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循環器センター内科部門(循環器内科)[アニュアルレポート]

1.スタッフ(平成23年4月1日現在 派遣者除く)

科長 (主任教授) 苅尾 七臣
副科長 (准教授) 三橋 武司
医局長 (准教授) 北條 行弘
病棟医長 (准教授) 新保 昌久
外来医長 (講師) 市田  勝
CCU部長 (准教授) 勝木 孝明
医員 (教授) 島田 和幸
(講師) 籏  義仁
星出  聡
(学内講師) 上野 修市
江口 和男
(助教) 池本 智一
小形 幸代
病院助教   廣瀬 雅裕
中神理恵子
西村 芳興
渡部 智紀
岩田 友彦
泉   学
去川 睦子
シニアレジデント   11名

2.診療科の特徴

自治医大循環器内科には栃木県のみならず、茨城県、さらには群馬県、埼玉県などの隣県からも多くの患者が紹介来院され、昨年の外来患者総数は新患が1,807人と前年の1,721人より増加した。さらに、再来は24,170人で、紹介率73.8%と多くの患者の診療を行った。外来診療では初診専門が1診、一般再診外来が3診、特殊外来が1診で行っている。特殊外来には高血圧外来、血管外来、ぺースメーカー・ICD外来、心臓リハビリテーション外来があり、冠疾患外来を新設した。入院診療は、循環器センターとしては定床78床(内CCU8床)で、外科部門と混合となっている。入院患者は急性心筋梗塞、心不全、不整脈が中心であるが、近年は肺塞栓、慢性閉塞性動脈硬化症などの末梢血管疾患、血栓疾患も増加してきている。心臓カテーテル検査、経皮的冠動脈形成術は増加の一途であり、薬剤溶出ステントの使用は全病変の60%を超え、その生命予後改善効果も含め、外科治療と肩を並べられる成績が得られてきている。さらに、末梢動脈の血管形成術は近年増加の一途で、良好な治療成績を収めてきている。心不全患者に対しては従来の薬物療法に加え、両室ペースメーカー(CRT)および両室ペースメーカー機能付き植込み型除細動器(CRT-D)などを取り入れ、予後の改善に努めている。カテーテルアブレーションはCARTO、EnSiteなどの新しいマッピングシステムを用いて、複雑な不整脈治療に取り組んでいる。ペースメーカー治療においては心房細動予防目的で従来の右心耳ペーシングから心房中隔ペーシングを最優先し、また心室ペーシング部位も右室中隔を第一選択としている。マルチスライスCTによる非侵襲的な冠動脈評価はその地位を確立し、冠動脈形成術後やバイパス術後などの評価にもその力を発揮している。さらにMRIを用い、特殊心筋病変の描出にも力を入れている。また、平成20年4月に開設された成人先天性心疾患センターの心疾患患者も増加している。今後、地域連携を強化し、栃木県南部、茨城県西地区の総括的循環器診療を目指したいと考えている。

認定施設

社団法人日本循環器学会認定循環器専門医研修施設
社団法人日本老年医学会認定施設
日本心血管インターベンション学会認定施設
日本高血圧学会専門医認定施設

認定医・専門医(派遣者除く)

内科認定医 苅尾 七臣 他24名
総合内科専門医 苅尾 七臣 他7名
日本循環器学会専門医 苅尾 七臣 他20名
日本高血圧学会専門医 苅尾 七臣 他2名
日本老年医学学会指導医 苅尾 七臣 他1名
日本臨床薬理学会指導医 島田 和幸
日本心血管インターベンション学会指導医 勝木 孝明
日本心血管インターベンション学会認定医 池本 智一 他1名
日本心血管カテーテル治療学会認定医 勝木 孝明
小児循環器学会暫定指導医 籏  義仁
植込み型除細動器(ICD)治療認定医 三橋 武司 他2名
ペーシングによる心不全治療(CRT)認定医 三橋 武司 他2名
心臓リハビリテーション指導医 星出  聡
日本超音波医学会認定指導医 泉   学
日本脳卒中学会認定専門医 泉   学

3.診療実績・クリニカルインディケーター

1)新来患者数・再来患者数・紹介率

新来患者数 1,807人
再来患者数 24,170人
紹介率 73.8%

2)入院患者数

入院患者数 1,784人
男性1,238人 女性546人
平均在院日数 10.2日

3)急性心筋梗塞(AMI)

平均在院日数 19日
発症24時間以内の入院 19日
急性心筋梗塞(AMI)患者における
入院当日若しくは翌日のアスピリン投与率 100%

4)病名別患者人数

分類略語病名患者数
心不全 CHF 心不全 400
虚血性心疾患 AMI 急性心筋梗塞 194
(24時間以内のAMI発症) 149
OMI 陳旧性心筋梗塞 381
AP 狭心症 581
post-CABG CABG術後 55
弁膜症 MVD 僧帽弁疾患 79
AVD 大動脈疾患 91
先天性心疾患 ASD 心房中隔欠損症 18
VSD 心室中隔欠損症 9
心筋症 DCM 拡張型心筋症 34
HCM 肥大型心筋症 33
HOCM 閉塞性肥大型心筋症 12
不整脈 SSS 洞不全症侯群 57
WPW WPW症侯群 23
AVNRT 16
AV-block 房室ブロック 72
Vf 心室細動 17
VT 心室頻拍 80
Af/AF 心房細動・心房粗動 212
PSVT 上室性頻拍症 47
Pacemaker交換 26
感染症 IE 感染性心内膜炎 12
pericarditis 心外膜炎 2
myocarditis 心筋炎 9
血管、血栓症 Aortitis 大動脈炎症候群 6
DAA 解離性大動脈瘤 25
TAA 胸部大動脈瘤 2
AAA 腹部大動脈瘤 17
PE 肺塞栓症 19
IPAH 特発性肺動脈性肺高血圧症 8
ASO 閉塞性動脈硬化症 80
Buerger バージャー病 0
高血圧症 HT 高血圧 301
HHD 高血圧性肥大心 38
PA 原発性アルドステロン症 16
合計(重複あり) 3,121

5)治療成績

1.冠動脈インターベンション

PCI 689件
初期成功率 95.3%

2.カテーテルアブレーション

成功率 164/175 (93.7%)

手術後心房頻拍 5例
器質的心疾患に伴う心室頻拍 4例
心室性期外収縮 1例
心外膜起源心房頻拍 1例

再発 15/164(9.1%)

心房細動 6例
術後心房頻拍 2例
器質的心疾患に伴う心室頻拍 3例
心室性期外収縮 3例
心房粗動 1例

6)死亡退院症例病名別リスト

病名人数
急性心筋梗塞 11
心不全 15
肺塞栓 2
不整脈 1
その他 14
合計(重複あり) 43

7)主な検査・処置・治療件数

心臓カテーテル検査 1,386件

インターベンション数 689病変
POBAのみ 96病変
Stent植え込み 561病変
Rotablator 17病変
Cutting balloon 0病変
PTMC 3例
下静脈フィルター(一時型のみ) 3例
副腎静脈サンプリング 17例

心筋シンチ 798件

タリウム負荷心筋(合計) 376件
 運動負荷 158件
薬剤負荷 218件
安静タリウム心筋(合計) 58件
心筋(タリウム+BMIPP) 48件
BMIPP心筋シンチ 8件
MIBG心筋シンチ 115件
安静テクネシウムシンチ 193件

トレッドミル負荷試験 323件

循環器内科(外来) 250件
循環器内科(入院) 21件
他科 52件

心肺運動負荷試験(CPX件数) 126件

心臓エコー検査 5,901件

 循環器内科心臓血管外科他科合計
外来 2,289件 346件 133件 2,768件
入院 1,994件
(うちCCU 178)
404件
(うちCCU 27)
735件 3,133件
総合計 4,283件 750件 868件 5,901件

(経食道エコー 136件(外来 9件、入院 127件))

Holter心電図検査 1,904件

循環器内科(外来) 805件
循環器内科(入院) 370件
その他 702件
late Potential 27件

カテーテルアブレーション 175例

疾患内訳  
WPW症候群 33例
房室結節回帰頻拍 37例
心房粗動 48例
心房細動 24例
心室頻拍 14例
心房頻拍 4例
心室性期外収縮 15例

ペースメーカー植え込み 85例

新規 56例 SSS 23例 AAI⇔DDD 17例
AAI 1例
DDI 1例
DDD 4例
AVB 28例 DDD 24例
VDD 3例
Af brady VVI 5例
交換 29例 SSS 6例
AVB 17例(うちリード追加2例)
Af brady 6例(うちリード追加1例)

ICD、CRT-D 植え込み 56例

ICD 新規 26例
CRT-D 新規 17例
ICD、CRT-D 交換 9例
ICDからCRT -Dアップグレード  
<疾患内訳>
虚血性心疾患 16例
拡張型心筋症 12例
肥大型心筋症 8例
Brugada症候群 5例
弁膜症術後 2例
サルコイドーシス 8例
その他 5例

末梢動脈のカテーテル治療 55例

インターベンション数 82病変

 POBAステント留置
大動脈腸骨動脈領域 4病変 42病変
大腿膝窩動脈領域 7病変 18病変
下腿領域 4病変 0病変
腎動脈領域 1病変 2病変
鎖骨下動脈領域 0病変 2病変

マルチスライスCTによる心臓(冠動脈)診断 316件

心臓リハビリテーション 1,223人(延べ人数)

8)教室内カンファランス症例

  1. 1月20日(水)上腸間膜動脈解離の臨床的検討
  2. 1月27日(水)Gated SPECTによる心機能評価
  3. 2月3日(水)学位論文発表会
    急性心筋梗塞後左室リモデリングにおけるグランザイムBの役割
  4. 2月10日(水)Treatment Mitral Regurgitation in Advanced Heart Failure
  5. 2月17日(水)Mitral Valve Prolapse and Regurgitation in Adult Patients with Secundum AtrialSeptal Defects
  6. 3月10日(水)心臓CT update
  7. 3月17日(水)インフルエンザ心筋炎
  8. 3月24日(水)神経調節性失神とチルトテストについて
  9. 3月31日(水)筋ジストロフィーと心不全
  10. 4月7日(水)研究発表会
    心筋収縮に関わるシグナル伝達の研究
  11. 4月21日(水)左房内腫瘤
  12. 4月28日(水)妊娠高血圧症候群の診断と治療
  13. 5月12日(水)心筋の再生医療
  14. 5月19日(水)ファロー四徴症術後の感染性心内膜炎
  15. 5月26日(水)真の生理的ペーシング
  16. 6月2日(水)僧帽弁のcleftは後尖に存在するか?
  17. 6月9日(水)FMD
  18. 6月16日(水)運動負荷エコーによる機能性MRの評価
  19. 6月30日(水)甲状腺機能亢進症と心筋障害
  20. 7月7日(水)帰朝講演会
  21. 7月14日(水)新しいステント
  22. 7月21日(水)虚血性 MRにおける MVP vs MVR
  23. 9月29日(水)カテーテル的に吸引生検を行った肺動脈内腫瘍の一例
  24. 10月27日(水)死亡症例検討会
  25. 11月10日(水)虚血性心疾患におけるBNPの新しい可能性
  26. 11月17日(水)起立性低血圧
  27. 11月24日(水)頚動脈ステントと内膜剥離術
  28. 12月1日(水)劇症型心筋炎
  29. 12月8日(水)帰朝講演会
  30. 12月15日(水)重症心不全とLVAD

4.事業計画・来年の目標等

  1. PCIの今年の目標は700病変の治療施行である。ガイディングカテーテルの小径化、橈骨動脈アプローチの割合を増加させ、低侵襲な治療を第一とする。フォローアップ検査、予後調査の継続、病診連携を強化し、適応症例の拡大とともに、広く先端医療の恩恵が多くの患者さんに行き渡るような診療体制を構築したい。
  2. アブレーションではイリゲーションカテーテルの導入により器質的心疾患に伴う心室頻拍や心房細動にも新たなアプローチが可能になると思われる。CRT-PとCRT-Dの治療成績をまとめ、次の治療に活かすようにしたい。ペースメーカーは関連病院と症例を共有し、スタンダード化した治療を確立したい。
  3. 不整脈部門では3D-マッピングシステムやクーリングカテーテルシステムを積極的に用いて、先天性心疾患術後頻脈性不整脈や器質的心疾患に伴う頻脈性不整脈を積極的に治療して、治療成功率を上げるとともに治療の安全性を高める方法を確立する。
  4. 心エコー検査は診断、治療に密着した検査であることを意識し、質の高い心エコー検査を目標とする。2010年度は、アクセスしやすい心エコーを目指し、入院と外来のエコー件数を合わせて5,900件と、前年度と比較して、1,000件以上の増加となった。本年度もこの件数は維持していきたい。高齢化に伴い、弁膜症の症例は増加していく。弁膜症の診断、手術の適応決定、手術法の選択、手術後の経過観察における心エコー検査は重要である。診断レベルの向上を目指して切磋琢磨していく。その手段として、心臓血管外科とのエコーカンファレンスは重要と位置づけ、2010年度は延べ 237件の症例検討を行った。本年度、本カンファランスも継続方針とする。また、慢性心不全の治療である両心室ペーシングの適応決定、成人先天性心疾患の診断における心エコーの役割について研究を進めていく。心不全の重要な原因の一つである拡張障害による心不全についても、研究を行っていく。
  5. 負荷心筋シンチはルーチン検査である負荷タリウムシンチを安全に行うことを第一の目標とする。BMIPP、MIBGも引き続き行う。昨年はテクネシウムによるQGSシンチグラフィーが増え、心筋血流、心機能がより客観的に評価できるようになってきた。本年度も引き続き左室リモデリング評価に応用する予定である。MIBG心筋シンチは神経内科でのパーキンソン病の重症度診断に用いられ、症例数が増加している。検査を通じて他科との強調も図っていきたい。
  6. 心臓CT検査では、冠動脈狭窄、プラーク診断のさらなる精度向上を目指す。また、CT、MRIを用いた心機能解析、心筋障害の質的診断を積極的に行う。
  7. 末梢動脈インターベンションは、70件以上を目標とし、安全で効果的な治療手技の確立に努力する。また、治療後のフォローアップに努め、治療効果、開存率、生命予後などの評価を行っていく。
  8. 心臓リハビリテーションでは対象患者を心筋梗塞以外にも拡大する。急性期リハから、外来での回復期リハビリテーションにつなげ、QOL・予後の改善を目指す。心臓リハビリテーションの認知度は、まだまだ低く、患者、医療側の両者への啓蒙活動を行う。
  9. 心不全患者に合併する睡眠時無呼吸症候群のスクリーニングを積極的に行う。心不全治療としての陽圧治療、とりわけadaptive servo ventilationを積極的に導入し、心不全のQOL、予後の改善を目指す。
  10. 成人先天性心疾患部門では当院で診療を受けた既往のある成人先天性心疾患患者のその後の経過を追跡調査して、当部門にいま求められている診療体制をできるだけ早く構築できるように努力する。
  11. 高血圧については、以前より高血圧専門外来を設けており、治療抵抗性高血圧、二次性高血圧のマネージメントを行っている。昨年施行した、副腎静脈サンプリングは16例であった。また、高血圧治療に関する介入研究を進める一方で、家庭血圧、24時間自動血圧計(ABPM)を用いた観察研究を日本国内だけでなく、インターナショナルデータベースの構築へ向けた体制を確立したい。

5.過去実績

2009年アニュアルレポート

2008年アニュアルレポート

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自治医科大学附属病院

〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1

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