平田雄大、吉田幸世、尾沼恵梨香、須藤俊明:シンポジウム 免疫移植のTDM 小児肝移植チームでの経験から。第33回日本TDM学会・学術大会。2016年5月(宇都宮)
  2. 大友慎也、法月正太郎、大西 翼、岡部太郎、鈴木 潤、笹原鉄平、宇井 崇、倉科憲太郎、太田 学、利府数馬、佐田尚宏、森澤雄司、須藤俊明:感染症病態の変化によるVancomycin薬物動態の変動 Sawchuk-Zaske methodによりARCよりも分布容積の変動が大きいことが明らかとなった一例。第33回日本TDM学会・学術大会。2016年5月(宇都宮)
  3. 坂井亮太大友慎也、牛島健太郎、水田耕一、浦橋泰然、井原欣幸、眞田幸弘、山田直也、岡田憲樹、平田雄大、須藤俊明、木村利美:小児生体肝移植後の難治性拒絶に対し、エベロリムスを併用し肝機能改善が得られた一例。第33回日本TDM学会・学術大会。2016年5月(宇都宮)
  4. 牛島健太郎、大友慎也、平田雄大、山田直也、岡田憲樹、眞田幸弘、井原欣幸、浦橋泰然、水田耕一、藤村昭夫:小児肝移植レシピエントにおけるタクロリムス体内動態に及ぼす肝管外瘻ドレナージチューブクランプの影響。第33回日本TDM学会・学術大会。2016年5月(宇都宮)
  5. Hideyuki Ozawa, Kentaro Kurashina, Atsushi Miki, Yasunari Okuda, Misuzu Mori, Masuzu Ueda, Yoshinori Hosoya, Joji Kitayama, Naohiro Sata, Hirofumi Fujii : Reduction of psoas muscle volume during chemotherapy for esophageal cancer may be a negative predictor of the outcome. 第14回 日本臨床腫瘍学会学術集会。2016年7月(神戸)
  6. 奥田泰考、森 美鈴、須藤俊明、藤井博文:外来化学療法における薬剤師外来での支持療法への関わり。第1回がんサポーティブケア学会学術集会。2016年9月(東京)

5.2017年の目標・事業計画等

  1. 病棟薬剤業務実施加算取得
  2. 院外処方せんの増発
  3. 後発医薬品の導入促進
  4. 認定・専門薬剤師の育成

6.過去実績

2015年アニュアルレポート

2014年アニュアルレポート

2013年アニュアルレポート

2012年アニュアルレポート

2011年アニュアルレポート

2010年アニュアルレポート

2009年アニュアルレポート

2008年アニュアルレポート

自治医科大学附属病院

〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1

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