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血液科【アニュアルレポート】

1.スタッフ(平成29年4月1日現在)

科長 (教授) 神田 善伸
外来医長 (准教授) 大嶺  謙
病棟医長 (助教) 蘆澤 正弘
医員 (教授) 室井 一男(兼)
(教授) 大森  司(兼)
(講師) 翁  家国
佐藤 一也
藤原慎一郎
外島 正樹(兼)
上田 真寿(兼)
(学内講師) 畑野かおる
(助教) 山本 千裕
(病院助教) 森田  薫

2.診療科の特徴

北関東における血液疾患診療の数少ない拠点病院として、地域と連携しながら血液疾患の全般を取り扱っている。

世界的に標準とされている治療法を安全に遂行すると共に、難治性疾患に対しては、分子標的療法、造血幹細胞移植、遺伝子治療など高度な治療法を積極的に取り入れ、治療成績の向上を図っている。特に造血幹細胞移植件数は国内トップクラスの数を遂行している。

血液診療に精通した薬剤師、看護師、検査技師、臨床心理士、理学療法士、栄養士も診療に積極的に参加することで多面的な患者サポートが可能な体制を取っている。

血栓・出血性疾患についてもエキスパートが診療に関わり対応が可能である。

院内において分子学的診断、遺伝子学的診断を行うことが可能な体制を整えている。また、必要に応じて国内の先端技術を有する専門施設に検査を依頼している。

全国的な多施設共同研究を立案・実施、あるいは参加し、本邦における造血器 腫瘍の治療成績の向上を推進している。また、複数の臨床研究を立案し、さいたま医療センターを初めとする他施設と連携して遂行している。

臨床における問題点を解決することを目指し、invitroおよびin vivoの基礎研究、患者検体を用いた研究を行っている。

認定施設

  • 日本血液学会認定研修施設
  • 日本輸血細胞治療学会認定教育施設
  • 日本造血細胞移植学会認定施設
  • 日本臨床腫瘍学会認定研修施設
  • 日本がん治療認定医機構認定研修施設

認定医

日本血液学会専門医 13名
日本血液学会指導医 7名
日本内科学会認定医 16名
日本内科学会専門医 5名
日本内科学会指導医 8名
日本がん薬物療法専門医 1名
日本がん治療認定医 3名
日本造血細胞移植学会認定医 4名
日本臨床腫瘍学会暫定指導医 1名
日本輸血・細胞治療学会認定医 3名

3.診療実績・クリニカルインディケーター

1)新来患者・再来患者数・紹介率

新来患者数 408人
再来患者数 15,027人
紹介率 81.7%

2)入院患者数(病名別のべ人数)

病名 患者数
急性骨髄性白血病 87
急性リンパ芽球性白血病 53
ホジキンリンパ腫 23
非ホジキンリンパ腫 167
成人T細胞性白血病 6
多発性骨髄腫 32
慢性骨髄性白血病 2
原発性骨髄線維症 4
再生不良性貧血 8
発作性夜間血色素尿症 5
骨随異形成症候群 29
慢性骨髄単球性白血病 10
造血幹細胞移植ドナー 30
特発性血小板減少性紫斑病 14
血友病 1
その他 22
(造血幹細胞移植患者) (62)
合計 493

3)手術症例病名別件数

病名 人数
骨髄採取術 15

4) 主な外来治療( 延べ回数)

病名 人数
R-CHOP療法 103
ABVD療法 14
ベンダムスチン+R療法 25
アザシチジン療法 25
外来化学療法室使用実績(延べ回数) 351
エクリツマブ療法 239

5)治療成績

急性骨髄性白血病初回寛解率 75%
急性リンパ芽球性白血病初回寛解率 100%
びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫
初回R-CHOP療法寛解率
89%

6)死亡症例・死因

白血病 5
悪性リンパ腫 12
骨髄異形成症候群 5
その他 5
合計 27
剖検数 1

7)主な検査・処置数

骨髄穿刺 998件
院内遺伝子検索(PCR) 92件
染色体分析 952件
細胞表面抗原解析 1491件

4.2017年の目標・事業計画等

平成28年3月に増床した無菌病室を効率よく利用し、急性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など難治性造血器腫瘍の患者に対する造血幹細胞移植療法の円滑な遂行に努める。

栃木県立がんセンター、那須赤十字病院に続き、芳賀赤十字病院を芳賀地区における血液診療の拠点とするにあたり、平成27年度から常勤医師の派遣を開始した。平成29年には同院における診療体制の拡充を目指し、派遣医師の増員を予定している。また、地域における血液内科診療が円滑に行うことが可能な体制が構築することを目指し、本学のスタッフが県内外の複数の拠点病院において、非常勤医として血液専門外来を行なっている。来年も地域拠点病院への医師派遣を増やし体制を強化する予定である。

新規治療薬・治療法の開発・標準化へ向けて、引き続き積極的な臨床研究の遂行に努める。現在遂行中である悪性リンパ腫に対する遺伝子治療臨床試験は治験として急性リンパ芽球性白血病にも拡大し実施予定である。

以下、当科が主導または参加している臨床研究である。

  1. 造血細胞移植医療の全国調査 関東造血幹細胞移植共同研究グループ(KSGCT)移植患者データベース作成調査研究
  2. 再生不良性貧血に対する低用量抗ヒト胸腺細胞免疫グロブリン(anti-thymocyte globulin:ATG)を用いた同種造血幹細胞移植療法の有効性と安全性の検討
  3. 高リスク進行期造血器疾患に対する移植後免疫抑制剤投与量を調整した低用量アレムツズマブ併用HLA不適合同種造血幹細胞移植の安全性と有効性の検討
  4. 標準リスク進行期造血器疾患に対する低用量アレムツズマブ併用HLA不適合同種造血幹細胞移植の有効性の検討
  5. 未治療症候性多発性骨髄腫に対するボルテゾミブ、シクロホスファミド、デキサメタゾンによる導入療法、自家末梢血幹細胞移植療法およびレナリドミドによる地固め療法・維持療法に関する有効性と安全性の検討
  6. インフォームドコンセント(IC)の医療者への負荷の実態に関する検討
  7. 骨髄異形成症候群における移植決断からの治療戦略に関する前方視的検討
  8. 難治性濾胞性リンパ腫に対するbendamustineを併用した前処置による同種造血幹細胞移植療法の安全性と有効性の検討 (第1/2相試験)
  9. GVHD予防法に抗ヒト胸腺細胞免疫グロブリンを用いたgraft-versus-host方向HLA一抗原不適合血縁者からの造血幹細胞移植療法の多施設共同第Ⅱ相試験
  10. 持続する発熱性好中球減少症に対する従来型の経験的抗真菌治療とD-indexに基づく早期抗真菌治療の無作為割付比較試験
  11. 多発性骨髄腫に対する同種造血幹細胞移植後のレナリドミドを用いた維持療法の安全性の前方視的研究
  12. 初回不応または初回再発CD33陽性高齢者急性骨髄性白血病に対するCA-GO療法の有効性の検討
  13. 血液疾患患者における全身化学療法および放射線照射後の抗ミュラー管ホルモンを用いた妊孕性温存の評価に対する前方視的研究
  14. ベンダムスチン療法におけるサイトメガロウイルス再活性化についての前方視的研究
  15. PNHレジストリ(発作性夜間ヘモグロビン尿症患者登録)
  16. 重症および最重症再生不良性貧血患者に対するウサギ抗胸腺細胞グロブリン(サイモグロブリン)前方視的ランダム化用量比較多施設共同研究(APBMTAAWG-01)
  17. 高齢者造血器腫瘍に対するフルダラビン・全身放射線照射を前処置とした同種移植療法
  18. 骨髄不全患者におけるPNH関連の臨床症状を経時的に見る観察研究(SUPREMACY)
  19. 成人フィラデルフィア染色体陰性未熟B細胞性急性リンパ性白血病に対する多剤併用化学療法による第II相臨床試験(JALSG B-ALL213)
  20. JALSG研究参加施設に新たに発生する全ての成人急性リンパ性白血病(Acute LymphoblasticLeukemia)症例を対象とした5年生存率に関する前向き臨床観察研究(JALSG-CS-12)
  21. 成人precursor T細胞性急性リンパ性白血病に対する多剤併用化学療法による第II相臨床試験(JALSGT-ALL213-O)
  22. 初発フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病に対するダサチニブ併用化学療法と同種造血幹細胞移植を行う前向き多施設共同臨床第Ⅱ相試験
  23. CAR-T
  24. 同種造血幹細胞移植後のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病に対するダサチニブを用いた維持療法の有効性の検討
  25. 「慢性移植片対宿主病に対するタミバロテン(AM80G)の臨床第II相試験」におけるTh1、Th17細胞、制御性T細胞、サイトカイン測定研究
  26. 血管内大細胞型B細胞リンパ腫に対するR-CHOP +R-大量 MTX療法の第II相試験
  27. 末梢血造血細胞採取における臨床多施設共同研究[日本輸血細胞治療学会(細胞治療委員会)の主導による]
  28. 造血幹細胞移植後におけるB型肝炎ウイルス再活性化の実態および予防に関する多施設共同臨床試験付随研究 -特異的CTLの単一細胞レパトア解析および特異抗体のキメリズム解析-
  29. 造血幹細胞移植後におけるB型肝炎ウイルス再活性化の実態および予防に関する多施設共同臨床研究
  30. 高リスク成人骨髄異形成症候群を対象としたアザシチジン投与法に関する臨床第III相試験-検体集積事業に基づく遺伝子解析研究を含む-
  31. 骨髄不全症候群および発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)疑い症例におけるGPIアンカー膜蛋白欠損血球の保有率とその意義を明らかにするための観察研究
  32. 輸血後鉄過剰症に対する鉄キレート療法の有用性(臓器障害の予防改善効果)に関する臨床研究
  33. 65歳以下自家造血幹細胞移植後再発多発性骨髄腫に対するボルテゾミブおよびレナリドミドによる再寛解療法と維持療法、および自家・同種造血幹細胞移植による再発後治療の有効性と安全性の検討 (CYMBAL study)
  34. 骨髄異形成症候群、再生不良性貧血又は原発性骨髄線維症が疑われる、あるいは診断された貧血患者を対象としたBMP因子血中濃度解析

5.過去実績