耳鼻咽喉科[アニュアルレポート]

1.スタッフ(平成23年4月1日現在)

科長 (教 授) 市村 恵一
外来医長 (講 師) 石川 浩太郎
病棟医長 (講 師) 高野澤美奈子
医員 (准教授) 西野  宏
金澤 丈治(地域医療学センター)
(講師) 笹村 佳美(子ども医療センター)
(学内講師) 瀬嶋 尊之(派遣中)
(助教) 石川 敏夫
藤澤 嘉郎(派遣中)
菊池  恒(医局長)
病院助教   上村佐恵子
川田 和己
レジデント 4名

2.診療科の特徴

悪性腫瘍領域

高い診療内容を維持するために、臨床腫瘍部、放射線治療部、形成外科、消化器外科、脳神経外科、歯科口腔外科とともに症例検討をおこなっている。本院の頭頸部悪性腫瘍の治療の目標は、癌の高い根治性と治療後の生活の質を保つ事である。高い癌の根治性と顔面整容や口蓋・眼窩内容の保存を両立させた上顎洞癌に対する集学治療は、国内外より高い評価を得ている。治療が困難な頭蓋底腫瘍の治療方法も、定位放射線治療や頭蓋内外手術など幅広い治療方法の選択が可能である。進行口腔・咽頭癌に対する切除・再建手術に嚥下改善手術を加え根治性と術後の嚥下障害の改善に成果をあげている。放射線治療効果の期待できる咽頭癌と喉頭癌では、機能温存を目的として、化学放射線治療をおこなった。癌化学療法では、根治切除不能な頭頸部癌に対する化学放射線療法のJCOGに参加し癌化学療法の第II相試験、TS-1補助化学療法の多施設無作為化比較試験の臨床試験をおこなった。

耳領域

年間90例を越える聴力改善手術を行って患者の期待に応えている。特に難治とされる癒着性中耳炎、medialmeatal fibrosis、放射線照射や熱傷後のように局所血流の悪い鼓膜穿孔例などに対して軟骨片柵状配列型鼓膜形成術(cartilage palisade tympanoplasty)を行っており、良好な結果が得られており、学会誌でも発表している。遺伝性難聴の遺伝子診断、遺伝相談を学内の遺伝カウンセリング室と共同で行っている。遺伝性難聴の他施設との共同研究も行う中で、最新の情報を取り入れて診療に当たっている。日本耳鼻咽喉科学会指定の新生児聴覚スクリーニング後の精密聴力検査機関としてスクリーニング後の精密検査、診断、および難聴者の療育も行っている。加えて先進医療「先天性難聴の遺伝子診断」の認可施設として、遺伝子診断結果も取り入れた、より高度な先天性難聴の診療が可能となっている。また補聴器適合検査有資格施設であり、補聴器専門外来を設けて難聴患者への補聴器のフィッティングを行っている。成人の聾・高度難聴に対する人工内耳手術も引き続き行っている。めまいに関しても県の中心的施設として機能しており、紹介患者が多い。薬物治療に抵抗するメニエール病患者には積極的に外科的治療を行っている。

鼻領域

慢性副鼻腔炎の病態と薬物作動性についてベルギーのゲント大学との共同研究が進行中である。内視鏡下副鼻腔手術による副鼻腔炎治療は術後の精力的な治療とあいまって高い治癒率を誇り、患者の満足度が高い。難治性鼻出血で知られるオスラー病に対する外科手術治療の例数は国内随一を誇り、他医師からの紹介や、インターネット検索により患者が全国から集まってくる。これには鼻腔粘膜皮膚置換術や外鼻孔閉鎖術により対応し、その後のQOLの改善をみている。アレルギー性鼻炎に対しての基礎的、臨床的研究が進行している。レーザー下鼻甲介焼灼法に加え、コブレーターの導入で頑固な鼻閉に対処しているが、これらで対応できない難治例に対しては鼻中隔矯正術+粘膜下下鼻甲介骨切除術+粘膜下層のレーザー焼灼術+後鼻神経切断術を行っており、満足の行く結果が得られている。嗅覚障害については基礎研究でめざましい成果が得られており、臨床においても北関東のセンター的役割を担っている。世界的に見ても嗅覚異常は原因別治療法が確立していないのでbreakthroughとなるべくさまざまな試みを行っている。また下垂体腫瘍についても脳神経外科と共同で年間20例ほど経鼻内視鏡下手術を行っている。

口腔咽頭領域

睡眠時無呼吸症候群に関しては専門外来を設けて対応し、呼吸器内科、精神科などと協力しながら個々のケースに対応した治療法を選択している。また腎臓内科とタイアップしているIgA腎症に対する扁桃摘出術+ステロイドパルス療法は患者さんに福音となっているが、そのため大学病院としては例外的に扁桃摘出術が多い。扁桃摘出術もコブレーターの導入により術後疼痛の緩和など患者に福音をもたらした。

嚥下領域

耳鼻咽喉科学会の重点項目になっており、発展が期待される分野である。まだ科として不十分な取り組みながら、この方面の知識を得る機会を増やし、核になる人材の育成を行っている。頭頸部癌手術に伴う嚥下障害の改善のため、根治手術時に嚥下改善手術を併せて行い、嚥下リハビリも積極的に行っている。脳血管障害による摂食・嚥下障害に対して、『口から食べたい』患者の希望に最大限添えるような援助プログラムを実践している。また、嚥下性肺炎を繰り返す症例に誤嚥防止手術として喉頭気管分離術や喉頭摘出術を行っている。県内を中心とした関連職種への啓蒙や、摂食・嚥下医療福祉の地域連携を確立すべく積極的に活動している。

音声領域

片側性反回神経麻痺に対する嗄声は、コミュニケーション能力を著しく低下させ、社会復帰を困難なものにしている。このような嗄声にたいする喉頭機能外科は、近年、著しい進歩を遂げている。当科では軽症例には脂肪注入術などの喉頭内手術を重症例には喉頭枠組手術を行い、全例で音声の改善を得ている。また、これまで治療の対象とされなかった声帯溝症に対する術式の開発や職業歌手に対する音声指導なども積極的に行う予定である。

頸部領域

唾液腺や甲状腺疾患にも積極的に取り組んでおり、機能温存に優れた成績を出している。甲状腺については当院の手術を一手に担い、機能亢進症の外科手術にも取り組んでいる。深頸部膿瘍患者が多い地域のため、これらにも迅速に対応し、縦隔進展例でも全例救済できている。

小児耳鼻咽喉科領域

平成21年2月に小児耳鼻咽喉科外来が開始した。外来日は月曜日、水曜日の週2回であり、平成22年1月から平成22年12月までの初診(再初診を含む)の患者数は397名、小児の手術症例は113例であった。外来、手術とともに前年と比較して順調に増加している。聴力検査はある程度当院で対応できるようにはなったが、機能性難聴の児童などはOAEがないために引き続き本館の耳鼻科外来でお願いしている状態である。電子スコープ、記録装置等のおかげで喉頭軟弱症、吸気性喘鳴の評価や口蓋裂の手術後の鼻咽腔不全の詳細な評価を行うことができた。これらの疾患は耳鼻咽喉科だけの問題ではないことが多いため、今後も他科との連携をはかっていきたい。

施設認定

日本耳鼻咽喉科学会認定医制度指定施設
日本気管食道科学会認定医制度指定施設
日本アレルギー学会認定医制度指定施設
日本頭頚部外科学会認定頭頸部がん専門医制度研修施設

専門医

日本耳鼻咽喉科学会専門医 市村 恵一 他12名
日本気管食道科学会専門医 市村 恵一
日本癌治療学会臨床試験登録医 西野  宏
日本アレルギー学会専門医 瀬嶋 尊之
日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴担当医 西野  宏、石川浩太郎
日本耳鼻咽喉科学会補聴器相談医 市村 恵一 他6名
日本がん治療認定医機構がん治療認定医 西野  宏
日本頭頸部外科学会頭頸部がん専門医 西野  宏

3.診療実績・クリニカルインディケーター

1)新来患者数・再来患者数・紹介率

新来患者数 2,690人
再来患者数 23,205人
紹介率 73.6%

2)入院患者

2010年 入院患者数内訳(病名別)
入院件数:1,009件

領域病名患者数
1.耳 先天性耳瘻孔 6
悪性外耳道炎・外耳炎 2
外耳道良性腫瘍 3
外耳道悪性腫瘍 5
外耳道閉鎖・狭窄症 3
外耳道真珠腫 1
滲出性中耳炎 27
急性中耳炎、内耳炎 8
乳様突起炎 1
反復性中耳炎 3
慢性中耳炎 22
真珠腫性中耳炎 52
中耳奇形・伝音難聴 10
耳小骨離断 4
癒着性中耳炎 4
突発性難聴・急性感音難聴 53
外リンパ瘻 3
全聾 4
めまい 21
中耳良性腫瘍 2
小計 234
2.鼻・副鼻腔 急性副鼻腔炎 7
慢性副鼻腔炎 39
副鼻腔真菌症 5
アレルギー性鼻炎 6
鼻性視神経炎 1
術後性上顎嚢胞 12
副鼻腔嚢胞 6
鼻出血 17
オスラー病 19
鼻中隔彎曲症・肥厚性鼻炎 4
鼻・副鼻腔良性腫瘍 12
鼻・副鼻腔悪性腫瘍 37
鼻涙管閉塞症 3
上顎洞異物 1
小計 169
3.口唇・口腔 口腔良性腫瘍 1
舌悪性腫瘍 24
口腔悪性腫瘍(舌以外) 7
がま腫 2
舌小帯短縮症 2
咬合異常 2
小計 38
4.咽頭 いびき・睡眠時無呼吸症候群 36
急性扁桃炎・扁桃周囲膿瘍 55
反復性扁桃炎 29
扁桃摘出後出血 8
急性咽頭喉頭炎 4
扁桃病巣感染症(IgA腎症) 33
扁桃病巣感染症(IgA腎症以外) 8
上咽頭悪性腫瘍 8
中咽頭良性腫瘍 1
中咽頭悪性腫瘍 20
下咽頭悪性腫瘍 28
小計 230
5.喉頭 急性喉頭炎 3
急性喉頭蓋炎 18
声帯ポリープ・結節・嚢胞 11
喉頭浮腫 6
喉頭悪性腫瘍 58
喉頭狭窄 3
喉頭白板症 6
声帯麻痺 2
声門閉鎖不全 1
喉頭皮膚瘻 2
小計 110
6.気管・食道 気管良性腫瘍 4
気管肉芽 1
気管狭窄 5
嚥下障害、嚥下性肺炎 4
食道異物 2
小計 16
7.顔面 顔面神経麻痺 10
ハント症候群 7
顔面蜂巣炎 3
小計 20
8.頸部・唾液腺 甲状腺良性腫瘍 28
甲状腺悪性腫瘍 63
バセドウ病 3
上皮小体腺腫 5
耳下腺良性腫瘍 16
耳下腺悪性腫瘍 4
顎下腺良性腫瘍 6
顎下腺悪性腫瘍 3
頸部良性腫瘍 7
唾液腺・膿瘍 3
唾石症 4
頸部リンパ節炎 4
頸部リンパ節転移 2
原発不明癌 5
甲状舌管癌 1
頸部嚢胞性疾患 2
下咽頭梨状陥凹瘻 1
悪性リンパ腫 9
頸部蜂巣炎・深頸部膿瘍 13
頸部外傷・異物 2
小計 181
9.その他 急性胃腸炎 1
皮膚癌 3
側頭下窩悪性腫瘍 2
眼窩内腫瘍 1
眼窩先端症候群 1
発熱性好中球減少症 1
小計 9

手術症例病名別件数・手術術式別件

入院手術症例数:722件

領域病名術式患者数
1.耳 先天性耳瘻孔 耳瘻孔摘出術 5
外耳道真珠腫 外耳道形成術 1
外耳道閉鎖・狭窄症 外耳道形成術 3
外耳道骨腫 摘出術 3
滲出性中耳炎、反復性中耳炎 鼓膜換気チューブ留置術 27
鼓膜換気チューブ留置術、アデノイド切除 7
慢性中耳炎・癒着性中耳炎 鼓室形成術 24
真珠腫性中耳炎、先天性真珠腫 鼓室形成術、乳突削開術 53
中耳奇形・伝音難聴 鼓室形成術 14
外リンパ瘻 試験的鼓室解放、内耳窓閉鎖術 3
耳硬化症 アブミ骨手術 1
外耳癌 外耳癌摘出術、切除術 2
中耳腫瘍 腫瘍摘出術、鼓室形成術 2
全聾 人工内耳埋込術 4
  小計 149
2.鼻・副鼻腔 慢性副鼻腔炎 内視鏡下副鼻腔手術、鼻中隔嬌正術、下鼻甲介切除術 40
副鼻腔真菌症 内視鏡下副鼻腔手術 4
術後性上顎嚢胞 内視鏡下副鼻腔手術 12
副鼻腔嚢胞 内視鏡下副鼻腔手術 6
鼻出血 内視鏡下副鼻腔手術 5
オスラー病 鼻腔粘膜皮膚置換術 17
外鼻孔閉鎖術 1
鼻中隔彎曲症・肥厚性鼻炎 鼻中隔矯正術、下鼻甲介切除術 10
鼻・副鼻腔良性腫瘍 内視鏡下副鼻腔手術 18
鼻・副鼻腔悪性腫瘍 上顎部分切除術(腫瘍全摘術) 8
上顎部分切除術(腫瘍減量術)、
浅側頭動脈カテーテル挿管術
5
頸部郭清術 1
内視鏡下副鼻腔手術 8
副鼻腔異物 内視鏡下副鼻腔手術 1
鼻涙管閉塞症 涙嚢鼻腔吻合術 3
  小計 139
3.口唇・口腔 舌小帯短縮症 舌小帯形成術 1
舌悪性腫瘍 部分切除術 6
頸部郭清術 1
舌亜全摘出術、頸部郭清術、再建術 4
口腔悪性腫瘍(舌以外) 腫瘍切除術 3
切除術、頸部郭清術、再建術 2
がま腫 舌下腺摘出術 2
舌下腺腫瘍 舌下腺摘出術 1
上下顎外骨腫 切除術 1
  小計 21
4.咽頭 いびき・睡眠時無呼吸症候群 口蓋扁桃摘出術、アデノイド切除術 24
口蓋扁桃摘出術 6
アデノイド切除術 5
反復性扁桃炎 口蓋扁桃摘出術 29
咬合不整 口蓋扁桃摘出術 2
扁桃病巣感染症(IgA腎症) 口蓋扁桃摘出術 35
扁桃病巣感染症(IgA腎症以外) 口蓋扁桃摘出術 6
扁桃周囲膿瘍、気道狭窄 膿瘍切開術、気管切開術 1
扁桃摘出後出血 止血術 3
扁桃腫瘍疑い 扁桃生検術、気管切開 5
傍咽頭間隙腫瘍 摘出術 1
上咽頭良性腫瘍 内視鏡下摘出術 1
上咽頭悪性腫瘍 頸部郭清術 1
中咽頭悪性腫瘍 拡大扁桃摘出術、頸部郭清術 3
腫瘍切除術 1
下咽頭悪性腫瘍 気管切開術 4
硬性内視鏡生検術 2
咽頭喉頭食道摘出術、
頸部郭清術、
遊離空腸による再建術
2
頸部郭清術 3
  小計 134
5.喉頭 声帯ポリープ・結節・嚢胞 喉頭微細手術 9
喉頭蓋嚢胞 喉頭微細手術 1
喉頭良性腫瘍 喉頭微細手術 4
喉頭悪性腫瘍 気管切開術、生検 10
喉頭微細手術 12
頸部郭清術 4
喉頭全摘出術、頸部郭清術 1
喉頭狭窄 Tチューブ交換術、気管支鏡検査 4
喉頭白板症 喉頭微細手術 6
声帯麻痺 気管切開術 3
声門閉鎖不全 甲状軟骨形成術 1
急性喉頭蓋炎 気管切開術 5
  小計 60
6.気道・食道 気管良性腫瘍 気管乳頭腫減量術 4
気管孔狭窄 開大術 1
気管孔肉芽 除去術 1
気管切開術後 気管孔閉鎖術 4
食道異物 硬性鏡検査 2
気管食道瘻 閉鎖術 1
  小計 13
7.頸部・唾液腺 甲状腺良性腫瘍 葉切除術 20
全摘出術 1
甲状腺悪性腫瘍 葉峡切除術、頸部郭清術 44
全摘出術、頸部郭清術 13
頸部郭清術 7
バセドウ病 亜全摘出術 3
異所性甲状腺 摘出術 2
甲状腺腫瘤 生検術 2
上皮小体腺腫 腫瘍摘出術 5
耳下腺良性腫瘍 耳下腺部分切除 17
耳下腺悪性腫瘍 耳下腺部分切除 2
耳下腺全摘出術、頸部郭清術 1
耳下腺全摘出術 1
顎下腺良性腫瘍 顎下腺摘出術 4
唾石症 顎下腺摘出術 4
口内法摘出術 1
頸部リンパ節転移、腫脹、原発不明癌 頸部リンパ節摘出術 1
頸部郭清術 8
切除術、植皮術 1
頸部嚢胞性疾患 嚢胞摘出術 4
悪性リンパ腫(疑いも含む) 頸部リンパ節摘出術 7
頸部蜂巣炎・深頸部膿瘍 膿瘍切開術、気管切開術 10
頸部良性腫瘍 腫瘍摘出術 4
頸部異物、外傷 摘出術、止血術 3
術後出血 止血術 2
  小計 167
8.頸部・唾液腺 嚥下障害 喉頭気管分離術、気管切開術 3
気管切開術 1
筋萎縮性側策硬化症 気管切開術 3
長期挿管 気管切開術 22
眼窩内腫瘍疑い 生検術 1
その他 気管切開術 1
  小計 31

3)術後合併症

再建皮弁壊死 1例
喉頭全摘出後咽頭縫合部縫合不全 1例
甲状腺腫瘍 反回神経切断 2例
甲状腺腫瘍 術後出血 2例
口蓋扁桃摘出術 術後出血 4例
右耳小骨奇形 鼓室形成術 顔面神経切断 1例

4)化学療法症例・数

当科では臨床腫瘍部と共同でがん化学療法をおこなっている。日本がん治療認定医機構がん治療認定医および日本頭頸部外科学会頭頸部がん専門医の資格をもつ耳鼻咽喉科医師のもとにがん化学療法がおこなわれている。下記の臨床試験が現在継続中である。入院がん化学療法は5名におこなわれ、内容はTS-1+cisplatinとdocetaxel+cisplatin+5-FUであった。外来がん化学療法は12名におこなわれ、内容はUFT投与2名、TS-1投与10名であった。

臨床試験

  • 頭頸部扁平上皮癌根治治療後のTS-1 補助化学療法の検討-多施設無作為比較試験-

5)放射線療法症例・数

放射線治療は50名におこなわれた。そのうち24名が抗がん薬同時併用の化学放射線治療であった。5名がdocetaxelを、19名がcisplatinを投与された。

6)悪性腫瘍の疾患別および臨床進行期別ならびに治療法別治療成績

カプランマイヤー法を用いた5年全生存割合(%)を表にしめす。頭頸部癌は整容や機能(嚥下、咀嚼、発声、構音)に深くかかわる疾患であり、治療法の選択は、病理型、病期、社会的背景、患者さんの希望などを総合的に判断し、個々の症例できめている。そのため、治療の標準化が難しい領域と考える。治療の目標は、癌の根治性を損なう事なく、形態と機能保存をおこなうことである。

上顎洞癌 顔面皮膚や硬口蓋および眼窩内容の温存を目的とした集学治療
口腔癌、咽頭癌、喉頭癌 音声や嚥下機能の温存を目的とした非手術的治療と手術
唾液腺癌 顔面神経保存の手術
治療成績の向上とともに異時性重複癌をみとめる場合が過去と比べ多くなってきている。今後はこの異時性重複癌の治療が課題と考える。
病期IIIIIIIV
上顎洞癌 なし 100 77 58
声門癌 100 93 95 88
声門上癌 100 97 82 76
上咽頭癌 100 なし 67 82
中咽頭癌 100 77 75 67
下咽頭癌 100 67 73 63
口腔癌 88 91 88 56
甲状腺癌 100 100 95 100
唾液腺癌 100 94 100 72

7)死亡症例

15人

死因 癌死
剖検数 2人
剖検率 13%

8)外来手術

術式件数
鼓膜切開術 81
鼓膜チューブ留置術 30
鼓膜形成術 22
鼓膜上皮生検 1
耳茸生検 1
中耳生検 3
外耳道生検 3
外耳生検 1
外耳道腫瘤除去 3
外耳道肉芽除去術 3
鼓膜真珠腫切除術 1
鼻粘膜焼灼術 19
鼻茸切除術 8
鼻腔生検 25
鼻骨骨折整復術 9
鼻腔腫瘤除去術 2
副鼻腔ポリープ切除術 1
下鼻甲介切除術 2
篩骨洞嚢胞開放術 1
下鼻甲介癒着粘膜切除術 1
上顎洞生検 3
上咽頭生検 15
中咽頭生検 21
下咽頭生検 6
扁桃生検 13
喉頭生検 45
軟口蓋生検 2
口蓋生検 2
咽頭異物除去術 3
舌生検 15
唾石摘出術 4
口腔生検 6
口腔底生検 2
口唇嚢胞摘出術 3
喉頭蓋嚢胞切除術 1
下口唇小唾液腺生検 17
口蓋扁桃生検 1
口唇生検 1
下口唇腫瘍切除 1
頸部リンパ節摘出術 40
頸部針生検 2
頬粘膜生検 1
上咽頭生検 1
頸部生検 1
顎下生検 1
頸部皮膚摘出術 1
頸部皮膚腫瘤生検 1
頸部腫瘤切除術 1
耳下腺生検 1
気管孔閉鎖術 2
合計件数 429

9)カンファレンス症例

(1)診療科内

術前カンファレンス 678例
入院患者カンファレンス 1,009例

(2)他科との合同

放射線科カンファレンス 78例(定期)
脳外科カンファレンス 3例(不定期)
形成外科カンファレンス 7例(不定期)
外科カンファレンス 5例(不定期)
小児科カンファレンス 12例(不定期)

(3)他職種との合同

病棟看護師とのカンファレンス:入院患者カンファレンスに準じる

4.事業計画・来年の目標等

今年度は新入局員の加入と他から移動してきた医師の加入で医師数の減少傾向が、ようやく歯止めができて、増加に転じた。科としての医療収入も再び増加した。外来患者(初診、再初診)の完全紹介制は浸透してきて、プラスに働いている。来年は開業予定者もいるので、今の医師数を確保していけるかは不透明であるが、患者本位の診療に励みたい。
小児医療センターの耳鼻咽喉科外来部門も軌道に乗ってきた。大学病院がベースの小児専門病院は他にみられないだけに、小児耳鼻咽喉科領域においてもモデルケースとしてみられるだけに他科との協調を柱に伸張してゆかねばならない。

5.過去実績

2009年アニュアルレポート

2008年アニュアルレポート

  • 東日本大震災関連情報

自治医科大学附属病院

〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1

地図

お問合わせ電話番号

0285-44-2111(代)

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