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看護部【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2023年4月1日現在)

看護職員 1,379人
看護師 1,300人
助産師 74人
保健師 5人

2.看護部理念

安心感と温もりのある患者中心の看護を提供します

3.基本方針

  1. 患者さんの意思を尊重し、「いのち」と「暮らし」を守る看護を提供します。
  2. 患者さんと家族とともに、地域関係機関や院内の多職種と協働した質の高いチーム医療を行います。
  3. 地域医療における看護を牽引できる人材を育成し、社会に貢献します。
  4. 高度先進医療を推進する実践力と生活の視点をもち、最善の看護が創造できる専門職業人を目指して、自己研鑽に努めます。

4.2022年度看護部活動

看護部では年度内に取り組む課題を抽出するために、SWOT分析/クロスSWOT分析で現状の分析をし、業績評価指標であるBSC(Balanced Score Card)を用いて提示している。各部署でもSWOT分析/クロスSWOT分析をし、看護部BSCをもとに自部署のBSCを作成している。

看護部目標およびBSCの4視点について成果を記載する。

【看護部目標】

  1. 変化する医療情勢や患者のニーズに柔軟に対応し、患者満足度の向上を図る
  2. 安全で質の高い看護の提供を維持するために看護職員を育成する
  3. 働き方改革を推進し、職員満足度の向上を図る
  4. 質の高い看護実践と経営を意識した看護活動により病院収益の向上を図る

【BSCの4視点に関しての取り組み】

視点、重要成功要因を項目立し、重要業績評価指標(KPI)、目標値、活動、成果を記載する。

1.顧客の視点

  1. 外部顧客

    (1)患者満足の維持・向上
     調査の結果「満足」「やや満足」の割合は、外来98.2%(△0.3)、入院98.8%(+0.5)だった。外来・入院ともに98%以上を目標としており、前年度に引き続き高い患者満足度を維持できた。

  2. 内部顧客

    (1)職員満足の維持・向上
     総合満足度2.8以上(4段階評価)、「やりがいを感じられる」「仕事を通じた成長」に関する項目の満足度2.8以上と目標を設定した。結果、総合満足度は2.77(△0.03)、「やりがいを感じられる」2.84(+0.01)、「仕事を通じた成長」2.82(±0)であり、総合満足度のみ目標を達成できなかった。COVID-19に伴う自宅待機者の増加によって「休日休暇取得」が2.41(△0.03)、「人員数が適切」2.13(△0.13)と低下したこと、業務量負荷と捉えた看護職員が多かったことが影響した。しかし、他大学(2.59)、他施設(2.51)の総合満足度より高く、「職場風土」「人間関係」に関する全項目は前年度より上昇し、当院の強みを再認識した。

    (2)働き方改革
    ①日勤での19時までの退勤割合を60%以上として取り組んだ。勤務時間の変更、業務内容の見直し、JUNIORSを活用した部署内応援の促進等が行われたが、前年度より退勤割合が増加した部署は59%であり、目標の60%を達成した部署は60%であった。
    ②病棟の2年目以上看護職員の年休と祝日取得数を合わせて21日以上、中央部門は年休取得数12日以上を目標とした。中央部門は年休12.77日で目標を達成したが、病棟は20日(△1)で達成できなかった。COVID-19により下半期で総計1977日の自宅待機日数があったことが要因と考える。

    (3)離職者減少
    職場風土や人間関係を理由とした離職者数0を目指して取り組み、目標を達成した。

2.財務の視点

  1. 病院経営への貢献

    (1)稼働率の維持
     病床稼働率90%と病院全体の目標値がやや高めに設定してあることに加え、COVID-19による病床制限や手術制限等の影響を受け、80.3%と目標には及ばなかった。

    (2)加算取得率増加
    ①せん妄ハイリスク患者ケア加算算定率100%、②がん患者指導管理料イ算定数102件以上/月、③排尿自立指導料:病棟56件以上/月、外来37件以上/月、④入退院支援加算1.3算定率32%以上を目標に設定した。①の2月までの算定件数は10,225件(+422)に伸びたが、算定率は94.8%であった。②は103件/月で目標達成。③病棟56件/月で目標達成。外来は前年度の算定方法に誤りがあり適切な算定によって19件となった。④35.8%で目標を達成した。

    (3)DPC係数の維持・向上
    ①一般病床7対1入院基本料施設基準(夜勤時間72時間以内/月)、②看護職員夜間12対1配置加算、③急性期看護補助体制加算25対1、④急性期看護補助体制加算夜間100対1の4点をKPIとし、維持できることを目標とした。①に関しては月平均72.5%の短時間勤務者の夜勤協力により、一人当たりの夜勤時間は72時間以内になった。②は勤務間インターバル11時間以上を意識した勤務表を作成し、NG数を3%(5%以内が基準)にすることができた。③④は退職後の補充がタイムリーにできるよう委託業者との調整、ゴールデンウィークや年末年始の出勤協力等により維持できている。

3.内部プロセスの視点

  1. 患者の安全の確保
    ①インシデント0レベル報告件数を932件以上と目標を設定した。2月までの報告件数は2639件で、前年度の2.8倍となり目標を達成できた。
    ②適正な身体拘束の評価をKPIとし、各部署1事例の監査実施を目標とした。全部署が監査を実施でき目標を達成した。しかし、一般病棟の拘束率は5.6%、重症救急部門は46.6%であり、拘束率低減の取り組みが今後の課題である。
  2. 感染防止
    患者1,000人当たりの手指消毒剤使用料を20L/月以上と目標を設定した。平均して1部署あたり28L/月と目標を達成したが、目標を達成しない部署が30部署中5部署あった。今後さらに強化する必要がある。
  3. 質の高い看護の提供

    (1)看護の質的評価の向上
    ①固定チームのチーム目標達成率80%以上
    検討会による部署支援、固定チームナーシングの質評価、チームリーダー・サブリーダー連絡会開催により、1年間で達成可能な目標設定ができ、37部署中34部署が100%、2部署が80%、1部署67%の目標達成率であった。平均すると目標達成できた。
    ②患者アウトカムの達成率一般病棟94%、重症部門90%という目標に対して、一般病棟95.5%、重症部門90.2%で目標達成できた。
    ③成果指標達成率90.1%以上という目標に対して、90.1%であった。
    ④看護記録監査の質評価項目点数が、1回目監査より2回目が上昇することを目標とした。1回目3.13点(5点満点)、2回目3.35で目標を達成した。1回目の監査点数も年々上昇している。
    ⑤クリニカルパス・標準看護計画の見直し件数をKPIとして各部署で目標を設定して取り組んだ。委員会主催のDPC勉強会やCP相談会等により支援を行ったが、31部署中15部署しか目標を達成できなかった。また、入院期間の短縮につながったCPの見直しは11件に留まった。

    (2)意思決定支援の強化
    KPI・目標を「IC同席した件数」と同席できなかった際の「理解・納得状況の確認」記録件数を合わせた割合を100%とした。IC同席タグへの医師のIC記録は9,914件(前年比△217)に減った。IC同席時の「医療者側同席基準の該当」に「有」のついた3,535件のうち看護師が同席または理解納得状況の確認を同日に行ったのは2,509件(71%、前年比△2.1%)であった。しかし、COVID-19による面会禁止が約6か月間あった中での同席率微減は評価できる。

    (3)退院支援の充実
    ①退院時「退院支援要」の患者に対する退院支援計画書交付率の目標を95%とした。94.2%で目標には届かなかったが前年度比3.3%増であり、年々増加している。
    ②医療的ケアがある患者への退院指導実施割合をKPIとして部署ごとに目標を設定した。算定件数は緩やかに伸び、病棟では年度初め4月と翌年2月比で21.2%増の52.6%、外来では2%増の9.3%となった。

  4. 人材の活用強化

    (1)特定行為看護師の活動件数244件以上/月を目標とした。修了者は55名36行為(特定行為38行為中)となった。委員会が中心となり、研修修了後速やかに活動に移行できるような支援を行い、年間実施件数は3,229件(269件/月)で3年前の2.2倍の実績となった。

    (2)専門看護師・認定看護師の活動件数を、相談件数1,290件以上、指導件数173件以上と設定した。結果、相談件数1,677、指導件数237件で目標を達成した。しかし、領域別、個人による活動件数の差が大きく今後の課題である。

  5. タスクシフト

    (1)看護補助員の業務拡大
    看護補助員に委譲した業務件数をKPIにし、1項目以上を目標にした。36部署中17部署が目標達成した。1年間で日勤看護補助員が24名入職し17名が退職、夜間看護補助員が8名入職7名退職と安定的な雇用ができていないことも業務拡大が困難な要因である。

4.学習と成長の視点

  1. 人材の育成

    (1)特定行為看護師増加
    2022年10月期と2023年4月期の入校者数10名を目標にし、11名が入校した。

    (2)認定看護師増加
    2022年度の受講希望者3名を目標にした。認定看護師関連相談会の開催や看護研究発表会を活用した広報等により、3名が受験をした。2023年度、慢性心不全看護・感染看護に各1名の入校が決定した。

    (3)看護管理者の育成
    主任看護師はマネジメントラダーⅠを、看護師長はマネジメントラダーⅡを参照にして自己課題と捉えた評価指標に関して、自己評価・他者評価共に上昇することを目標とした。主任看護師研修会では「創造力を養う」、看護師長研修会では「安全文化の醸成」を年間テーマとして資質向上に取り組んだ結果、主任看護師・看護師長ともに100%の達成率であった。

    (4)看護職員育成
    部署ごとに看護実践力を高めるための企画をし、その実施率100%を目標とした。37部署中23部署が達成した。達成できなかった部署は、COVID-19の影響で取り組みが遅延したこと、1年間で達成可能な目標設定になっていない等の理由であった。

  2. 災害対策の強化

    (1)災害対策能力の向上
    災害訓練動画視聴と部署開催学習会(避難訓練または減災トレーニング)の100%参加を目標とした。委員会が中心となって部署支援をし、目標を達成した。

    (2)災害支援ナースの育成
    災害支援ナース研修受講者数5名以上を目標にし、5名が受講した。

5.看護部の教育実績

1)看護職の院内教育の実績

  

看護職員の院内研修は看護部の教育方針のもと、J-ARISEキャリア・パスのキャリア・ラダー研修プログラムに沿って実施した。(看護職キャリア支援センターの項参照)

主任看護師研修会は年間テーマを「主任看護師としての創造力を養う」とし、隔月で6回開催した。(表1参照)自己が目指す主任看護師像を言語化しワールドカフェスタイルで共有した。マネジメントラダーⅠの評価指標に照らして取り組み課題を明らかにし、アクションプランの修正を行った。中盤にマネジメントリフレクションで客観的に自己の実践の振り返りを行い、最終会のGWでは、課題に取り組んだ背景、実践計画、実践内容、評価と課題の4つの題目にまとめ発表した。

看護師長研修会は年間テーマを「安全文化の醸成」とし、隔月で6回開催した。(表2参照)安全文化の4要素について、自部署の課題を共有した。マネジメントラダーⅡの評価指標に照らして取り組み課題を明らかにし、心理的安全性や柔軟な組織に関する講義を踏まえ、学びを自部署の安全文化の醸成にどのように活かすかをGWで共有した。

看護部講演会は、認定レジリエンストレーニング講師の江口智子先生を講師として、テーマ「自分らしくレジリエンス~折れない心としなやかさを身につける~」を開催した。看護協会小山地区支部研修会として22名の外部参加者と附属病院看護部129名の参加があった。

2)看護職の資格取得に関わる院外教育の実績

認定看護師の育成では2022年度は「感染管理」と「摂食・嚥下障害看護」の2領域の教育課程において2名が修了した。認定看護師26名と専門看護師15名が活躍している。今後を見据えた育成計画を検討し、各領域に複数配置を目指す。

認定看護管理者の育成では2022年度はファーストレベル6名、セカンドレベル6名、サードレベル2名が受講した。現在、主任看護師85名中ファーストレベルの修了者は55名である。また看護師長以上の管理者50名中サードレベルまでの修了者は14名となった。さらに認定看護管理者は12名を維持している。

本学の看護師特定行為研修センターを活用した特定行為看護師の育成では、2022年度は4月期・10月期を合わせ新規8名、科目追加7名が入校した。2023年4月現在在職している特定行為看護師は55名となった。体制整備と周知活動により組織横断的活動ができるようになっている。今後は適正配置や育成計画に基づくさらなる受講者の確保を進めるとともに、安全な実施を継続するため院内全体での支援体制を整える。

3)学会および院外研修会の参加実績

コロナ禍でほとんどの学術集会がWEB配信での開催であったため、学会参加費の補助人数枠を拡大し、58種類の学会に255名が参加した。うち31名が演題発表した。

院外研修への参加は、看護協会主催の研修受講者146名、その他(企業・財団・大学・学会等)主催の研修受講者160名で合計306名であった。

4)臨床実習の教育体制

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、ワクチン接種が進み、新たな生活様式、健康観察が徹底されていることを確認し、本学看護学部の全学年のすべての実習をはじめ、学外の看護師養成機関の臨床実習についても辞退1校を除き6校は実施できた。(表3参照)

認定看護師教育課程の実習は「緩和ケア」1校2名、「がん放射線療法看護」1校2名、「摂食・嚥下障害看護」1校2名を受け入れた。(表4参照)基礎教育、継続教育において当院が栃木県の看護師教育に果たす役割は大きい。

5)院外への講師派遣

栃木県看護協会や県内外の医療機関、行政機関、看護師養成機関等からの依頼を受け、224名の看護部職員を講師として派遣し、多くの医療職の教育に貢献している。

表1 主任看護師研修会実施状況

  日程 参加者 テーマ 目的 目標
第1回 5月13日(金) 81名 主任看護師としてチーム医療を考える 主任看護師としてチーム医療における協働・連携を考えることができる チーム医療との連携における主任看護師の役割と調整方法がわかる
第2回 7月8日(金) 78名 自分が目指す主任看護師像を考える 自分が目指す主任看護師像を想起し、主任看護師としての成長および課題の達成に向けて取り組むことができる 1)自分が目指す主任看護師像を考えることができる
2)目指す主任看護師像について主任看護師間で共有することができる
第3回 9月9日(金) 78名 自分が目指す主任看護師像に対する個人目標と取り組みについて 自己のマネジメント能力を高めるための取り組みを明確にできる 自己の取り組みに関する共有と意見交換、目標管理の視点から、アクションプランの修正ができる
第4回 11月11日(金) 78名 看護倫理研修【2】レポート評価 ラダーⅡ Bトライ者研修看護倫理研修【2】のレポート評価をし、部署での看護倫理に関する教育や人材育成に活かすことができる 1)ラダーⅡ B に求められる看護倫理力とその評価の視点を理解できる
2)看護倫理研修【2】のレポート評価ができる
第5回 1月13日(金) 76名 マネジメントリフレクション~マネジメントラダーの実践を振り返る~ マネジメントリフレクションを通し、主任看護師としての看護管理実践能力を高める 1)自己のマネジメントスタイルの傾向や固定概念に気づくことができる
2)自己の取り組みを客観的に振り返り、実践に活かすことができる
第6回 3月10日(金) 80名 実践したマネジメントの報告 マネジメントの実践報告を通し、看護管理実践能力を高める マネジメントの実践と成果を共有し、自己の成長を振り返る

表2 看護師長研修会実施状況

  日程 参加者 テーマ 目的 目標
第1回 5月19日(木) 43名 安全文化の醸成に関する課題の明確化 安全文化を醸成するための自部署の課題と取り組みを検討する ① GWを通して安全文化の4つの要素がわかる
② GWを通して自部署の安全文化について振り返り課題を見出す
第2回 7月21日(木) 39名 心理的安全性とは 講師:稲田美和子公認心理師
心理的安全性について習得し自部署の安全文化を醸成するための取り組みに活かす
①心理的安全性がわかる
② GWを通して今回の学びを部署の安全文化の醸成にどのように活かせるかを検討する
第3回 9月15日(木) 43名 安全文化の醸成に関する取り組みの中間報告 「安全文化の醸成」について、看護師長としての取り組みの経過を共有・情報交換することで、看護管理能力の向上を目指す ①「安全文化の醸成」に対する看護師長としての取り組みについて深めることができる
②年度後半の活動に活かすことができる
第4回 11月17日(木) 41名 人材育成能力の向上:「マネジメント研修【1】のレポート評価」 看護師長として人材育成能力を高めることができる マネジメント研修【1】&実践教育研修【1】の研修レポートの評価ができる
第5回 令和5年1月19日(木) 43名 柔軟な組織とは 講師:大海佳子看護部長
柔軟な組織について学び自部署の安全文化を醸成するための取り組みに活かす
①柔軟な組織とは何かがわかる
② GWを通して今回の学びを部署の安全文化の醸成にどのように活かせるかを検討する
第6回 令和5年3月16日(木) 44名 安全文化の醸成に関する取り組みの最終報告 「安全文化の醸成」に関する取り組みを通して、看護管理能力の向上につなげる。 研修会全体を通しての学びや気づきを共有し、マネジメントにおける自己課題を明確にする。

表3 実習受け入れ実績(基礎教育)

学校名 日数 人数
1 国際医療福祉大学看護学部(母性・急性) 60 36
2 足利大学(小児) 5 6
3 栃木県立衛生福祉大学校(小児・母性) 14 17
4 栃木県県南高等看護専門学院(小児) 12 8
5 栃木医療センター附属看護学校(小児・母性) 5 5
6 マロニエ医療福祉専門学校(助産科) 6 12
7 マロニエ医療福祉専門学校(通信) - -

表4 実習受け入れ実績(継続教育)

学校名 日数 人数
1 群馬パース大学摂食・嚥下障害認定看護師 19 2
2 静岡県立がんセンターがん放射線療法
看護認定看護師
17 2
3 岩手県立医大附属病院緩和ケア認定看護師 15 1
4 順天堂大学小児看護専門看護師 1 1

6.看護部委員会と検討会

看護部の目標達成に向け、委員会を中心に活動している。次の10の委員会と5つの検討会で以下の活動を行った。

【委員会の活動】

1)研修・看護職キャリア支援委員会

本委員会の目的は「質の高い看護を提供するために看護職員を育成する」であり、以下の2項目の目標を設定し活動を行った。

(1)看護倫理研修【1】【2】の研修成果を評価する。
看護倫理研修【1】はラダーⅡAトライ者研修として、2021年度から開講した集合研修とtotaraによる事後課題を組み合わせた研修である。この研修と、ラダーⅡBトライ者研修の看護倫理研修【2】に研修積み上げの効果があるかを、看護倫理研修【2】の事後課題と受講後アンケートの結果を比較した。看護倫理研修【1】受講有の者が、看護倫理研修【1】受講無しの者より、事後課題レポートの初回合格率、各評価項目のA評価取得率ともに得点が上回っていた。また受講後アンケートにおいても、「倫理原則の理解」「倫理綱領の理解」「倫理的問題への気づきの過程の理解」「学びを看護実践に役立てられるか」の問いに対し、「理解できた」と選択した割合が、看護倫理研修【1】受講有の者が上回っていた。
以上の結果から、ラダーⅡAトライ者研修の看護倫理研修【1】とラダーⅡBトライ者研修の看護倫理研修【2】は、研修の積み上げの効果が表れていると評価する。

(2)ラダー到達目標を踏まえた評価票を作成する。
評価票の評価内容に妥当性があり、その内容が受講生に伝わるものとなるように、ルーブリック評価を基にマネジメント研修【2】【3】、看護倫理研修【2】の評価票の修正を行った。
マネジメント【2】【3】では、ルーブリック評価にしたことで判断基準のブレはなくなったが、解釈の統一までには至らなかった。次年度は解釈を整えていく必要がある。
看護倫理研修【2】では、「評価の基準が明確になりわかりやすかった」「不合格となったが、記述の基準が明確でどこが不足しているのかを評価票で確認でき、修正がしやすかった」などの意見から、評価票の修正がレポート作成に効果的に働いたと考えられた。
以上のことより、マネジメント研修【2】【3】の評価票は、2022年度の評価結果を踏まえ更なる修正を加える。そして2023年度の集合研修では、評価票を提示し説明を加えることで、受講生の評価票に関する理解の促進を図る。

表5 ラダーⅡAからラダーⅣトライ者対象の研修運営状況(2022年4月~2023年3月の実施状況)

トライラダー名 研修名 研修内容 時期・期間 受講人数
基礎看護技術研修【2】
注射Ⅲ研修
抹消静脈留置針の挿入
血液培養検査
①②6月2日
③④6月3日
4時間コース 4回開催
①②③④
計92名
看護展開研修【1】
フィジカルアセスメント
集中ケアCNの講義
シミュレーション研修
①9月20日
②③9月21日
④⑤9月22日
4時間コース 5回開催
①②③④⑤
計93名
看護倫理研修【1】 看護倫理に関する講義
事例を用いた学習と事後テスト
①②2023年1月17日
4時間コース 2回開催
①②
計89名
血糖管理ケア
※eラーニング
血糖管理の講義とテスト 5月9日~11月30日 92名
摂食ケア
※eラーニング
摂食・嚥下障害看護の基本・食事場面のリスクと援助の講義とテスト 92名
スキンケア/褥瘡管理ケア
※eラーニング
スキンケアと褥瘡管理の講義とテスト 92名
ラダー
ⅡA・
ⅡB
トライ者研修
家族ケア
※事前課題eラーニング
家族看護の講義
事例を基に、家族看護の看護展開を学ぶ
①6月7日②11月1日
60分コース 2回開催
①②
計92名
心理ケア
※事前課題eラーニング
心理ケアの講義
事例を基に、コミュニケーションの実践に対する振り返り
①8月2日
②10月4日
60分コース 2回開催
①②
計91名
ラダーⅡB
トライ者
研修
看護展開研修【2】
※担当は看護研究委員会
文献検索についての講義
患者を4つの側面から捉えアセスメントするグループワーク
①12月7日②③12月8日
4時間コース 3回開催
①②③
計65名
マネジメント【1】
&実践教育研修【1】
※看護師長による評価
リーダーシップの基本概念と成人教育の講義自分が実践したリーダーシップの取り組みをまとめる ①②7月13日
4時間コース 2回開催
①②
計64名
看護倫理研修【2】
※個人課題
※主任看護師による評価
分析ツールを用い倫理的問題を抽出する
看護職の倫理綱領を用いて実践を振り返る
取り組み期間
9月5日~10月31日
75名
ラダー

トライ者
研修
看護展開研修【3】
※担当は看護研究委員会
看護研究の講義
看護研究計画書の作成とグループワーク
①10月11日②10月29日
8時間コース 2回開催
①②
計39名
実践教育研修【2】
※事前課題eラーニング
成人教育の講義
リフレクションの実施
①②6月22日③7月23日
4時間コース 3回開催
①②③
計61名
マネジメント研修【2】 看護管理の講義とグループワーク
看護管理の基礎をグループリーダーの役割を以て実践する
①5月25日②③5月30日
4時間コース 3回開催
①②③
計71名
ラダー

トライ者
研修
看護展開研修【4】 研究責任者として、看護研究を実践する 個人課題
研究倫理審査承認が終了条件
修了者
15名
実践教育研修【3】
※事前課題eラーニング
ADDIEモデルを活用した教育の企画・実施・評価 ①8月25日②8月26日
8時間コース 2回開催
①②
計35名
マネジメント研修【3】
※事前課題eラーニング
組織分析の手法を学び、自身の役割をもって、組織に対するマネジメントを実践する ①②6月13日
4時間コース 2回開催
①②
計29名
看護倫理研修【3】
※個人課題
意思決定支援における倫理的問題や課題を明確にし、多職種を含めた調整役を担い、実践したことをまとめる 取り組み期間
4月15日~9月1日
49名

2)看護基準委員会

本委員会の目的は「看護の質を担保するための看護実践の基準を整備する」であり、以下の3項目の目標を設定し、活動を行った。

(1)基準に沿った「IC同席」または「理解納得状況の確認」の記録割合が上がるよう支援する。
①意思決定支援に関する記録の監査を行う。
「IC同席」「理解・納得状況の確認」の叙述的記録の監査を10月に行った。監査結果から、監査点数の上昇は見られなかったものの、部署と委員会での評価に大きな差はなく、監査の視点・精度は上がっていると分析した。結果は、各部署にフィードバックし、今年度行った監査の視点で各部署が取り組みを行うことが看護記録・看護の質の向上につながることを伝えた。また、看護基準・手順に沿った意思決定支援が実践され、正しく記録に残せるように、意思決定支援に関する看護基準・手順の見直しを行い登載した。
②IC同席当日のIC同席の記録または理解・納得状況の確認の記録数と割合を各部署に提示した。また、各部署の取り組みについて聞き取り調査を行い、全体的に活用できる取り組みについて周知した。IC同席当日の記録率は2月の時点で70.9%であり、記録率は上昇しなかった。医師と協働を要する取り組みでもあるため、今後どのような活動方法がよいか検討していく必要がある。

(2)看護実践に活用できる看護の手順を整備する。
2019年改正のものを中心に見直しを行った。2月までの段階で、看護基準・手順の49項目の見直しができ、目標は達成された。特定行為活動推進委員会と協働し、PICC、CVに関する看護基準・手順も整備を行った。また、前年度から引継ぎ、標準看護計画立案に関する看護手順・基準を作成した。医療情報部の登載方法とすり合わせて7月に登載した。看護パスの基準・手順については来年度に作成する。今後は更に看護実践に活用しやすい看護基準・手順の整備について考えていきたい。

(3)看護の質を担保するためのクリニカルパスの作成、見直しを支援する。
主任看護師研修会で医事課からDPCに関しての説明を実施した。さらにJUMP上でのDPCの確認方法などの資料を作成し各部署へ配付した。アンケート結果では、21部署から「DPCに関して関心が持てた」との回答が得られた。また、自部署のクリニカルパスのDPC期間の確認を行った部署が13部署、資料をもとに部署の患者のDPC期間を確認した部署が15部署あった。
クリニカルパス作成・修正に関して支援を希望した部署には「クリニカルパス相談会」を開催して対応した。出席した8部署全てでクリニカルパスの作成・見直しの役に立ったとの回答を得た。
今年度22部署で計130件の見直しが行われた。来年度に繰り越しがあったのは9部署18件であった。看護部BSCに掲げられているDPCⅢ期以上のクリニカルパスの見直しに取り組んだ部署は4部署で、2部署3件が終了または終了予定であり、2部署2件は来年度に持ち越しとなっている。また、今年度院内では11件のクリニカルパスが修正によって入院期間が短縮されており、活動の成果はあったと評価する。

3)看護研究委員会

本委員会の目的は「看護研究活動の促進を図り、看護研究の質向上のために支援する」であり、以下の2項目の目標を設定し活動を行った。

(1)看護研究に取り組む看護スタッフを支援する
①totaraに看護研究に関する動画の登載
【研究背景】、【研究デザイン】、【アンケート調査】、【倫理審査のいろは】の他に、【インタビュー調査「インタビューの基礎知識」「インタビューの実際」「フォーカスグループインタビュー」】を登載した。9項目の視聴回数の総数は、2,278回であった。今後も、看護研究に取り組む際に動画を視聴してもらえるように周知していく。
②看護研究の相談会の開催
看護研究の相談会を企画し、9月から6回コースで実施した。参加者は14名であり、相談内容は、「テーマの絞り込み」から「研究計画書作成」と進捗状況に幅があった。「自分の疑問が研究的視点で明らかにできたか」「看護研究の進め方を理解できたか」の質問で「できた」「ややできた」とほぼ全員が回答していた。今後は、受講生が主体的に取り組んでいくために企画書を見直し相談会を開催していくことが課題である。

(2)日頃の看護実践から、研究的視点(思考)につなげられるような看護展開研修を企画・運営する
①看護展開研修【2】
研修企画・事前課題・評価票を目的に合わせて修正した。受講後課題レポートを評価指標に沿って評価した。評価項目「実践した看護の場面から看護上の疑問を見つけ、その場面に関する患者のアセスメントから個別性・全体像を把握できる」「文献レビューに基づき疑問の明確化ができる」については目標を達成できた。「関連する文献を引用し、整理・統合して記述する」は達成できず、次年度の課題として残った。
②看護展開研修【3】
「看護研究計画書の『研究背景』に取り上げた研究疑問が、文献検索によって研究課題の焦点化につながり、一貫性のある看護研究計画書を作成できる」ことを目標に事前課題を修正した。研修の評価指標として挙げていた事後課題レポートの「研究背景」「研究目的」「研究デザイン」について目標は達成できた。また、看護研究の継続取り組み意向を示す受講者が94%で目標は達成できた。研修企画を修正した効果であると評価した。

4)看護記録委員会

本委員会の目的は「看護記録の質の向上を図る」であり、以下の5項目の目標を設定し、活動を行った。

(1)看護記録についての理解を深め、看護過程がわかる記録ができる。
①1回目の看護記録監査の質評価項目(★印)の平均が3.15以上となり、2回目は1回目よりさらに上昇する。
1回目の委員会平均は3.13で目標達成に至らなかったが、2回目の委員会平均は3.35であり、38部署中27部署が2回目の監査で上昇した。
②看護記録監査の大項目毎の評価値(スタッフ・委員会)の差が、1回目監査より2回目監査が小さくなる。
スタッフと委員会の大項目毎の評価値の差は、6月が0.57、12月は0.40で1回目より小さくなった。さらに、前年度の12月の監査では0.51であったため昨年度と比較しても差が小さくなっている。また、大項目毎に比較した場合でも「看護計画」や「経過記録」など、主に質評価に関わる項目の差が小さくなっているため、監査力の向上にもつながったと言える。以上のことから、記録についての理解も深まり、看護過程のわかる記録になってきていると判断し目標は達成とした。

(2)患者アウトカム達成率が一般病棟94%以上、重症部門90%以上となる。
患者アウトカム達成率が一般病棟95.5%、重症部門90.2%で目標は達成した。

(3)成果指標達成率が90.1%以上となる。
成果指標達成率が91.9%であり目標は達成した。

(4)標準看護計画の修正・作成について支援する。
①フリー入力件数は昨年度175件だったが、今年度は1月までで106件であり、昨年度より減少した。データ検索ツールでの検索方法を周知したことにより、各部署で原因検索やスタッフ指導につなげられたと考える。
②「患者アウトカムの適正な使用について」理解を得るために看護記録連絡員に文書を配付し、当院の「標準看護計画」の作成の流れや、看護の提供を保証する基準であるということを説明した。
今年度は、標準看護計画の修正が終了したものは1件であった。

(5)看護記録連絡員の活動計画の実施率が90%以上となる。
看護記録連絡員の活動計画の実施率は93.5%で目標は達成した。
看護記録連絡員に部署内の記録に関する分析が適切であるか、不足はないかなど目標設定の段階から支援してきた。部署担当委員を決め、連絡員の相談などに対処してきたことも目標達成につながったと考える。

5)看護業務委員会

本委員会の目的は「1.効果的、効率的に業務を遂行するための業務改善、職場環境の整備を支援する。2.タスクシフティング、タスクシェアリングを推進するため、他職種との調整を図る。3.働き方改革を推進する。」であり、以下の2項目の目標を設定し、活動を行った。

(1)部署内応援を強化することで、早期に退勤ができるよう支援する
終了時間を決めてタイムマネジメントに取り組むこと、部署内応援体制の強化を目的とし看護業務量推進管理システム(JUNIORS)の活用を推進し早期退勤に繋がる支援に取り組んだ。目標値を「19時までの退勤割合が平均60%以上となる」とした。まず、委員会メンバーが所属する8部署からJUNIORSの活用を開始した。試行後の聞き取り調査の意見からは、実施する負担感や可視化されない業務が明らかになった。また、タイムマネジメントの意識の向上・コミュニケーション促進の変化などの利点が明らかになった。看護部連絡会議を通してJUNIORSの活用状況と結果を報告し各部署での活用を促したところ、6部署から活用希望があった。希望する6部署に対して支援を行った。全32病棟の2022年4月から2023年1月の19時までの平均退勤割合は56.8%であり、目標値は達成できなかった。全病棟にJUNIORSが導入できなかったため、目標値の評価に至らなかった。しかし、8部署でJUNIORSを活用することで得られた利点や改善点を明らかにすることができた。JUNIORSの活用は、タイムマネジメントの意識付けや部署内応援体制の改善・向上につながっていると考える。今年度に支援を行った6部署に対し、JUNIORSの活用状況について経過を追い、支援内容の評価をすることが課題である。さらに次年度、全部署にJUNIORSを導入することを検討する。

(2)患者に合ったオムツを選択し、業務改善に繋げられるよう支援する
令和3年度に院内でオムツを統一した。その後、患者に合った適切なオムツ使用をしているかを確認するため、成人病棟18部署を対象に監査を実施した。結果、患者の体重や尿量に応じた適切なオムツ の選択ができていない状況があった。さらに、オムツのコスト算定漏れや誤入力が散見された。その後、対象部署に監査結果のフィードバックを実施した。次に監査結果で改善が必要と思われた内容と業務改善につながる取り組みの資料「オムツ使用の工夫について」を作成し、全部署に配付して紹介した。監査結果のフィードバック後に、質の評価や業務負担の軽減・コスト入力等に関する評価を目的に、アンケート調査を成人18部署に行った。アンケート結果から、患者の体重や尿量を意識した選択ができていると回答した部署が、67%(前年度33%)に増加した。また、オムツを導入したことで業務負担の軽減が図れたと回答した部署は56%(前年度20%)に増加した。このことから、監査結果のフィードバックや「オムツ使用の工夫について」を提示することで、患者に合ったオムツの選択ができ業務改善に繋がっていると評価できる。また部署からの要望に応じて、新人看護職員や看護補助員への教育を行った。更に統一した手技が実施できるように、オムツの装着方法に関する動画教材をtotaraに登載した。以上のことから年間活動を通じて、患者に合ったオムツを選択し部署での業務改善や質の維持に繋がる支援を実践でき、活動目標は達成できた。

6)看護情報システム委員会

本委員会の目的は「1.電子カルテ・看護支援システムの円滑な運用を支援する。2.看護の質向上のための電子カルテデータの活用を推進する。3.施設基準に関連するデータを正確に評価できるよう支援する。」であり、以下の3項目の目標を設定し、活動を行った。

(1)電子カルテ、病院情報システムの効率的活用のための支援をする。
昨年度、JUMP共用フォルダに作成した「JUMP困り事相談入力ファイル」の活用を継続し、各部署からの困り事の対応をした。2022年度の「JUMP困り事相談ファイル」の相談件数は、65件であった。相談内容について、委員会で検討し、各部署にフィードバックをした。相談内容の解決件数は30件、システム改修件数は1件、対応不可(未解決)は29件、次期システムに依頼するものは5件(うち次期システム更新に向けて仕様書に記載したものは1件)であった。現時点の解決率は45%である。
患者が、退院や他の医療機関に転院する際に必要な情報提供を、漏れなく行うために、昨年度は、栃木県入退院共通連携シートを参考に退院サマリの様式を見直した。今年度、「退院サマリ看護(情報連携シート)」が完成し、運用を開始している。

(2)電子カルテデータを活用して、看護の質指標となるデータの検討をする。
看護の質指標となるデータとして「ADLが維持できる」「ADLが拡大できる」のアウトカム達成率の提示とデータの活用方法について提案をした。その結果、「ADLが維持できる」「ADLが拡大できる」の2つのアウトカムの達成率は、上半期は92.5%であったのに対して、2022年4月1日から2023年1月31日までは93.7%とわずかに上昇した。各部署に提示したデータから、どのような患者のアウトカムが未達成になっているかを分析することで、部署の看護を振り返る機会になったと考える。

(3)電子カルテ、病院情報システムの更新のための検討をする。
次期病院情報システム更新に向け処置マスタ(共通項目)の見直しを行った。見直し作業は、①処置マスタからデータを収集しているもの、②処置入力が患者の記録として意味があるもの、③コストとして必ずとらなければいけないもの、の視点で類似する処置や採用中止となっている材料等の削除・変更等を行い、処置マスタの内容を整理した。2024年1月の病院情報システム更新に向けて、医事課や用度課など関連部署と連携し最終調整を行っていく。

7)在宅移行支援委員会

本委員会の目的は「特定機能病院の役割を踏まえた、質の高い退院支援、在宅移行が実践できるよう支援する」であり、以下の2項目の目標を設定し、活動を行った。

(1)退院支援が必要な患者に退院支援を提供する。
部署の目標設定に対して、委員会として部署に合わせた支援を検討しながら活動を行った。初めに各部署に配付する退院時「退院支援要」に対するカンファレンス実施率・加算件数の資料の表記を「トリアージカンファレンス」の入退院支援フローに準じて「多職種カンファレンス」に修正し文言を統一した。7月に在宅移行支援連絡員連絡会を開催し、連絡員の役割と入退院支援フローについて説明した。また、入院時スクリーニングの精度を高めるため、多職種カンファレンスの説明と退院支援「要」の患者について事例を通して説明した。更に、「退院支援スクリーニング」の項目に「多職種カンファレンス」と「退院支援計画書」の項目を追加し、多職種カンファレンスの実施の有無や退院支援計画書の作成の有無が一覧で分かるように変更して周知した。連絡員からの質問や困りごとについてはアンケート調査を行いQ&A方式で部署に伝達した。入退院支援加算の算定率が伸び悩んでいる部署には個別にヒアリングしアドバイスを行なった。
結果、退院時「退院支援要」の患者に対する退院支援計画書交付率は、2021年度の90.9%から94.2%に上昇した。入退院支援加算1と3の算定率は、2021年度の29.5%から35.7%に上昇した。

(2)在宅療養指導料の理解を深め、算定に結び付く支援を行う。
全部署のプロセス達成率が80%となるよう委員会として支援を検討しながら活動を行い、結果は82.6%であった。7月の在宅移行支援連絡員連絡会で在宅療養指導料の概要と事例を用いた算定の流れについて説明した。医事課と協力して診療科ごとの在宅療養指導管理料の一覧を作成し、ポータルサイトに登載した。また、部署ごとに在宅療養指導管理料と在宅療養指導料を取得している患者のリストを配付し、自部署の現状把握を促すことで対策を立てて取り組むことに繋がった。在宅療養指導料の入力については、分かりやすくするために入力システムの改修を行った。
結果として、4月は在宅療養指導管理料を算定していても在宅療養指導料が算定されてない部署が20部署のうち10部署であったが、12月では、算定されていない部署が6部署に減少した。また、4月は在宅療養指導管理料の算定件数は全体で92件、その中で、在宅療養指導料の算定件数は35件(38%)であったが、12月の在宅療養指導管理料の算定件数は67件で、在宅療養指導料の算定件数は39件(58%)に上昇した。各部署の理解は少しずつ上がってきている。

8)看護部患者サービス検討委員会

 本委員会の目的は「患者満足度の向上を図る」であり、以下の2項目の目標を設定し、活動を行った。

(1)他部門と連携して患者の療養環境の改善を図る。
①外来と病棟をラウンドして現状を確認し、改善を図る。
昨年度作成した「療養環境チェックリスト」を見直し、それを用いて部署のラウンドを2回実施した。その結果を看護部連絡会議で報告した。
病棟は、全体的に1回目より2回目で改善がみられ、患者の療養環境を整えることの意識付けに効果があったと評価できるが、今後継続していくことへの課題が残る。
外来は、物品の破損や壁などの汚染について院内患者サービス検討委員会に報告し、関連部門と連携して改善することができた。
②入院セットの評価を行い、改善策を提案できる。
「入院セット」に関するアンケートを患者・看護師へ実施し現状を調査した。その結果、患者・看護師ともに「入院セット」のシステムを十分に理解していないことが明らかとなった。そのため、「入院セット」を利用するスタッフ向けに説明書を作成し、新年度に周知予定である。また、アンケートの結果をもとに改善が必要な内容や運用については、関係部署と相談し一部改善することができた。
③移動販売について検討し、提案する。
患者サービス向上を目的に移動販売について他施設等の情報を得るなどし、総務課と、患者サービス検討委員会に提案した。しかし、当院では移動販売の実施は不可能であることが明らかとなり、実施には至らなかった。

(2)患者から信頼が得られる対応のできる看護師を育成する。
①接遇強化のために「マナーちょこっと」の活用を促進する。
接遇の強化を目的に「マナーちょこっと」をもとに「身だしなみチェックリスト」を作成し、年3回の身だしなみチェックを実施した。
②投書や患者満足度調査の看護師の態度における自由記載より得られた意見を分析し周知する。
患者満足度調査の結果から、改善が必要と思われる自由記載を一覧にまとめ、併せて改善策を掲載し看護部連絡会議を通して周知した。
自由記載や投書から、外来受診の際の待ち時間に関する意見が多く聞かれている。今後、委員会として取り組む内容を検討することが課題である。

9)看護部安全推進委員会

本委員会の目的は「安全な看護業務の推進と、災害対策や感染予防対策が院内で統一して実践できるように支援する」であり、以下の4項目の目標を設定し、活動を行った。

(1)身体拘束減少に向けた活動ができる。
身体拘束は患者の安全確保のためにやむを得ない場合に実施する行為である。一方で倫理的問題とも密接に関係しており、身体拘束が院内の基準・手順に基づき適正に実施できているかを可視化することに取り組んだ。身体拘束の実施状況の把握のため、部署ごとの身体拘束実施率一覧を毎月の看護部連絡会議にて周知した。また、「安全確保のための身体拘束」看護手順をもとに「身体拘束監査票」を作成した。12月に看護師長が監査を行い、その結果を2月の看護部連絡会議にてフィードバックを行った。監査の結果、看護基準・手順や看護記録に関与することなどの問題が明らかとなり、今後の課題とする。

(2)部署でのインシデントレベル0報告に関する取り組みの支援をする。
各部署の取り組み等の状況を確認するために9月に部署ラウンドを実施した。取り組み等における悩みや困りごとに対する個別の支援や、他部署でも参考になる取り組みについて情報共有できるように、看護部連絡会議にてフィードバックを実施した。看護職におけるインシデントレベル0報告件数は2639件(2022年4月1日~2023年2月28日現在)であり、2021年度の932件に比べて大幅に増加した。また、インシデント報告全件におけるインシデントレベル0報告の割合も、2021年度の15%から32%(2023年2月28日現在)に増加した。

(3)看護業務における院内ルールの周知及び遵守のための支援ができる。
PTPシートの誤飲防止のため、PTPシートの配薬手順について動画とテストを作成した。e-ラーニングにて学習できるようにし、11月と2月に全看護職員に実施を促した。全看護職員がe-ラーニングを2回とも受講することができ、配薬手順の周知を図ることができた。また、PTPシートの配薬に関するインシデントの発生はなかった。

(4)部署で効果的な災害訓練を実施するための支援ができる。
各部署での災害対策学習会の支援として3つの学習ツールの提供を行った。学習ツールは防災訓練のシナリオと、「地震」と「災害時の感染対策」をテーマとした減災トレーニングツールとした。全看護職員がいずれかの災害対策学習会に参加することができた。テーマが異なっていたことにより多様な視点で災害時の対応を考えることができたとの意見があった。

(5)災害マニュアル周知、災害への意識づけができる。
e-ラーニングで災害に関する個別学習や繰り返し学習ができるようにした。教材は、当院の災害訓練の動画と院内の災害対策マニュアル、大規模地震発生時における診療継続計画(BCP)から作成したテスト問題10問とした。e-ラーニングで動画視聴をしテストで満点を取ることを必須とし全看護職員が実施することができた。

10)特定行為看護師活動推進委員会

本委員会の目的は「特定行為研修修了者の活動方法を検討し、活動環境を整える」であり、以下の3項目の目標を設定し、活動を行った。

(1)特定行為看護師活動を啓蒙する。
対象者に応じた啓蒙活動を行った。特定行為看護師研修受講要件を満たすラダーⅢトライ者には、ラダー研修受講時に広報活動を行った。病棟看護師には特定行為看護師通信の発行をした。医師には、診療代表者会議での特定行為看護師および活動内容の周知、HCU入室申込書に主治医による「特定行為実施の有無」欄の追加を行った。このことにより、研修受講の目標人数に達し、特定行為実践件数も増加した。

(2)特定行為看護師が円滑に活動でき実績を伸ばせるよう支援する。
特定行為別にグループ分けをし、委員会でグループ担当者を決めて支援した。グループで、活動上の問題点の抽出や検討を行った。研修修了者には習得審査を進められるよう支援をした。集中治療領域パッケージ、外科系基本領域パッケージ研修修了者は活動を部署内で開始することができ、術中麻酔管理領域パッケージ研修修了者は、手術室で順調に実績を伸ばすことができた。結果として、2022年度は実践可能な特定行為看護師は35名に増加した。実施件数は、2,965件に増加した。

(3)特定行為看護師の育成を支援する。
前記した啓蒙活動を行い、2022年10月期と2023年4月期の研修受講者の合計は13名であった。
特定行為看護師の実績分析を行った結果、栄養に係るカテーテル管理関連、呼吸器(人工呼吸療法に係わるもの)関連、呼吸器(長期呼吸療法に係わるもの)関連の育成を促進していくことを検討している。

【検討会の活動】

1)固定チームナーシング検討会

本検討会の目的は、「各部署が固定チームナーシング体制を維持し、継続できるよう支援する。」であり、以下の2項目の目標を設定し、活動を行った。

(1)1年間で実践可能な目標設定ができ、チーム目標達成の部署が80%以上になるよう支援する。
リーダー・サブリーダー連絡会を通して固定チームナーシング体制の知識と理解を深め、各部署のチーム目標達成に助力できるように関わった。また、連絡会に参加していない部署で、目標設定や活動方法に戸惑っている部署の相談・支援を、検討会のメンバーが窓口となり行った。
そして、部署のチーム活動(小集団の取り組み等)の内容を把握し、固定チームナーシングの基本通りに実践しているかを確認した。今年度は、チーム目標シートだけでなく、ガントチャートを計画時・中間評価時・最終評価時に提出してもらった。確認のポイントは、①チームの患者特性を意識した看護の視点での取り組みになっているか。②各小集団が年間を通した活動になっているか。③既存のものを活かす方法がありながら、新規業務を増やすことになっていないか。であった。
結果、チーム活動が計画的に進行し且つチーム目標を達成したチームは、全部署92チーム中88チーム(95.7%)であった。チーム活動が計画通りに進められなかったが、チーム目標を達成できた4チームを含めると、今年度は全チームがチーム目標を達成できた。

(2)固定チームナーシングチェックリストを活用し、部署の受持ち看護師の役割の理解ができ、役割が果たせているかを評価する。(固定チームナーシングチェックリストのNo12の各項目の部署平均が、1回目より2回目が上昇する。)
固定チームナーシングチェックリストを一部改正し、各部署で評価後に提出してもらい検討会で評価した。また、受持ち看護師の役割の理解を深めるために、「固定チームナーシング用語集」の「受持ち看護師/ナースの役割と業務チェックリスト」の確認を促した。
結果、年間2回のチェックリストの評価のうち、No12の5項目の結果は「×」が9個から4個に減少し、「△」も14個から12個に減少した。1回目の評価に対する部署の取り組みによる改善があったと考える。チェックリストが2回目に改善がなかった部署の詳細確認と、外来部門における受持ち看護師の設定や看護計画立案に関して、今後も注視していく。

2)専門・認定看護師活動検討会

本委員会の目的は「附属病院の看護の質向上のため、専門性を高めて、自己ならびに相互の研鑽を図る」であり、以下の2項目の目標を設定し、活動を行った。

(1)看護の質の向上につながるように専門・認定看護師の活動支援を行い、昨年度(相談1220件、指導184件)よりも相談件数と指導件数が増加する。(目標値:相談件数1290件以上、指導件数173件以上)

①活動内容
専門・認定看護師に関連する院内の課題を抽出し、関連領域を踏まえて専門・認定看護師を8つのグループ(がん患者指導管理料算定グループ、緩和ケアリンクナース育成グループ、早期栄養管理加算算定グループ、早期リハビリテーショングループ、術後疼痛管理グループ、認知症患者看護グループ、小児・母性看護グループ、人材育成グループ)に分け、意見を吸い上げながら活動を行った。
専門・認定看護師の個人の活動計画は、所属部署の看護師長に指導・評価を依頼した。

②結果と課題
相談1433件、指導203件(2022年4月から2023年1月)で、昨年よりも増加し、目標が達成できた。今後は件数だけでなく、臨床現場の支援ニーズを満たせているかの評価を行い、専門・認定看護師の活動を促進する。
グループ活動の概要及び実施率と目標達成率は下記の通りである。

  • <がん患者指導管理料算定グループ>
    「がん看護指導料イの算定件数の増加」に取り組み、IC同席ができるよう体制の整備や当該領域の専門・認定看護師間の活動時間の調整などを実施した。しかし、コロナの感染拡大による影響で活動時間の確保ができずプロセス実行率40%、目標達成率40%であった。
  • <緩和ケアリンクナース育成グループ>
    「緩和ケアリンクナースが挙げた目標達成率の上昇:80%以上の部署で目標達成できる」に取り組み、緩和ケアリンクナース連絡会の開催や個別の相談対応などを行いプロセス実行率は90%であった。そして、18部署(94.7%)の緩和ケアリンクナースが目標達成でき、目標達成率は100%であった。
  • <早期栄養管理加算算定グループ>
    「HCU・CCUにおける早期栄養介入管理加算の取得のための体制整備」に取り組み、看護部や栄養部、医事課との調整、CCUにおける早期栄養介入管理加算算定の手順の整備やスタッフへの説明会資料の作成などプロセス実行率は70%であった。医事課や栄養部との協議は実現せず、算定要件を満たす人員の確保など算定開始には至らなかったため目標達成率は50%であった。
  • <早期リハビリテーショングループ>
    「HCU・EMC・CCUにおけるSATとSBT加算算定の導入」に取り組んだ。HCU・EMC・CCUに所属する専門・認定看護師と連携し、評価項目を入力できるテンプレートの作成、スタッフ教育、医師との業務調整などプロセス実行率は50%で、準備は整えられたが導入できたのはHCUだけで目標達成率は30%であった。また、「HCU・EMCからの早期嚥下チームへのコンサルテーションおよび看護師の摂食嚥下機能訓練への参画の推進」に取り組んだ。SATとSBTの加算算定を優先して進めたため、十分な検討ができずプロセス実行率は30%であった。また、対象患者のスクリーニングの難しさから導入も進まず目標達成率は30%であった。
  • <術後疼痛管理グループ>
    「術後疼痛管理チーム加算対象者の介入の拡大」を図り、プロセス実行率100%で、今年度予定していた介入診療科の拡大は実施できた。また、加算対象患者すべてに算定でき、加算取得率は100%で目標達成できた。さらに、「J-TAPSラウンドに対応できるスタッフの育成」にも取り組み、プロセス実行率100%で5名の育成を目標値に掲げていたが7名の育成に繋がり目標が達成できた。
  • <認知症患者看護グループ>
    「事例を用いた認知症看護の勉強会の開催:22部署全体で1回/年以上の開催」に取り組み、勉強会資料の提供やリエゾン回診時の助言・実践モデルの役割発揮などを行いプロセス実行率は70%で、目標達成率も70%であった。また、「認知症ケア加算の算定漏れの改善:昨年、対象者に比して算定率が低かった4部署における算定件数の増加」に取り組み、当該部署の主任看護師と連携し、課題の抽出・対処などを行った。プロセス実行率は80%で、1部署は増加なしであったため目標達成率も80%であった。
  • <小児・母性看護グループ>
    「小児母性分野の連携における家族支援の強化」に取り組み、勉強会の開催を中心に活動した。プロセス実行率は100%、勉強会に参加したスタッフに対するアンケートで評価を行い98~100%が「理解できた」「今後の看護に活かせる」と回答したため目標達成率も100%であった。
  • <人材育成グループ>
    *目標2の活動及び結果と評価を参照。

(2)令和5年度の認定看護師教育課程受講者を3名以上確保する。

①活動
院内看護研究発表会で糖尿病看護認定看護師から、自身の認定看護師になるまでの流れや、資格取得後の活動を紹介した。また、皮膚排泄ケア認定看護師から認定看護師教育機関や受験期間等について情報提供を行い、不足している領域(皮膚排泄ケア、糖尿病看護、腎不全看護、感染管理)の認定看護師の活動について紹介した。
9月に看護師長連絡会で不足している領域(皮膚排泄ケア、糖尿病看護、腎不全看護、感染管理)の認定看護師教育機関について情報提供を行い、認定看護師教育課程受講者の確保に協力を依頼した。
専門・認定看護師が各自の活動の中で、認定資格取得に興味関心をもっており、活躍が期待できるスタッフを推薦した。

②結果と課題
慢性心不全看護認定看護師1名、感染管理認定看護師1名の受講が決定した。目標の3人の確保は達成できなかったが、皮膚排泄ケア認定看護師、感染管理認定看護師の受講希望の申し出があった。次年度、認定看護師教育機関の受験に向けて支援を継続する。また、糖尿病看護、腎不全看護の認定看護師教育課程受講者の確保に向けた取り組みも継続する。

(3)その他

①「専門・認定看護師活動上の取り決め」が現状に即していないため、改正した。
②「専門・認定看護師通信発行に関する取り決め」を作成した。
③個人情報や著作権保護の観点から勉強会で録画・録音されたデータの適切な取り扱いについて「専門・認定看護師への勉強会依頼」「専門・認定看護師勉強会承諾書」に追記し、改正した。

3)地域実践研修支援検討会

本検討会の目的は「地域実践研修において研修者が課題を達成できるように支援する」であり、以下の2項目の目標を設定し活動を行った。2022年度の地域実践研修者は、日光市民病院8名(うち出向管理者1名)、那須南病院5名、西吾妻福祉病院3名、とちぎメディカルセンターしもつが5名(うち出向管理者1名)、茨城県西部メディカルセンター4名の計25名である。

(1)研修者が計画的に自己課題に取り組めるように支援する。
今年度もコロナウイルス感染状況を考慮して、研修施設先の看護部長と検討会メンバーとの責任者会議、指導者会議は、オンラインで行った。研修者との面談は、例年同様の6月、9月に加え、今年度は、継続する研修者に対して目標評価と次年度の課題を導く目的で2月を追加した。6月はオンライン、10月は対面と一部オンライン、2月は対面にて面談を行い、研修者に助言を行った。研修者は、個人目標シートを活用し、地域実践研修における個人目標、研修施設・部署での目標を立案し、目標達成に向けて活動していた。また、ラダー研修を受講する研修者に対しては、個別にサポートを行い、2名がラダー認定に至った。よって、研修者が計画的に自己課題に取り組む支援はできたと評価する。

(2)研修者が研修しやすい環境となるよう支援する。
新たに開始となった研修施設においては、昨年度は研修者の戸惑いが大きかったが、2年目になったことや研修者との定期面談の回数を増やすことで、今年度は、スムースに適応できていた。一方で、他施設において予定外で帰院することになった研修者もあり、環境への適応に対する個々のサポートの難しさがあった。

4)臨床実習指導検討会

本検討会の目的は、「臨床実習が効果的に行われるよう実習環境を整える」である。昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも安定して実習ができるように、目標を「実習期間や方法が変化する中でも、学生のレディネスに応じて目標達成ができるように実習環境を整える」と設定し、以下の活動を行った。

(1)新規実習指導者が役割を理解し、スムーズに実践できるように支援する
4月に任命式を行い、新規実習指導者の34%が参加した。学生の状況、臨床実習指導者の役割、臨床実習指導自己評価票の活用方法、臨床実習の具体的な進め方を説明した。8月のワークショップでは新規実習指導者の43%が参加し、全員が臨床実習指導者の役割を理解したと回答した。新規実習指導者からは、「講義で役割を知り、グループワークの中で具体的な働きかけなどを知ることができ、学びを深めることができた」と意見があった。任命式やワークショップを通して役割を理解し、実践に繋がる支援ができたと判断し、目標は達成した。

(2)臨床実習指導取り組みシートを活用し、役割達成ができるよう支援する
4月の任命式で「臨床実習指導取り組みシート」の活用方法について説明し、年度初めから自己課題に取り組み、役割達成に繋げるよう促した。8月のワークショップで、「臨床実習指導自己評価票」「臨床実習指導者役割達成のための取り組みシート」を各自が持参し、自己の課題を再確認した。自己の課題に対しての達成度は、平均値79.5%、中央値80%であること、取り組みシートから目標に対する実践が記載され、新たな課題を見出している指導者もいることから、目標を達成した。

5)看護補助業務体制検討会

本検討会の目的は「看護補助員、病棟クラーク等の看護補助業務者の教育指導を企画・運営し、看護補助業務の質を高める」であり、以下の2項目の目標を設定し、活動を行った。

(1)看護補助員・病棟クラークの集合研修を企画し実施する。
①研修目的は「医療チームの一員として、働きやすい環境を自ら考えることができる」、研修目標は「基本的なコミュニケーションが理解できる」「働きやすい環境について自分が実践できることを見出すことができる」とした。稲田美和子公認心理師を講師として4回開催し合計176名が参加した。受講後のアンケートの結果ではアサーティブコミュニケーションなど心が傷つかないための考え方を学び、約99%の受講生は講義内容への理解が得られ実践に活かせそうだと回答していた。また講義後に臨床での取り組みの目標を設定し、実践した結果達成率は約80%であった。部署の主任看護師や看護師長からもポジティブな内容でコメントを返していた。

(2)2023年度看護補助員充実加算の算定に向けての準備をする。
①「看護補助者の活用推進のための看護管理者研修」の準備をする。
2023年5月27日に看護師長を対象に栃木県看護協会と地域振興財団主催の研修を開催予定であり準備を進めた。
②「看護補助者の活用推進のための看護職員研修」の準備をする。
看護師長が部署のスタッフ対象の研修を行う資料を3月中に完成させ、4月中にはtotaraに掲載し、各看護師長が5月中に資料を使用できるように準備している。
③看護補助員の日常生活に関わる業務について業務マニュアルを作成する。
日本看護協会出版「2021年度改訂版 看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン及び活用ガイド」を基に【直接ケア・日常生活に関わる業務】について、看護補助員業務マニュアルを作成し配付した。部署での指導・実践に役立ててもらう。
④「看護補助者の活用推進のための看護補助者研修」の準備をする。
年1回研修会を開催する。来年度は看護補助員と病棟クラーク研修は別に企画する。

(3)今後の課題
2023年7月からの看護補助体制充実加算算定を目標に、各部署での「看護補助員の活用促進のための看護職員研修」を6月中に終了できるように支援する。また、作成した「看護補助員業務マニュアル」の実践と見直し、看護補助員の離職防止の取り組みを行い、安全に看護師のタスクシフト・タスクシェアを勧めていく。

7.専門看護師の活動

 専門看護師は、「複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた専門看護師を社会に送り出すことにより、保健医療福祉の発展に貢献し併せて看護学の向上をはかること」を目的とした日本看護協会が定める制度である。当院の専門看護師の分野別人数を表6に示す。専門看護師の役割は「実践」・「相談」・「調整」・「教育」・「研究」・「倫理調整」の6つであり、2022年度の各分野における活動は以下の通りである。

表6 専門看護師の分野と人数(2023年4月1日現在)

専門看護師の分野 人数
がん看護 5名
急性・重症患者看護 6名
小児看護 4名
母性看護 1名
合計 16名

1)がん看護専門看護師

(1)院内活動

  1. 外来治療センター内でがん化学療法看護認定看護師とともに看護師外来を運営
  2. 多職種カンファレンス参加
    • 外来治療センターカンファレンス 毎日
    • Cancer Board Conference 月1回
    • 緩和ケアチームカンファレンス 週1回
    • 泌尿器科ケースカンファレンス週1回
  3. がん相談支援センター兼務
  4. がん看護外来の運営
  5. がん放射線療法看護認定看護師とともにリンパ浮腫看護外来(下肢)の運営
  6. 薬物療法部会構成員、薬物療法部会参加 年間2回
  7. がんゲノム医療部構成員 がんゲノム医療部会参加 年間4回
  8. 新人看護職員臨床研修 看護基礎技術研修 講師
  9. ラダーⅣトライ研修 看護展開研修【4】アドバイザー 1件
  10. がん患者指導管理料イ算定 411件
  11. がん患者指導管理料ロ算定 191件
  12. リンパ浮腫複合的治療料(重症の場合)33件、リンパ浮腫複合的治療料(重症以外)6件
  13. 緩和ケアチーム専従看護師 緩和ケア診療加算522件、外来緩和ケア管理料41件
  14. 緩和ケアリンクナース運営
  15. 緩和ケアリンクナース部署別勉強会 2件

(2)院外活動

  1. 栃木県立衛生福祉大学校非常勤講師「終末期看護方法論」講義、「病いと共に生きる看護」講義
  2. 看護師特定行為研修センター研修指導補助者
  3. 自治医科大学看護学部「がん看護学」講義
  4. 下野市医療介護連携事業に基づく社会福祉部会への協力(エンディングノート作成内容検討)
  5. 栃木県看護協会一般研修「がん看護における緩和ケア」講義
  6. 栃木県緩和ケア研修会 ファシリテーター
  7. 第12回関越がんサポーティブケア研究会座長
  8. 第35回日本サイコオンコロジー学会講師
  9. 第3回日本リサーチナースフォーラム講師
  10. Colorectal Cancer Web Seminar~実臨床から学びを深める~講師
  11. 第10回ELNEC-J inとちぎコアカリキュラム看護師教育カリキュラム講義 講師
  12. 栃木県看護協会Ⅰ・Ⅱ領域研修「地域包括ケアシステムにおける看護師の活動」講師

(3)実習受け入れ

  1. 国立がん研究センター中央病院 がん放射線療法看護認定看護師教育課程実習における退院支援部門の見学(令和4年11月16日)
  2. 自治医科大学大学院看護学研究科「がん看護専門看護実習Ⅱ」「上級実践がん看護実習」
  3. 岩手医科大学附属病院高度看護研修センター 緩和ケア認定看護師教育課程 緩和ケア病棟実習

(4)学会参加

  1. 第37回日本がん看護学会
  2. 第9回日本CNS看護学会
  3. 第27回日本緩和医療学会学術大会
  4. 第4回日本緩和医療学会関西支部学術大会
  5. 第27回日本在宅ケア学会学術集会
  6. 第60回日本癌治療学会学術集会

(5)研究活動

  1. 山本真由美,小原泉,藤原紀子,他:がん臨床試験における患者の意思決定支援のための学習プログラムの有用性―受講者の意思決定支援の実践状況から―,第20回日本臨床腫瘍学会学術集会,2023.(示説発表)
  2. 皆川麗沙,櫻木雅子,小嶋理恵子,他:多職種・地域連携で支えた高齢乳癌患者の一例,第30回日本乳癌学会学術総会,2023.(示説発表)
  3. 三柴絵美,皆川麗沙:広汎子宮全摘術後の排尿訓練新基準の有用性の検証,第22回栃木県看護学会学術集会,2023.(口演発表)
  4. 飯塚由美子,廣瀬由美,福田順子:「がん看護外来」の開設の取り組み,第37回日本がん看護学会学術集会,2023.(口演発表)
  5. 松本浩美,飯塚由美子:レスキュー薬に抵抗を示す外来通院する婦人科がん患者への疼痛緩和支援,第37回日本がん看護学会学術集会,2023.(口演発表)
  6. 高山美佳,飯塚由美子:HIVと診断された若年成人女性の家族への告知の思い,第36回日本エイズ学会学術集会,2022.(示説発表)

(6)執筆

  1. 山本真由美:入院時から外来通院をみすえた指導ポイントがわかる!お薬ちゃんと飲めている?困っていない?がん患者の服薬アドヒアランス向上↑大作戦,Part4服薬アドヒアランス向上を目指す!注目取り組み2施設 自治医科大学付属病院~看護師の視点~薬剤師外来・看護師外来が協働して患者とかかわる,YORi-SOUがんナーシング13(1),p.44-45,2023.

2)急性・重症患者看護専門看護師

(1)院内活動

  1. 看護職キャリア支援センターメンバー(プログラム部門)
  2. ラダー研修:看護展開Ⅱ研修「フィジカルアセスメント2」企画運営
  3. 看護基礎技術研修:「救命救急」の企画運営
  4. 新入職医師に対するBLSプロバイダーコース開催6回
  5. 医療機器安全管理部会メンバー
  6. 院内急変時ワーキンググループメンバー
  7. 一般病棟看護師対象勉強会11件
  8. 急性疼痛管理チームメンバー術後疼痛管理チーム加算取得 3902件、390,200円(2022年4月~2023年1月)
  9. ラダーⅣトライ研修 看護展開研修【4】アドバイザー

(2)院外活動

  1. メディカル情報サービス 看護師教育セミナー「院内急変時の初期対応」講師
  2. 自治医科大学大学院看護学研究科 「フィジカルアセスメント特論」講師
  3. 自治医科大学看護学部 「チーム医療論」講師
  4. 自治医科大学看護学部 「災害学」講師
  5. 日本集中治療医学会関東甲信越支部運営委員会 委員
  6. 日本集中治療医学会集中治療看護委員会 副委員長
  7. 日本集中治療医学会学術集会あり方検討委員会 委員
  8. 日本クリティカルケア看護学会 理事および評議員、査読員
  9. 日本クリティカルケア看護学会利益相反委員会 委員
  10. 日本呼吸療法医学会 理事および評議員、査読員
  11. 日本手術医学会 教育委員
  12. 日本手術医学会 評議員
  13. 日本麻酔科学会 周術期管理チーム試験問題WGメンバー 
  14. 日本小児麻酔学会 評議員
  15. 日本手術看護学会 指名理事、査読員
  16. 日本手術看護学会 認定看護師委員会 関東甲信越地区代表
  17. 北関東手術看護研究会 代表
  18. とちぎ手術看護情報交換会役員
  19. 日本術後痛学会 評議員
  20. 日本臨床救急医学会 評議員
  21. 日本救急看護学会倫理委員会 委員
  22. 日本救急看護学会 評議員および査読員
  23. 日本救急医学会関東地方会 評議員
  24. 北関東救急看護研究会 副会長
  25. AHA BLSファカルティ
  26. PTEC地域世話人
  27. 第18回日本クリティカルケア看護学会学術集会座長(教育講演、一般演題)
  28. 第18回日本クリティカルケア看護学会学術集会パネリスト
  29. 第18回日本クリティカルケア看護学会学術集会実行委員
  30. 第6回日本集中治療医学会関東甲信越支部学術集会座長(一般演題)
  31. 第50回日本集中治療医学会学術集会パネリスト
  32. 第44回日本呼吸療法医学会学術集会座長(教育講演)
  33. 日本看護学会学術集会抄録選考委員
  34. 栃木県看護協会研修会 クリティカルな状況における患者家族の意思決定支援 講師
  35. 日本小児麻酔学会第28回大会座長(一般演題)
  36. 第36回日本手術看護学会年次大会座長(教育講演、実践報告会)
  37. 第53回日本看護学会学術集会座長(一般演題)
  38. 第25回日本臨床救急医学会総会・学術集会シンポジスト

(3)実習受け入れ

なし

(4)学会参加

  1. 第24回日本救急看護学会学術集会
  2. 第25回日本臨床救急医学会総会・学術集会
  3. 第73回日本救急医学会関東地方会学術集会
  4. 第18回日本クリティカルケア看護学会学術集会
  5. 第50回日本集中治療医学会学術集会
  6. 第6回日本集中治療医学会関東甲信越支部学術集会
  7. 第44回日本呼吸療法医学会学術集会
  8. 第53回日本看護学会学術集会
  9. 日本小児麻酔学会第28回大会
  10. 第36回日本手術看護学会年次大会
  11. 第2回日本術後痛学会

(5)研究発表

なし

(6)執筆

  1. 阿久津美代:急性呼吸窮迫症候群に対する看護ケア,アルメディア,vol.26-1,p.7-11,2022.
  2. Kitayama M, Unoki T, Sasaki A, Sakuramoto H,Uemura S, Tsujimoto T, Yamaguchi T, Shiba Y, Hino M, Kuribara T, Fukuda Y, et al:Appetite loss and associated factors at 1year after intensive care unit elder survivors in a secondary analysis of the SMAPHoPe study. Scientific Reports, 13:1079, 2023.

3)小児看護専門看護師

(1)院内活動

  1. 院内の看護師と小児に携わる専門職を対象とした勉強会企画・運営 1件
  2. 小児緩和ケアチームのコアメンバー(カンファレンスは24回/年実施)
  3. ラダーⅣトライ研修 看護展開【4】看護研究アドバイザー 6件

(2)院外活動

  1. とちぎ小児看護研究会 監事・事務局
  2. 第31回日本外来小児科学会年次集会 ワークショップ 企画運営
  3. 栃木県小児慢性特定疾病児童等ビアサポート事業
  4. 栃木県小児保健会 研修会 講師
  5. 栃木県医療的ケア児等コーディネーター養成研修 講師
  6. 第53回日本看護学会学術集会抄録選考委員

(3)実習受け入れ

  1. 順天堂大学大学院博士課程前期 CNS課程 小児看護学実習

(4)学会参加

  1. 第32回日本小児看護学会学術集会
  2. 第69回日本小児保健協会学術集会
  3. 第58回日本小児循環器学会学術集会
  4. 第42回日本看護科学学会学術集会
  5. 第33回日本小児整形外科学会学術集会
  6. 第9回日本CNS学会学術集会
  7. 第31回日本新生児看護学会学術集会
  8. 第47回日本重症心身障害学会学術集会

(5)研究発表

  1. 川上直子,黒田光恵,水野芳子他:小児診療科に通院する重症心身障害者の親の通院及び入院に関する思いと要望.第47回日本重症心身障害学会学術集会,2022.(口演発表)

(6)執筆

なし

4)母性看護専門看護師

(1)院内活動

  1. NCPR Aコース3回・Sコース3回開催
  2. 母性小児領域勉強会 1回開催
  3. 産科母体救急に関する勉強会 2回開催
  4. 産科妊婦への支援に関する勉強会 3回開催
  5. 妊娠期ケア227件、分娩時ケア60件 産褥ケア6件、地域連携1件

(2)院外活動

  1. 栃木県助産師会 勤務助産師部会長
  2. 第47回 栃木県母性衛生学会 査読
  3. 日本母性看護学会 GDMセミナー部会委員
  4. 日本母性看護学会 糖代謝異常妊産褥婦への看護支援セミナーファシリテーター
  5. J-CMELS インストラクター
  6. NCPR インストラクター

(3)実習受け入れ

なし

(4)学会参加

  1. 第9回 日本CNS看護学会
  2. 第78回 日本助産師学会
  3. 第38回 日本糖尿病・妊娠学会年次学術集会
  4. 第47回 栃木県母性衛生学会

(5)研究発表

  1. 山田陽子ら:栃木県助産師会における産後ケアの現状と課題,第47回栃木県母性衛生学会,2022.(口頭発表)

(6)執筆

なし

8.認定看護師の活動

認定看護師は、「特定の看護分野において、熟練した看護技術及び知識を用いて、水準の高い看護実践のできる認定看護師を社会に送りだすことにより、看護現場における看護ケアの広がりと質の向上を図ること」を目的とした日本看護協会による制度である。認定看護師の役割は、「実践」・「指導」・「相談」の3つであり、各分野と人数は表7に示す通りである。

表7 認定看護師の分野と人数(2023年4月1日現在)

認定看護師の分野 人数
緩和ケア 2名
がん性疼痛看護 2名
乳がん看護 1名
がん放射線療法看護 1名
がん化学療法看護 1名
皮膚・排泄ケア 2名
糖尿病看護 2名
透析看護 1名
認知症看護 1名
摂食・嚥下障害看護 1名
集中ケア 3名
救急看護 1名
手術看護 1名
新生児集中ケア 2名
小児救急看護 1名
感染管理 1名
合計 22名

1)緩和ケア認定看護師

(1)院内活動

  1. 部署別勉強会開催 2件

(2)院外活動

  1. 自治医科大学医学部3年生 講師
  2. 栃木県緩和ケア研修会 講師・ファシリテーター

(3)実習受け入れ

なし

(4)学会参加

第27回 日本緩和医療学会学術大会
第3回 認知症の緩和ケア

(5)研究発表

なし

(6)執筆

なし

2)がん性疼痛看護認定看護師

(1)院内活動

  1. 院内勉強会開催  8件
  2. 緩和ケアリンクナース連絡会企画・運営
  3. がん関連病棟の看護師回診(1回/2週)

(2)院外活動

なし

(3)実習受け入れ

  1. 岩手医科大学附属病院高度看護研修センター緩和ケア認定看護師教育課程臨地実習

(4)学会参加

  1. 第26回 日本緩和医療学会学術大会
  2. 第36回 日本がん看護学会学術集会

(5)研究発表

なし

(6)雑誌等の執筆

なし

3)乳がん看護認定看護師

(1)院内活動

  1. 乳がん勉強会開催  5件
  2. 告知時支援 23件
  3. 意思決定支援 290件
  4. 治療継続支援 22件
  5. ボディイメージ変容の支援 18件
  6. リンパ浮腫支援 218件
  7. リハビリ支援 3件
  8. 家族ケア 5件
  9. 在宅療養支援 4件
  10. その他 5件
  11. がん患者指導管理料(イ) 249件
  12. がん患者指導管理料(ロ) 116件
  13. リンパ浮腫複合的治療料(重症) 138件
  14. リンパ浮腫複合的治療料(重症以外) 78件
  15. 相談 12件
  16. 指導 3件

(2)院外活動

なし

(3)実習受け入れ

なし

(4)学会参加

  1. 第30回日本乳癌学会学術総会
  2. 第37回日本がん看護学会学術集会
  3. 第18回日本乳癌学会関東地方会
  4. 第10回日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会総会
  5. 第22回栃木看護学会学術集会

(5)研究発表

なし

(6)執筆

なし

4)がん放射線療法看護認定看護師

(1)院内活動

     
  1. 看護実践(放射線療法オリエンテーション、有害事象ケア、治療継続支援) 648件
      リンパ浮腫看護外来(下肢)担当 219件 
      がん患者指導管理料(イ) 176件 
      リンパ浮腫複合的治療料加算算定(重症195件、重症以外8件)
  2. 有害事象ケアについての相談対応と指導 10件
  3. リンパ浮腫ケアコンサルト 49件
  4. カンファレンス参加(放射線治療計画カンファレンス、放射線科・耳鼻科合同カンファレンス、放射線科・口腔外科合同カンファレンス、口腔外科病棟多職種カンファレンス、キャンサーボードカンファレンス、耳鼻科病棟放射線療法看護カンファレンス)
  5. 放射線療法看護勉強会 9回
    放射線治療見学会 2回

(2)院外活動

  1. 自治医科大学看護学部「チーム医療論」講師
  2. 第40回診療放射線技師研修会 講師
  3. 栃木県緩和ケア研修会 ファシリテーター
  4. 日本がん看護学会 標準がん看護研修 講師

(3)実習受け入れ

  1. 静岡県立静岡がんセンター認定看護師教育課程(がん放射線療法看護)臨地実習

(4)学会参加

  1. 第35回日本放射線腫瘍学会学術大会
  2. 第37回日本がん看護学会学術集会

(5)研究発表

なし

(6)執筆

なし

5)がん化学療法看護認定看護師

(1)院内活動

  1. 化学療法に関する勉強会開催 1件
  2. アピアランスケアに関する勉強会開催 1件
  3. がん患者指導管理料(イ) 155件
  4. がん患者指導管理料(ロ) 64件

(2)院外活動

なし

(3)実習受け入れ

なし

(4)学会参加

  1. 第37回日本がん看護学会学術集会

(5)研究発表

なし

(6)執筆

なし

6)皮膚・排泄ケア認定看護師

(1)院内活動

  1. 褥瘡予防ケア 4,752件
  2. 褥瘡ハイリスク患者ケア加算算定 3,691件
  3. 褥瘡処置 314件
  4. 創傷処置 136件
  5. 瘻孔ケア 20件
  6. 失禁ケア 150件
  7. ストーマケア 973件
  8. ストーマサイトマーキング 141件
  9. 意思決定支援 12件
  10. ストーマ外来受診患者数 827件
  11. コンサルテーション 841件
  12. 院内勉強会開催 8件
  13. 褥瘡対策委員会
  14. 褥瘡対策チーム回診
  15. 褥瘡回診(ハイリスク)
  16. 二分脊椎カンファレンス
  17. ストーマ連絡会
  18. 排尿自立支援チーム回診
  19. 経肛門洗腸療法指導
  20. 新人看護職員臨床研修 看護基礎技術研修「褥瘡予防」企画運営

(2)院外活動

  1. 日本褥瘡学会評議員
  2. 栃木ストーマリハビリテーション講習会実行委員
  3. 栃木ストーマ研究会幹事
  4. 栃木県オストミー協会講習会 講師
  5. コンバテックジャパン株式会社 WEBセミナー講師
  6. 在宅褥瘡セミナー講師
  7. 自治医科大学看護学部老年看護学 講師
  8. 小児排泄管理研究会世話人

(3)実習受け入れ

  1. 看護師特定行為研修生 演習サポート

(4)学会参加

  1. 第24回 日本褥瘡学会(WEB)
  2. 第31回 日本創傷・オストミー・失禁管理学会(WEB)
  3. 第22回 栃木看護学会学術集会(WEB)

(5)研究発表

  1. 田口深雪:ストーマ粘膜皮膚接合部肉芽形成の誘因因子の検討,第40回日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会総会,2023(口頭発表)

(6)執筆

なし

7)糖尿病看護

(1)院内活動

  1. 在宅療養支援(注射・血糖自己測定含む) 1,301件
  2. フットケア実施 31件
  3. 家族ケア 2件
  4. 外来CGM実施(FGM含む) 6件
  5. コンサルテーション 10件
  6. 入院CSII導入指導 2件
  7. 新人看護職臨床研修 看護基礎技術研修 講師

(2)院外活動

  1. 栄養管理研修会 講師
  2. 栃木県立衛生福祉大学校 非常勤講師
  3. 自治医科大学看護学部 非常勤講師
  4. 栃木県看護実践力開発セミナー 座長
  5. 日本メドトロニック株式会社 ケアリンクセミナー 講師
  6. アボットジャパン合同会社 isCGM Web Seminar 講師
  7. ノボノルディスクファーマ株式会社 Diabetes Update Seminar  講師
  8. 三和化学研究所 社内研修会 講師

(3)実習受け入れ

なし

(4)学会参加

  1. 第27回日本糖尿病教育・看護学会

(5)研究活動

なし

(6)執筆

なし

8)透析看護認定看護師

(1)院内活動

  1. 腎臓病教室・とちまめ会運営 保存期45名 腎代替療法選択15名
  2. 医師の依頼を受けた療法選択支援 1件(腎代替療療法選択指導管理)
  3. 他科入院腹膜透析患者支援 4件
  4. 入院患者を対象とした保存期集団指導 26名
  5. 2E病棟新人対象勉強会開催 10回

(2)院外活動

  1. 茨城県結城看護専門学校 「成人看護学援助論Ⅳ(体液調整)」講師
  2. 自治医科大学看護学部 「チーム医療の実際」講師

(3)実習受け入れ

  1. 自治医科大学看護学部 対象の理解実習

(4)学会参加

  1. 第67回日本透析医学会学術集会
  2. 第25回腎不全看護学会学術集会

(5)研究

なし

(6)執筆

なし

9)認知症看護認定看護師

(1)院内活動

  1. 相談対応
    フィジカルアセスメントと症状緩和、せん妄、BPSDの予防と悪化予防ケア、もてる力を生かした日常生活活動支援、療養環境調整・療養先の意思決定支援、退院支援等
  2. 認知症ケア加算2の運用 5,819件
  3. 精神科リエゾンチームに依頼のあった患者の支援:カンファレンス・チームラウンド1回/週 対象患者名75名 196件
  4. 認知症看護勉強会開催 1件
  5. 新人看護職員技術研修「認知症看護」企画・運営・講師

(2)院外活動

  1. 2022年度地域ケアスキルトレーニングコース 高齢者看護3(認知症) 講師
  2. 2022年度難病医療ネットワーク推進事業にかかる研修会
    テーマ:若年性認知症について 講師

(3)実習受け入れ

なし

(4)学会参加

  1. 第46回死の臨床研究会年次大会

(5)研究活動

なし

(6)執筆

なし

10)摂食・嚥下障害看護

(1)院内活動

  1. 嚥下スクリーニング 2件
  2. 口腔ケア関連    7件
  3. 嚥下リハビリ支援  15件
  4. ポジショニング   1件
  5. 精査同席      3件
  6. 意思決定支援    11件
  7. 嚥下チームカンファレンス 10回
  8. 勉強会開催     3件
  9. がん患者指導管理料(イ) 11件取得

(2)院外活動

  1. 栃木県NST研究会パネリスト

(3)実習受け入れ

  1. 群馬パース大学認定看護教育課程臨地実習

(4)学会参加

  1. 第28回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会

(5)研究活動

なし

(6)執筆

なし

11)集中ケア認定看護師・クリティカルケア認定看護師

(1)院内活動

  1. 人工呼吸器関連の勉強会 8件
  2. ドレーン管理についての勉強会 1件
  3. せん妄に関する勉強会 1件
  4. 新人看護職員研修「フィジカルアセスメント 呼吸・循環」企画運営
  5. 看護職クリニカルラダー研修 看護展開研修【1】「フィジカルアセスメント」講師

(2)院外活動

  1. 栃木県看護協会主催 訪問看護師養成講習会 フィジカルアセスメント 講師
  2. 栃木県看護協会主催 クリティカルな状況における患者と家族の意思決定支援 ファシリテータ
  3. 社団法人 集中ケア認定看護師会 監事

(3)実習受け入れ

なし

(4)学会参加

  1. 第50回 日本集中治療医学会学術集会 参加

(5)研究発表

なし

(6)執筆

なし

12)救急看護認定看護師

(1)院内活動

  1. 看護基礎技術研修:「救命救急」の企画運営
  2. 新人医師に対するBLSプロバイダーコース開催 6回
  3. 急変時の対応に関する勉強会の実施 7件
  4. 院内内急変時ワーキンググループメンバー 院内急変事例の検証 160件

(2)院外活動

  1. AHA BLS ファカルティ、JPTEC 地域世話人
  2. メディカル情報サービス主催 看護師教育セミナー「院内急変時の初期対応」講師
  3. 自治医科大学看護学部 「災害学」講師
  4. 日本救急看護学会倫理委員会 委員
  5. 日本救急看護学会 評議員および査読員
  6. 日本臨床救急医学会 評議員
  7. 日本救急医学会関東地方会 評議員
  8. 北関東救急看護研究会 副会長
  9. 第25回日本臨床救急医学会総会・学術集会シンポジスト

(3)実習受け入れ

なし

(4)学会参加

  1. 第24回日本救急看護学会学術集会
  2. 第25回日本臨床救急医学会総会・学術集会
  3. 第18回日本クリティカルケア看護学会学術集会
  4. 第73回日本救急医学会関東地方会学術集会

(5)研究発表

なし

(6)執筆

なし

13)手術看護認定看護師

(1)院内活動

  1. 一般病棟看護師対象勉強会 4件
  2. 急性疼痛管理チームメンバー 術後疼痛管理チーム加算取得 3902件、390,200円(2022年4月~2023年1月)

(2)院外活動

  1. 日本手術医学会 教育委員
  2. 日本手術医学会 評議員
  3. 日本麻酔科学会 周術期管理チーム試験問題WGメンバー
  4. 日本小児麻酔学会 評議員
  5. 日本手術看護学会 指名理事、査読員
  6. 日本手術看護学会 教育統括委員
  7. 日本術後痛学会 評議員
  8. 日本手術看護学会 認定看護師委員、教育統括委員
  9. 北関東手術看護研究会 代表
  10. とちぎ手術看護情報交換会役員
  11. 日本小児麻酔学会第28回大会座長(一般演題)
  12. 第36回日本手術看護学会年次大会座長(教育講演、実践報告会)

(3)実習受け入れ

なし

(4)学会参加

  1. 日本小児麻酔学会第28回大会
  2. 第36回日本手術看護学会年次大会
  3. 第2回日本術後痛学会
  4. 第33回日本手術看護学会関東甲信越地区
  5. 日本麻酔科学会第69回学術集会
  6. 第44回日本手術医学会
  7. 第22回栃木看護学会学術集会

(5)研究発表

なし

(6)執筆

  1. 松沼早苗:認定看護師のキャリアプランから見つめなおす手術室看護師のキャリアデザイン,手術看護エキスパート,vol.16-5, p.65-69, 2023.

14)新生児集中ケア認定看護師

(1)院内活動

  1. 院内の看護師と小児に携わる専門職を対象とした勉強会企画・運営1件
  2. 勉強会開催 5件
    「NICUの看護」
    「新生児の気管挿管介助の流れ 看護のポイント」
    「赤ちゃんのポジショニング」
    「はじめての新生児看護」
    「新生児の哺乳量調整について」
  3. すくすくクラブ講師 2件
    「タッチケア」
    「赤ちゃんのスキンケア」
  4. 早産児のポジショニング支援
  5. 新生児蘇生法(NCPR)Aコースインストラクター 3件
  6. 相談 34件
  7. 指導 39件

(2)院外活動

  1. 新生児蘇生法(NCPR)Aコースインストラクター
  2. マロニエ医療福祉専門学校 小児看護講義

(3)実習受け入れ

なし

(4)学会参加

  1. 第31回日本新生児看護学会学術集会
  2. 第47回母性衛生学会

(5)研究

なし

(6)執筆

  1. 須藤美咲:PIカテーテル,挿管チューブ,末梢ルートetc NICUでのルート・チューブ固定法コツとワザ,栄養カテーテル:胃チューブ,with NEO,35(4),p.78-81, 2022.

15)小児救急看護認定看護師

(1)院内活動

  1. 小児一次救命処置勉強会実施 4件
  2. 家族支援勉強会開催 1件(母性・小児領域専門・認定看護師と共同開催)
  3. 小児一次救命処置に関する相談 2件
  4. 小児呼吸ケアチーム活動:ラウンド36回(延べ患者数126名)、呼吸ケアチーム加算44件
  5. 新人看護職員技術研修「フィジカルアセスメント:呼吸・循環」企画運営

(2)院外活動

  1. 二葉幼児園 小児救急蘇生法研修 講師
  2. マロニエ医療福祉専門学校看護学科 小児看護方法論講師

(3)実習受け入れ

なし

(4)学会参加

  1. 日本小児看護学会第32回学術集会
  2. 第35回日本小児救急医学会学術集会

(5)研究活動

なし

(6)執筆

なし

16)感染管理認定看護師

(1)院内活動

  1. 感染リンクスタッフ勉強会企画運営 4回
  2. 新人看護職員技術研修「感染防止L-1、L-2」企画運営
  3. おおるり分教室勉強会企画運営 「感染対策の基礎知識」
  4. 臨床検査部勉強会企画運営「吐物の処理」
  5. 看護補助員研修 13回
  6. ICUサーベイランス 706件
  7. SSIサーベイランス(下部消化管465件、整形外科232件、心臓血管外科39件)
  8. 加算ラウンド 毎週(本館/新館・子ども)
  9. ICTラウンド 8回
  10. AST活動 (会議:毎月、ラウンド:毎週)
  11. N95呼吸器防護具定量フィットテスト 29件
  12. 内視鏡スコープ監視培養 13件
  13. 感染防止、隔離予防策、教育指導関係 193件
  14. 委託業者カンファレンス(清掃業者、中央材料室) 18回

(2)院外活動

  1. 私大協相互ラウンド(埼玉医科大学病院)
  2. 相互ラウンド(獨協医科大学病院、茨城県西部メディカルセンター、新小山市民病院)
  3. 感染対策向上加算に関わる合同カンファレンス(第1~4回)
  4. TRICK合同カンファレンス(第1~6回)

(3)実習受け入れ

なし

(4)学会参加

  1. 第37回 日本環境感染学会総会・学術集会

(5)研究発表

なし

(6)執筆

なし

12.過去実績