病院のご案内
  1. トップページ
  2. 病院のご案内
  3. アニュアルレポート
  4. 消化器センター内科部門(消化器内科)

消化器センター内科部門(消化器内科)【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2018年4月1日現在 院内勤務者のみ)

科長 (教授) 山本 博徳
副科長 (教授) 玉田 喜一
外来医長 (准教授) 森本 直樹
病棟医長 (講師) 竹澤 敬人
医員 (教授) 礒田 憲夫
大澤 博之(富士フイルムメディカル国際光学医療講座兼務)
砂田圭二郎(内視鏡部兼務)
武藤 弘行(情報センター兼務)
長嶺 伸彦(救命救急センター兼務)
(講師) 三浦 光一
矢野 智則
林  芳和
坂本 博次
三浦 義正
三枝 充代(健診センター兼務)
牛尾  純
竹澤 敬人
井野 裕治
津久井舞未子
渡邊 俊司(内視鏡部兼務)
小林 泰俊
病院助教   東條 浩子
横山 健介
高岡 良成
野本 弘章
相良 裕一
野本 佳恵
シニアレジデント   15名

2.診療科の特徴

Image Enhanced Endoscopy(IEE)を用いた消化管腫瘍の早期診断および範囲診断、超音波内視鏡を用いた深達度診断、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、慢性肝炎のインターフェロン治療や肝臓癌早期発見から腹腔鏡下治療、胆膵系腫瘍の進展度診断や内視鏡的ドレナージ、超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA)など、広範な領域にわたって基本的診断・治療から最先端の内視鏡診断・治療まで行っている。

特に、ダブルバルーン内視鏡(DBE)による診断・治療においては県外からも数多くの患者紹介を受けている。また小腸を含めた消化管出血や総胆管結石など緊急内視鏡治療が必要な症例に対しては、24時間体制で対応し、地域の中核病院としての役割も担っている。

当科の大腸ESDは、一般には高難度の症例に対しても安全に治療を行っており、県内はもとより北関東一円からの紹介を受け入れている。

外来初診診察は若手医師が初診を担当し、患者の症状や病態に応じた検査を組み、再診は専門性に応じて各臓器グループの専門医が対応している。入院診療は、研修医1名に対して上級医2名以上が付く診療チームで対応し、クリニカルパスの利用などにより入院期間の短縮に努めている。

また、ESDやDBEなど、最先端の内視鏡検査および治療では世界をリードする立場であり、国内外からの多くの研修・見学の受け入れを行っている。

認定施設

  • 日本内科学会認定医制度教育病院
  • 日本消化器病学会認定医制度認定施設
  • 日本消化器内視鏡学会専門医制度による指導施設
  • 日本肝臓学会認定施設
  • 日本超音波医学会認定超音波専門医研修施設
  • 日本胆道学会認定指導施設
  • 日本ヘリコバクター学会保険外除菌対応施設・ 認定医
  • 日本消化管学会認定暫定処置による胃腸科指導施設
  • 日本カプセル内視鏡学会認定指導施設

認定医

日本内科学会 指導医 山本 博徳 他12名
総合内科専門医 砂田圭二郎 他11名(内派遣1名)
認定内科医 山本 博徳 他41名(内派遣13名)
日本消化器病学会 指導医 山本 博徳 他9名
専門医 山本 博徳 他29名(内派遣6名)
日本消化器内視鏡学会 指導医 山本 博徳 他11名
専門医 山本 博徳 他27名(内派遣5名)
日本肝臓学会 指導医 礒田 憲夫 他2名
専門医 礒田 憲夫 他14名
日本超音波医学会 指導医 玉田 喜一 他3名
専門医 玉田 喜一 他3名
日本カプセル内視鏡学会 指導医 山本 博徳 他3名
日本胆道学会 指導医 玉田 喜一 他1名(内派遣1名)
日本がん治療認定医機構 暫定教育医 礒田 憲夫 他2名
日本消化管学会 指導医 山本 博徳 他2名
専門医 山本 博徳 他2名

3.診療実績

1)新来患者数・再来患者数・紹介率

新患 2,122人 再診 27,611人 紹介率 87.6%

2)入院患者数(病名別)

新入院患者数:2,012人*主病名のみの抽出

肝疾患 入院数 上部消化管疾患 入院数
肝細胞癌 278 胃がん 116
急性肝炎 11 胃食道静脈瘤 54
肝硬変 26 胃潰瘍 14
自己免疫性肝炎 12 食道癌 41
原発性胆汁性胆管炎 2 その他の食道疾患 14
その他の肝炎・肝障害 10 十二指腸腫瘍 7
肝膿瘍 7 上部消化管出血 20
肝不全 2 十二指腸癌 9
その他の肝腫瘤性病変 1 十二指腸腺腫 18
その他の十二指腸疾患 14
胆道・膵臓疾患 入院数 小腸・下部消化管疾患 入院数
胆嚢・総胆管結石 72 大腸癌 27
胆管癌 35 結腸癌 40
急性胆管炎 23 イレウス 32
肝門部胆管癌 13 ポイツーイエガース症候群 20
原発性硬化性胆管炎 8 小腸出血 34
急性膵炎 28 小腸狭窄 6
(うち重症急性膵炎) 5 小腸腫瘍 10
膵癌 45 クローン病 124
慢性膵炎 36 潰瘍性大腸炎 32
膵管内乳頭粘液性腫瘍 15 大腸憩室出血 29
虚血性腸炎 17
感染性腸炎 8
    直腸癌 27
    その他小腸疾患 12

3)転科・死亡症例病名別件数

転科症例 症例数 死亡症例 症例数
胆嚢・総胆管結石・胆嚢炎 8 肝癌 7
膵癌 1 肝硬変 4
胃癌 5 劇症肝炎 1
大腸ポリープ 1 膵癌 5
クローン病、潰瘍性大腸炎 8 肝不全 2
イレウス 14 胆管癌 2
胆嚢・胆管癌 6 胃癌 1
十二指腸腫瘍・小腸腫瘍 1 多発十二指腸潰瘍 1
肝癌 3 重症急性膵炎 1
消化管出血 3 直腸癌 1
その他 30 その他 12

4)主な検査、処置、治療件数

(いずれも内科施行分のみ)
A)消化管関係
上部消化管内視鏡検査 5,569件
  食道静脈瘤結紮術/硬化療法 50件
  内視鏡的粘膜切除術(EMR)
(胃8件、十二指腸29件)
37件
  内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
(胃209件、食道59件、十二指腸5件、咽頭4件)
277件
内視鏡的超音波検査(含む細径プローベ)
  食道、胃 330件
大腸内視鏡検査 3,056件
  ポリペク・EMR 927件
  ESD 131件
  BAESD 9件
  腫瘍径10cm以上ESD 0件
  腫瘍径5cmより大ESD 21件
小腸内視鏡検査
  小腸内視鏡検査ダブルバルーン小腸内視鏡(DBERCPとDBC除く) 392件
  小腸内視鏡下の処置、治療 135件
カプセル内視鏡
  小腸 76件
  大腸 1件
B)胆道・膵臓
ERCP 680件
ERCP下の処置および治療
  経鼻胆道ドレナージ 179件
  経乳頭的胆道ステント留置術 201件
  乳頭拡張術 35件
  乳頭切開術 182件
  結石除去術 117件
  膵胆管内超音波検査 8件
超音波内視鏡検査(EUS)(胆膵) 622件
EUS下の処置および治療
  EUS下穿刺吸引術 119件
  EUS下ドレナージ 12件
経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD) 10件
ダブルバルーン内視鏡下逆行性膵胆管造影(DBERCP) 82件
C)肝臓
肝癌ラジオ波治療 88件
  (腹腔鏡的ラジオ波焼灼療法) (80件)
  (経皮的ラジオ波焼灼療法) (7件)
  (消化器外科との合同処置) (1件)
肝動脈化学塞栓術 221件
バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術 2件
エコーガイド下肝生検 46件
C型慢性肝炎
  ソフォスビル+リバビリン 31件
  ソフォスビル+レジパスビル 35件
  パリタプレビル+オムビタスビル 11件
  エルバスビル+グラゾプレビル 31件
  ソラフィニブによる全身化学療法導入 20件
  レゴラフェニブによる全身化学療法導入 3件
D)その他
腹部超音波検査(外来患者のみ) 2,900件

5)クリニカルインディケーター

(1)治療成績

  • 上部消化管ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)
     胃    一括切除率 99.5%(208/209)
    (断端陰性完全一括切除率 96.7%(202/209))
     食道   一括切除率 100%(59/59)
    (断端陰性完全一括切除率 88.1%(52/59))
     十二指腸 一括切除率 100%(5/5)
    (断端陰性完全一括切除率 100%(5/5))
  • 下部消化管ESD
    一括切除率 95.4%(125/131病変:6病変はSM浸潤 のため中断、完遂125病変では一括切除率 100%)
    腫瘍サイズ平均 長径34.3㎜
  • 肝細胞癌に対する腹腔鏡的治療(ラジオ波(バイポーラ/モノポーラ)、マイクロ波含む)
    88症例、全例治療完遂、入院期間の変更を要す合併症なし
  • 食道静脈瘤治療(EVL)
    60症例、全例治療完遂、入院期間の変更を要す合併症なし
  • C型慢性肝炎治療
    ソフォスブビル+リバビリン SVR12:94.9%
    ソフォスブビル+レジパスビル SVR12:95.7%
    パリタプレビル+オムビタスビル SVR12:100.0%
    エルバスビル+グラゾプレビル SVR12:95.5%

(2)偶発症

上部消化管ESD
後出血率 5.8%(16/277)
(内訳:食道1/59、胃15/209、十二指腸0/5、咽頭0/4)
穿孔率 0.7%(2/277)
(内訳:食道0/59、胃2/209、十二指腸0/5、咽頭0/4)
下部消化管ESD
後出血率 2.3%(3/131病変)
穿孔率 3.1%(4/131病変)
小腸治療合併症
急性膵炎 0.8%(1/133)
膵酵素上昇 2.3%(3/133)
義歯脱落 0.8%(1/133)
ERCP
ERCP後膵炎発生率 3.1%(21/680)(軽症18、中等症0、重症3)
穿孔 0.1%(1/680)
EUS(胆膵)
消化管穿孔 0%(0/622)
穿刺後出血 0.7%(1/131)
肝臓治療合併症 特になし

(3)死亡症例・死因・剖検数・剖検率

別添の消内入院集計ファイル参照

6)カンファランス

(1)診療科内

消化管カンファ (毎週月曜日)
胆膵カンファ (毎週月・水曜日)
肝カンファ (毎週月曜日)
ESDカンファ (毎週月・火・水曜日)
消化器合同カンファ (不定期水曜日)

(2)他科との合同

消化器センター (内科・外科・病理)
肝臓グループ (放射線・外科)(月1回)
(放射線)(毎週月曜日)
胆・膵グループ (外科)(毎週月曜日)
(腫瘍)(毎週木曜日)
(外科・病理)(月1回)
消化器(主に下部) 外科・内科カンファ(週1回)

7)キャンサーボード

グループ名:消化器外科・内科・病理合同カンファレンス

参加診療科 消化器・肝臓内科、消化器外科、病理診断部、光学医療センター内視鏡部
実績 1年間5回

グループ名:上・下部内視鏡カンファランス

参加診療科 消化器・肝臓内科、光学医療センター内視鏡部
実績 1年間60回

4.2018年の目標・事業計画等

臨床面での目標

消化管グループ:
引き続きピロリ菌除菌を積極的に行い、胃がん撲滅の一助として貢献していく。除菌 失敗例(紹介症例など)に対して2次3次除菌を行なっていく。

新しい画像強調内視鏡(BLI;Blue Laser Imaging,LCI;Linked color image)を活用し、早期診断から進展度診断に応用していく。

内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic SubmucosalDissection:ESD)の先進的施設として、難易度の高い症例に対しても積極的に行い、指導者の育成や世界中からの研修・見学の受け入れも行う。特にPocketcreationmethod(PCM)を用いたESDの有用性を世界に発信していく。耳鼻咽喉科と連携した咽頭領域のESDや、GISTなどの胃粘膜下腫瘍に対する消化器外科と連携した新しい治療法であるLECS(Laparoscopy andEndoscopy Cooperative surgery)、透明なゼリーを使った内視鏡視野確保の新たな方法であるGel immersionendoscopyについても今後さらなる症例の増加を見込んでいる。

また、ダブルバルーン内視鏡(double - balloon endoscopy:DBE)を用いた小腸の内視鏡観察、内視鏡治療をさらに発展させ、情報を発信していく。

潰瘍性大腸炎、クローン病など増加する炎症性腸疾患に対して、専門外来や入院患者の診療のみならず第三次医療機関としての役割を担っていく。地域の中核病院として、消化管出血患者に対して24時間体制で対応していく。

胆膵グループ:
画像診断の精度向上を目的として、関係各診療科との連携を強化しつつ、超音波内視鏡での詳細な観察並びに、超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA)の正診率向上に努めている。また、内視鏡的十二指腸乳頭切除術やEUS下瘻孔形成術などの高難度手技の治療成績・安全性を向上させるための様々な工夫を行っている。

術後再建腸管の胆膵疾患に対するダブルバルーン内視鏡を用いたERCP(DB-ERCP)のhigh volume centerとして技術向上のみならず、新技術開発や臨床研究等の情報を発信していく。

肝グループ:
C型慢性肝炎の最新の治療に対応できる体制を整え、経口抗ウイルス薬治療を推進する。低浸襲な肝癌局所治療として、腹腔鏡下ラジオ波焼灼療法の普及を進め、治療技術の向上を図る。放射線科と協力し、マイクロスフィア製剤を含めた肝動脈化学塞栓術および進行肝癌に対するリザーバー肝動注化学療法の治療効果向上を図る。外科、放射線科と連携をとり、肝癌に対する集学的治療を推進する。サルコペニア、NASH・NAFLDおよび腸内細菌叢の基礎研究、成因、臨床の検討を行い、治療の一助とする。

全体的な目標

医師の育成のための教育としては先進的技術のみに目を奪われることなく、基本となる医学・医療の目的を常に忘れず、診断、治療における考え方を重視していく。

当科の領域のみの考えにとらわれず、他科との協力、他施設との連携も含め、広い視野で患者に最善の医療を提供していくことを目標とする。

問題点を一つ一つ解決し、高い専門性を維持しつつ、地域との連携を強め、地域医療に貢献し、患者・職員共に満足度の高い科・病院として発展していくように努めていく。

5.過去実績