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アレルギー・リウマチ科【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2018年4月1日現在)

科長 (学内教授) 岩本 雅弘
副科長 (学内准教授) 長嶋 孝夫
外来医長 (学内講師) 釜田 康行
病棟医長 (学内准教授) 永谷 勝也
医員 (教授) 簑田 清次
(教授) 岡崎 仁昭
(教授) 佐藤 健夫
(准教授) 松山  泰
(助教) 秋山陽一郎
病院助教        室﨑 貴勝
        石澤 彩子
        中村  潤
シニアレジデント     4名

2.診療科の特徴

アレルギー・リウマチ科へ名称変更後、18年が経過した。この名称も定着し、リウマチ・膠原病患者の紹介数も増加している。

当科はアレルギー疾患(薬物アレルギー、食物アレルギー)・関節リウマチ・その他の膠原病を専門にはするものの、同時に全身の管理能力も必要とされる。膠原病そのものがその疾患の特質上、多臓器に病変がおよぶこと、および中心となる治療法が免疫を抑制することから合併症として日和見感染をはじめとする感染症を引き起こす頻度が高いことが理由である。この全身管理能力は当科の最大の特徴である。故にただ単に膠原病の診療にとどまらない。全身管理能力の習得という点は内科医としてもっとも重要なことであり、当科の最大の武器でもある。この点はレジデント教育において、当科がもっとも力を注いでいるものでもあると同時に附属病院全体の進むべき道でもある。

欧米に比べ約7年の遅れに甘んじていた我が国のリウマチ治療が、利用できる生物学的製剤の増加とともにいまや欧米なみとなった。現在までに当科で導入した生物学的製剤使用患者数は1,000例を遙かに超えた。その80%以上の患者で非常に満足できる治療効果が得られており、これらの治療を受けた栃木県内の患者の40%以上において当科が寄与している。地域医療に大きく貢献していると自負している。さらに治験にも開発段階から積極的に関わり、より多くの治療困難症例のQOL改善に貢献した。

生物学的製剤による関節リウマチの治療の実践には多くのマンパワーと時間を必要とする。生物学的製剤による治療を当科で多くの患者に実施できているのは県内各所の診療所との病診連携(栃木リウマチネットワーク)のたまものである。患者の紹介を受け、初期治療を当科が行い、安定した段階で連携施設での治療へ移行する。しかし、大学附属病院の役割は緊急事態に備えることでもあることから当科でも数ヶ月に一度程度ではあるが併診を継続している。そのことで患者は診療所と大学という利便性と安全性の両面を確保できている。患者にも十分納得が得られ、また少ないマンパワーの当科においても、治療困難な重症例に注力することができた。この栃木リウマチネットワークには88施設(診療所)が参画している。

平均在院日数の低減は昨年と同程度の達成率を得ることができており、長期にわたる入院でしばしば遭遇するQOLの低下を防ぐことができている。リウマチ膠原病は全国レベルでは平均在院日数が多い診療科である。当科の平均在院日数である14~15日は全国レベルでも最も少ないレベルである。

認定施設

  • 日本リウマチ学会教育施設
  • 日本アレルギー学会教育施設

認定医

総合内科専門医 簑田 清次
岡崎 仁昭
岩本 雅弘
佐藤 健夫
長嶋 孝夫
松山  泰
室﨑 貴勝
本根 杏子
アレルギー学会指導医 簑田 清次
岡崎 仁昭
佐藤 健夫
釜田 康行
アレルギー学会専門医 簑田 清次 他6名
リウマチ学会指導医 簑田 清次
岡崎 仁昭
岩本 雅弘
佐藤 健夫
長嶋 孝夫
釜田 康行
リウマチ学会専門医 簑田 清次 他10名

3.診療実績

1)新患患者数・再来患者数・紹介率

新患患者数 630人
再来患者数 18,142人
紹介率 93.5%

2)入院患者数(病名別)

病名 患者数
関節リウマチ 129
全身性エリテマトーデス 69
血管炎症候群 58
シェーグレン症候群 50
多発性筋炎・皮膚筋炎 33
強皮症・CREST症候群 22
混合性結合組織病 12
脊椎関節炎 10
アレルギー疾患 15
リウマチ性多発筋痛症 19
成人Still病 9
ベーチェット病 6
IgG4関連疾患 4
痛風 1
再発性多発軟骨炎 2
抗リン脂質抗体症候群 2
合計(重複あり) 441

3)手術症例(緊急)病名別件数 0件

4)治療成績 0件

5)合併症例

ICU入室症例 5人
緊急入院率 108/441(24.5%)

6)死亡症例・死因・剖検数・剖検率

間質性肺炎 6人
敗血症 3人
肝不全 1人
計10人 (剖検1人、剖検率10%)

7)主な検査・処置・治療件数

(他科依頼含む)
筋・筋膜生検 21件
皮膚生検 29件
腎生検 12件
口唇生検 11件
側頭動脈生検 6件
肺生検 2件
骨髄生検 1件
肝生検 1件
リンパ節生検 5件
耳介軟骨生検 2件
鼻腔・副鼻腔生検 2件

8)カンファレンス症例

(1)診療科内

1月26日MTXによるリンパ増殖性疾患により血球貪食症候群を併発し死亡した関節リウマチの1例
2月23日抗SRP抗体陽性筋炎の病理学的検討
3月2日右足内果下疼痛部の皮膚生検の病理学的検討
3月16日皮膚筋炎と多発性筋炎の鑑別が困難であった1例
4月13日多発性筋炎の筋病理の検討
4月27日不完全型家族性地中海熱症例の検討
5月11日関節リウマチとIgA腎症の合併症例における皮膚・腎病理の検討
5月25日全身性エリテマトーデスの下腿潰瘍における皮膚病理の検討
6月8日皮膚筋炎症例の筋病理の検討
6月22日成人スティル病の新規バイオマーカーの文献的検討
7月6日筋炎合併全身性エリテマトーデスの筋病理の検討
7月27日神経サルコイドーシスに合併した冠・大動脈炎の症例検討
9月14日神経Sweet症候群症例の検討
10月5日大血管炎を合併した多発血管炎性肉芽腫症症例の検討
10月19日小腸穿孔を合併した多発血管炎性肉芽腫症症例の検討
11月2日ループス腎炎の腎病理の検討
11月16日PR3-ANCA陽性顕微鏡的多発血管炎症例の腎病理の検討
11月30日抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎症例の皮膚病理の検討
12月7日中枢神経ループス症例の検討
12月21日嚥下障害と中枢神経症状を合併した再発性多発軟骨炎症例の検討

(2)当科、獨協医大リウマチ・膠原病内科、上都賀総合病院内科との3施設合同カンファレンス

平成29年5月23日(自治医科大学地域医療情報研修センター第2 ・3研修室にて)「認知機能低下で発症した顕微鏡的多発血管炎が疑われた1例」
平成29年10月31日(獨協医科大学臨床医学棟5Fカンファレンス室にて)「発熱、血便、鼻出血、眼瞼腫脹、強膜炎をきたし、PR3-ANCA陽性であった一症例」

(3)整形外科との合同カンファレンス

平成29年6月5日 関節リウマチの治療 [csDMARDs、副腎皮質ステロイド](アレルギー・リウマチ科)
平成30年1月10日 リウマチの手の治療(整形外科)

(4)小児科との移行症例カンファレンス

平成29年6月9日

(5)病棟看護師との合同カンファレンス病棟連絡会

(隔月)1月18日 3月15日 5月17日 7月19日 9月20日 11月29日

4.2018年の目標・事業計画等

レジデント教育の充実と若いリウマチ医の育成を継続する。

リウマチ患者教育をさらに発展させるため市民講座を平成19年から年に1~2回、市町村の公民館などを利用して行っている。平成29年度には20回目を迎えた。

これをさらに充実させる。また、(公社)日本リウマチ友の会栃木支部との連携をより緊密にする。

整形外科との合同カンファレンスを継続する。移行期医療を充実するため、小児科と定期的な移行期医療カンファレンスを継続する。

5.過去実績