輸血・細胞移植部[アニュアルレポート]

1.スタッフ(平成29年4月1日現在)

部長 (教授) 室井 一男
医員 (助教) 山本千裕(兼)

2.輸血・細胞移植部の特徴

当部は、輸血業務と細胞移植業務の2つの業務を行っていることが大きな特徴である。輸血業務に関しては、日本輸血・細胞治療学会の認定医師1人と認定検査技師7人を擁し、専門性の高い輸血検査と適正な輸血療法の推進を行っている。輸血業務は24時間体制で行っており、時間外の輸血依頼に対して迅速かつ的確な対応をとっている。平成18年度よりアルブミンの使用に係る情報(在庫管理、診療科別使用状況など)を把握し、アルブミンの適正使用の指導を行っている。

自己血貯血と末梢血幹細胞採取は、輸血検査室に隣接した自己血ルームで行うため、輸血検査室との動線が短く機動的である。自己血採血に係る業務もオーダリングシステムを取り入れている。自己血採血室には看護師2人が勤務し、自己血採血に係る業務全般と末梢血幹細胞移植に携わっている。輸血検査室に隣接して臨床用細胞プロセシング室と実験室がある。臨床用細胞プロセシング室で、B細胞性リンパ腫患者への遺伝子治療に用いる細胞への遺伝子導入が行われている。実験室では、液体窒素タンクで臍帯血移植に用いる臍帯血を保存し、−130℃の冷凍庫で末梢血幹細胞を保存している。

施設認定

日本輸血・細胞治療学会認定施設

認定医

日本輸血・細胞治療学会認定医 室井 一男

認定技師

日本輸血・細胞治療学会認定技師 岸野 光司、他6名

3.業務内容と実績

輸血業務では、血液型判定(16,647件)、不規則抗体検査、交差適合試験(20,605単位)、抗血小板抗体検査、血液製剤への放射線照射等の一般輸血検査、診療科別の使用血液製剤の把握、廃棄血の把握、在庫管理などを行った。輸血副作用の収集を行い必要な対策を講じた。腎移植と肝移植の患者のDNAタイピングを含むHLA検査、造血幹細胞移植では患者と家族のHLA検査行った(計271件)。その他、リンパ球クロスマッチ、AおよびB型糖転移酵素活性の測定、抗Aおよび抗B抗体価の測定を行った。病院全体での1年間の輸血用血液製剤とアルブミンの使用量は、赤血球濃厚液15,840単位、新鮮凍結血漿9,849単位(うち血漿交換で使用量2,016単位)、血小板濃厚液42,446単位、アルブミン100,211gであった。自己血貯血では、自己血貯血のガイドラインに従い、174人(411件、赤血球599単位)の自己血貯血を行った。輸血管理料Iに係る比を計算すると、新鮮凍結血漿/赤血球製剤は0.544、アルブミン/赤血球製剤は2.04であった。輸血副作用を収集したが、1年間に267件の輸血副作用が報告された。その63.7%が血小板濃厚液によるもので、大部分は蕁麻疹等の軽度のアレルギー反応であった。

細胞移植業務では、手術室で同胞ドナーと骨髄バンクドナーから骨髄血を採取(15人)し、自己血採血室の血液成分採血装置を用いて末梢血幹細胞移植ドナーと患者自身から末梢血幹細胞を採取(39人、52件)した。移植用臍帯血(8件)を保管した。フローサイトメトリを用いた造血器腫瘍の診断と残存腫瘍細胞の検出を行った(1,238件)。造血前駆細胞の測定(CD34陽性細胞数、CFU-GM数)を行った。

4.研究業績

A)原著論文及びその他の論文

  1. 小幡 隆,秋山 友子,進藤 聖子,大槻 郁子,小林美佳,小野崎 文子,中木 陽子,菅野 直子,岸野 光司:当院における輸血副作用報告の解析.自治医科大学臨床検査技師年報39号:48-51, 2016.
  2. 大槻 郁子,坂巻 佳織,秋山 友子,進藤 聖子,小林 美佳,小幡 隆,小野崎 文子,中木 陽子,菅野 直子,岸野 光司:頻回貯血を実施した小児自己血貯血の1例.自治医科大学臨床検査技師年報39号:52-54, 2016.
  3. 菅野 直子,田村 光子,中木 陽子,坂巻 佳織,秋山 友子,進藤 聖子,小林 美佳,大槻 郁子,小野崎 文子,小幡 隆,岸野 光司,室井 一男:当院における輸血前後感染検査の取組みと実施率.自治医科大学臨床検査技師年報38号:21-28, 2016.
  4. 岸野 光司:抗体解離試験,監修 日本臨床衛生検査技師会,JUMT技術教本シリーズ 輸血・移植検査技術教本,丸善出版, 東京, 80-91, 2016.
  5. 菅野 直子:直接グロブリン試験,監修 日本臨床衛生検査技師会,JUMT技術教本シリーズ 輸血・移植検査技術教本,丸善出版,東京,53-56, 2016.
  6. 岸野 光司, 室井 一男:末梢血幹細胞,編集 細胞治療認定管理師制度審議会カリキュラム委員会,細胞治療認定管理師制度指定カリキュラム,日本輸血・細胞治療学会,東京, 108-112, 2016.

B)学会発表

  1. 進藤 聖子,秋山 友子,大槻 郁子,尾島 佐恵子,小林 美佳,小幡 隆,小野崎 文子,中木 陽子,菅野 直子,岸野 光司,岡塚 貴世志,室井 一男:低頻度抗原に対する不規則抗体が検出された妊婦の2例.日本輸血細胞治療学会誌62巻2号:368, 2016.
  2. 小林 美佳,秋山 友子,大槻 郁子,進藤 聖子,尾島 佐恵子,小幡 隆,小野崎 文子,中木 陽子,菅野 直子,岸野 光司,岡塚 貴世志,室井 一男:ABO主不適合肝・腎移植における抗A抗B抗体価の推移.日本輸血細胞治療学会誌62巻2号:282,2016.

5.2017年の目標・事業計画等

病院システム更新時に院内のアルブミン製剤を薬剤部より当部に移管し、2017年1月1日より当部においてアルブミン製剤の一元管理を開始した。今後、アルブミン製剤の適正使用を指導し、輸血管理料Iの輸血適正使用加算の取得を目指したい。

来年度、血液製剤の使用指針が全面改訂される。輸血用血液製剤とアルブミン製剤の使用基準が大幅に変わるため、各診療科に通知し指導するとともに、JUMPの適正使用指針画面を修正する。

今年より臨床検査部と共にISO15189の認定取得のための作業に着手した。これを機会に、さらなる安全で適正な輸血検査に務める。

臨床検査技師の日本臨床衛生検査技師会、日本輸血・細胞治療学会、日本輸血・細胞治療学会関東甲信越支部例会等の研修会や学会への積極的な参加を促し、自身の輸血・移植領域の専門性を向上させる。

6.過去実績

2015年アニュアルレポート

2014年アニュアルレポート

2013年アニュアルレポート

2012年アニュアルレポート

2011年アニュアルレポート

2010年アニュアルレポート

2009年アニュアルレポート

2008年アニュアルレポート

自治医科大学附属病院

〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1

地図

お問合わせ電話番号

0285-44-2111(代)

ページトップへ