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腫瘍センター【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2018年4月1日現在)

腫瘍センター長 臨床腫瘍科 教授 藤井 博文
副センター長 放射線治療部 教授 若月 優
運営委員会委員 がん診療科、看護部、薬剤部、医学部大学院、看護学部、事務

2.診療部の特徴

自治医科大学の中で、院内のがん医療を横断的に統括し発展させ、多方面にわたるがん医療を安全かつ効率的に提供することを目的として発足し、がん対策基本法に則ってがん医療に取り組む中心的な存在である。がんを担当している診療科や部署の参加だけではなく、院内から周辺地域、全国にわたるがん診療の均てん化を目指すもので、「放射線治療」、「化学療法」、「集学的治療」、「緩和ケア」、「がん登録」、「がん相談」、「がん教育」、「がん研究」、「がん診療連携」の作業部会を設置し活動している。

放射線治療は低侵襲治療として注目されているが、整備・普及が遅れており、当院でも増え続ける患者に対応すべく地域連携の体制整備を進めている。緻密な照射計画が必要となる強度変調放射線治療(IMRT)も増加しており、高度な放射線治療を進めている。また治療説明や患者教育に関する充実を図っている。

化学療法は外来治療センターでの外来化学療法を進めており年間7000件を越える経静脈的な投与を安全かつ快適に効率よく提供していくことに努めている。対象の増加への対応を開始することになり、より多くの受け入れを目指している。また、看護師外来、薬剤師外来を整備しており、より安全性を高め、個別な対応の向上を目指している。

診療科横断的な集学的治療を進め、各臓器別CancerBoard Conference を行い、院内におけるがん医療に対する意識と知識の標準化をすすめがん医療の進歩に対応し、また新規薬剤へも院内・地域で対応できるような体制構築の中心の位置づけとなっている。

緩和ケアは緩和ケア科を主体として活動しており、精神腫瘍部、さらには臨床心理士とも連携しながら、がん患者のニーズに合ったより高いレベルの緩和医療を治療早期から関与して提供している。

がん登録は精度の高い情報をほぼ全例に実施できる体制が完成しており、今後予後調査との連結により当院のがん診療の実態が把握されてきており、今後の周辺地域の医療対策の検討向け、行政を巻き込んだ対策立案を目指している。

がん患者・家族の持ついろいろな悩みごとの相談窓口としてのがん相談を受けており、セカンドオピニオンにも積極的に対応し、多様なニーズに応えている。また、患者・家族のためのがんサロン「虹」を月1回実施しており、患者・家族目線での医療提供を目指している。

がんに対する教育体制は文部科学省「がんプロフェッショナル養成プラン」を基に、平成29年度からの第III期にあたる「多様な新ニーズに対応するがん専門人材(がんプロフェッショナル)養成プラン」において、当学では「全人的なライフステージに応じたがん医療の実践者養成」をテーマに活動を継続している。医学部大学院を中心として、大学院生だけでなく、学部生、研修医、院内職員、地域の医療者をも含んだ多職種へのがん教育を行うだけでなく、患者目線の診療に関する研究を進めていく予定である。

現在の治療は臨床研究の結果を基にしたエビデンスによって行われており、大学病院はこれを利用するだけでなく新たなエビデンスを構築する立場でなければならない。臨床試験推進部と連携し、がん領域における新規薬剤の開発治験や院内臨床試験実施体制の整備と実施を進めている。

超高齢化社会を迎え、がん患者の増加が予想される一方支える人口の減少が認められてきており、医療と生活を考慮した地域医療体制の整備が急務である。そのためには医療機関間における情報共有が重要視されており、その手段として栃木県ではとちまるネット、どこでも連絡帳の利用が推進されている。これらを利用した連携体制を整備しつつあり、がん診療を地域包括ケアシステムの中にも加えた形での展開を目指している。

3.実績・クリニカルインディケーター

  • 腫瘍センター運営委員会
    各作業部会の活動目標を設定し、進捗状況を報告
  • がん診療連携拠点病院としての機能の充実

4.2018年の目標・事業計画等

  1. 腫瘍学教育の更なる推進
    地域がん総合医学コースの推進
  2. 外来がん化学療法の拡大
    外来治療センターの運用改変
  3. 放射線治療の推進と施設整備
    人材の確保と施設整備
  4. 緩和ケア研修の継続と推進
    新たな緩和ケア研修への対応
  5. 小児がんへの対応体制の整備
    生活面における支援体制整備
  6. がん臨床研究実施体制の推進
    臨床研究・治験の推進
  7. がん診療のQIを通じた医療の質向上
    医療の質評価からPDCAサイクルによる改善
  8. とちまるネット、どこでも連絡帳を軸とした地域医療機関との連携推進
    院内実施体制の確立
  9. 効率的な地域がん診療体制の構築
    患者サポートセンターを介した地域医療機関・介護施設との連携強化
  10. 地域包括ケアシステムの中でのがん診療体制の整備
    地域医療機関・医師会、行政との調整
  11. 一般市民へのがん診療に対する啓発
    がんプロ公開講座の開催

5.過去実績