![脳卒中センター[アニュアルレポート]](img/h1_report_37.gif)
1.スタッフ
| センター長(兼) |
(脳神経外科准教授) |
田中 裕一 |
神経内科
| 教授(兼) |
中野 今治 |
| 教授(兼) |
村松 慎一 |
| 准教授(兼) |
藤本 健一 |
| 准教授(兼) |
池口 邦彦 |
| 講師(兼) |
川上 忠孝 |
| 講師(兼) |
森田 光哉 |
| 助教(兼) |
菱田 良平 |
| 助教(兼) |
嶋崎 晴雄 |
| 助教(兼) |
澤田 幹雄 |
| 病院助教(兼) |
滑川 道人 |
| 病院助教(兼) |
中村 優子 |
| 病院助教(兼) |
手塚 修一 |
脳神経外科
| 教授(兼) |
渡辺 英寿 |
| 教授(兼) |
五味 玲(小児脳神経外科) |
| 准教授(兼) |
小黒 恵司 |
| 講師(兼) |
益子 敏弘 |
| 講師(兼) |
横田 英典 |
| 講師(兼) |
永井 睦 |
| 講師(兼) |
宮脇 貴裕 |
| 病院助教(兼) |
海老原 彰 |
| シニアレジデント |
3人 |
血管内治療部
救命救急センター
放射線科
| 教授(兼) |
杉本 英治 |
| 講師(兼) |
中田学 |
| 講師(兼) |
篠崎 健史 |
| 助教(兼) |
藤田 晃史 |
| 病院助教(兼) |
小林茂 |
リハビリ科
3.診療科の特徴
脳卒中センターは、脳卒中の受け入れを一本化し、診療の効率化を目的として、2008年4月に開設された。当センターは、既存の施設内での効率的なネットワークで構成されており、構成する部門は神経内科、脳神経外科、血管内治療部、救命救急センター、放射線科、リハビリ科、看護部、地域医療連携部である。これらの各部門が効率よく連携して脳卒中診療に取り組むことで、総合的に脳卒中の診療ができる体制となった。脳卒中センターは、脳卒中を含む脳・脊髄の血管障害に対して、成人・小児を含め広く対象として集学的な最先端治療を行っており、年間入院数は646例である。対象疾患は、急性期の脳血管障害である脳卒中(クモ膜下出血、脳出血、脳梗塞、一過性脳虚血発作)や、脳卒中の原因となる脳動脈瘤、脳動静脈奇形、もやもや病、その他の脳血管奇形、脳梗塞の原因となる閉塞性脳血管障害(頭蓋内血管の閉塞、狭窄、頚部内頚動脈、椎骨動脈、鎖骨下動脈の閉塞、狭窄)、脊髄のクモ膜下出血、脊髄梗塞、脊髄の血管奇形、小児脳脊髄血管障害(動脈瘤、血管奇形、もやもや病、炎症性)などがある。栃木県は、脳卒中死亡率が国内でワースト3位以内にあるほど多く、脳卒中に対する救急医療は非常に重要である。自治医大は栃木県の脳卒中専門医療機関として認定を受けており、当センターでは、24時間体制で脳卒中診療をしている。
特に脳卒中の外科的治療およびt-PAによる脳梗塞の超急性期治療が24時間常に施行可能な体制をとっている。脳卒中診療を急性期、回復期、慢性期、在宅医療まで各医療機関が密接に連携して医療を行う目的で、「脳卒中地域診療連携ネットワーク薬師寺」を設立した。
脳卒中センターは、このネットワークの中心となって、脳卒中診療の急性期だけでなく、脳卒中地域医療連携の中心となって活動している。

施設認定
- 日本脳卒中学会認定施設
- 日本脳神経外科学会認定施設
- 日本神経学会認定施設
- 日本血管内治療学会認定施設
専門医
- 日本脳卒中学会専門医
・田中 裕一、菱田 良平
- 脳神経神経外科学会専門医
・渡辺教授以下、20名
- 神経内科専門医
・中野教授以下、11名
- 日本救急医学会専門医
・田中 裕一、加藤 正哉
- 脳神経血管内治療学会専門医
・難波 克
3.実績・クリニカルインディケーター
1)業務内容
a)脳卒中急性期診療
- クモ膜下出血:脳血管造影を行い出血源(動脈瘤)を確認し、動脈瘤の部位、形状、患者の状態を考慮して、早期のクリッピング術か、コイル塞栓術を選択して治療している。術後は、脳血管攣縮に対する集学的治療を行っている。また、早期リハビリを行っている。
- 脳出血:脳血管病変の有無を脳血管造影、MRIなどで精査している。手術適応がある場合は血腫除去術を行い、手術適応が無い例は保存的に治療を行っている。いずれの場合も早期リハビリを行っている。
- 脳梗塞:発症後3時間以内は、適応を検討のうえtPA静注療法を行っている。3時間を過ぎた例については、各病態に応じた抗血栓療法、抗凝固療法などを行っている。一過性脳虚血発作に対しては、脳梗塞に成準じた治療を行っている。同時に脳血管病変の有無を脳血管造影、MRIなどで精査している。また、可及的早期からリハビリを開始している。
b)慢性期および発症前の脳血管障害に対する治療
- 未破裂脳動脈瘤:患者の年齢、動脈瘤の大きさ、形状を考慮して慎重に手術適応と手術方法(クリッピング術かコイル塞栓術)を決めている。
- 脳動静脈奇形等の脳血管奇形:部位、症状、患者の年齢、出血の既往の有無などを考慮して、手術適応、方法を決めている。小さい場合はXナイフを行う場合もある。
- 内頚動脈閉塞、脳血管閉塞および狭窄例:脳血流の評価を行い、頭蓋外血管・頭蓋内血管のバイパス術(STA-MCA 吻合術、EDAS手術など)を行っている。
- 頚部内頚動脈または椎骨動脈狭窄例に対し、頚動脈ステント術(CAS)を行っている。
- 脊髄血管障害に対しては、血管造影、MRIなどで治療法を検討し、外科的治療の適応がある場合は、手術を行っている。
c)脳卒中地域医療連携
脳卒中診療ネットワーク薬師寺の基幹施設として、脳卒中地域医療連携の中心的役割を果たしている。2010年2月現在、栃木県、福島県、茨城県で急性期、回復期、維持期、療養型、診療所を含む合計53施設がネットワークに参加しており、脳卒中連携パスを用いて脳卒中患者の診療を行っている。当センターは、その中心となって活動しており、3ヶ月に一度のネットワーク参加施設の担当者会議を開催し、運営方法および医療連携での問題点などを検討している。連携パスを用いて転院した患者の回復期以降の経過についても、地域医療連携部が管理している。
2)実績
A)脳卒中(急性期)入院患者数(病名別)
| | 2008年 | 2009年 |
| 脳出血 |
96 |
120 |
| くも膜下出血 |
58 |
84 |
| 脳梗塞(TIAを含む) |
266 |
278 |
| 計 |
420 |
482 |
B)血栓溶解療法(t-PA)施行数
2008年(1-12月):10例
2009年(1-12月):16例
C)手術症例病名別件数
| | 2008 | 2009 |
| 脳動脈瘤(クリッピング、コイル塞栓術) |
78 |
69 |
| 脳内血腫除去 |
13 |
26 |
| 脳脊髄血管奇形摘出術・血管内手術 |
23 |
31 |
| 脳血管バイパス術(直接・間接) |
15 |
10 |
| 頚動脈ステント術、血管形成術 |
38 |
49 |
| 計 |
167 |
185 |
D)主な検査
脳血管造影:定期;週に5日、平均3例/日
緊急;平均週に 2~3例
脳血管造影(診断用)309件
脳血管造影(治療用)101件
頭部MRI、頭部CT、頭部3DCT、脳血流シンチ、光トポグラフィー
E)脳卒中医療連携
脳卒中医療連携で用いる連携パス(クリニカルパス)を作成し、栃木県の医療計画に記載された回復期施設と連携して、脳卒中医療連携を開始した。また、医療計画に記載されていない回復期施設、療養型病院、診療所、介護施設とも連携して脳卒中地域医療連携を行っている。また、ネットワーク内の急性期病院間での連携も行い、脳卒中急性期患者の受入がよりスムーズに行えるようにした。現在、脳卒中地域診療ネットワーク薬師寺への参加施設は53施設まで増加し、栃木県だけでなく、茨城県、福島県など近県までおよんでいる。また、ネットワークで用いている脳卒中連携パスは、栃木県と芳賀郡市医師会が進める脳卒中地域医療連携のモデル事業で用いられる連携パスとして採用された。
5.事業計画・来年の目標等
栃木県は脳卒中が非常に多く、脳卒中対策は栃木県の最重要課題となっている。脳卒中の救急医療および脳卒中の再発防止および予防をさらに充実するために、脳神経外科、神経内科、救急部、放射線科、リハビリ科との協力体制をこれまで以上に整えて、脳卒中に対する集学的な治療管理を行い、脳卒中の医療水準の向上を図りたい。ストロークチームを組織して脳卒中診療を行うと、脳卒中の治療成績が向上することがこれまでの研究で報告されており、脳卒中ガイドラインにも記載されている。このため、当院での脳卒中の診療水準および治療成績を向上させるために、脳卒中診療を専門に行うストロークチームを組織する必要があると考えられる。同様にストロークケアユニット(SCU)の開設も必要と考える。脳卒中患者の総合的な治療および再発予防管理を効果的に行うためには、脳卒中地域医療連携の充実が不可欠である。最近の脳卒中患者の動きをみると、回復期以降の治療、管理が問題となっている。このため、脳卒中診療ネットワーク薬師寺でも、慢性期、在宅医療を充実させる必要があり、療養型病院、介護施設、在宅医療を行う医療施設、診療所などとの連携の充実をさらにはかっていきたい。
6.過去実績
2008年アニュアルレポート.pdf