産科[アニュアルレポート]

総合周産期母子医療センター産科部門を兼ねて報告する。

1.スタッフ(平成22年4月1日現在)

科長 (教授) 鈴木 光明
副科長 (教授) 松原 茂樹
外来医長 (教授) 柴原 浩章
病棟医長 (准教授) 泉 章夫
医員 (准教授) 渡辺 尚
(講師) 薄井 里英
桑田 知之
鈴木 達也
病院助教   斎藤 裕
有賀 治子
池田 伴衣
佐藤 友美
シニアレジデント 8名

2.診療科の特徴

平成8(1996)年に総合周産期母子医療センターの指定を受けてから、獨協医大同センターと協力し栃木県の周産期医療の中心的施設として診療にあたっている。平成20(2008)年2月に10床の増床を行い、現在は62床(母体胎児集中治療ベッド12床、一般ベッド50床)で運営している。
さらに、平成20年(2008)年4月からは栃木県周産期連携センターの指定を受け、母体搬送の受け入れ先を確保する業務を行っている。当院で受け入れできなかった母体搬送症例の受け入れ先を責任を持って確保する重要な任務である。
このシステムは全国に誇れるほどの効果を発揮し、獨協医大や地域周産期母子医療センター(済生会宇都宮病院、足利赤十字病院、大田原赤十字病院、芳賀赤十字病院、国際医療福祉大学病院、佐野厚生総合病院、小山市民病院)との相互連携がよく図られた結果、県内の母体搬送依頼のほぼ全例を県内いずれかの施設で収容し母児の安全が確保されている。昨年、県外に搬送された症例はわずかに1例のみであった。
このように当院の産科は3次施設としてのセンター機能を十分に果たすと共に、地域医療施設としての正常妊産婦診療まで幅広く行っている。

施設認定

日本産科婦人科学会専門医制度卒後研修指導施設
日本周産期・新生児医学会専門医制度周産期(母体・胎児)専門医基幹研修施設

専門医

日本産科婦人科学会専門医 鈴木 光明 他30名
日本周産期・新生児医学会周産期(母体・胎児)(暫定)指導医 松原 茂樹
渡辺 尚
桑田 知之
日本周産期・新生児医学会周産期(母体・胎児)専門医 泉 章夫
大口 昭英
日本超音波医学会超音波指導医 桑田 知之
日本超音波医学会超音波専門医 桑田 知之
高橋 佳代
日本麻酔学会標榜医 松原 茂樹
藤原 寛行

3.診療実績・クリニカルインディケーター

1)新来患者数・再来患者数・紹介率

新来患者数再来患者数紹介率
1,003人 16,704人 92.7%

2)入院患者数(病名別)

病名患者数
1.分娩のための入院 651
2.新生児 339
3.切迫早産 144
4.流産、人工妊娠中絶 82
5.妊娠高血圧症候群 73
6.多胎妊娠管理 66
7.前置胎盤、低置胎盤 50
8.他科疾患合併妊娠 46
9.子宮内胎児発育不全 46
10.羊水検査目的 42
11.胎児形態異常 40
12.前期破水 33
13.切迫流産 31
14.胎児機能不全、胎盤機能不全 30
15.産褥異常 24
16.頚管縫縮術目的 17
17.羊水量の異常 16
18.卵巣腫瘍合併妊娠 13
19.子宮筋腫合併妊娠 12
20.妊娠悪阻 11
21.常位胎盤早剥離 8
22.子宮内胎児死亡(22週以降) 5
その他 23
合計 1,802

3)手術症例件数

手術術式別件数

手術術式件数
帝王切開術 512
流産手術* 91
鉗子分娩 1
吸引分娩 46
骨盤位娩出術 0
頚管縫縮術** 31

*自然流産:66、人工流産:25
**マクドナルド手術:26、シロッカー手術:5

帝王切開術の適応件数
1.既往帝切 155
3.前置(低置)胎盤 58
2.多胎 74
6.胎児機能不全 38
4.骨盤位 54
5.妊娠高血圧症候群 45
9.分娩停止 16
7.絨毛羊膜炎 29
10.常位胎盤早期剥離 12
11.児頭骨盤不均衡 4
8.胎盤機能不全、子宮内胎児発育遅延 21
その他* 65
合計 571

*母体合併症と胎児形態異常を含む。

手術合併症件数:0件

4)化学療法症例

なし

5)放射線療法症例

なし

6)その他の治療(免疫療法等)症例

なし

7)悪性腫瘍の疾患別および臨床進行期別治療成績

なし

8)母体死亡症例

0件

9)死産症例(妊娠22週以降)

8件

常位胎盤早期剥離 1件(39週)
双胎一児死亡後分娩 1件(34週)
臍帯過捻転 1件(34週)
原因不明のIUGR 1件(34週)
陣痛発来後分娩中のIUFD 1件(25週)
未妊健飛び込み分娩(来院時IUFD) 1件(41週相当)
原因不明 2件(27週、34週)

10)主な処置・検査

羊水検査:54件

胎児超音波検査スクリーニング

当科にて妊婦健診を受けている妊婦全員に対して、妊娠18.22週、および28.30週の計2回実施している。

9)カンファレンス

(1)診療科内

入院中のすべての患者についての検討会が週1回実施されている。

(2)他科との合同

NICU(新生児科)との合同カンファランスが週1回実施されている。

(3)他職種との合同

毎朝、その日の病棟責任医師、病棟担当医師、助産師により、入院中のすべての患者について1日の方針の確認がなされている。病棟医長が手術、外来などでそれに参加できなかった場合は、病棟責任医師より可及的速やかに病棟医長にその内容が報告される。

4.分娩統計

A.診療

I.母体胎児集中治療管理部

1.入院患者総数

平成21年(2009年)の入院患者総数は1,802人で、この2年間は減少傾向である。

図1.入院患者総数の年次推移

2.入院の適応

過去5年間の入院者の適応を表1(実数)、表2(割合)に示す。
羊水染色体検査は、2009年に54例に施行した。
分娩のための入院は、陣痛発来280例、正期の前期破水116例、分娩誘発目的(妊娠41週を過ぎた症例や合併症妊娠など)77例、選択的帝王切開(骨盤位や既往帝切後妊娠など)178例であった。
その他に含まれるのは、切迫子宮破裂、子宮穿孔、胞状奇胎、骨盤腹膜炎などである。

表1.入院の適応(実数)
順位適応疾患2005年2006年2007年2008年2009年
1 分娩のための入院 517 578 678 681 651
2 新生児 357 445 501 416 339
3 切迫早産 225 167 163 147 144
4 流産、人工妊娠中絶 54 72 91 88 82
5 妊娠高血圧症候群 104 114 77 87 73
6 多胎妊娠管理(TTTSを含む) 54 66 89 78 66
7 前置胎盤、低置胎盤 31 58 93 65 50
8 他科疾患合併妊娠管理 39 51 55 86 46
9 子宮内胎児発育不全 82 66 55 54 46
10 羊水検査目的 23 32 33 63 42
11 胎児形態異常 30 31 26 14 40
12 前期破水 95 90 88 35 33
13 切迫流産 54 43 42 42 31
14 胎児機能不全、胎盤機能不全 27 30 23 21 30
15 産褥異常 34 30 24 23 24
16 頚管縫縮術目的 19 23 28 20 17
17 羊水量の異常 20 20 10 14 16
18 卵巣腫瘍合併妊娠(手術を含む) 4 9 11 9 13
19 子宮筋腫合併妊娠 4 15 9 8 12
20 妊娠悪阻 9 15 11 13 11
21 常位胎盤早期剥離 12 14 7 10 8
22 子宮内胎児死亡(22週以降) 7 13 4 3 5
23 その他(外妊、血液型不適合など) 25 23 34 28 23
  合計 1,826 2,005 2,152 2,005 1,802
表2.入院の適応(%)
順位適応疾患2005年2006年2007年2008年2009年
1 分娩のための入院 28.3 28.8 31.5 34.0 36.1
2 新生児 19.6 22.2 23.3 20.7 18.8
3 切迫早産 12.3 8.3 7.6 7.3 8.0
4 流産、人工妊娠中絶 3.0 3.6 4.2 4.4 4.6
5 妊娠高血圧症候群 5.7 5.7 3.6 4.3 4.1
6 多胎妊娠管理(TTTSを含む) 3.0 3.3 4.1 3.9 3.7
7 前置胎盤、低置胎盤 1.7 2.9 4.3 3.2 2.8
8 他科疾患合併妊娠 2.1 2.5 2.6 4.3 2.6
9 子宮内胎児発育不全 4.5 3.3 2.6 2.7 2.6
10 羊水検査目的 1.3 1.6 1.5 3.1 2.3
11 胎児形態異常 1.6 1.5 1.2 0.7 2.2
12 前期破水 5.2 4.5 4.1 1.7 1.8
13 切迫流産 3.0 2.1 2.0 2.1 1.7
14 胎児機能不全、胎盤機能不全 1.5 1.5 1.1 1.0 1.7
15 産褥異常 1.9 1.5 1.1 1.1 1.3
16 頚管縫縮術目的 1.0 1.1 1.3 1.0 0.9
17 羊水量の異常 1.1 1.0 0.5 0.7 0.9
18 卵巣腫瘍合併妊娠(手術を含む) 0.2 0.4 0.5 0.4 0.7
19 子宮筋腫合併妊娠 0.2 0.7 4.0 0.4 0.7
20 妊娠悪阻 0.5 0.7 0.5 0.6 0.6
21 常位胎盤早期剥離 0.7 0.7 0.3 0.5 0.4
22 子宮内胎児死亡(22週以降) 0.4 0.6 0.2 0.1 0.3
23 その他(外妊、血液型不適合など) 1.4 1.1 1.6 1.4 1.2
  合計 100 100 100 100 100

3.産科部門診療実績(表3)

分娩総数は1,074件であった。
多胎妊娠は83件(多胎率77%)であった。
帝王切開率は47.7%であった。

表3.産科部門診療実績
 2005年2006年2007年2008年2009年
分娩総数 1,004 1,087 1,201 1,126 1,074
単胎 917 996 1,098 1,043 991
双胎 86 90 101 81 83
品胎 1 1 2 2 0
多胎率 8.7% 8.4% 8.6% 7.4% 7.7%
帝王切開術 471 577 606 571 512
帝王切開率 46.9% 53.1% 50.5% 50.7% 47.7%
吸引分娩 46 39 63 52 46
鉗子分娩 0 0 1 0 1
頚管縫縮術 31 37 24 27 31
マクドナルド手術 (24) (29) (18) (21) (26)
シロッカー手術 (7) (8) (6) (6) (5)
流産手術 74 98 102 92 91
自然流産 (49) (61) (57) (52) (66)
人工流産 (25) (37) (45) (40) (25)

4.母体搬送件数(表4)

母体搬送要請は242件であった。
受け入れは152件であり、90件の要請に応じることができなかった。
しかし、センターの責任として受け入れ先を探して紹介するように努力しており、詳細は後述する。

表4.母体搬送
 2005年2006年2007年2008年2009年
母体搬送要請件数 276 296 324 255 242
受け入れ件数 209 186 163 166 152
受け入れ率 76% 63% 50% 65% 63%
お断り件数 67 110 161 89 90
お断り率 24% 37% 50% 35% 37%

5.母体搬送時診断(表5)

切迫早産、産褥異常(癒着胎盤、産褥子癇、弛緩出血など)、前期破水、妊娠高血圧症候群と大きな変化はない。
未妊健妊婦飛び込み分娩の搬送は9件であった。

表5.母体搬送時診断
 2005年2006年2007年2008年2009年
1.切迫早産 61 61 62 59 51
2.産褥異常 23 23 21 14 19
3.前期破水 23 23 16 13 18
4. 妊娠高血圧症候群、HELLP症候群 16 16 9 15 13
5. 胎児機能不全、胎盤機能不全 8 8 7 9 10
6.切迫流産 11 11 5 9 7
7. 前置(低置)胎盤 4 2 3 4 5
8. 常位胎盤早剥離 10 10 9 8 4
9. 卵巣腫瘍合併妊娠 2 0 2 0 3
10. 内科疾患合併妊娠 1 0 1 3 2
11. 胎児形態異常 1 0 3 2 2
12. 子宮内胎児発育不全 5 0 2 3 1
13. 子宮内胎児死亡 4 4 0 0 1
14.妊娠悪阻 0 1 0 0 1
15.急性腹症 2 2 2 4 0
16.分娩異常 7 7 6 0 0
17. 羊水量の異常 1 0 0 0 0
18. 婦人科(外妊含む) 0 0 0 3 0
19.その他 10 18 15 20 15
(内、妊婦健診未受診の飛び込み分娩) (6) (8) (4) (7) (9)
合計 209 186 163 166 152

6.母体搬送時妊娠週数(表6)

妊娠週数の進んだ切迫早産は地域周産期母子医療センターが受け入れているため減少している。

表6.母体搬送時妊娠週数と搬送時診断
 
21週
22

24週
25

27週
28

30週
31

33週
34

36週
37週



1.切迫早産   9 8 19 13 2       51
2.産褥異常               19   19
3.前期破水 1 3 2 3 5 2 2     18
4.妊娠高血圧症候群,HELLP症候群   1 2 2 2 3 3     13
5.胎児機能不全,胎盤機能不全       1   4 5     10
6.切迫流産 7                 7
7.前置(低置)胎盤 1 1     2 1       5
8.常位胎盤早剥離         2 1 1     4
9.卵巣腫瘍合併妊娠 3                 3
10.内科疾患合併妊娠         1 1       2
11.胎児形態異常       1 1         2
12.子宮内胎児発育不全           1       1
13.子宮内胎児死亡           1       1
14.妊娠悪阻 1                 1
15.その他 3     2   1 9     15
合計 16 14 12 28 26 17 20 19 0 152
その他の15症例詳細
~21週 3例 飛び込み流産(3例)
28週 1例 TTTSに対する胎児鏡下胎盤吻合血管凝固術後
29週 1例 切迫子宮破裂
36週 1例 飛び込み分娩
37週~ 9例 飛び込み分娩(8例)、切迫子宮破裂

7.母体搬送お断り(reject)症例の転帰(表7)

お断りせざるを得なかった理由は、産科ベッド満床のためNICUには相談せず22件、NICUベッド満床のため44件、両方とも不可能のため9件であった。残り15例のお断りした症例は、二次施設でも管理可能と判断し、あえて二次施設にお願いしたものであった。当院手術室の麻酔科が手術中で緊急手術不可能であったためにお断りした症例は2009年にはなかった。
お断りした症例の転機を表7にまとめた。2008年4月から獨協医大とともに周産期連携センターに指定されたため、受け入れられなかった症例の搬送先は責任を持って確保することになった。2009年までは県内の一次施設からの症例をすべてコーディネイターしていた。2010年からは地域周産期母子医療センターからの症例も受け入れ先をコーディネイターすることに変更した。県内からの要請の1例は県内すべての施設で受入れられず、県外に搬送した。
県外からの要請は、基本的に要請元の県内施設で対応していただくようにしている。ただし、栃木県内施設で2例を受け入れた。

表7.お断り症例の転機(県内・県外)
 県内からの依頼(a)県外からの依頼合計
依頼総数 220 22 242
受け入れ件数 141(64%) 11(50%) 152(63%)
  2次施設から 21    
1次施設から 120    
Reject件数 79 (36%) 11(50%) 90(37%)
Reject症例の転機      
紹介 獨協医大 27(10+17) 2 29
芳賀日赤 13 (4+9) 0 13
済生会宇都宮 22(2+20) 0 22
足利日赤 1(0+1) 0 1
国際医療福祉大学 10(1+9) 0 10
大田原日赤 0 0 0
NHO栃木 0 0 0
小山市民 2(0+2) 0 2
自施設で分娩 3 0 3
県外へ紹介 1(b) 0 1
依頼元の県で対応 0 4 4
転機確認せず不明 0 5 5

(a)括弧内は(県内2次施設からの依頼+県内1次施設からの依頼)
(b)佐野厚生から前橋赤十字へ

8.近県との連携(表8)

近県との関係では、
栃木県内から県外へ搬送した症例 1例
栃木県外から県内へ受け入れた症例 13例
県内への母体搬送受け入れが多い状況が続いている。
県外からの自治医大への依頼は、茨城県からが多い。

表8.県別母体搬送
 依頼
総数
受け
入れ数
Reject
栃木県内
施設紹介
栃木県外
施設
依頼元で
対応
不明
栃木県 220 141 79 (75) (1) (3) (0)
県外合計 22 11 11 (2) (4) (0) (5)
  茨城県 11 5 6 (1) (3) (0) (2)
埼玉県 3 0 3 (1) (0) (0) (2)
群馬県 4 2 2 (0) (1) (0) (1)
東京都 3 3 0 (0) (0) (0) (0)
長野県 1 1 0 (0) (0) (0) (0)
合計 242 152 90 (77) (5) (3) (5)

9.当院からの母体搬送

当院からの母体搬送は12例であった。過去の逆搬送は、2006年9例、2007年21例、2008年18例である。
その搬送理由は、

  1. 切迫早産のため母体搬送され、搬送元で管理できる妊娠週数ため搬送元病院や自宅近くの病院に搬送した症例:7例(33、33、34、35、35、35、36週)
  2. 緊急手術を要する疾患で母体搬送され、手術後に搬送元に逆搬送した症例:3例(卵巣嚢腫茎捻転手術、双胎帝王切開、子宮内反観血的整復術後)
  3. 入院中分娩が必要になった時にNICUが満床で対応できないために急遽転院していただいた症例:1例(31週の破水陣発を国際医療福祉大学病院に搬送)
  4. 産褥の仙腸関節炎で数ヶ月の長期入院治療が必要となり自宅近くの下都賀総合病院に搬送した症例:1例

搬送先は、

小山市民病院 3例
芳賀赤十字病院 2例
国際医療福祉大学病院 1例
足利赤十字病院 1例
大田原赤十字病院 1例
佐野厚生総合病院 1例
下都賀総合病院 1例
一次診療所 2例

である。

II.分娩部

2009年の総分娩数は1,074件であった(表9)。単胎991例、双胎83例、品胎はなかった。

表9.分娩数(母体数)と帝王切開数

 2005年2006年2007年2008年2009年
単胎 917 996 1,098 1,043 991
  帝王切開数 393 437 512 492 436
帝王切開率 43% 44% 47% 47% 44%
双胎 86 90 101 81 83
  帝王切開数 77 84 92 77 76
帝王切開率 90% 93% 91% 95% 92%
品胎 1 1 2 2 0
  帝王切開数 1 1 2 2 0
帝王切開率 100% 100% 100% 100% 0%
総分娩数 1,004 1,087 1,201 1,126 1,074
  総帝王切開数 471 522 606 571 512
  総帝王切開率 47% 48% 50% 51% 48%
緊急帝王切開数 237 256 262 247 226
緊急帝王切開率 50% 49% 43% 43% 44%

帝王切開の適応(表10)は、主なる適応症1つを選んでいる。カルテ記載から最も重要と判断したものを選んでいる。その他には、筋腫核出術後25例、合併症妊娠23例、出生直後の新生児治療のため16例、子宮筋腫合併7例、本人希望2例が含まれている。これらの項目は増加しているものもあり、来年以降はその他の分類を見直すことも考慮する。なお、骨盤位は子宮内胎児死亡例を除いて全例帝王切開であった。

表10.帝王切開の適応

 2005年2006年2007年2008年2009年
1.既往帝切 130 128 142 155 115
28% 25% 23% 27% 22%
2. 胎児ジストレス 66 84 68 38 65
14% 16% 11% 7% 13%
3.骨盤位 45 39 53 54 49
10% 7% 9% 9% 10%
4. 妊娠高血圧症候群
(HELLP、子癇を含む)
32 37 39 45 49
7% 7% 6% 8% 10%
5.多胎 62 63 75 74 45
13% 12% 12% 13% 9%
6.前置胎盤(低置胎盤を含む) 26 54 80 58 45
6% 10% 13% 10% 9%
7.分娩停止 34 33 28 16 37
7% 6% 5% 3% 7%
8. 絨毛羊膜炎 11 4 14 29 15
2% 1% 2% 5% 3%
9. 胎盤早期剥離 12 12 14 12 8
3% 2% 2% 2% 2%
10. 児頭骨盤不均衡 15 14 14 4 7
3% 3% 2% 1% 1%
11.胎盤機能不全、IUGR 9 4 4 21 4
2% 1% 1% 4% 1%
12.その他(※) 29 50 75 65 73
6% 10% 14% 11% 14%
471 522 606 571 512
100% 100% 100% 100% 100%

(※)母体合併症と胎児形態異常を含む

単胎分娩週数(表11)では、早産が164件(16.5%)であった。妊娠41週以降の分娩は90例(9.1%)であった。また、41週で分娩誘発を行っているため、過期産(妊娠42週以降)は8件(0.8%)と少なかった。

表11.単胎分娩週数分布

出産週数2005年2006年2007年2008年2009年
22 1 2 1 1 2
23 3 2 2 1 0
24 1 2 3 4 4
25 4 2 5 1 3
26 1 6 4 2 3
27 5 1 2 0 7
28 5 5 10 9 7
29 6 7 7 7 9
30 9 9 6 7 5
31 7 8 12 10 6
32 14 10 13 13 14
33 19 15 15 14 15
34 20 33 24 21 20
35 32 35 35 28 26
36 46 51 55 45 43
37 152 166 195 183 175
38 191 203 221 235 222
39 161 170 210 174 169
40 162 179 179 191 171
41 73 88 90 90 82
≧42 5 2 9 7 8
不明 0 0 0 0 0
917 996 1,098 1,043 991

単胎出生体重(表12)では、低出生体重児は206例(20.8%)で、巨大児は8例(0.8%)であった。

表12.単胎出生児体重分布

出生児体重(g)2005年2006年2007年2008年2009年
~499 1 1 1 3 4
500~999 18 21 20 11 16
1,000~1,499 27 26 36 33 30
1,500~1,999 51 38 46 44 44
2,000~2,499 140 131 137 144 112
2,500~2,999 335 391 388 389 360
3,000~3,499 263 296 370 316 330
3,500~3,999 76 82 91 96 87
4,000~ 6 10 9 7 8
917 996 1,098 1,043 991

双胎分娩週数(表13)では、早産率は40/83例(48%)であり、昨年より低下した。妊娠33週未満の分娩が9件(11%)であった。

表13.双胎分娩週数分布

出産週数2005年2006年2007年2008年2009年
22~27 3 4 6 2 0
28 0 1 0 1 2
29 4 2 6 0 1
30 1 2 2 2 1
31 0 5 1 3 3
32 3 3 7 3 2
33 5 4 1 4 2
34 1 7 13 12 5
35 11 8 12 9 10
36 10 12 10 14 14
37 47 40 38 30 42
38 1 2 3 1 1
≧39 0 0 2 0 0
86 90 101 81 83

双胎出生体重(表14)では、低出生体重児は125例(75%)であった。1,500g未満の児は9例(5%)であった。

表14.双胎出生児体重分布

出生児体重(g)2005年2006年2007年2008年2009年
~499 5 3 3 0 0
500~999 8 12 14 6 3
1,000~1,499 11 11 16 14 6
1,500~1,999 30 38 43 40 34
2,000~2,499 71 65 103 67 82
2,500~2,999 45 47 22 35 39
3,000~3,499 2 4 1 0 2
3,500~ 0 0 0 0 0
172 180 202 162 166

2008年の品胎分娩(表15)はなかった。

表15.品胎の分娩週数と出生児体重

西暦分娩週数第1児(g)第2児(g)第3児(g)
2000年 30週 1,232 1,312 1,408
2001年(1) 26週 744 884 974
2001年(2) 33週 1,600 1,694 1,758
2002年 なし
2003年 35週 1,904 2,528 1,862
2004年 34週 1,638 1,260 1,710
2005年 22週 19週流産 520 452
2006年 30週 840 1,332 1,714
2007年 27週 1,158 998 1,168
2007年 33週 1,600 1,528 1,492
2008年 32週 1,728 1,104 1,446
2008年 30週 1,124 1,388 1,206
2009年

2009年は品胎の出生なし

10代出産と高齢出産の分布は(表16-1)の通りで、10代出産は16例(1.5%)、高齢出産は350例(32.6%)で、40歳以上も64例(6.0%)であった(表16-2)。

表16−1.10代出産と高齢出産の分布(括弧内は多胎)

年齢2005年2006年2007年2008年2009年
総分娩数 1,004(87) 1,087(91) 1,201(103) 1,126(83) 1,074(83)
15 2(0) 0(0) 0(0) 0(0) 1(0)
16 4(0) 1(0) 0(0) 2(0) 2(0)
17 2(0) 0(0) 1(0) 1(0) 1(0)
18 3(0) 4(0) 2(0) 5(1) 3(0)
19 8(1) 10(0) 5(0) 4(0) 9(0)
35-39 197(19) 243(13) 301(16) 279(14) 286(28)
40 16(1) 26(2) 25(0) 15(0) 19(1)
41 14(1) 8(0) 15(1) 19(2) 19(0)
42 8(0) 10(0) 13(0) 15(0) 15(0)
43 4(0) 3(0) 5(0) 6(0) 3(1)
44 1(0) 1(0) 5(0) 1(0) 6(0)
45   1(0)   1(0) 1(0)
46   0(0)   1(0) 1(1)
47   0(0)      
48   0(0)      
49   1(0)      
50-          

2007年35-39歳の品胎1例含む

表16−2.年齢別分布(括弧内は多胎)

年齢2005年2006年2007年2008年2009年
総分娩数 1,004(87) 1,087(91) 1,201(103) 1,126(83) 1,074(83)
若年 19(1) 15(0) 8(0) 12(1) 16(0)
(19歳以下) 0 1.4% 0.7% 1.1% 1.5%
35-39歳 197(19) 243(13) 301(16) 279(14) 286(28)
  19.6% 22.4% 25.1% 24.8% 26.6%
40歳以上 43(2) 50(2) 63(1) 58(2) 64(3)
  4.3% 4.6% 5.3% 5.2% 6.0%
高齢 240(21) 293(15) 364(17) 337(16) 350(31)
(35歳以上) 23.9%
(24.1%)
27.1%
(16.5%)
30.3%
(16.5%)
29.9%
(19.3%)
32.6%
(37.3%)

母体死亡はなかった(表17)。死産は8例であった(表17)。早剥は39週であった。不明の4例は、未妊健で飛び込み分娩した入院時点でIUFD、25週早産陣発で来院し分娩進行中にIUFD、双角子宮ではあったがそれ以外に要因がないIUFD、全く不明の34週IUFDであった。

表17.母体死亡数・死産数(22週以降)

 2005年2006年2007年2008年2009年
母体死亡数 0 1 0 0 0
死産数(22週以降) 6 15 12 7 8
死産の原因          
原因不明のIUGR       3 1
常位胎盤早期剥離   5 3 2 1
部分胞状奇胎合併、IUGR       1  
ITPとGDM合併       1  
双胎一児死亡 3 3 2   1
13,18,21トリソミー 1 1 1    
胎児水腫(原因不明)     1    
前期破水後     1    
子宮筋腫合併     1    
臍帯過捻転   2     1
パルボウイルスB19感染疑い   1      
抗リン脂質抗体症候群合併 1        
陣痛発来後分娩中IUFD         1
未妊健飛び込み分娩(来院時IUFD)         1
不明 1 3 3   2

5.事業計画・来年の目標等

  1. 分娩制限は行わない。その上で、母体搬送の受入率を上げるように努める。
  2. 医師全員の超音波検査技術の向上をはかり、胎児診断の精度を向上させる。
  3. 平成21年10月に開始した「助産師外来」(これまでもローリスク外来と称して医師のバックアップの下に助産師が主となった外来を行っていた)をさらに充実させる。
  4. 産婦のニーズに応え、助産師の独自性を高めるため、「院内助産院」(バースセンター)の開設に向けた準備を進める。

6.過去実績

2008年アニュアルレポート.pdf

自治医科大学附属病院

〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1

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0285-44-2111(代)

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